新たな世紀王になってしまった俺が神喰いの世界を駆ける   作:カオスロイドR

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17話

【ライダーside】

 

コウタの家庭環境とゴッドイーターに志願した理由を知り感傷に浸りながらユウカとエントランスに足を運ぶとなにやらいつもより騒がしい。

 

なんだろ?いつもの仲間内でワイワイ騒いでいるというより言い争っているような感じだけど。

 

ソファーの方に人だかりがある。

 

騒ぎの中心はあそこか。

 

「すみません通ります」

 

「ちょっと失礼します」

 

人だかりをかき分けながらユウカと向かっていく。

 

そこには…。

 

「何考えてんだ馬鹿野郎!」

 

「私は間違ったことはしてません!なによりもアラガミを撃退することが最優先にして被害が広まらないようにしたまでです」

 

「だからってまだ避難が終わっていない中で戦闘始める奴があるか!」

 

普段温厚なタツミさんが激怒してアリサと言い争いをしていたのである。

 

確か今日はアリサは第二部隊に同行したと聞いていたけど。

 

「一体なにがあったんですか?」

 

「ああ、それは…」

 

「おおライダー、それにユウカも!お前達も来たのか!ちょうどいいお前らからもこの分からず屋に言ってやってくれ」

 

近くにいた神機使いに言い争いの原因を訪ねようとしたらタツミさんが俺に気づいて僕を呼ぶ。

 

やっぱりこの姿と身長なら人ごみの中でも結構目立つんだな。

 

なにしろ変身したら身長がいきなり伸びていて、フェンリルに入隊した時に身体検査で詳しく測ってみたら身長が198,7㎝と体重が87㎏だったから。

 

これもライダーになった影響なんだろうか。

 

僕の身長は極東支部の中でも高身長のリンドウさんやシックザール支部長より高いからそりゃすぐに気づくよね。

 

それで騒ぎの原因を聴くとタツミさんが怒る理由に納得した。

 

なんでも外部居住区の装甲壁を破壊したアラガミが居住区に侵入してしまう事態が発生。

 

すぐに防衛班の第二部隊に出撃要請が入り、そばにいたアリサが同行を志願すると隊長のタツミさんがこれを承諾。

 

現場に到着したらコンゴウと戦った時のようにまず住民の安全を最優先にすべく威嚇射撃しながらアラガミを引き離す作戦を立てる。

 

しかしアリサが住民の避難が完了する前にアラガミに対して砲撃をしてしまう。

 

それが文字通り引き金となり住民の目の前で戦闘が開始され、現場が逃げ惑う住民で大混乱になり戦闘と避難誘導を同時にしなければならない状況になってしまった。

 

負傷者が何人かでてしまったが第二部隊の迅速な対応のおかげで転けた時の打撲や擦り傷で大した傷ではないらしい。

 

そして今、アリサの軽率な行動に対して市民の安全第一に考えているタツミさんが説教している最中だそうだ。

 

アラガミが住民に危害を加えようとしてやむを得ず発砲してしまったならともかくそうじゃないなら、これはどう考えてもアリサに非がある。

 

タツミさんは現場を取り仕切る隊長なんだからアリサは上官の命令に従わなきゃダメだろう…。

 

それにしても居住区に家族がいるコウタがこの場にいなくてよかった。

 

いたらコウタもタツミさん側に加わり余計収集が収拾がつかなくなっていただろうから…。

 

隣にいるユウカもそう思ったのかひきつった顔をしている。

 

「戦場に巻き込まれた人の気持ち考えた事あるのか!あんな所で戦闘が始まったら住民がパニック状態になって余計に収拾つかなくなるだろうが!戦術に関して頭が回るなら町の外でやってる掃討戦とは作戦の自由度が違うってことを理解して巻き込まれた人達の事も考えてやれよ!」

 

「被害を気にするならまず広がる前にアラガミを撃退すればいいだけです、なのに戦術より人の気持ちですか?そんな事でアラガミが撃退できるとでも?話になりませんね」

 

「なんだと!もういっぺん言ってみろ!?」

 

「落ち着けタツミ」

 

「タツミさん、暴力はダメです」

 

掴みかかろうとするタツミさんを必死に抑えるブレンダンさんとカノンさん。

 

