新たな世紀王になってしまった俺が神喰いの世界を駆ける   作:カオスロイドR

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注意 今回の話の中で主人公の仮面ライダーBLACKが色々と言われるのでそれに対し嫌悪感を感じるかもしれません。
苦手な方はご注意ください。




18話

【ライダーside】

 

「おいおいなんだ?あの新入りの偉そうな態度は?だから俺は口がでかいだけの甘ちゃんは嫌いなんだよ」

 

声がする方を向くと第三部隊のカレル・シュナイダーさん 、小川シュンさん、ジーナ・ディキンソンさん達がやって来ていた。

 

うわ…厄介な人達が話し掛けてきたな。

 

カレルさんをリーダーにした第三部隊。

 

第一部隊と同じ壁の外でアラガミを狩る部隊だ。

 

詳しい事はそれ以上は知らない。

 

なぜならこの部隊にはあまり近寄りたくなくいい印象がないからだ。

 

正直あまり相手にしたくないんだけど…。

 

「命は一つしかないか、『人間』らしい事を言うじゃないか、え?『化け物』?」

 

特にカレルさんとシュンさん

 

この二人はあまり関わり合いたくないんだよな。

 

僕の仮面ライダーとしての姿と力に対して敵対心むき出しの態度で話しかけてくるからな

 

仕方ないかもしれないけど相変わらず僕を化け物扱いしてくるし

 

自分でも納得しているが人から言われるとさすがにいい気持ちがしない。

 

確かにアナグラにはまだ僕を今だに恐れて怪物扱いしている人もいる。

 

けど怖がっているのか大半は陰口ばかりで面と向かって言うのはこの人ぐらいだ。

 

だからこちらも用がなければ話しかける義理もない。

 

「…そんなことを言うためにワザワザ来たんですか?」

 

不機嫌そうなユウカがいきなりけんか腰で話し掛ける。

 

「なんだと!先輩に対してなんだその口は!?」

 

「待て待てシュン俺たちは話し合いに来たんだ面倒ごとを起こすなよ」

 

ジュンさんが怒るがカレルさんが止める。

 

「話し合いって俺に何の用ですか?」

 

先に挑発してきたのはそっちだろうが。

 

怒鳴り散らしたい感情を抑えながら冷静に話しかけてきた理由を尋ねる。

 

「次の任務にはお前とお前のバイクの力が必要だ。分け前をくれてやるから手伝え」

 

「あなた達そんな頼み方ないでしょ!ライダーをなんだと思ってるのよ!」

 

「そいつはお情けでここに置いてもらっている見た目通り人間じゃない化け物だ、そんな奴をなんで人間扱いしなければならない」

 

「あなたは!」

 

「ユウカやめて、もういいから」

 

「で、でも!」

 

「……いいから僕は大丈夫だから」

 

僕の為に怒ってくれるのは嬉しいけどここで騒ぎを起こしてユウカに迷惑をかける訳にはいかない。

 

なんとかなだめて話を続けさせる。

 

正直化け物呼ばわりされるのは辛くて悲しいが今は我慢しないと…。

 

「それで任務の内容詳しく話してもらえますか?」

 

仕事の話なら聞かない訳にはいかない。

 

「いいだろう最近、搭乗者がいないバイクが暴走しているという噂があってな、そのバイクの捕獲を俺たち第三部隊に命じられた」

 

「しかもこれは緊急任務なんで報酬の割がいいんだよ」

 

カレルさんとジュンさんの説明を聞きながら受けるかどうか考える。

 

無人のバイクが一人で走り出すか。

 

確かに幽霊かバイクを捕食して特性を手に入れたアラガミじゃないかぎり通常じゃありえないよな。

 

「最初はお前のバトルホッパーだったか?…そいつが抜け出して走り回ってるのかと思ったが整備士からアリバイ証言があって違っていた、命拾いしたな」

 

「……バトルホッパーは僕が呼ばないかぎり勝手に動きません」

 

ただ呼ばないかぎり勝手に動かない。

 

これは半分嘘である。

 

かつてムカデ怪人の話で主人公の南光太郎が催眠状態で意識が朦朧もうろうとなり危機に陥った時、バトルホッパーは自らの意思で動き光太郎を助けた。

 

それと同じように僕が危機的状況に陥ってしまったら自分で行動する。

 

ただこの状況でそれを話したら監視が強化されて一緒に戦ってくれる相棒に辛い思いさせるから話す気はない。

 

