人が嫌いな少年は槍を持つ   作:スコープ

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作者
「いよっ、じっきはっずれーの節分イベントー!たーのしーく、わいわい、執ぴ(刺

ショウ
「……始まるよ……うん」


作者
「あ、あと文字数やっちまったZE☆」


第x章 節分編 犯罪撲滅作戦!:後編

ヌートリア

「んー、もっとー」

 

ショウ

「ん……(ナデナデ…ナデナデ…)」

 

何やかんやで5分くらい撫でている……そろそろ手が疲れてきた……

 

カモノハシ

「はぁ……これは長くなりそうね」

 

カモノハシさんも諦めて一旦座っている、ミライさんとサーバルさんもだ……ただ2人は僕の事をかなり温かい目で見ていて、少しこそばゆい

 

ドワーフサイレン

「……っ!う〜う〜う〜!う〜う〜う〜!」

 

突然、サイレンさんが声を上げる……サイレンさんが鳴き声を上げた…と、言う事は……

 

イルイル

「敵接近の合図!?どうやら囮で誘わずとも、向こうからやって来てるようです」

 

ガサリ、セルリアンの群れが草木を掻き分けて森から出て来る……相変わらず色々な形と色が居て、正直目が疲れる……数は……21。

そこそこ居る

 

カモノハシ

「私達が追っているターゲットとは違うみたいだけど、降り掛かる火の粉は払わなきゃね。一球入魂、全力で行くわよっ!」

 

ショウ

「……」

 

僕は無言で刀を構えて、セルリアンを見つめる

 

サーバル

「よーし!ショウ!蹴散らしちゃおう!」

 

それにコクリと頷いて答えて、走り出す。他のみんなも一緒になって攻撃を始める

 

セルリアン

「ーーーーーっ!」

 

僕とサーバルさんヌートリアさんは固まって攻撃を始める……向こうではイルイルさんとカモノハシさんにサイレンさんが戦っている……いい感じに分かれた……かな?

 

ショウ

「……まずは……1匹」

 

僕はサーバルに向かって攻撃しようとして居た緑の三日月型セルリアンを斬る……しかし、浅かったみたいで、仕方なくもう一回斬って倒す

 

セルリアン

「ーーーーーっ!?」

 

パッカーン!パッカーン!

 

後ろでサーバルさんが別のセルリアンを倒している、ヌートリアさんは……

 

ヌートリア

「あー」

 

攻撃が外れて赤いボール型セルリアンはまだ全然弱ってない……今僕達が相手するのは今近くにいる3体と、後ろの6体……まあ、何とかなる、かな?

 

セルリアン

「ーーーー!!」

 

ショウ

「!、危ない ……」

 

突然セルリアンの内一体が体当たりをして来た……黄色いアンカーみたいな形だ……まあ、躱せたから大丈夫……

 

セルリアン2

「ー!ー!ー!」

 

ヌートリアさんが攻撃した赤玉セルリアンは攻撃せずに少し下がる……

 

セルリアン3

「ーーっ!」

 

残ったセルリアン……赤い球に棘みたいなツノと足(?)の生えたセルリアンが狙ったのは……サーバルさんだ

 

サーバル

「むむ!?当たらな……うみゃぁ!?(ズルッ)」

 

サーバルさんは当然躱そうとした……けど、川の近くだったからなのか、足元が泥濘んでいて、足を取られて転倒、そのまま無防備な所に赤棘セルリアンの体当たりを受けて後ろに転がる……

 

ショウ

「この……!」

 

僕はそのセルリアンに接近して、直ぐに斬る僕を攻撃して来たセルリアンも後ろからついてくる……

 

ショウ

「(……好都合だね)」

 

全力で刀を振り下ろして、赤棘セルリアンを真っ二つにする。勿論パッカーンと音を立てて割れる……そして振り返る勢いをつけながら後ろのついて来た黄アンカーセルリアンを斬る……これも上手く入ってセルリアンは割れる

 

ヌートリア

「おおー、すごいねー」

 

ヌートリアさんが僕の動きを見て感心してるみたいだけど……

 

ドスッ

 

ショウ

「……よそ見、しないで、ね?」

 

その隙を狙ったかの様にヌートリアさんの背中に突進した赤玉セルリアンを刀で貫いて倒す……

 

ヌートリア

「わー、気づかなかったよ……ありがとう」

 

ショウ

「……ん」

 

……『ありがとう』……か、こっちでは沢山言われるなあ

悠長にそんな事を考えていると、直ぐにセルリアンが来る

 

サーバル

「いたた……ショウとヌートリアは大丈夫?」

 

ヌートリア

「うん、大丈夫ー」

 

ショウ

「次は6体いるから後ろにも気をつけてね……」

 

サーバル、ヌートリア

「うん!」

 

サーバルさんとヌートリアさんが返事をして敵に突撃していく

 

サーバル

「汚名返上ー!」

 

そう叫びながらサーバルさんはセルリアンを爪で引っ掻く……勿論まともにセルリアンは攻撃をくらい、パッカーンと割れる

 

セルリアン

「ーーーー!」

 

ショウ

「……丸わかりだよ」

 

セルリアンが後ろから接近してきた……けど、音が聞こえていたので、振り向きざまに斬る……セルリアンは咄嗟の事に対応出来ないまま斬られた

 

ヌートリア

「おー」

 

ヌートリアさんは気の抜けた掛け声と共にセルリアンを叩く

 

セルリアン

「っ!?」

 

セルリアンは攻撃が予想以上に強かったのかは分からないけど、驚いた様子を見せてそのまま割れた……

 

そして残りのセルリアン3体

 

セルリアン.s

「「「ーーーー!」」」

 

セルリアンの攻撃先……それは……サーバルさんとヌートリアさんだ、此処からだと間に合わない……ね

サーバルさんに2体、ヌートリアさんに1体……

 

セルリアン

「ーーー!」

 

サーバル

「とおっ!当たらないからね!」

 

サーバルさんは自分の元へ向かったセルリアンの攻撃を大きく跳躍して躱す

 

サーバル

「くらぇぇ!」

 

そしてそのまま真下のセルリアンに向けて爪を振り下ろす……恐らくサーバルさんは1体のみを狙ったんだろうけど、勢い余ってかもう1体のセルリアンをまとめて引っ掻いた。でも流石に両方同時に倒す事は出来なかったらしく、巻き添えをくらった方は直ぐにサーバルさんから逃げた、ヌートリアさんも無事交わしていたらしく、向かいあっている……

 

サーバル

「逃がさないよー!」

 

サーバルさんが逃げ出したセルリアンを追いかける……セルリアンも全力で逃げていたけど、流石にけもののサーバルより早く走る事なんて無理だ。あっさり追いつかれて爪の一撃をもらっている

 

そして僕はヌートリアさんの前にいるセルリアンに接近して斬る……ヌートリアさんは僕がいきなり横からセルリアンを斬り飛ばしていたから驚いた様に固まっていたけど、セルリアンは倒せたから問題無い……

彼方は少し早く終わっていたらしく此方に向かって走って来ている……

 

でも、僕はすぐにサーバルさんの元へ向かう

理由は最初の方で無防備なところでセルリアンの体当たりをくらったからだ……

 

ショウ

「サーバルさん……怪我は?」

 

サーバル

「え?か、かすり傷だけだよ〜」

 

……嘘だね、明らかに何処か怪我をしてる……

このやり取りをしている間にカモノハシさんとミライさんが僕の元にやって来る……

ヌートリアさんのところにはイルイルさんとサイレンさんが居て、何か話をしている

 

ミライ

「どうかしたんですか?」

 

サーバル

「な、何も無いよ?」

 

カモノハシ

「……」

 

カモノハシさんも少し『怪しい……』といった表情でサーバルさんを見ている……

 

サーバル

「うー、ほんとに何も無いよー」

 

……やっぱり嘘だね、サーバルさんは嘘を言う時『本当だよ』じゃなくて『ほんとだよ』になる事が多い……

確かあの時体当たりをくらった場所は……左腕で二の腕の肘の近く……丁度手袋で隠れている場所……

 

ショウ

「……えい」

 

僕はそこを少しだけ力を入れて握る……すると

 

サーバル

「うにゃぁ!?」

 

……やっぱりだ、サーバルさんは嘘をついていた……

 

ショウ

「……見せて」

 

僕は直ぐに左の手袋を外して確認する……やはり赤くなっていた……

 

サーバル

「うぅ、ばれちゃった……」

 

………………

 

ショウ

「……ねぇ、サーバルさん?」

 

僕はサーバルさんの正面に立って、顔を見る……

 

ショウ

「なんで……嘘をついたの?