ただ隠そうしているが表情をよく見ればブレンダンさんとカノンさんもアリサの言葉に怒っている。

 

自分達の仕事を否定されたんだ。

 

怒って当然だろう。

 

ただアリサの言いたいことも分かる。

 

確かに彼女の言う通り被害が拡大する前にアラガミを撃退した方が早いだろう。

 

けどタツミさんの言うようにパニックになってしまったら避難が遅れてそれだけ犠牲者が出てしまう。

 

そうなってしまったら防衛班はその存在意義を失うことになる。

 

住民を護りそしてアラガミも狩る。

 

口では簡単に言えるんだけどそう都合よくうまくいかない。

 

アリサとタツミさんの言い争いはさらにヒートアップする。

 

このままだとマズい。

 

「二人共、もうやめてください」

 

間に割って入り二人の仲裁をする。

 

こんな時は大きなこの体は便利だな。

 

「ライダー?」

 

「なんですか?いきなり関係ないのに入ってこないでください」

 

「確かにアリサの言ってることは正しい、アラガミを狩る事に関してゴッドイーターとしてなにも間違っていない。迅速にアラガミを倒せばそれだけ居住区の人達は安心する。それは認めるよ」

 

「お、お前までそんな事を言うのか!」

 

「おや見直しましたよ、あなたもなかなか分かっているじゃないですか」

 

「けど一つだけ大事な事を見落としているよ」

 

アリサの方を向いて目線に合わせて屈んで目をじっと見る。

 

「な、何ですか?」

 

傷つくからそんなに怯えないでよ。

 

「それと同時に第8ハイブに住んでいる人達の安全を護る事も大切なんだ」

 

「な、なぜです!?アラガミを駆逐する以上の優先すべき戦術なんか存在しません!」

 

怯えながらも負けじと睨み返してきた。

 

「部隊にはそれぞれ役割が存在するんだ第一部隊が外で人類の脅威となる凶暴なアラガミの討伐なら第二部隊は戦う力のない人達をアラガミの脅威から護るのが仕事だ」

 

外でアラガミを狩る第一部隊と内で住民を守護する第二部隊。

 

その二つが存在するからこそ極東支部はアラガミと戦える。

 

「タツミさん達第二部隊には人々をアラガミから護るという信念がある、その信念を貶す行為を僕は許さない」

 

「気持ちの次は信念ですか?あなたまでそんな甘い幻想を!」

 

「居住区にいる住民の中にはアナグラで働いている人もいる。その人たちがいるから極東支部や僕達はこうして活動できている、アナグラが機能しているのも君がこれまでここで食した食べ物もその一つだ」

 

「そ、それは…」

 

ツバキ教官からアナグラの内情を聞かされていたアリサが視線を逸らす。

 

第8ハイブの住民の中には自ら職員として志願しアナグラで働いている人達が何人も存在する。

 

外で集めた素材や薬、バレット()を売ってくれるよろず屋のおじさんやいつもアナグラを清潔に保ってくれる清掃員のおばさんもその内の一人だ。

 

最初、おじさんとおばさんは僕の姿と力に警戒して怖がっていたけど時間が空いてる時に二人の雑用の手伝いをしていく事で徐々に警戒心を解いていき世間話をしてくれるようになりここで働いている理由を話してくれた。

 

よろず屋のおじさんはかつては国を護る軍人でゴッドイーターに志願したが神機との適合率がなかった為にその願いは叶えられなかった。

 

だから少しでもゴッドイーターの力になれればと危険を承知で外に出てアラガミ同士の戦いで負けた死体から素材を削り取ったり、廃墟となった病院から薬を回収したりリッカさんの指導と軍人だった知識を使って神機用の弾丸を製造してアナグラの許可を得てよろず屋を開き生活費を稼いでいる。

 

素材や薬を回収しているとアラガミに見つかってしまい何度も死にそうになりながらも命がけで逃げるおじさんをハイエナかハゲタカと言って馬鹿にする心ないゴッドイーターもいるが神機の適性のない俺が家族を居住区に住まわせる為だからと笑っていた。

 

でもおじさんのおかげで素材が集めやすくなりいい武器が造られアラガミが狩りやすくなり回収した薬のおかげで生存率が上がり感謝しているゴッドイーターも数多く存在する。

 