「なんでそんなにそのバイクにこだわるんですか?いくら報酬がいいからってあなたがそれだけでこんないるかどうかも分からない不確かな情報だけで任務を受けるなんて思えないんですけど?」

 

カレルさんの話を聞いてたら違和感を感じた。

 

報酬がよくても肝心のバイクが見つからなかったら支払われる事はない。

 

そうなればジープの燃料費などの出費だけで赤字になる。

 

それにもしそのバイクが本当にアラガミだったらノルンのデータにはない新種のアラガミという事になる。

 

好奇心旺盛なリンドウさんならともかく能力も特性も弱点も分かっていないアラガミに対して慎重派のカレルさんがなんの策もなく報酬だけで受けるとはどうしても思えないをだよな…。

 

「鋭いな、いいだろ教えてやる。そのバイクを俺たちが捕まえて金持ち連中に売るんだよ、上はアラガミでなければ好きにしろと言われているからな」

 

なるほどね、うまくいけば任務の報酬だけじゃなく現物支給もされて報酬の二重取りができるわけか。

 

報酬とバイクを売った金額が手に入るなら金銭欲の強いカレルさんがこの任務を受ける訳だ。

 

「アラガミを倒してくれるならほっておいても問題ないんじゃ」

 

まあ確かにユウカの言う通りなんだが、この人達の考え方なら、多分……。

 

「馬鹿か、そんな余計な事されたらこっちの商売あがったりで稼げないだろうが」

 

だろうね、そうじゃないかと思った。

 

それにいくらアラガミを退治してくれるからってアナグラとしても任務中に遭遇して危害を受ける危険性があるから放置しておくわけにはいかないって事か。

 

情報元は一人でアラガミ退治していたらフェンリルに捕獲された僕。

 

「お金の為に戦ってるんですか!」

 

「当然だろ、まさかお前平和の為とかそんな青臭い事言うんじゃないだろうな?」

 

「あなたは!」

 

「ユウカ!ダメだ!」

 

カレルさんに平手打ちしようとするユウカを羽交い締めして止める。

 

珍しいな冷静なユウカがこんなに感情的になって激怒するなんて。

 

「なんで止めるのよ!」

 

羽交い締めで動けないユウカが首だけ動かして僕に向かって怒鳴ってくる。

 

「さっきみたいに人命を巻き込むことならさすがに止めるけどアラガミと戦う事情や目的なんて人それぞれだ。僕たちが怒っていい事じゃないよ、それに先に手を出したらどんな理由があろうとこちらが悪者になる」

 

これ以上僕の所為でアラガミとの戦闘でもないのにユウカに迷惑をかけられない。

 

「ほう、よくわかってるじゃないか」

 

「だからそちらもユウカを馬鹿にしたりしないでくださいね」

 

本当ならもっと言ってやりたいがこれぐらいなら言い返しても問題ないだろう。

 

「てめえなんだその言い方!」

 

「やめなさいジュン、ごめんなさいユウカ」

 

ジーナさんがシュンさんの前に手を差し出して止める。

 

そういやジーナさんは二人と違って僕になにも言わないな。

 

何を考えてるのかよく分からないけど話の通じる人だといいが。

 

「じゃあそのミッション、私も行くわ!」

 

ユウカがミッションの同行に志願する。

 

「突然どうしたの?」

 

「あなた達がライダーに危害を加えないか見張る為よ」

 

「てめえ、俺たちが信用できないってのか!」

 

「あなたたちの態度を見たら信用できるわけないでしょ」

 

「これ以上増えると分け前が減るだろうが、隊長権限の命令だ。お前はついてくるな」

 

だがユウカの願いはカレルさんにあっさり却下されてしまった。

 

「くっ…」

 

悔しそうに顔を歪ませるユウカ。

 

僕やアリサのように他部隊のミッションに同行するには任務を遂行する責任者である部隊長の許可が必要で第三部隊の隊長であるカレルさんにそう言われたらユウカは従うしかない。

 

「ごめんねユウカ、心配してくれてありがとう」

 

申し訳なさいっぱいで頭を下げる。

 

「いいのよ、第一部隊のみんなも第二部隊のタツミさん達もあなたの味方だから気を付けてね」

 

「うん、ありがとう」

 

最初僕を受け入れてくれたリンドウさんの第一部隊、そしてこんな異形の姿なのに自分の部隊に誘ってくれたタツミさんの第二部隊。

 

感謝しても仕切れないよ。

 