 

 

僕って……そんなに頼り無い?」

 

サーバル

「え……シ、ショウ?」

 

僕はサーバルさんのお腹に顔を埋めるようにして抱き着く……そしてそのまま

 

ショウ

「……お願い……どんな傷でも、嘘をつかないで……あの(肩に爪が食い込んだ)時、サーバルさんはすっっっごく僕の事心配してくれたよね……?」

 

サーバル

「うん……」

 

僕は抱き着く力を強くする……同時に目の辺りが熱くなる

 

ショウ

「僕も……今は……心配なんだよ?……だから……さ……」

 

 

 

僕は最後にこう、サーバルさんに言う……

 

ーーー嘘をつかないでーーー

ーーーそのまま居なくならないでーーー

ーーーもう、失いたく無いよーーー

 

そういった後、僕はサーバルさんに泣きながら抱き着いて居た……

もう嫌だ、失いたく無い……どんなに優しい嘘でも、僕に嘘をついたまま居なくなるのは嫌だ、どんなに辛い事でも、本当の事を言ってくれないと……本当はどうだったのかが、分からなくなるから……

 

サーバルさんは僕が泣き止むまでの10分ぐらいの間ずっと頭を撫でてくれた……その手はお姉ちゃんの手なんじゃないかと思うくらい優しい手だった……

 

 

 

 

ヌートリア

「寂しいけど、此処でお別れだね、それじゃ私達は囮捜査に戻るね」

 

サーバル

「うん、頑張ってね!じゃあね〜っ」

 

僕はあの後、サーバルさんの打撲痕にしっかりと手当てをした。手当てが終わった後にカモノハシさんから少し話を聞いた……どうやらカモノハシさん達の方で少し謎の笑い声が聞こえたらしい……しかし、それは一瞬で、一回しか聞こえてこなかったから、もしかしたら気の所為かも……とも言っていた。出来れば気の所為だと良いけど、もしかしたら案外近くに声の正体が居るかも知れない……

 

サーバル

「でも囮捜査って楽しそうだね〜、私が囮になったら、ショウが撃退してくれる?」

 

次の場所に歩いて行く途中でサーバルさんが僕の顔を覗きながらこんな事を聞いて来た……そうだね…

 

ショウ

「うん、守るよ……サーバルさんは大切な……大…切、な……」

 

そうだ、そう言えばなんで僕はサーバルさん達が傷つくのが嫌なんだろう?そもそも、どうしてサーバルさんを信頼できると考えたんだろう……?

 

サーバル

「んー?大切な何ー?」

 

ミライ

「捜査は遊びじゃありませんからね、サーバルさん。それはそうと、あそこに皆さん集まっていますけど、何でしょうか?」

 

前をよく見ると人集りが出来ていて、ザワザワとみんなが話しているのが分かる……

 

サーバル

「まさかホシが姿を現したとか!?」

 

ショウ

「う〜ん……それならもっと騒がしいと…思うよ?」

 

サーバルさんはその言葉を聞いて『あ、そうだね』と、そう言って人集りを観察し始める

 

ミライ

「……あれは、ペンギンアイドルユニット『PIP』のジェーンさんですよ!ああ、こんな所でお会い出来るなんて嬉しいです!」

 

人集りの中心に居るジェーンさんを見つけたミライさんは突然興奮し出して、まるで何時もの解説みたいな状態になってしまった……

 

サーバル

「凄い人気だね、近付く事も出来ないよ」

 

サーバルさんの言う通り、最早人集りでは無く壁になっている……はっきり言って通るには跳び越えるしか無いくらいに集まっている

 

イルイル

「おや?ジェーンさんの傍にヒョウモンガメさんとヒョウモンナメラさんが居るようですね」

 

そう言われて僕も見ようとして見るけど、流石に人が多過ぎて、時々出来る隙間からジェーンさんの顔が見えるくらいだ……

 

ショウ

「……見え…無い……」

 

跳躍して見れば確実だけど、流石に目立つし……

 

サーバル

「……よいしょっと」

 

突然、地面についていた足が浮く……そしてそのまま持ち上げられて、目線がさっきの倍くらいになる……サーバルさんが肩車をしてくれたみたいだ……いや、おんぶでも良いんじゃないのかな?

 

サーバル

「ショウー見えるー?」

 

下で僕を持ち上げて居るサーバルさんが少し僕の方を見て、確認する……うん、確かに見える…2人のアニマルガールがジェーンさんの側に居る

っと、少しだけアニマルガールが帰り始めた……何か目的を達成して帰ったんだと思うけど、これはこれで僕達にとって都合が良い

 

ショウ

「……サーバルさん、何してるか聞いてみよう……だからもう良いよ?」

 

サーバル

「はーい、じゃあ下ろすから気をつけてね」

 

そう言ってゆっくりとサーバルさんは屈んで、僕の足が地面に着くと、僕の足の間から頭を抜いて、僕を持ち上げた時に少し乱れた髪を治す

 

サーバル

「よし、おーい!何してるのー?」

 

そしてそのままかなり少なくなってきた人集り(もう普通に見える)の中心に居るスーツと帽子が特徴のヒョウモンガメさん

 

ヒョウモンガメ

「やあやあ、どうもこんにちは〜。僕っち達に何か用?」

 

サーバル

「こんな所で、『PIP』のジェーンが何をしてるの?」

 

赤い目の様な模様のある帽子を被り、豹柄が特徴のシャツを着ているヒョウモンナメラさん

 

ヒョウモンナメラ

「自分達はジェーンさんを一日署長兼アイドルデカとしてプロデュース中だ……です」

 

この2人はジェーンさんを一日署長にしたいらしい……

 

ヒョウモンガメ

「いやぁ、想定以上の大成功だね。色んな情報も集まって、ジェーンちゃんやPIPの人気も上がって万々歳ってところさ」

 

成る程、だからあんなに人が集めてたのか……それにできれば声の正体に関係する情報が1番欲しい……

 

ジェーン

「皆さん、見に来てくれていたんですか。ありがとうございます、漸く手が空きました」

 

ジェーンさんは最後の1人と握手をして、そのアニマルガールが見えなくなったのを見届けると此方を振り返ってそう言う……もう周りには僕達以外のアニマルガールは居ないみたいだ

 

サーバル

「お疲れさまー、相変わらず人気者だね」

 

ジェーン

「いえいえ、まだまだですよ。それよりも此処で会ったのも何かの縁ですし、サインでも書きましょうか?」

 

ジェーンさんはペンと紙(何時の間にか持っていた)を取り出し、笑顔でそう言う……先程まで大量のアニマルガールの対応をしていたとは思えないくらいの笑顔で、ジェーンさんは疲れを知らないのかな?とも思ってしまう

しかし、僕の後ろに居るガイドさん事ミライさんは確か……

 

ミライ

「ええ〜!ほ、本当ですか!?まさかの直筆サインをこんな所で……にへら〜」

 

PIPのファンクラブ会員番号No.1……つまり最初の会員らしい。流石ミライさんと言う事だろうか?

 

サーバル

「それ!私にも頂戴〜!一日署長、しかもハートマーク入りのサインなんて激レア間違い無しだよ!」

 

ジェーン

「はい、良いですよ、こんな物で良ければ幾らでも」

 

そうジェーンさんは言って素早くサインを書く……とても慣れた手つきで、あっという間に書き終わる。

サーバルさんの顔はにやけていて、とても幸せそうだ……

 

バララララ

 

ショウ

「……っ!、聞こえた?」

 

サーバル

「?、何が聞こえたの?」

 

イルイル

「何かをばら撒く音、これは……豆ですね!」

 

遠くから何かをばら撒く音が聞こえて来た……それをイルイルさんが聞き取って恐らく豆、そう伝えてくれる

 

サーバル

「えぇ〜、またセルリアンかなぁ?」

 

サーバルさんの顔が幸せそうな顔から面倒くさそうな顔に変わる……だけど……

 

ショウ

「これが犯人なら…今回で終わるから……」

 

それを聞いてサーバルさんは

 

サーバル

「そうだね!行こう!」

 

と、今度はやる気満々の顔に変わった……忙しい顔だね

 

イルイル

「急ぎますよ!」

 

ーーーーーーーー

 

イルイル

「確かさっきの豆をばら撒く様な音が聞こえて来たのは、この辺りのはず……」

 

次の場所は草原……森から少し出た位置にあるから此処ぐらいなら来ていてもおかしくはない……

しかし、周りを見渡してもそれらしいセルリアンは……

 

サーバル

「あ!あそこ!誰かがセルリアンと戦っているよ!」

 

サーバルさんが指差す先……そこそこ遠くにセルリアンらしき影と小さな人影が見える……それはしきりに動いて、まるで戦っているみたいだ……サーバルさんは恐らく元動物だから見えるんだと思う

 

急いで近くに行くと、そこには赤い鎧とサイなどのアニマルガール特有の槍を持ったアニマルガールが……

 

???

