未来からの手紙   作:スターゲイザー

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戦闘力表を考えていたら遅くなりました。尚、全て本作設定ですのであしからず。


戦闘力表、悟空(10)を基準とする
超2では悟空と同格なのでベジータ、悟飯も10とする

悟空 10 超サイヤ人50倍 10*50=500 超サイヤ人2は2倍 500*2=1000 超サイヤ人3は4倍 1000*4=4000

ブウは悟空の超3と同格 4000
セルは超2より少し上  1500
ブロリーは悟空の超3で超2が互角、つまりは悟空の超3の4倍 4000*4=16000

ブウ:セル吸収 4000+1500=5500
ブウ:セル・ブロリー吸収 5500+16000=21500 吸収直後は20000までダウン。

フュージョンの効率はポタラ以下(基本に1.5を割る)

ゴジ―タ 10×10/1.5=66*50=3300*2=6600 超サイヤ人3はベジータ未収得の為、1.25割る 6600*4/1.25=21120

尚、ベジットの場合 10*10=100*50=5000*2=10000*4/1.25=32000 

ゴテンクス 5*5/1.5=16*50*2*4/1.5=4266(フュージョンで練習しているが基本の二人の実力が低い為、超3時は1.5割る)

ブウ:セル・ブロリー・ゴテンクス吸収 20000+4266=24266 更にパワーも回復して25766

全て本作設定ですのであしからず。



第十八話 最強のゴジット

 ゴジットが咆哮した直後、真っ直ぐに向かって来てもブウは反応すら出来なかった。

 速いことは早かったが全く見えていなかったわけではない。何故、反応出来なかったかと言えば、ゴジットが無造作に放つ巨大な気に呑まれていたのかもしれない。

 

「!?」

 

 だからこそ、超速度で迫ったゴジットの右拳によって頬を殴り飛ばされた時に、あまりの威力に首が捥げそうになって始めて攻撃を受けたことを自覚した。

 左斜め後ろに殴り飛ばされたブウを追ったゴジットは組んだ拳で無防備な背中を打ち、鋭角に地面に叩きつける。

 成す術もないブウが何十メートルも大きな溝を作っていると先回りされて蹴り上げられた。

 空中を物凄い勢いで蹴り上げられたブウの体が飛んで行く。

 

「ギャリック魔閃光っ!!」

 

 為すがままだったブウは流転する意識をかき集めて瞬間移動を発動させる。

 が、少しだけ間に合わずに下半身が消滅してしまった。

 ギャリック魔閃光が通過した場所からゴジットを挟んで反対に出現したブウは直ぐに下半身を生やす。 

 

「どうした、随分とやられているじゃないか。さっきまでの余裕振りはどうした?」

「だ、黙れ」

「はっ、自分が上の時はペラペラと喋っておいて下になったら喋れないってか」

 

 ブウはゴジットを観察する。

 力はもしかしたら自分を超えているのかもしれない。恐らくその鍵は両耳に付いている耳飾りにあると見た。

 ならば、その耳飾りを奪えば弱体化するはずである。

 

「余裕を見せ過ぎだ」

「そうかな」

 

 耳飾りの奪取、また破壊の為に瞬間移動で背後を取ったつもりが更に背後を取られていた。

 耳飾りを千切ってやろうとしたら背中を蹴りつけられて顔面から地面に突っ込んでいる。手を付くことすら間に合わず、顔で倒立するように足が地面に着いたことで体を起こしたブウは、ハッとして急いで距離を取ろうと瞬間移動をする。

 

「良いことを教えてやる」

 

 にも関わらず、また背後を取られていた。

 また瞬間移動で距離を取った直後に顔面に気弾が飛んできて後頭部を地面に強かに打ちつける。

 

「瞬間移動には独特の癖がある。同じ遣い手の前では、あまり多様しない方が良いぞ」

「くっ、くそ」

 

 余裕を見せるゴジットにブウは頭に着いた土を払うこともせず、向かって行く。

 

「お前はもう謝っても許してやらない」

「!?」

 

 後少しで拳が当たるというところでブウの方が顔を弾かれた。

 

「これはチチの」

 

 見えないほど早い拳がブウの腹を抉る。

 

「ブルマの」

 

 首が千切れると思うほど強い拳が当たり。

 

「ビーデルの」

 