「仲良しごっこも時間の無駄だからその辺にしておけ、詳しく任務内容を知りたければ受け付けの竹内に聞きな」

 

「……分かりました、先にツバキ教官から出撃許可を貰ってくるので失礼します」

 

いろいろ文句を言いたいけど今は我慢だ。

 

「早くしろよ」

 

ジュンさんの声を背にツバキ教官が仕事をしていると思われる執務室に向かう。

 

神機使いは普通はツバキ教官から許可を貰わなくても出撃できるが普通ではない改造人間の僕がミッションに参加する為にはツバキ教官の許しが必要なのである。

 

ツバキ教官の執務室の前で軽く深呼吸をして心を落ち着かせる。

 

心を落ち着かせずにノックしちゃうと改造人間の影響で強くなった力でドアをこわしそうになるんだよね。

 

深呼吸してドアを軽くノックする。

 

「誰だ?」

 

「ライダーです。ツバキ教官、今お時間よろしいでしょうか?」

 

「ライダーか、入れ」

 

ドアの向こうから返事があって執務室に入ると椅子に座ったツバキ教官が資料をまとめていた。

 

機密事項かもしれないからできるだけ見ないようにしないとな。

 

「何の用だ?」

 

「第三部隊のミッションに参加する為の許可をいただきたく参りました」

 

そう言うと一瞬だけツバキ教官の眉が動いた気がした。

 

「第三部隊とだと?ミッションとは第三部隊が受け持っている暴走バイクの件か?」

 

「はい、暴走バイク捕獲の為にぼ…自分とバトルホッパーの力を貸してほしいと要請が入りましたので」

 

そう言うとツバキ教官が手を組み少し考えるように目を閉じる。

 

数秒ほどすると目を開いて手を離した。

 

「分かった許可する、退室してもいいぞ」

 

「ありがとうございます」

 

頭を下げ礼を言い退室しようとツバキ教官に背を向けると

 

「待て……気をつけろよ」

 

「は、はい?」

 

不意をつくように言われ驚きながらも返事をして執務室から出る。

 

珍しいな、ツバキ教官が気をつけろなんて。

 

今まで一度もそんな事言わなかったのに。

 

それにしても気をつけろか…。

 

そうだな、うわついてないでどんなミッションでも何があるかわからない。

 

気を引き締めて望まないといけない。

 

きっとツバキ教官はこんな俺の心を見抜いて忠告したんだろうな。

 

よし許可を下りたし次は受付に行ってミッションの受注に行くか。

 

エレベータに乗りエントランスで降りると受付でオペレーターの竹内ヒバリさんが対応していた。

 

「ヒバリさん、ミッションの受注をお願いします」

 

「ライダーさんこんにちは、どのミッションに参加しますか?」

 

ヒバリさんが他の人と変わらない優しい笑顔で対応してくれる。

 

僕を怖がらない数少ない中の一人だ。

 

最初は怖がられていたけどミッションに参加できない時に支給された配給品や在庫管理の数量確認を手伝ったりあとは…うん、まあ雑用の休憩中に言い寄ってくるタツミさんに対する愚痴を聞かされたりと……。

 

そういや膨大な配給品を確認してた時にこんなことあったっけ?

 

ミッション中や仕事中で忙しい時にデートや食事に誘ってくるのでどうにかならないと言われてもな……。び

 

「僕もタツミさんの戦えない人達を護ろうとする信念と実力は尊敬できるんですが普段の生活はちょっと無理です」

 

つい本音を言ってしまったらクスっと笑う。

 

「そうですね、普段もう少し真面目だったら私も考えるんですけど……」

 

あらかわいい。

 

「き、聞いてないですよね!」

 

その後、ヒバリさんは自分が何を言ったか気づいたみたいで真っ赤な顔して慌てながら詰め寄って来た。

 

残念僕は難聴系主人公じゃないのでバッチリ聞いてしまいました。

 

でも安心して下さい。

 

さっきの言葉は誰にも言わずに僕の胸にしまっておきます。

 

「え?なんですか?最後の方はよく聞こえませんでした」

 

そう言うと安心したのかホッと息を吐いていた。

 

うん、こんなひどい時代ですけど二人共いつまでも仲良くしてください。

 

世紀王になってしまった僕にはもう手に入らないかけがえのない時間ですから大切にしてくださいね。

 

さて思い出はこの辺で終わらせて現実に戻るか。

 

「ヒバリさん、任務で聞きたい事があるんですが?今いいですか?」

 

「はい、なんですか?」

 