「拙僧の幻惑ステップに、果たしてついて来れるかな?」

 

まるで踊るかの様にステップを踏んで、件の豆セルリアンの攻撃を避けていた

 

イルイル

「あれは幻惑デカことインドサイですね。流石と言うべきかやはりと言うべきか、セルリアンの攻撃を鮮やかに躱しています」

 

さて……新しいアニマルガールが来たから……

 

ミライ

「インドサイさんは別名ヨロイサイとも呼ばれていまして、皮膚は哺乳類の中で最も硬いとも言われています。でも、当たる事もないなんて、凄いですね!」

 

成る程……確かに鎧で守ってるよりも、ステップで躱してる事の方が多い……と言うか最も皮膚が硬いって言われてるのに鎧の面積が小さくて体を全然守れそうに無い……

あ、だから躱してるのかな?

 

インドサイ

「そちらの攻撃はその程度か?そろそろ、こちらから行くぞ!」

 

セルリアン

「〜〜〜〜〜〜〜!」

 

そう言って一気に近づいて手に持つ槍で豆を撃つセルリアンを突く、そしてそのまま貫通して、セルリアンは割れて小さな破片になった……他のセルリアンも同様に突かれては割れ、突かれては割れの繰り返しだ

 

サーバル

「すごいすごい!あっという間に倒して行くよ!豆を撃って来るセルリアンを倒したって事はこれで事件解決!?」

 

イルイル

「いえ、カッコウさんはもっと大型の物に襲われていました、それとは別の個体だと思われます」

 

別の個体……ならもっと他の豆セルリアンが居てもおかしく無いのか……それに此処では謎の声が聞こえないから、豆を撃つセルリアンと声は関係無いのかな……?

 

インドサイ

「ふぅ……おや、サーバル?それにイルイルか。見てるくらいなら手伝ってくれれば良かったのに」

 

サーバル

「ごめんごめん、見惚れちゃってて。それよりもセルリアンの撒き散らした豆、ものすごい量だね」

 

僕は周りをぐるりと見渡してみる……うん、よく見るまでも無く地面には夥しい量の豆が落ちている。更に良く見てみると……

 

インドサイ

「多種多様の豆がある様だ」

 

インドサイさんの言う通り、様々な豆がある……コーヒー豆や大豆は勿論カカオ豆まである……カカオ豆なんて大き過ぎてただ石を投げられてるのと同じじゃ無いか?

 

イルイル

「カカオ豆も有るんですね……しかもこれ食べられる品種がいくつも混じってますよ」

 

食べられる品種も……あ、枝豆が有った……他には何が有るのかな?まあ、それは置いといて……

 

インドサイ

「懐かしいな、私達の生まれ育った場所では豆料理のレパートリーが豊富だったものだ、なあイルイル?」

 

イルイル

「そうですね、貴重な豆、このまま捨てるなんて勿体無い事は出来ません」

 

インドサイさんとイルイルさんの生まれ育った場所……つまりインドでは豆料理が色々有るらしい……それに貴重な豆も中にはあるらしいから……つまり

 

ショウ

「……とりあえず、集めよっか?」

 

インドサイ

「うむ、どうせなら豆カレーにでも料理してしまおうか」

 

サーバル

「うんうんいいねー!それじゃー早速っ

 

 

……って、呑気に料理を食べてる場合じゃなーい!今は捜査の途中だったでしょ!」

 

サーバルさんは最近はボケだけで無くツッコミも上手くなってきたらしい……ミライさんがこの前『普段はボケる事の多いサーバルさんですが、最近ツッコミのキレも増して着ましたねー』と、呟いていたし……

 

ショウ

「(とりあえず少しでも拾っておこうかな……)」

 

僕は刀を取り出して横にして地面に置く。そしてそのまま地面の上をズリズリと移動させる……すると豆が刀身に押されてドンドン集まっていく

 

イルイル

「あ、そうでした。豆だけに、もっとマメに、いえ真面目に捜査しなければいけないですね」

 

サーバル

「そうだよ、マメに……」

 

ん?サーバルさんは突然固まって、何かを考えているみたいだけど……あ、ちなみに豆は四割くらい集まった。普段掃除とかやらされてたしもうこういう事には慣れている

それにしても長く考えている

 

イルイル

「……サーバルさん?どうかしましたか?」

 

サーバル

「…………

ひょっとして……わかったかも!ホシを誘き寄せる、その方法!」

 

……僕は豆掃除の手を止めてサーバルさんの方を振り返る……

 

ミライ、ショウ

「それは本当ですか!?(本当?)」

 

本当なら、セルリアンを倒す大きな一歩になる……

 

サーバル

「うん、その推理があってるか確認する為に、第一目撃者のカッコウの所に行こう」

 

……?、なぜ第一目撃者のカッコウさんの所に?いや、とりあえず行くだけ行ってみよう……

 

〜〜捜査本部〜〜

 

ハシビロコウ

「まだ……新たな手掛かりは掴めないのか。報告を頼む、漫才デカ」

 

捜査本部、デカ長ハシビロコウは机で頭を抱えて、唸っていた……そして、進展状況を漫才デカこと、赤いフードで茶髪のアニマルガールと緑のフードで金髪のアニマルガールに求める

 

アマボア

「どうもー、漫才デカこと、アマゾンツリーボアのアマボアと」

 

赤いフードで茶髪のアニマルガールはアマボア

 

エメボア

「エメラルドツリーボアのエメボアよ

早速、現場で怪しそうな奴を捕まえてきたわ」

 

そして、緑のフードで金髪のアニマルガールはエメボアと名乗る……漫才のノリで……そして怪しい奴と、同じく茶色い蛇柄フードに青い髪のアニマルガールを連れて来る……そのアニマルガールは……

 

ツチノコ

「んー?なんだ?こんなとこに連れて来て、ひっく……酒でもくれんのか?」

 

完全なる酔っ払いだった……アニマルガールもお酒飲むのか

 

アマボア

「それ犯人やない!ただの酔っ払いや!」

 

ツチノコ

「なんだよ、用が無いなら帰るからな

うぃ〜……ひっく」

 

そしてツチノコは捜査本部を出て行った……流石酔っ払いだ

 

エメボア

「と、言うわけで現在も犯人の行方は分からないまま、わかるのはどの現場にも豆が残っているという事。それが……この豆よ」

 

エメボアは服のポケットから袋詰めになっている豆……では無く、米を出す…米を出す

 

アマボア

「って、それは豆やなくて、米やんけ!新しい情報が無くてオー米(マイ)ガー!ってか!」

 

エメボア

「……なるほどっ」

 

どうやら意識してやっていた訳では無く、エメボアはネタ帳と書かれた手帳を取り出して先程の事を書き入れる……

 

アマボア

「考えてなかったんかーい!!」

 

ハシビロコウ

「報告はいいが、漫才は……程々にしろ。今は真面目に話しているんだ」

 

デカ長ハシビロコウの胃はそろそろ痛くなるのではないか?しかし、当の漫才師は……

 

エメボア

「ふぅ、犯人の足取りも掴めなければ、この場の空気も掴めなかったようね」

 

反省して…いるのか?

そして、豆の事を聞いた髪も服も白一色のアニマルガール……オコジョが少し腹立たしげに……

 

オコジョ

「成る程、その豆が全ての手掛かりと言うわけですね、だけどいつまでチマチマと会議だけを繰り返しているのでしょうか……

考えても考えても良い案は出ず、漫才風の報告を聞いているだけ……

もう、我慢の限界です。わたくしは現場に行きます」

 

そう言い、立ち上がって部屋から出て行こうとする、それに続いて

 

ハクトウワシ

「それなら私も行くわ。一刻も早く事件を解決してみんなの笑顔を取り戻さないと!」

 

黒い軍服風の服を着ている正義感の強いアニマルガール、ハクトウワシが立ち上がり、オコジョについて行こうとする……しかしそれを白い軍服風の服を着ているもう1人のアニマルガール……タカが止める

 

タカ

「待って、ここで闇雲に動くのは得策じゃ無いわ。事態が動き出した時に動けるよう、ここで待機するのが良いと思うの。クールに行きましょう。」

 

オコジョ

「……そうですね、ここはクールに……」

 

タカの言葉を聞いて流石のオコジョも冷静さを取り戻した……

 

 

 

オコジョ

なれる訳ないだろ!

