最近沙綾ちゃんにゾッコンしてる気がするのだが…()
やばい…。彩ちゃんに怒られる。
って事でどうぞ!
「へー。そうなんだー。」
「そうなんだよー。面白いから一回見てみてよ!」
微妙に話が噛み合わない。劇的な出会いをしたってゲームでもないし心理を操作出来るわけじゃないぞ。
話し始めたのだって1時間過ぎないかなってほど前の事。そう簡単に話が弾むとまでは行くはずがなかった。
空気が気不味いのは互いに理解しているだろうし何か率先して一言!と出たいが少し前に出た赤の他人の趣味を当てれるエスパーでもないからな。だが苦では無いからこのまま続けても構わない。
「橋本くんって趣味とかあるの?」
「趣味かー。そうだなー」
来ましたよー!この質問!山吹さんがが先に切り込んでくれたのは本当に有難い。人見知りを発揮した故に言葉もタジタジだったし何回も話してないとこの返しは出来ないぞ。
山吹さんはパン屋の看板娘なのだからコミュ力のバケモノに決まっている。昨日訪れた時も年配のおばあさんと話してたしこれはコミュ力おばけだな。
打ち解けてタメ語混じりで話していた事もあり趣味を暴露するのに抵抗はない。
「昨日クラスで話したけど野球が好きかなー。あと音楽関係も好きだったりもします。」
「音楽かー。好きなバンドとか居るの?」
「もしかしたら知らないかもですけどGlitterGreen(グリッターグリーン)ってバンドが好きなんですよ。」
「GlitterGreen!?」
おそらくこの日1の声で返答する。少しボリュームが計算外だった事もあり体が少し仰け反った。
「実は私もバンド活動してるんだー。GlitterGreenの人達は私達のバンドの先輩なんだよー。」
「マジ!?」
驚きのあまりタメ語が出てしまった。でも凄くないか?好きなバンドの知り合いと今こうやって話してるんだぞ?思えば思うほど手足が震えてくる。
「マジだよー。これ見て?」
そう言い山吹さんは携帯のフォルダに入っている画像を提示してきた。
「これは…!?」
そこには山吹さんとGlitterGreenのVOCAL牛込ゆりさんのツーショットがあった。
単に羨ましい。
山吹さんは実は凄い人だったのか。なんでこんなに凄い人なのに俺はタメ語を使ってるんだろうか。敬語使わなきゃ…。
人見知り特有の物凄い固定概念がここでも発動した。
「あ、、、あの…、、山吹さんって凄い人だったんですね…!」
「どうしちゃったの?急に敬語なんて使ってー?私はそんなに偉い人じゃないよー。」
「ただスタジオがたまたま一緒でそこから交友が深まったってだけなんだ。」
軽薄な話し方が一層事が軽いことを思わせるが俺は動じずにそんな訳ないと一貫したい。千冬の勧めで理由でゆりさんを知ったと言うのはあるが情報社会の今時はネットを頼れば名前、趣味、増してはプライベートまで露になる。
と言う興味本位で「Glitter」と打つと"GlitterGreen"が当たり前のように変換に出る。脂がのっている今大注目アイドルなのだ。
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少し過去に遡る。そもそも音楽が好きになったのはアイツの影響が諸なのだがそれと共に音楽が嫌いじゃ無かったというのはすんなり呑み込めた一つだとは思えている。それから勧めでとあるバンドのライブに行ったことがあるのだがこんなに心に刺さるのは初めてだろうかと言うほどに感動し更に高揚感に駆られた。
"もっと見たい"
"もっと知りたい"
"色んなバンドが見たい"
思えば思うほど音楽への想いは加速していった。留まることを知らない俺は夢中で動画を見漁った。あの頃の世代なら主なバンドは熟知していると言っていいだろう。それぐらいハマっていた。いや体の一部になっていた気がする。気付けば教え主よりもハマっていたのは俺だけの秘密にしておきたい。大体察していた気もするが…()
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「思ったんだけど橋本くんはバンドが好きならどうしてバンド活動とかしなかったの?」
「あー…それは…元々この存在を教えてくれた同級生がいるんですけど。その人は見るだけで満足するタイプで自分もそんな感じと言いますか(笑)」
「なるほどー。実際体験してみたら世界は変わって見えるもんね。」
山吹さんの言う通り。中を知らないから楽しめるし好き勝手共感したり出来る。触れてはいけないラインを決めてそれを忠実に守る事が趣味を続ける一つかも。
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趣味がピンズドでと言う事もあり先程の躓いていた空気が嘘のように風が吹き返す。コミュ力が高いしパン屋だしバンドをしているとかこれは趣味一致を越えて何か運命を感じる。これは今まで高嶺の花だと思ってたタイプの人間じゃないか。
目の前にいるのが率直に嘘みたいだ。事実を徴憑させる為に頬をパチパチと2回叩く。
"痛い!"これが夢じゃないだと?!?"
