山吹色の夜   作:サバの缶ずめ

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今回から2章突入です。内容としては

・1章の伏線をメインにしたいと思っております。
・主にpoppinpartyのメンバーとの関わりが主ですがとあるバンドのキャラも登場するかも…?
(ヒントは1章で出てきたある生物に関係しています!!)

少し言いすぎましたかね(笑)では2章もどうぞよろしくお願いします


2章
9話 新しい自分


 

 

中2のある日。約2年ちょっと前。

ジリジリと煩い蝉と焼け尽くすような日差しが煩わしいある日の夏であった。

 

いつも通りに通っている塾の帰りの電車へと進んでいる時の事。

 

「そこの君〜!」

 

後ろから自分を呼ぶ声が聞こえたのでクルっと体を180℃回転させ後ろに振り向くと、ガチガチのスーツ姿の自分より少し小さいぐらいの女性が立っていた。

 

「どうしたんですか?」

 

今までの自分と言えば「The真面目くん!」みたいな例えにしていただけるとありがたい。勉強!学校!寝る!みたいな1日の生活スタイル。

 

一方の服装、身だしなみは普通の中学生なのでそのイメージがオーラとして出ている訳ではない。

 

「君!アイドルとか興味ない!?」

 

「ないですね、すみません」

 

「げっ!?即答!?」

 

100点満点中120点のノリの良さ。自分は漫画の世界にでもいるのだろうか。

 

しかしながら負けじと怯むことなく直ぐに切り返してきた。こういう人間面倒臭い系の人間と何回も場数を踏んでいるのか何となく想像はついた。

 

 

「まあまあ!ちょっとだから!」

 

「勧誘が完全に悪徳じゃないですか…」

 

怪しい人には着いていくなと昔教えられた言葉はこういう時に役に立つんだなと思いながら瞬時に握られた右手が右手がみるみると引きずられていく。

 

制御が効かなくなる。

 

今はとにかく面倒事にならない事だけを祈ることしかできない気がした。

 

 

~~

 

市内なんて塾以外必要以上に滅多に出ないのでいつになっても緊張感のある人の波に慣れないなあと思いつつも目的地である場所に着いた。

 

「着いたよ!中入って!」

 

言われるがままに中へ入るとギターを真剣に見つめている人。ドラムをばしばしとよく分からない棒で叩いてる人様々な感情が含まれていた。

 

指定された席に座り軽く周りを眺めてみた。

 

「あれってなんですか?」

 

特別興味はなかった。単純に気になっただけなのだがそのドラムばしばしが目に止まった。

 

「おっ!いいね〜素質あるよ!」

 

「あれはスティックって言ってドラムを叩く時に使うんだよ。あの棒って実は結構高くて1万近くしたりするんだよね〜」

 

 

(1万するんだ、あんな木の棒が?)

価値観の分からない人間にとってはおかしくもない普通の反応だろう。なんせ好きで買ったものですら飽きてしまえば、「何でこんな物買ったのか」みたいな感情になる。価値観とは自分の欲でしかないかもしれない。

 

緊張って程ではなかったが、してなかった訳でもない。適当に話を済ませポケットに入っていたスマホを取りだすと画面を開き、にらめっこして現住所を調べてみた。

 

「circle?」

 

ガールズバンドの聖地!!だとかこのバンドはここから産まれました!!だとかそんな情報が書いてあった。レビューはそこそこ良いみたいなので悪い方向に進む事はないかなーとは思ってるけど…

 

そのガチガチのスーツ姿の女性の人は月島まりなさんと名乗り、この施設の従業員をしているらしい。かつ偉い方らしく社長並みの権力を持っているだとか豪語していた。

 

でその月島さんがなぜこの僕に目をつけたかと言うとシンプルにスカウトをしにきたらしい。と言ってもアイドルになって!とかではなく、「興味はないですか?」みたいなニュアンス。にしてはやたらとゴリ押し感があるけどそこは本人の性格が出るのかもねとも。

 

「そいや!名前聞いてなかったね!」

 

「ああ、僕は橋下蒼太って言います。中学二年生です。」

 

「蒼太くん!最高だね!」

 

確定的な人見知りだと気づいたのはかなり昔のことである。小学生に入ると周りのノリについて行けず、直るどころか酷くなる一方。コミュニティが作れるはずもなく隔離される孤独感が募るばかり。

 

そして何が最高なのか…が正直な感想。昔からシャイな所があって、嫌いなわけじゃ無いんだけどノリが良すぎる人も苦手で…、、一定の関係性は保ってほしいとどんな人でも思ってしまう。

 

「蒼太くん!是非これ見てほしいの!」

 

月島さんは小型のDVDプレイヤーを取り出し映像を流し、片耳ずつイヤホンを付け、5分少々の映像を見せられた。

 

 

「これはすごい…。もう凄いですね…」

 

「でしょ〜?蒼太くん中々筋がいいね〜」

 

 

感無量と言うか。 

今までの経験にはまるで無かった。 

 

昔から音楽はよく聞いてたが、クラッシック系とかそんなのばかりでアニメとかjpopはなんだか軽い気がしてならなかったが今こんなに自分に入ってくる音楽だとは思ってもいなかった。

 

 

しばらく月島さんとの積極的に話を聞いていて、「このバンドがオススメ!」「これから伸びる!有望株!」など参考になるものをいくつか紹介してもらい、忘れないようにすぐさまメモを取った。

 

 

今日あった事。

教えてもらった事。

偏見を振り払ってもらった事。

 

色んな新しさに出会えて感動すら覚えたかもしれない。

 

音楽と偏に言えども、様々なスペシャリストがあってこそ。これは音楽に関わらず物作りとして当然の心得だと思う。実際昔誰かがそんな事を言っていた。

 

    

 

       〜△△△〜

 

 

 

「じゃあね〜。気が向いたらいつでも遊びに来ていいよ!」

 

「わかりました。ありがとうございます。」

 

一連の流れで本日の有意義な時間も終わってしまった。

 

 

「あっ!そうだ!ちょっと待って!」

 

と言いポケットの携帯を取り出した。電話番号教えるね的な事だとなんとなく察した。

 

「これ電話番号!いつでも連絡して!」

 

033から始まるダイヤルを数えながら1文字1文字文字を入れる。終わると画面に月島まりなと表示が出た。

 

「でもお店の番号じゃなくて月島さんの番号で大丈夫なんですか?」

 

「そりゃもちろんそうだよ、新規ユーザーを獲得する為にはこう言う事もしないとね!」

 

中学生故なのか正直理解が出来なかった。

ただ昼間会った時のような、手当たり次第当たってけ戦法みたいな人だとこういう手もあるのかと自己解釈して登録を押す。

 

 

「そうなんですね、お世話になった分もまた今度返しに来ます。今度はちゃんと自分の目で確かめたい事がありますから」

 

「おっ!良いね〜その目は確実にトリコになってる!」

 

 

月島さんの携帯番号と気持ちほどの飴をもらいお店を出た。この時世、飴が置いてるお店なんててっきり見なくなったがそれでもお客さんは大事にしたいみたい。

 

 

少し過剰なお気遣いに心を引きながらも感謝の気持ちを込めて今日は帰ったら久しぶりにパソコンで動画サイトを開こうと思った1日だった。

 

 

 

 

 

 

 




いかがだったでしょうか?
今回は蒼太くんの過去について少し触れさせて頂きました。
アイドルとパンが好きな蒼太くん!もうこれはあれですね、あれなんですよ!!作者が1番楽しみにしてる奴なのです(笑)

ではまた次お会いしましょう。
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