 

 

 

うん、知ってた。

オコジョは一瞬冷静になった様に見えたが、直ぐに大声で叫ぶ……恐らく部屋の外にも聞こえているだろう

 

オコジョ

「クールに待ち続けて結局何も分からねぇこの現状を打破するには、もう動き出すしかねぇんだよ!」

 

先程の丁寧な言葉使いは何処へやら、ドラマで、会議室で待たされ続けた熱血刑事の様な状態になっている……

 

タカ

「お、落ち着きなさいよ、オコジョ……じゃ無くて、スケバンデカ」

 

スケバンが分からない人の為に説明すると、スケバンとは不良少女などを指す言葉で、スケバンデカはつまり不良少女の刑事となる。詳しく知りたいひとは『スケバン刑事』で調べてくれ……by作者

 

オコジョ

「事件は会議室で起きてるんじゃねぇ……!カブキ森で起きてるんだ!そうだろデカ長!?」

 

ハシビロコウ

「確かに、そう言う場合もある、だがそれだけでは駄目だ。冷たさと熱さを常に持ち合わせ、状況に応じてそれを使い分かるんだ」

 

そう言うハシビロコウの目には静かな炎が宿っている様にも見える……ハシビロコウも直ぐにでも現場に行きたいと思っているが、自らの役目を果たす為に、此処で待ち続けている

 

ハシビロコウ

「そして良く耳を澄まして聞いてみろ。こちらに急いで近づいてくる足音が聞こえるだろう?漸く来たのだ、待ち望んだ変化がな」

 

そして会議室に飛び込んで来たのは……

 

カモノハシ

「大変!大変よ!みんな!」

 

タカ

「囮捜査をしていた……一球入魂デカと寂しがりデカじゃない。そんなに慌ててどうしたの?」

 

ヌートリア

「どうやらにゃんこデカが重大な発見をした様なの」

 

カモノハシとヌートリア、この2人が会議室に飛び込んで来て、にゃんこデカ事サーバルが何かを発見したと報告する……

 

ハシビロコウ

「ほう?重要な情報か、全員、直ぐに向かってくれ、他の現場で捜査している者達には連絡をしておく」

 

タカ

「勿論よ、それじゃ行くわよ、ハクトウワシ!」

 

ハクトウワシ

「OK!タカ!私達、ジャスティスデカとスカイホークデカの危ないタカコンビで犯人逮捕よ!」

 

タカ&ハクトウワシ

「レッツジャスティス!」

 

ハシビロコウの指示によって、今まで動きたくとも動けなかったアニマルガールが一斉にサーバルの元へ向かう……

 

ーーーーーーーー

 

サーバル

「話をしてくれてありがとね、カッコウ!」

 

カッコウ

「いえいえ、早く犯人を見つけて下さいね!」

 

カッコウさんは笑顔で手を振り、この場から去る

 

サーバル

「うん!……やっぱりそうだったんだ」

 

第一目撃者のカッコウさんに話を聞く為に森の中に入り、そしてカッコウさんから事件の時の状況を聞いたサーバルさんと僕達は、無事にカッコウさんから話を聞くことに成功。話を聞いてサーバルさんは確信した様だ……

 

イルイル

「にゃんこデカ、そろそろ此処に集まった皆さんにも分かるように説明して貰えると嬉しいのですが」

 

サーバル

「うんとね、私の考えはこうだよ」

 

サーバルさんは真剣な表情で話し始める……久しぶりに真剣な顔を見た

 

サーバル

「いつもそうだけど、今回もセルリアン達はジャパリパークの行事を模倣(マネ)している様な気がするの」

 

模倣(マネ)……。つまり今回の豆騒動もマネしただけ……?

 

ミライ

「突然襲いかかる事が、何かを模倣(マネ)しているって事ですか?」

 

ショウ

「いや……多分、サーバルさんは豆を撒く……つまりぶつける何かをマネしているって事が言いたいんだと思う」

 

サーバル

「うん!ショウの言う通りだよ、それで豆を撒いたりぶつけたりする行事と言えば……ズバリ」

 

ここまで言えばこの場のみんなも察する

 

サーバル、ショウ

「節分!(節分……)」

 

節分……いい思い出は無いけど、取り敢えず知っているから、ある程度は分かった。恐らく誰かが節分で、豆を鬼に見立てたアニマルガールに撒いて、それを見たセルリアンが模倣、結果豆ガトリングが生まれた……

 

イルイル

「……なるほど、私達を鬼に見立てて豆を、ぶっつけ本番でぶつけて来ているという訳ですね」

 

サーバル

「うん、それで私は、どんな状況で襲われたのかカッコウに話を聞きたくなったの。そうしたらカッコウは、襲われた時、メンフクロウに貰った鬼のお面を付けて飛んでいたそうなんだ

そのお面をつけていたからこそ狙われたって考えたら?」

 

そういう事か……これでなんでカッコウさんが襲われたかは解決。鬼のお面=撃つという事が豆セルリアン達の中であるんだと思う

 

ミライ

「成る程、足取りを追うんじゃ無く、そのお面をつけて事件現場で待ち伏せしていたら、向こうの方から襲い掛かって来るかもしれませんね!」

 

ゴリラ

「ふむ、成る程な、やるじゃねぇか、コラ!」

 

インドサイ

「そこに気付くとはなかなかだな。拙僧、心より感服した

 

みんなはサーバルさんを褒めている……するとやはりサーバルさんは幸せそうなにやけ顔になる……うん、やっぱり似ているね

 

サーバル

「それにね、もうお面は手に入れてあるの、いつでも準備は出来ているんだよ」

 

あ、そう言えば此処に来る途中で少し『ちょっと用事があるから先に行ってて!』と言って少し離れてたね……トイレか何かかな?と思っていたけど、お面を貰ってきていたんだ……

すると、イルイルさんがサーバルさんを見ながら

 

イルイル

「その……何というか、『にゃんこデカらしく無い』ですね。ここまで用意周到なんて」

 

サーバル

「え〜、何?私、そんなに頼りない?私だってやる時はやるよ〜!」

 

まあ、サーバルさんは日常的にドジしているってイメージがあるから仕方がない

 

カモノハシ

「という事は、1番大切なのは囮役だわ!絶対にミスの許されない役目はヌートリア、貴女が担うのよ!」

 

ヌートリア

「え?え?無理だよ、みんなと一緒がいいな……」

 

ヌートリアさんは不安そうに僕の方を見る……なんで僕?

 

ハシビロコウ

「心配するな、私も……同行してやる」

 

サーバル

「でも、お面は1つしか無いよ?」

 

イルイル

「大丈夫、デカ長はお面が無くても充分怖い顔ですから。鬼と間違えられてもおかしく無いですよ」

 

うわぁ、すっごく失礼な事言ったよ……イルイルさん……ハシビロコウさんも顔が険しく…………元々険しいから分からないや……

 

サーバル

「なるほど!じゃあ、鬼役はデカ長と寂しがりデカだね!」

 

ハシビロコウ

「少し納得がいかないが……まあ、そう言う事だ。さあ、貴様ら、いよいよ捜査も大詰めだ、現場に急行するぞ!」

 

少しなんだ……ハシビロコウさんは怒っても良いと思う

 

サーバル

「この沼が最後にホシの目撃された場所だね、うぅ、緊張して来た〜」

 

うーん、かなりジメジメとしてて気持ち悪い場所だね。

 

ショウ

「……だからって何で僕の事抱き締めてるの?」

 

サーバル

「落ち着くから!」

 

ショウ

「……あー、うん。分かった……」

 

……まあ、僕も落ち着くから良いけど、周りからの視線がなんか……暖か過ぎて……こう、落ち着くのに落ち着かない

 

ハクトウワシ

「此処からは悪の匂いだけで無く、何だかとても甘い匂いが漂ってくるわね……ねぇ?」

 

ハシビロコウ

「あぁ、確かに匂うな。さて、それは良いとして……さあ、事件を早急に解決する為にも……早速行動を開始するぞ」

 

ヌートリア

「うう……寂しいのは嫌だよぉ」

 

そう言いながらもヌートリアさんはハシビロコウさんに着いて行く……

 

