新たな世紀王になってしまった俺が神喰いの世界を駆ける 作:カオスロイドR
「ハァハァハァ・・・た、助けて・・・・」
私、エリナ・デア=フォーゲルヴァイデはオウガテイルと呼ばれるアラガミに追われていた。
アラガミ、当然この世界に現れた様々な姿をした異形の怪物。
鉄でも生き物もなんでも捕食して人さえも襲う怪物だ。
そしてそれを狩るのがゴッドイーターと呼ばれる人たち。
でもゴッドイーターじゃない私達はアラガミに太刀打ちできなくあまりのも無力だ。
「行き止まり!?もうだめ・・・」
壁に追い込まれて私がもう逃げられないと理解したのかアラガミはよだれを垂らしながらゆっくりと近づいてくる。
私のお兄ちゃんはゴッドイーターをやっていたけどある日突然いなくなった。
みんなお兄ちゃんは死んだっていってるけどそんなことない!
お兄ちゃんはきっと生きてる。
きっと怪我して動けなくなっているんだ。
早く見つけてあげないと。
私はお兄ちゃんが最後に任務で出かけたという場所を調べて見つからないようにこっそり抜け出して来たけどアラガミに見つかり襲われた。
「助けて・・・お兄ちゃん!!!」
アラガミの牙が私に届こうとした瞬間
横から来たバイクの前輪がアラガミの頭に叩きつけられてアラガミが跳ね飛ばされた。
「君!大丈夫か?」
バイクに乗っていたどうみても人間じゃない黒い人が私に声をかける。
え?ええ?なにこれ目の前に黒い怪物が?もしかしてアラガミ?でも人の言葉を喋っているけど。
「さあ早く!早く逃げて!」
「は、はい」
なにがなんだか分からないけど私は急いで物陰に隠れた。
「オウガテイルが一匹、まだこの近くに生き残りがいたなんて」
なるべく平穏に暮らしたいからこの周辺のアラガミは再生できないようにコアを破壊したり匿名で近くのゴッドイーターがいるフェンリルに送りつけたりして粗方始末したと思ったのに。
群れで行動するオウガテイル一匹なんて群れからはぐれたのが迷い込んできたのか?
どっちでもいい。
降りかかる火の粉なら倒するだけだ。
突進してくるオウガテイル。
俺はバトルホッパーを操りながら突進を躱してすれ違う度に蹴ったり殴ったりする。
本来アラガミを構成するオラクル細胞には普通の攻撃じゃ傷一つ付けられないがこの姿なら攻撃は通り傷をつけることができる。
もしかしてこれもキングストーンの力なのかな。
この半年間オウガテイルの群れやザイゴートの群れに追われながら戦って戦い抜いて今日まで生き残ってきたんだ。
オウガテイル一匹なら俺とバトルホッパーでなんとかなる。
「ライダーチョップ!」
突進や尻尾から放たれる針を掻い潜り攻撃をし続ける
やがて疲れたのかオウガテイルの動きが鈍くなる。
今がチャンスだ。
バトルホッパーを止めて降りると腰に巻いたベルトに両手の握りこぶしを当てると体内のキングストーンが活性化してベルトの中央が輝き出し体に力があふれてくる。
「トアァ!」
両腕を曲げ構えたあとジャンプした。
「ライダーパァァンチ!!」
右手を拳にして突き出した紅い拳がオウガテイルに当たり煙を出しながら転がる。
「ライダーキィィック!!」
さらに再びジャンプして右足を前に出し赤い蹴りがオウガテイルに直撃して転びながらコアごと爆発四散した。
勝った・・・
俺は着地して中腰からゆっくり立ち上がり物陰に隠れている女の子の方を見る。
俺と目があった女の子はビクっと小さな体が反応する。
・・・そうだよね。この姿はアラガミと同じ怪物だ。
「怖かったよね、ごめんすぐ離れるから、このあたりにはもうアラガミはいないけど危ないからすぐ家に帰った方がいいよ」
「・・・・ま、まってよ!」
俺はバトルホッパーに跨り発進しようしたら声をかけられた。