 横っ腹に最初から最後まで見えない蹴りが叩き込まれた。

 

「地球を破壊した分だ!!」

 

 一瞬で十を超える連打が胴体に次々と着弾する。

 あまりの衝撃と痛みにブウは意識が途切れそうになるのを必死に繋ぎ止めなければならなかった。

 

「ばぁっ!!」

 

 今は少しでも時間が欲しい。溜めも一切なしで目の前にいるゴジットに向けて気功波を放つ。

 

「蚊でも飛んだか?」

「……っ?!」

 

 ブウが放った気功波の中を真っ向から向かって行って力技で引き裂き、その腹に膝を叩き込んだゴジ―タは言いつつも、肘を首裏に叩き込む。

 

「くっ、ぎぃ!」

 

 相手の攻撃を利用して一回転して踵をゴジットの頭に落としたが簡単に受け止められる。

 ブウの攻撃は二段構え。もう片方の足で踵落としを仕掛ける。

 

「温い」

 

 ズバッ、とゴジットの手から出た気の剣がブウの足をあっさりと切り落とす。

 

「カアッ!!」

 

 もうブウは少しぐらいやられようが気にしない。手に空間が歪むだけの気を溜めてゴジットに直撃叩きつける。

 

「何時までもそんな技が通用すると思ってるのか」

 

 足を切り落とした気の剣を開いた手の平に収束・圧縮したことで虹色の光を帯びる気弾でブウの気弾を押し潰して手を破壊する。

 

「死ね――――ファイナルかめはめ波っ!!」

 

 片手・片足を失ったブウの胴体にファイナルフラッシュの構えから放たれたかめはめ波の特大の気功波を放つ。

 

「――――」

 

 ブウはなんの抵抗も出来ずにファイナルかめはめ波に呑み込まれた。

 

「ちっ、仕留めきれなかったか」

 

 ゴジットが舌打ちをしながら振り返ると、微かに残っていた体の残滓から再構成したブウが息を大きく乱しながら膝をついている。

 

「き、貴様…………俺の中には貴様の息子達もいるのだぞ」

 

 殺意100%で完全に消滅させる気だった攻撃はブウの中にいる悟天とトランクスを全く考慮しているようには感じられない。

 

「だから、どうした」

「本当に良いのか? お前の息子達は俺の中で生きている。俺を殺せば助ける機会は無くなるぞ」

「貴様のような輩の中で生き続けるぐらいなら、この俺が欠片も残さずに消し飛ばす」

 

 この男はやると言えば確実にやると、ブウにも強烈に感じさせた。

 

「もう地球がない以上、ドラゴンボールも存在しない。それでも息子達諸共に俺を殺すというのか!」

 

 神様であるデンデを殺してドラゴンボールを使えなくした張本人が図々しく叫ぶ。

 

(どうやらナメック星のドラゴンボールのことは知らないようだな)

 

 と、ゴジットは考えるが全く表に出さない。

 

「言ったはずだ、死ねと」

 

 貴様はここで何を犠牲にしようとも必ず殺す、と一切の虚飾もなく息子達を助ける気は無いとブウに思わせる殺気を放つゴジット。 

 

「先に教えておくが、ポタラによる合体はフュージョンのような時間制限はない。俺のこの合体が解けるとは思わない方が良い」

 

 つまりは時間を稼いでいれば助かるなどという楽観論を挟む余地もない。

 

「そして界王神界を破壊しようとするのも無駄な努力だ。そんな隙を晒せば、その瞬間に貴様を殺す」

「ぬっ、ぐぅ……」

 

 力の差は明白である。

 惑星を破壊するほどの力を放つにはどうしても溜めが必要になる。ブウがゴジットが至った次元ではその溜めの時間こそがとんでもなく大きな隙となる。

 

「で、では、俺を見逃せば二人を返そう」

「ほぅ……」

 

 ゴジットがその提案に僅かに目を細めたので、ここが正念場だと考えたブウの口が滑らかに回る。

 

「宇宙は広大だ。望んで会おうとしなければ永遠に出会うことはない。お前がいる北の銀河には二度と近づかないと約束――」

 

 しよう、と言いかけたところでビリビリと肌を震わせる圧力に口を閉ざされた。

 

「お前は本当に」

 