イルイル

「さすがデカ長、張り込みのプロね。じっとしたまま動かないわ」

 

ミライ

「一体どんな結末が待っているんでしょうね。どきどきしてきました!」

 

ーーーーーーーー

 

ミライ

「(だけどそれからいくら経ってもってもホシはなかなか姿を見せませんでした……)」

 

ショウ

「(ついでにずっとサーバルさんは僕を抱き締めていました……)」

 

何も起こらないまま、かなり時間が経った……多分1時間は余裕で超えていると思う。それでも全く動かないハシビロコウさんは流石としか言いようが無い……

 

ゴリラ

「やっぱり張り込みと言ったらアンパンと牛乳だろ。アンパンは無いから、インドサイ手製の豆カレーパンをやるよコラ」

 

笑顔でゴリラさんはオコジョさんにパンと牛乳を渡す……

 

オコジョ

「もぐもぐ……なかなか美味しいですわね。特にこの豆、何処で手に入るのかしら?」

 

インドサイ

「ん?最近よく見かけるじゃないか、その辺で」

 

それ、絶対あの時拾ったやつだ……言ったら怒られるね……多分

 

ゴリラ

「ほら、サーバルとショウ、それにガイドさんも食いな」

 

ゴリラさんは僕達に近づいてパンを差し出す……

有り難くそれを頂き、手に持って半分にして、両手に持つ……中から湯気が上がり、トロッとした豆カレーが覗く。そして食欲を唆る香りが鼻を通り、胃に届き、空腹感を感じさせる……堪らず右手に持つ豆カレーパンに齧りつく……うん、美味しい。後ろのサーバルさんは流石に食べているから抱き締めるのをやめて、豆カレーパンを両手で持ってむしゃむしゃ食べている……ミライさんは少しゆっくりだけど、顔が美味しいと言っていて、幸せそうだ(多分インドサイさんのお手製というのもある)

 

ハクトウワシ

「もぐもぐ……(ゴクン)しかし暇ねぇ……本当にホシは姿を表すのかしら?」

 

アマボア

「ぼうっとしてるのもなんやし、みなさん、一緒にゲームでもしまへんか?」

 

カモノハシ

「ゲームでも負けないわ!一球入魂!」

 

彼方で何人かのアニマルガールが何やら遊び始める……

そしてパンの半分を食べ終わって、牛乳を飲み、ふぅ…と一息つく、そして後ろで今度は僕の頭を撫でているサーバルさんに……

 

ショウ

「……ん、いる?」

 

左手に持った残り半分のパンを差し出す。理由はお腹がいっぱいだから

 

サーバル

「あれ?もういらないの?」

 

サーバルさんは少し屈んで僕に目線を合わせる、そしてそう尋ねてくる

 

ショウ

「うん……もうお腹いっぱいだから……サーバルさんは食べれる?」

 

サーバル

「あ、そういえばショウってあんまり食べないんだったね。うん、私はまだ食べられるよー!」

 

僕はそれを聞くとサーバルさんの口元にパンを持っていって、食べさせる……

 

サーバル

「え?あ、あーん……」

 

パクリとサーバルさんはパンを食べて行く……何処か幸せそうな顔で

 

ミライ

「……ショウ君に少しは女の子との距離感を教えた方が良いのでしょうか……?」

 

ショウ

「?、ミライさん?何か言った?」

 

ミライ

「いえ?何も言って居ませんが……」

 

ゴリラ

「相変わらずイチャコラしてんな、コラ」

 

そういえばゴリラさんは2人にパンと牛乳を届けていた……

 

ハシビロコウ

「全くあいつらは……むう、中々ホシは現れん……これは日を改めた方が良いか?(もぐもぐ)」

 

ヌートリア

「いいなー、あっちは楽しそうだなー……あ、このパンすっごく美味しい(もぐもぐ)」

 

ポツ…ポツ……

 

ヌートリア

「あれ?雨かな?」

 

……ヌートリアさんがそう言ったので空を見上げて見るが…空は全く曇っておらず、寧ろ雲1つない快晴だ……

 

ハシビロコウ

「違う!これは雨じゃない、豆だ!」

 

セルリアン

「(ババババババババッ!)」

 

突然、青いクラゲの様な大型セルリアンが此方に豆を乱射してくる、それはかなりの速度で身体のあちこちに当たって痛い……!

 

ヌートリア

「いた、いたたたたたたた!」

 

ショウ

「っぅ……」

 

最早狙いなんて一切無い乱射は僕達全員にかなりのダメージを与える……

 

ハシビロコウ

「ついに……現れたか!」

 

サーバル

「う、うわ!これ結構痛い!」

 

イルイル

「飛んで火に入る夏の虫です。今だ、確保ーーーーっ!」

 

イルイルさんの声が周りに響く……そして何より

 

オコジョ

「私達を本気で怒らせた様ですね。お前ら、絶対許さねぇからな!」

 

オコジョさんが完全にキレて、その怒りの矛先をセルリアンに向ける

 

ハシビロコウ

「総員、対象に一切攻撃だ、今度こそ絶対に……取り逃がすな!」

 

その一言で、全員が一斉にセルリアンに突撃する。勿論、僕も一緒だ、セルリアンに一歩近づく度により多くの豆が当たる様になるが、それを全員が無視して突き進む……そして自らの攻撃が届く範囲に来ると攻撃する……どうやらこのセルリアンは豆を撃つくらいしか攻撃方法が無いらしい

 

ショウ

「やあ!」

ズパンッ!

 

かく言う僕も既に攻撃をしていて、セルリアンは完全に囲まれ、前後左右、あらゆる方向からの攻撃に対応出来る訳も無く……

 

パッカーン!

 

ほぼ一瞬で倒す事が出来た……まあ、此方は10以上のアニマルガールがいて、更に力が強いアニマルガールもいるのに対して、あちらは1体のみ、寧ろ倒れない方がおかしい

兎に角、豆セルリアンは全員で倒す事が出来た

 

ーーーーーーーー

 

ハシビロコウ

「ホシを……確保!ようやく長きに渡った捜査も終わり……とはいかないか……まだ、謎の声の正体が掴めていない……これに関しては日を改めた方が良いか」

 

セルリアンが割れてそのカケラも完全消滅した後、ハシビロコウさんがみんなを見てそう言う……既にみんなは打ち上げをする雰囲気になって、『ダジャレを披露します』や『ならうちらはとっておきの漫才を!』と、盛り上がっている……すると、サーバルさんが

 

サーバル

「まってみんな、今倒したセルリアン以外にもまだ何か居るみたいだよ!」

 

何か物音が聞こえたのか耳を動かして、周りを見る……

 

セルリアン

「(じ〜〜〜〜〜〜〜っ!)」

 

すると、そこまで遠くない場所に黄色いアンカー型セルリアンが居る……そして

 

セルリアン

「(パパパパパパパパパッ!)」

 

豆を撃ってきた……!咄嗟にサーバルさんの前に出て、庇う……

 

ショウ

「痛っ……このっ!」

 

さっきの乱射とは違い、しっかりと狙って撃たれる豆が腕や足に当たって痛いし鬱陶しい……手早く刀をロンギヌスに持ち替えて、投擲

 

それは吸い込まれる様にセルリアンに突き刺さり、パッカーンと割る

 

ハシビロコウ

「どう言う……事だ?我々の倒したセルリアンはホシじゃ無かったのか?」

 

確かにさっき豆セルリアンは倒した……けど……いや、もしかして……

 

ショウ

「……別個体か、ホシを倒しても既に居る個体は消えない?」

 

ハシビロコウ

「ふむ、それが1番ありえるな……」

 

イルイル

「そうですね……複数のセルリアンが犯行を行っているなんて……全く反抗期は困りますね」

 

イルイルさんはこの状況でもダジャレを言う余裕があるらしい……うん、すごいね……そこまで行くと感心する

 

ミライ

「まるで犯罪シンジケートみたいですね……」

 

カモノハシ

「つまりまだ見ぬ巨悪が居るって事ね!絶対に見逃してはおけないわ!それと一緒に謎の声の正体も掴んでやるのよ!」

 

まだ見ぬ巨悪に謎の声……少し、考えてみようかな。恐らくまだ見ぬ巨悪と声は関係ない……今までの豆セルリアンの近くにそれらしき物は無かったし……声に関係する情報は整理すると……

不気味な女性の笑い声が突然聞こえて来る、正体は不明……後は関係あるかわからないけど、不自然に揺れる草や葉……もしかしてまだ見ぬ巨悪こと、豆セルリアンのホシと関係が……?