「ミッションの同行要請が入ったので第三部隊が受け持った暴走バイク捕獲命令の内容について聞かせてください。

 

「……大丈夫なんですか?第三部隊の方々はライダーさんの事をその……あまりいい感情を持っていないんじゃ?」

 

言葉を選びながら訪ねてくる。

 

そこには受付の仕事でなく僕を心配する竹内ヒバリ個人がいた。

 

ヒバリさんもしってたか。

 

どうやらアナグラ内で第三部隊での僕の評価は有名らしい。

 

そうか、だからあの時ツバキ教官は僕に気をつけろと。

 

僕の所為で教官まで迷惑かけてしまっていたのか。

 

「僕は大丈夫です、それに受けるか受けないかは内容を聞いてから決めます」

 

「分かりました、これも仕事ですので任務内容を説明させていただきます」

 

仕事モードに切り替わり顔つきが変わり端末を操作し任務内容を呼び出す。

 

彼女もプロなんだなと改めて思った。

 

「最近観察対象のアラガミが次々ロストしていき、つい先日も愚者の空母に現れたコクーンメイデンも消失したと報告がありました、監視班の報告では無人のバイクのような乗り物がコクーンメイデンが跳ね飛ばしていたと報告があったんです」

 

端末を操作し終え、指を止めると顔を上げ説明が始まる。

 

跳ね飛ばしたって随分アグレッシブなバイクだな。

 

「目標はその後監視網を抜けた報告はなく今だに愚者の空母近辺に潜伏してると思われます」

 

愚者の空母とは付近にはかつて神機のない頃アラガミと戦闘し破壊された軍艦や空母の兵器といった残骸が撤去されず今も存在している場所の名称である。

 

まったくアラガミと必死に戦った人達が眠っている場所なのに愚者だなんて誰が名付けたか知らないけどひどい名前を付けるものだ。

 

「あと、捕獲したバイクはその部隊で好きに扱っていいって聞いたんですか?」

 

疑うわけじゃないけど一応これも確認しておくか。

 

「は、はいバイクに至ってはアラガミならば破壊、そうでなければ捕獲した部隊に任せるとなっていま……!」

 

ヒバリさんが端末を操作しながら説明してくれていた表情が驚き強張る。

 

どうしたんだ急に?

 

僕に驚いたというより僕の後ろ見て驚いてるような。

 

「これで信じてくれたか?そこでだ幽霊バイクを捕まえるためにお前のバイクと運転技術がの力が必要だ、俺たちに力を貸せ。さっきも言ったがそれなりの分け前はくれてやる」

 

「!?」

 

背後に出撃準備を終え、神機の入ったアタシュケースを持ったやたら上から目線のカレルさんと第三部隊の面々とその後ろには不服げなユウカが立っていた。

 

そうかさっきのヒバリさんの反応の原因は第三部隊が来たからか。

 

カレルさんの態度に僕を見るヒバリさんも心配そうな顔をしている。

 

今回の件は僕の所為でみんなに心配かけてしまったな。

 

やっぱり改組人間である僕は寂しさに負け組織に所属して誰かと一緒にいるべきではなかったのかもしれないな。

 

今さら言っても後の祭りか。

 

頭を切り替えよう。

 

それにしても無人で走る暴走バイクか…ライダーとして興味があるな。

 

そもそもバトルホッパー以外で無人で走るバイクなんて仮面ライダーのバイクでなければありえない。

 

…いやもう一台ある。

 

BLACKのもう一台のあのバイクなら…。

 

いや、そんなわけないか。

 

あのバイクがこのゴッドイーターの世界にいる筈がない。

 

それにもし幽霊バイクの正体がアラガミなら大変な事になる。

 

よしカレルさんの口車に乗るのは癪だけどこのミッション受けてみるか。

 

「分かりました。行きます」

 

「物分かりがよくて結構。じゃあ今から出撃するからお前は橘の所にあるバイクを持ってきて準備しろ」

 

「分かりました」

 

そうだついでにリッカさんに事情を話して捕獲する時に使えそうな鎖みたいな物がないか聞いてみよう。

 

こうして、ヒバリさんにミッションの受注をしてもらい僕は第三部隊と共に幽霊バイク捕獲に乗り出した。

                                        つづく




誤解がないようにいっておきますがカレルとジュンは性格が捻くれている設定らしいのでこの場面だと多分こう言うんじゃないかと作者が勝手に妄想して書いてるだけで別にアンチ対象という訳ではありません。



次回もよろしくお願いします。
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