 クツクツ、と喉の奥で笑って右手で額を抑えて顔を隠したゴジットは人がある一定の感情を超えると途端に笑えて来ることを実感した。

 

「俺をどこまで怒らせれば気が済むんだ!!」

 

 怒りがゴジットを滾らせる。

 

「この俺が、チチをブルマをビーデルを皆を殺した貴様をみすみす見逃すと本気で思ってるのか!!」

 

 心の奥から怒りをトリガーとして発せられた力の波動が、頑丈なはずの界王神界の大地に亀裂を作り出すほどの黄金に輝く極大のオーラを天空に向けて迸らせる。

 

「ぬっ、おぉぉ……!?」

 

 ただ怒りを放散させるだけで街を一夜で壊滅させる嵐を遥かに超える強風に晒されたブウの体が我知らずに震える。

 倍近くあったゴジットの気が更に膨れ上がる。そこでブウはある致命的な事実に気付いてしまった。

 

「ま、まさか貴様…………まだ本気ではなかったというのか!?」

 

 倍以上に膨れ上がった気を放つゴジットの黄金のオーラにスパークがない。つまりそれは、超サイヤ人を超えた超サイヤ人――――超サイヤ人2ではないということ。

 

「貴様相手に本気を出すまでもない。ああ、俺の思い上がりだった。完膚なきまでの圧倒的な力を思い知らせてやろう」

 

 ゴジットは静かに語って黄金のオーラを収めて通常状態へと戻る。

 超サイヤ人でなくなって大きく減った気は絶好のチャンスであったはずなのに、恐れを抱いていたブウは何をするのかと怖気づいて動けない。

 

「普通の状態から超サイヤ人への強化率はおおよそ50倍と言ったところか」

 

 ブォン、と音が聞こえそうなほどに再び超サイヤ人に戻ったゴジットの気がまたブウを遥かに超える。

 

「これが超サイヤ人を超えた超サイヤ人…………さしずめ、超サイヤ人2とでも呼ぶ状態になれば戦闘力は超サイヤ人の2倍となる」

 

 黄金のオーラにスパークが混じり、目を開けていられないほどの轟風がブウを襲う。

 既にブウの倍近い気が大きく膨れ上がり、どう足掻いても手も足も出ない領域へと突入している。にも関わらず、気はまだまだ天井知らずに膨れ上がる。

 

「そして最後、超サイヤ人2を更に超えた超サイヤ人が超サイヤ人3だ!」

 

 怒りをその内に押し込め、更なる起爆剤として力が膨れ上がる。

 膨れ上がる気に耐え切れぬとばかりに激震する界王神界。

 例えるなら小高い丘程度の気しか持たないブウに比べれば雲にまで届く山レベルに増大した気を放つゴジットの髪が伸びて背中へと流れていった。

 

「――――超サイヤ人3の強化率は超サイヤ人2の実に4倍に及ぶ。万に一つの勝機も与えることなく貴様を殺す」

 

 既に倍近く広がっていた通常の超サイヤ人から計算すると、ブウとゴジットの気の差は実に20倍近い。

 

「か、勝てるわけがない……」

 

 超サイヤ人3のゴジットから感じ取れる気があまりにも巨大過ぎてブウには勝機が欠片も見えない。

 これでゴジットに油断や慢心があれば勝機はあるが、絶対にブウを殺すと殺意が高すぎて油断や慢心は全くない。

 順当な結果としてブウはここでゴジットに殺される。

 

「5」

 

 わなわなと震える体をなんとか押さえつけていたブウに向けてゴジットはいきなり広げた手を向けて来た。

 

「4」

 

 親指を折り、その意味がカウントダウンと察したブウに出来ることは何もない。

 

「3」

 

 ありえるとすれば瞬間移動で逃げることだけだが、そのような素振りを一瞬でも見せれば殺すとゴジットの目が物語っていた。

 

「2」

 

 自分に残された時間を減って行くのを目の当たりにしても、せめてもの一矢を報いることすら考えに浮かぶことはない。

 絶望的な力の差がブウの心を折っていた。

 

「1」

「うっ!?」 

 

 残る小指が折られようとした正にその時、ドクンとブウの中で変化が起こった。

 

「0、タイムリミットだ」

「う、ォおおおお…………あぅっ!? な、何が……!?」

 

 ニヤリと笑ったゴジットとは対照的にブウは急激に減ったパワーに困惑する。

 