 

 

ん?いま何か引っかかった様な……まだ見ぬ巨悪、不自然に揺れる草や葉……そして姿を見せない謎の声の正体……まだ見ぬ……

 

ショウ

「(……透明?もし、声の正体が透明な物なら?不自然に揺れる草や葉は透明な何かが動いていたからなんじゃ?それなら……!)」

 

サーバル

「ショウ?ショーウー?」

 

気付くとサーバルさんの顔が目の前にあった……少し驚いたけど、兎に角、今予想した、謎の声の正体が透明な物であるという事を伝える

 

ハシビロコウ

「成る程な……突飛な考えだが、その通りなら未だに姿を見せないのも、声のみが聞こえるのも頷けるな」

 

サーバル

「頭良いね〜、ショウ……あ、はいこれショウの分」

 

そう言って鬼のお面を渡される……どうやら考え事をしているうちにメンフクロウのアニマルガールが鬼のお面を届けてくれたらしい。そしてサーバルさんが僕にお面を渡そうとして考え込んでいたのに気付いた……と

 

サーバル

「さあ、これからが本当の戦いだね!カブキ森の治安を取り戻すためにも、頑張ろうね!」

 

ーーーーーーーー

 

数日後……

 

ヌートリア

「あ、ジャガランディちゃんだ、今日も万引きGメンとして見張り捜査をしてるの?」

 

ヌートリアさんは白いブレザーに緑のリボンが特徴的なアニマルガール、ジャガランディさんに声をかける

 

ジャガランディ

「しっ、万引きセルリアンに気付かれてしまうわ。迂闊なことは言わないように。……ヌートリア、あなたも毎日捜査ご苦労様」

 

ジャガランディさんは万引きGメンとして、万引きセルリアンを退治しているらしい……いや、万引きセルリアンとはなんだろう?

 

ヌートリア

「えっと、それがね……」

 

ハシビロコウ

「……寂しがりデカと一球入魂デカの囮捜査コンビの行動は続けられてきた

その甲斐があって……ついに敵の組織の全容と謎の声の足取りが分かりつつあるのだ」

 

ジャガランディ

「成る程ね、大手柄じゃない」

 

ハシビロコウ

「いや……悪の芽を潰して行く事も……大切な仕事だ」

 

カモノハシ

「今までベールに包まれていた敵のボスの姿型も確認済みよ!いよいよ、捜査は佳境ね、燃えてきたわ!」

 

熱くなるカモノハシさんを見たジャガランディさんは……

 

ジャガランディ

「そう……私には関係のないことだけど、頑張ってね。この後は珍走セルリアン団の取り締まりにも行かなきゃいけないのよ。ああ、忙しい」

 

関係ないと言いつつも、しっかりと頑張ってねと言い、今後の予定を確認していた。ジャガランディさんの目をしっかりと見れば、直ぐに良いアニマルガールだと分かる……

 

サーバル

「黒幕の正体を掴んだからには、後は勝負を仕掛けるだけだね!デカ長の号令待ちだよ」

 

サーバルさんは意気揚々とした様子で、落ち着きが無い

 

イルイル

「一体どんな相手なのでしょうか?我々デカの相手だけにとてもデカイのかもしれませんね」

 

カモノハシ

「どんな相手でも変わりはしないわ!気合いを入れて勝負に臨むだけよ!」

 

ショウ

「うん、兎に角今後どんなセルリアンになるか分からないから早く倒さないとね……後、ジャガランディさん。謎の声に注意してね、姿が見えない奴かもしれないから」

 

ジャガランディ

「大丈夫よ、他の子から聞いているわ。それにこれでも耳は良い方よ」

 

僕はそうだったねと返して刀を手に出して腰に『不死の一つ首』の応用で巻き付けておく……この後、いつ謎の声が近くに来ても直ぐに対応出来るようにしておく

 

オコジョ

「今度こそ倒しますわ。絶対に許さねぇぞ!」

 

ゴリラ

「俺の目が黒い内は絶対に好き勝手はさせねぇぜオラ!」

 

ゴリさんは拳を打ち合わせて二カッと歯を見せる

 

サーバル

「ゴリさんは目以外も黒いけどね!それにしても、みんなやる気まんまんだね!」

 

サーバルさんはみんなのやる気を見て、笑顔になる……そしてそれを見たハシビロコウさんは、頷いて

 

ハシビロコウ

「ああ、やる気は充分……今しかない」

 

 

 

それは、作戦決行を意味する言葉だった

 

ハシビロコウ

「一同、潜入準備!これよりシンジケート壊滅に向け……最後の戦いを始める!

遠慮は要らん、派手に行け!」

 

一同

了解!!

 

ーーーーーーーー

 

森の中……更にその奥の川、通るアニマルガールは10日に1人居れば多い場所に、そのセルリアン達の巣はあった。通りで見つからない訳だ。そして、今はその巣に入り込み、セルリアンを背後から奇襲、真正面から叩く、横から切り裂く……文字通りの制圧をして行く

極力、他のセルリアンに気付かれ無いように、素早く…かつ、一撃で仕留める。何度かバレそうになったけど、何とか巣の中心にたどり着いた……そこには1体の巨体な……それも、前倒したセルリアンのふた回り以上大きいセルリアン……ホシだ

 

ゴリラ

「見つけたぜ、コラ」

 

オコジョ

「あいつが……」

 

ハシビロコウ

「先ずは隠れながら取り囲め、その後一気に叩く」

 

ホシを見たみんなは獲物を狙う肉食獣の目をしながら、それでも冷静にハシビロコウさんの指示に従う

 

ハクトウワシ

「私とタカは空から仕掛けるわ、行くわよタカ」

 

イルイル

「では、私は背後に回り込んで行きます」

 

そして、最終的に全方位からの奇襲準備が整う……ホシのセルリアンは未だに身体の触手を空中でくねらせながらジッとしていて此方には気付いてはいない……

 

ハシビロコウ

「………………っ!今だ、全員行けぇぇぇ!」

 

 

ガサガサガサ!

ヒュンッ!

 

ハシビロコウさんは合図を出して、空を飛べるデカが攻撃を始める……セルリアンはその攻撃を食らって初めて空のデカに気づく……そして、攻撃するのは僕達地上にいるデカも同じで、一斉にセルリアンに向かって走り己の武器……爪、拳、槍……刀を構え、振り下ろす……地上からの攻撃を受けたセルリアンは上空からの攻撃も相まって、一方的に攻撃される……が、この前倒したセルリアンとは全く比べ物にならない程の耐久力によって、セルリアン自身はあまり傷ついていない……そしてついにセルリアンが反撃を行う……それは触手を横に振り回すものだ……丁度今、セルリアンを囲う形なので、その攻撃は恐らく最も多くのアニマルガールを巻き込むだろう。

 

セルリアン

「ーーーーーーーー!!」

 

ゴリラ

「させるか、コラ!」

 

バチンッ!

 

横に振るわれ、僕達を吹き飛ばすと思われた触手は、ゴリさんの拳で打ち上げられて逸れる

 

ショウ

「それなら……!」

 

僕は打ち上げられて無防備な触手を刀で叩き斬る……これで触手が1本減る。そして、サーバルさんも1本斬り落としたから、計2本落とした……残り8本、そして頭(仮)ついた鎌付きの短い触手が4本……いや3本だ、たった今タカさんが千切った

 

セルリアン

「〜〜〜〜〜〜〜〜!!!」

 

セルリアンが突然叫び声を上げ、狂った様に暴れ出す……全員、叫び声を聞いた瞬間にセルリアンから離れた為、誰も怪我はしていない……けど、これでは近寄らないし、空からの攻撃は全て鎌付きの触手が振るわれて弾かれてしまう……よし、ゲイボルグを投げた方が良いかな……

刀をゲイボルグに持ち替えて、投げる為の構えを取る……そして狙いをつけて……

 

 

ショウ

「……くらえ!」

 

投げる!

 

その槍が飛来して来る事にセルリアンは気付かないまま、無闇矢鱈に暴れている……そして投げられた槍の先端からは鏃が何本も飛び出して、追撃をする……しかし暴れるセルリアンのほとんどが叩き落とされて、数本だけ刺さる……しかし、本命の槍自体は吸い込まれる様にして、セルリアンの表面を貫く

 

ドスッ…ジャキン!

 

そしてセルリアンを貫いた槍から無数の棘が伸び、傷を深くする……この一撃と、今までの攻撃で積み重なったダメージにより耐えきれなくなったのか、セルリアンの体は徐々に膨らんで……

 

パッカーンッ!!!