そして清掃員のおばさんも子供がゴッドイーターとして頑張っているから自分もなにかできることはないかと上に掛け合って清掃員として就職したそうだ。

 

そしてアラガミに破壊された防壁を直す際に無償で名乗り出て来て手伝ってくれた人達。

 

そんな人々の善意があってアナグラは稼動している。

 

「忘れるなよアリサ、あの居住区にいる人達は僕達と同じ命がたった一つしかない生きている人間なんだからな」

 

コンゴウとの戦いが終わり駆け寄って来てこの姿を見ても感謝してくれた居住区の人達の笑顔を思い出す。

 

居住区に住んでいる人達は確かにあの場所で懸命に生きているんだ。

 

そんな人達を戦場に巻き込んでないがしろにするような行動を許す訳にはいかない。

 

「くっ!し、失礼します!」

 

アリサは悔しそうにエントランスから出て行った。

 

ちょっと言い過ぎたかな…。

 

けどこれから先、もし彼女が作戦ミスで人を殺めてしまったら傷つくのは彼女の方だ。

 

ここで心を鬼にしてよく言っておかないと。

 

「…確かに戦術理論は重要だしあの歳であれだけ身についているなら頼もしいか…」

 

後ろからタツミさんに声を掛けられる。

 

あ、マズッったな。

 

これは第二部隊の問題だ。

 

部外者の俺が割って入っていい問題じゃなかったか。

 

いくらアリサの態度が許せなかったとはいえなにやっちゃってんだよ俺!?

 

それにすげえ偉そうな事を言ってしまってたし!

 

「す、すみませんタツミさん!?生意気な事を言ってしまいました!」

 

慌てて頭を下げる。

 

「気にすんなよ、俺が言いたかったことは全部ライダーが言ってくれたし新人の嬢ちゃんも分かってくれたらいいんだけな」

 

顔には出ない筈なのに考えを読まれた。

 

「そう…ですね…」

 

アリサ、分かってくれたらいいんだけど。

 

「うう……ライダーさん、私感動しちゃいました、そこまで私達の事を思ってくれていたなんて…」

 

「ライダーお前いい奴だな……あとタツミは感情的にならずライダーをもう少し見習って大人になれ」

 

カノンさんは泣いてるしブレンダンさんはなんかウンウン頷いちゃってるよ。

 

しかもさりげなくタツミさんに文句言ってるし。

 

あ、そういやリンドウさんにアリサのこと頼まれてたんだ。

 

けどこれで完全に嫌われたよな。

 

リンドウさんになんて言おう。

 

「やっぱお前防衛班に向いてるわ、うんうち(第二部隊)に正式に異動してこいよ歓迎するぜ」

 

「い、いやそれは僕の一存では何とも言えません。ツバキ教官や支部長の許可がないと」

 

本部に目を付けられるとマズイからあまり表立って行動しないでくれと釘を刺されてるんだよな。

 

「はっはっはそっか、じゃあな俺たちはこれからツバキ教官に今日の任務の報告をしてくる。異動の件考えておいてくれよ」

 

「タツミではないが俺も歓迎する、いつでも来い」

 

「一緒に戦えることを楽しみにしてますね」

 

「……あとブレンダン、話あるから後でお前の部屋行くから逃げんなよ」

 

「……」

 

そう言って僕の肩をポンと叩いてタツミさんとブレンダンさん、カノンさんがエレベーターの方に向かっていった。

 

騒ぎが終わり野次馬も解散したからこれでどうにか騒ぎは収まったな。

 

さて部屋に帰るかな。

 

そう思ったその時…。

 

「おいおいなんだ?あの新入りの偉そうな態度は?だから俺は口がでかいだけの甘ちゃんは嫌いなんだよ」

 

どうやら新しい問題はむこうからやってきてしまったようだ…。

                                        つづく




BLACKの身長と体重は某コンビニのスピードくじでついてたカードのデータから流用しました。
調べた所リンドウさんは182cm、支部長が189cmだそうです。
BLACK二枚当たったので一枚は定期入れに御守り代わりに入れてるよ。
余談だけど昭和ライダー中でライダーマンだけを外したのは絶対にゆ゙る゙ざん゙!

あとよろず屋のおじさんと清掃員のおばさんのくだりは勝手に作った設定で公式ではありませんので注意してください。
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