「た、た、助けてくれて・・・あ、あ、ありがとう!」
女の子は足が震えながらもはっきりとお礼の言葉を言ってくれた。
「私はエリナ・デア=フォーゲルヴァイデ、エリナでいいわ」
「僕はBLACK、仮面ライダーBLACKだ」
オウガテイルを倒したあと、倒れているビルの柱に横に並んで座り自己紹介をしていた。
なんだろこの女の子と黒いバッタ男が並んで座るシュールな光景。
「BLACK・・・さん?」
BLACKさんって世紀王の正式名称であるブラックサンを思い出すな。
まあいいいけど。
エリナちゃんは自分の事や家の事を話してくれた。
エリナちゃんは生まれつき体が弱く故郷の欧州の空気が合わず、遠く離れたこの極東に引っ越しをして静養していたそうだ。
そして俺もこれまであったアラガミとの戦いやここに流れ着くまでの旅での出来事など色々な話をした。
さすがに神様に改造人間にされてこの世界に送り込まれた事は言わずある日起きたらこの身体になって家から追い出されたと誤魔化しておいたけど。
「ふう~んアンタも大変だったのね」
打ち解けてくれたのエリナちゃんの言葉遣いがフランクなものになっている。
まあ気にしないからいいけどね。
「あのエリナちゃん、その・・・僕の事怖くないの?」
「う~んそりゃ最初見た時は怖かったけど私を助けてくれたし話してみたら意外と普通で私を食べるって訳でもないし今はそんなに怖くないよ」
「・・・そうかよかった」
そう言ってもらえると嬉しいな。
ここに来るまであまりいいことなかったから
「ところでエリナちゃん、なんでこんな危ない所に一人でいるの?」
そう聞いたらエリナちゃんの表情が曇る。
もしかして俺、聞いてはいけない地雷を踏んだ?
「私、お兄ちゃんを探しに来たんだ」
「うん、エリックは私のお兄ちゃんでゴッドイーターなんだ」
ゴッドイーターなのか、あんまりゴッドイーターにいい思い出ないんだよね。
「エリックは華麗でとってもカッコよくていつも私に優しくしてくれて遊んでくれたし新しい洋服を買ってもらう約束をしてくれたの」
楽しそうに話すエリナちゃん。
本当にお兄ちゃんが好きなんだな。
「・・・・でもエリックが会ってくれない」
さっきまで楽しそうに話していたエリナちゃんが寂しそうにつぶやく。
「・・・みんながエリックが死んだなんて嘘を言うの、お父さんもいつも悲しそうで・・・」
それって・・・。
獰猛なアラガミを相手にするゴッドイーターは危険な職業だ。
いくらアラガミに対抗できる神機をもつゴッドイーターでも命を落とす事がある。
もしかしてエリックも・・・
「・・・・本当は分かってた・・・もうお兄ちゃんは生きていないって」
「エリナちゃん・・・」
エリナちゃんは現実を受け入れようとしていたんだ。
でも受け入れたら大好きなエリックが亡くなった事を認めてしまう事になる。
それが辛くてできなかったんだ。
僕は自分の胸に引き寄せた。
「BLACKさん?」
「泣きたいんでしょ?思いっきり。泣いたらいいよ。ここなら僕以外誰もいなし僕は人に会う事から絶対に喋らないよ」
「で、でも私が泣いたらエリックやお父さんが心配する・・・」
「僕はエリックさんに会った事ないけどエリナちゃんの話を聞いていたらエリックさんも大好きでエリナちゃんが辛そうだったらエリックさんも辛いと思う。だったらここで思いっきり泣いてエリックさんやお父さんにとびっきりの笑顔を見せてあげた方がいいよ」
「エリック・・・エリック・・・わああああ!!」
気の利いた言葉が思い付かなかった僕はエリナちゃんが泣き止むまでぎゅっと抱きしめて頭を撫で続けた。
願わくは少しで早くエリナちゃんが立ち直ってくれる事を神様なんかじゃなくてエリナちゃん自身の心に祈りながら・・・・
つづく
続くかどうかは分からない。