 

弾け飛ぶ……その時にブワッと強い風が吹くが、それ以外は何もなく、そのままセルリアンは消えて行った

 

サーバル

「やった……ついに一番の大ボスを倒したよ!これでもう安心……」

 

セルリアンが消えた後、全員が集まる……そこでサーバルさんが嬉しそうにみんなと話している

 

 

 

セルリアン

「〜〜〜〜〜〜〜〜!」

 

ミライ

「サーバルさん!危ない!」

 

イルイル

「う〜う〜!豆を避けてください!」

 

ポコッーー

 

突然、先程のより小さい赤い豆セルリアンが現れて、豆を1発撃ち出す……それはサーバルさんの胸に当たり……

 

サーバル

ふにゃあああああああ!

 

イルイル

「にゃんこデカが被弾しました!?」

 

サーバルさんは声を上げて倒れる……あ、これ……いつものおふざけだ……

こうなるとみんなは長いから僕はミライさんに「僕はセルリアンを追うね」と一言伝えてセルリアンの方に向かって行く……どうやらサーバルさんに1発当てて逃げるつもりらしく、森に入って行く……

 

ハシビロコウ

「大丈夫か!?おい、にゃんこデカ!傷は浅いぞ!」

 

ハシビロコウさんも乗っているらしく、その声を聞きながらセルリアンを追って森の中に入る……そのほんの少し後に……

 

「にゃんこデカーーーーーーッ!!!」

 

ハシビロコウさんの叫び声が聞こえて来る……本当にアニマルガールはおふざけが好きな人が多い……うん、見てる分には楽しいけど、セルリアンはちゃんと倒そう

 

しばらく森の中を逃げるセルリアンを追うと、もう安心したのか逃げるのをやめたセルリアンがのんびりと歩いていた……それにしても早かった……どうやら僕が追ってきているとは気付いていない様なので、遠慮無くやらせてもらう……まずはゲイボルグを構えて背後を取る……そしてそのまま全力疾走!

 

セルリアン

「……?ーーーッ!」

 

セルリアンは足音で気付いたらしく此方を振り返るがもう遅い……その時には既にセルリアンと僕は目と鼻の先……セルリアンは抵抗する余地も無く、一直線に貫かれる……やっぱり小さい事もあってかそれだけでセルリアンはパッカーンと割れて消える……よし

 

ショウ

「……これで終わ『キャハハハハハハ!』っ!」

 

ブン……ザクッ!

 

突然、後ろから気味の悪い笑い声が聞こえ、僕は咄嗟に前に飛ぶ……そして僕の居た場所に何かの刺さった音と一緒に鋭い物が刺さった跡が出来る……これって……

 

ショウ

「……まさかの大当たりだったね」

 

これで確信した……声の正体は透明なナニかだ……しかし困った……何が困ったって、それは

 

『アハハハハハハハハハ!』『クスクスクスクスクス』『キャハハハハハハ!』

 

笑い声のトーンで別けると確実に3匹はいる……さっきは声が聞こえたから避けれたけど……

 

兎に角じっとして居ても攻撃されるだけだから兎に角音の聞こえる場所に攻撃しよう……逃げるにしてももう逃げれない程距離が近い……と、思う

 

僕はゲイボルグを消して刀に持ち替える……理由は刀の方が動きやすいし、何回も振れるからだ

 

『クスクスクスクス』

 

ショウ

「そこ!」

 

ブンッと刀は空を切る……それならもう一度!と、刀を声のする方へと2回振るが、当たらない……

 

『アハハハハ!』

 

後ろからの声と共にブンッと何かが振るわれる音がする……咄嗟に左に飛んで回避したけど、やはり見えないのは辛い

 

赤い怪物

『クスクスクスクス』

 

また声と共に何かを振る音が聞こえるて、避けようとするが上手く避けれずにそのまま首にその振るわれた何かが刺さり、同時に1本?の細長い触手の様なものが巻き付いてくる……首に刺さるそれは何かを啜るかの様な音を出している……その音を聞いて咄嗟に触手と刺さった何かを振り払う……先程より力が少し抜けている……多分血を吸われた

そして、クスクスと笑うそれは姿を現した……全体は赤くて、赤い液体が滴り落ちる……そして大量の赤い触手の塊の様な姿、恐らく先程僕の首に刺さった触手の先端には何かを吸う為の物と思われる口が付いている……更に鋭いかぎ爪……これが地面に刺さった跡が出来た時に振るわれた物だろう……

 

『キャハハハハハ!』

 

しかし、それを見ているのが行けなかった……キャハハと甲高い声で笑うそれがブンと何かを振る……その攻撃を回避しようと思った時には既に攻撃を受けていて、体を斬り裂かれ、背後に吹き飛ばされる……そしてそのまま木に叩きつけられて、意識が遠退く……最後に見えたのは此方に走って来るミライさんとサーバルさん……そして誰かは分からないけど2人のアニマルガールだった……

 

ーーーーーーーー

サーバル視点……

 

サーバル

「ショウ!」

 

ショウがセルリアンを追って行ったのを知ったのは私が刑事物あるあるの殉職ネタをして、アマボアがツッコミを入れた後、直ぐだった……その後、ショウの匂いを辿って探そうとしたらハシビロコウが「匂いを辿るだけでは、途中で曲がったり引き返していたらすれ違いになる……ここは匂いを辿る者と広がって探す者で別れよう」と、言って、それに従ってショウを探す……私はショウの匂いを頼りに森の中を歩き続ける……後ろにはミライさんとイルイル、そしてゴリさんが付いて来てて、周りをキョロキョロ見回したり、声を出してショウを探す……森に入ってショウ(後セルリアン)の匂いを辿っていると突然、とてつもなく嫌な予感がする様になる……

 

まるで、ショウが死んじゃうような……

 

そう思ったら体が走り始めていた……理由とかそんなのは無くて、まるで獣が本能で動くみたいに、ただ『早く行かないと後悔する』そう思って走り始めた……後ろから私をミライさんが呼び止めようとしながら追いかけて来る……

 

ミライ

「ちょっと!サーバルさーん!待ってください……!」

 

ゴリラ

「おい!サーバル!そんなに早く行っちまうとショウが近くに居ても気付けねぇぞ、コラ!」

 

イルイル

「ショウ君にそんなに会いたいんですか?しょうがないですね……ショウ君だけに」

 

みんなはこの嫌な予感を感じていないのか、ただ私が走り始めた事に困惑しているだけみたいだ……そして、徐々にこの嫌な予感が的中している事を思い知らされる……

 

少し濃くなったセルリアンの匂いで?

違う

 

遠くからクスクスと言う笑い声で?

違う

 

本当は嗅ぎ慣れた、でも最近では全く嗅ぐ事の無かった匂いで?

 

それだ……どうしてこんなに嗅ぎ慣れた匂いがするのだろう?そもそもよく嗅いでいたのはこの姿になる前……『野生』の獣だった頃……狩りをすれば必ず嗅ぎ、生き物全てが平等に持つ匂い……

 

 

鉄の……血の匂い……それもショウの匂いと混ざった

 

 

流石にこの匂いをゴリさんとイルイルも嗅ぎつけたのか顔が険しくなって、ミライさんもほんの少しだけ生臭い鉄の匂いを感じて全てを察したのか、私を呼び止める事を辞めて走る事に専念する……そして、匂いの元……その場所で目にしたのは、浮遊する赤い怪物とーー木に倒れかかっているショウだった……

 

後ろのみんなも怪物を見て一瞬固まるけど、ショウの姿を見るとすぐにショウの元へ走り寄る……

 

首に手を当てて脈を測る……とても弱く直ぐにでも消えそうな程で、私でも命の危機だと分かる……それに、息も小さくて途切れ途切れ……血の匂いはショウの首から少しと、怪物から匂う……怪物には触手の様な物が有ってその先に口があるのを見た私はすぐに分かった……

 

こいつがショウを襲って、血を吸った……そして命をーーー

 

そこまで考えた私はいつの間にか赤い怪物を爪で切り裂いていた……

 

それは余りにも早かったのか、怪物は後ろに少し仰け反った後、困惑(?)した様にゆらゆらと浮いていた……そして、体からは血を流している……その血は……その血はショウのだよね……私、すっごく怒ってるんだよ?ショウはいっつもこうやって傷付き易いのに、戦うから……だから、私たち年上のみんなで出来るだけ守らないといけないのに……なのにショウがセルリアンを追っている時にふざけてた私が恥ずかしい。私は私が嫌いになりそうなくらい……