「分からないのか? フュージョンしたゴテンクスの合体が解けたんだ。貴様自身の回復したパワーは落ちないだろうが、ゴテンクスの超サイヤ人3のパワーに比べれば、チビ達のパワーは貴様にとって大したものではないようだな」

 

 先程からゴジットがしていたカウントダウンはゴテンクスのフュージョンの制限時間を数えていたものであり、怒りを抱きながらも思考は支配されていない証明でもある。

 

「これで、ただでさえ開いていた力の差が更に大きくなったわけだ」

 

 ゴテンクスの超サイヤ人3相当のパワーが無くなり、フュージョンが解けた悟天とトランクスのパワーを合わせてもセル一人にも及ばないだろう。更に広がった力の差にブウは拳を握ることも出来ない。

 

「俺を殺せば貴様らの子供は――!」

「くどい」

 

 既に突っぱねた懐柔策が通用するはずもなく、超サイヤ人3の巨大な気がブウに向けられた手の平に向けて収束する。

 恐らくゴジットからすれば小指の先で突く程度の力しか込められていないだろうが、たったそれだけの力だけで十分にブウを消滅させるだけの破壊力を有している。

 ブウを殺す為に気がドンドン集まり、塵一つ残さないとばかりに破壊力が高まって行く。

 

(に、逃げることは出来そうもない。倒すのはもっと無理だ。後は……)

 

 増していく気を前にして、後少しで訪れる破滅の光を見ていることしか出来ないブウは嘗てないほどに思考を働かせる。

 

(一か八かとなるが、奴を吸収するしかない。だがどうやって……はっ!?)

 

 そこでブウはゴジットによって握り潰された手と切り落とされた足が近くに転がっているのを見て、力の差がどうしようもないのならば相手を吸収するしかないと考えた。

 恐怖が思考を即決させ、行動に移す。

 

「はぁっ!!」

 

 握り潰された手で気功波を放とうとしている手を掴んで上に上げさせ、切り落とされた足を飛ばして足払いを仕掛ける。

 

「なにっ!?」

 

 手首によって気功波は目標から大きく外れて天空へと放たれ、足払いをかけられたことで仰向けに倒れ込んだゴジットに向かって跳んだブウ。

 一か八かの作戦は上手くいき、バランスを崩したゴジット目掛け、逃げるのではなく全身で圧しかかって吸収を仕掛けるブウ。

 圧倒的な力の差を見せつけられて恐怖を植え付けられたブウに、この隙に瞬間移動で逃げるという選択肢は全く思いつかかない。この場で吸収できなければ殺されると思い込んだブウの決死の行動だった。

 

「し、しまっ!?」

 

 ブウ本体による決死の吸収策までは予想していなかったのか、触手に変わって覆い被さされたゴジットの声が途切れた。

 暫く手や足らしきものが伸びたが、やがてその抵抗も無くなって行く。

 

「――――――はぁ! はぁ! はぁ! はぁ!」

 

 数分の後、人型を取り戻したブウが荒い息を吐く。

 

「やった、やったぞ! 馬鹿め、俺の作戦勝ちだ!!」

 

 死神の鎌そのものだったゴジットをその内に取り込んだブウが九死に一生を得た反動で高笑いをする。

 その身体の内側に潜り込んだ存在のことも知らず。

 

「―――――――と、ブウは考えているのだろうな」

 

 バリアーを張って吸収されずにブウの体内に潜り込んだゴジットは笑った。

 

「悟天とトランクスを返してもらうぞ」

 

 ブウに気づかれる前に足早に移動を始めたゴジットのポタラに、ピシリと罅が入ったことに誰も気づいていなかった。

 

 

 




ゴジットの戦闘力はアルティメット悟飯の補正で全てに1.05倍されます。

((10*10/1.5)*10*1.05)*(50*1.05)*(2*1.05)*(4*1.05)=324135

ブウはパワーが増してもゴテンクスのパワーが減って、最終的には22000。ゴジットが30万以上なので10倍以上の力の差、これで勝つのは無理。

といことで、一か八かの決死の吸収策が成功したかと思えば、実は全てゴジットの手の平の上だったというお話でした。
しかし、ブウの体内に入ったゴジットのポタラに罅が入っており……。

次回、『第十八話 想定外』

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