その瞬間何故か少しだけ心のもやもやが開放された。と同時に途轍もない全能感に襲われた。
今なら出来る。
今しかないんだ
怖い。怖いけど
今やらなければ後悔する
「あの!山吹さん!」
「どうしちゃったの~?疾呼して改まって」
「僕と友達になってもらえませんか…?」
「勿論良いよー!これから宜しくねー。蒼太くん」
「友達ならタメ語じゃないとね!山吹さんは堅苦しいし紗綾でいいよー」
「分かりました!ってぇぇぇぇ!?」
余りにも驚き唖然する。驚きのあまり言葉を失いかけていたわ…危ない所だった。すごい展開になってしまったけど勇気を出して言ったことは間違いじゃない事は分かっている。ホッとひと安心し入れていた気合がそっと抜けていく。
落ち着こう。経験が無いもので戸惑ってしまったのがバレバレ。辿々しさとか、からかい半分でしているのだろうか? でもこれでもう一つ増えたぞ。山吹さんは間違いなく友達になってくれた。それだけで綺麗事で纏められてもらっても構わない。それだけ心の余裕になる出来事なのだ。
波乱万丈の中身が濃い約2時間。刻は2時をすぎた頃。そろそろ学校に行かなければ行けない時刻になってきた。
「蒼太くんはいつ頃学校に行くの?」
「ええっと。学校には30分前には付いておきたいかな」
「へー。因みになんだけど一緒に行っていい?」
「構わないよ。」
「やったー!じゃあ4時頃に待ち合わせして一緒に行こうか」
タメ語は慣れないなあ…場数を踏んで行けば自然と慣れるのだろうからそれまでの辛抱。
ピピピーピピピーピピピーピピピー
途端に裏口の扉の方からストップウォッチの音が鳴り響く。多分焼き立てか生地が作れた知らせだろう。パン屋通なので一応基本的な事は記憶にあるわけですよ。
「あっ。ごめんね。焼けたみたいだからちょっと席はずすね」
「大丈夫ー。」
と言い先程鳴った当たりの裏口へと入っていく。関係者以外立ち入り禁止の貼ってある扉の向こうは企業秘密エリアだろう。是非とも入ってみたいがそこは暗黙の了解。もし入ったら仕返しが怖そうなので想像の範囲内で我慢しておく。
5分後大きなトレーを持って出てきた。先程のラフな格好とは違い衛生上のエプロン姿になっていた。仕事人スイッチがONになった感じがしてとてもいいと思う(素人感)
「あっ。焦げちゃった塩パンがあるのだけど食べる?」
「食べる!」
好きな物には目がないのはしょうがない。それが人間だと謎の合理化。即答で躊躇せずに答えたあたりパンが好きなんだなと改めて思う。
「はーい。お待たせー!」
「ありがとうございます!!恩につきます!」
「良いよー。家は塩パンたくさん食べる人いないから。捨てるぐらいならってお客さんに渡したりしてるんだー。」
捨てるなんて言語道断。勿体無いけどこだわりの上で省かないとこもあるんだよね。プロフェッショナルは凄いよな。値段以上のクオリティとはそういう事。
「そろそろ一旦家に帰りますね。また後でここに来るんでその時に一緒に行きましょう」
「あっ。待って!スマホ貸して!」
「不便だし連絡先交換しようか!」
「あー。そうですね。お願いします」
もはや山吹さんのやりたい放題だ。と言うかやられ放題だな。だけどほんと凄いよな山吹さんって
心からそう思っている最中に連絡先を交換しその後山吹ベーカリーを後にした。
「また後でねー。」
俺に向かって見えなくなるまで手を振りながら声を上げている。
俺も山吹さんに向かって何度か手を振り返す。
「さて見えなくなったし遅れないように帰るか」
山吹さんが見えなくなった途端に少し駆け足で走っていった。
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「これで送信。良しっと。」
「はあ…。緊張したな…。こんなにドキドキしたのは初めてだよ。これってまさか…、、、ってそんな訳ないよね!」
「さぁさぁ学校の準備しなきゃ!」
如何でしたでしょうか!?
一応蒼太くんはハイスペックなんですよねー。
音楽とパンが一致しているとか僕もこんな感じの青春したかったぞ(涙目)
では皆さんまた次でお会いしましょう!