 

サーバル

「ショウを!傷付けるなんて……!許さないからね!」

 

ゴリラ

「あったりまえだ、コラ!」

 

ゴリさんが私の後ろから未だにふらふらしている怪物に自慢の拳を叩きつける……今度は後ろに吹き飛ぶ怪物……流石にゴリラのパンチは効くだろう……そして地面に落ちた怪物にイルイルが追撃する

ワニのアニマルガール特有の先端がワニ口の槍の様な武器で怪物に噛み付くかの様にして攻撃する……武器の口にある牙ががっしりと食い込んで、そのまま離さない……そしてギチギチと牙が食い込み、それがトドメになって怪物は悲鳴の様な甲高い声を出して動かなくなる……イルイルさんが武器を怪物から離すと霧の様になって消えてしまった……

 

イルイル

「後は……」

 

『アハハハハ!』『キャハハハハ!』

 

イルイル

「2匹ですね……しかし姿が見えないとなると……なるほど、ショウ君の考えは間違って無かったようですね」

 

サーバル

「音が出てるなら見えなくても分かるよ!」

 

私の耳は普通の人には聞こえない音も聞こえる……そして、音を頼りに獲物の位置を割り出す……つまり常に笑っている怪物の位置なんてバレバレだよ

 

『アハハハハ』

 

ブンッと恐らく触手を私達に振ってくる……その音を聞いた私は『野生』の頃の勘を総動員して避ける……すると私のいた場所に何かの刺さった跡が出来る……どうやら私を狙っているみたい

 

『キャハハハハ』

 

今度は勘で避ける必要は無かった……だって……その『浮いている赤い点々』は……ショウの血だよね?

 

その血を頼りに体を捻って避ける……そして地面に刺さった瞬間を狙って、その触手?を掴む……

 

サーバル

「ゴリさん!これ!思いっきりぶん回しちゃって!」

 

そう言ってゴリさんを呼ぶ……ゴリさんはすぐ私の元へやって来てその触手?を受け取って振り回し始める……

 

『ーーーーーーッ!?』

 

バキバキッ、ガサガサッ!と、枝や葉に当たり続ける見えない怪物……そして途中でドンと、何かにぶつかる音がして、その後草が何か丸っこいものが落ちている様な形になる……

 

サーバル

「イルイル!あそこ!」

 

イルイル

「はい!見えなくても物を通り抜ける訳では有りません!」

 

そして再び口の様な武器で挟み込む……そして、怪物を振り回してたゴリさんが、振り回す事で勢いのついた怪物を地面に叩きつける……

それは地面に衝撃で小さなクレーターを作る……普通の生き物だったら死んだしまう一撃だけど、悲鳴の様な声も聞こえないし、まだ笑い声が聞こえる……

 

サーバル

「っ!そこだー!」

 

私はたった今叩きつけられたばかりの怪物に対して爪を振る……それはしっかりと当たって、また怪物を地面に落とす……そこを狙ったかの様にゴリさんが拳を叩き込む……そして怪物はまた吹き飛んで、今度は木に当たる……『キャハ、キャハ……ハ……』と、声が徐々に小さくなって笑い声が1つ減ったから、もう倒したと思う……そして、イルイルが挟み込んで拘束してる怪物は……

 

イルイル

「さあ!このまま倒れてください!」

 

『キィヤァァァァァ!?』

 

ガッチリと挟み込まれ、ギチギチと閉じていくワニ口に怪物は完全に拘束されていて、イルイルは「そろそろですね」と言って武器の持ち方を少し変える……その持ち方は直ぐにでも撚れる様な持ち方だった

 

イルイル

「これがワニの持つ奥義……デスロールです!」

 

ブチブチと音を立てながら武器を捻って回転させるイルイル……文字通り捻り切っているんだ、そして一回捻る度に悲鳴が聞こえる

そして声が聞こえ無くなるとイルイルは武器を肩に掛けて

 

イルイル

「さあ、ショウ君の元へ向かいましょう。ガイドさんが手当てをしてくれているはずですから」

 

そうだ!早くショウの元へ……

私たちがショウの方に行くと、ガイドさんがショウに膝枕をして、ショウは小さな寝息をたてていた……良かった、助かったみたい……

 

サーバル

「ガイドさん……ショウは今どんな感じ……?」

 

ミライ

「はい、先程見つけた時はかなり危険でしたが、今はもう大丈夫です。恐らくサンドスターの影響で、このパークでは元々怪我の治りが早いんです。恐らくこれは『物質の状態を保存する』性質に近い物が働いていると管理センター及び職員は考えています」

 

サーバル

「な、成る程?」

 

つまり、ショウは大丈夫って事だね!

 

ゴリさん

「ふぅ、兎に角無事…とは言えないが、一旦戻るとするか。コラ」

 

イルイル

「そうですね、恐らく既に皆さんは本部に戻って居ます」

 

そう言えばハシビロコウは、ショウを見つけても見つけなくても森から抜けたら捜査本部に戻る様に言ってたっけ……

 

サーバル

「よーし、それならショウは私が背負って行くよ!」

 

私は胸をポンッと叩くのを見て、ガイドさんはニッコリと笑いながらショウを起こさない様に抱えて、私に近づく。それを見た私は後ろを向いて、ショウを背負わせて貰う……うん、とっても軽い……この体のどこからあんな力を出せるんだろう?それにショウってかなり痩せ気味だし、全然食べないしでかなり心配だ……

 

捜査本部に向かう途中で、ガイドさんが……

 

ミライ

「あ、そう言えば多少、状況が違いますが、クリスマスの時と立場が逆ですが似ていますね」

 

そう言えば確かに立場が逆なだけで似ている……確かあの時は私が巨大な黒い怪物の触手(それにしても触手を持ってる怪物が多い……)で締め付けられて、気絶しちゃって、それでショウが手当てしてくれて……それでイルミネーションの中をショウが私を背負って歩いて……恥ずかしくて…ショウに文句を言って……そしたら……

そこまで思い出して私は顔が熱くなるのを感じる……あの後、所謂お姫様抱っこでイルミネーションを歩いて回った……なんというか、その時、心の奥で何か……『子を見守る親の様な気持ち』と、『絶対に離れたくない』という気持ちが溢れてきていたのを感じていた……それはショウに少しでも触っていると湧いて溢れてくるから……何と言えば良いんだろう?

 

ショウ

「……ん……あ……サーバル…さん?」

 

後少しで捜査本部に着く頃に、ショウが目を覚ます……その目には薄っすらと涙が浮かんでいた……

 

サーバル

「ショウ、起きた?……ねぇ、怖い夢でも見たの?」

 

目に浮かんだ涙について私が聞くと、ショウは笑顔を作って

 

ショウ

「ううん、とっても良い……幻みたいな夢を見たんだ……希望みたいな夢」

 

サーバル

「そっか、楽しい夢だったんだね」

 

ショウ

「うん、大切な人にも会えて、とっても楽しくて……懐かしい夢」

 

ショウの顔に少し悲しみが現れる……私にはショウの事全部は分からないけど、兎に角私が言える事は……

 

サーバル

「それじゃあ、泣いてちゃダメだよ?ショウにとって大切な人は多分ショウが泣いてるのはあまり見たく無いと思うから」

 

これだけ。でも、何故か自然も心にこの言葉が浮かんぶ……まるで……そう「サーバルさん、ショウ君。捜査本部が見えてきましたよ、」あ、本当だ。ガイドさんに言われて前を見ると入り口でハクトウワシが此方に手を振っていた……

 

 

この後、ハシビロコウやオコジョなどの方々からありがた〜い、お話をショウが少し受けて、今後もジャパ警は活動を続けるという事を聞いた

 

 

 

ミライ(パークガイドの日記)

豆撒き事件はこうして無事……無事?に解決しました。ショウ君の命の危機には大変焦りましたが、サーバルさんやゴリラさん、イルイルさんの活躍でどうにか謎の笑い声の正体である怪物を討伐。

結果的にはカブキ森を騒がせた2つの事件と謎をほぼ同時に解決する大手柄でした。

ですが、ジャパ警の面々はこれからも飽くことの無く悪と戦い続けて行くのです

ブラインドの隙間から外を見るハシビロコウさんは、今日も平和を脅かす危機に目を光らせているのでした

 

〜節分編 犯罪撲滅作戦 完〜




作者
「はぁ……またかよ……俺もう番外編書くの辞めよっかな……」

ショウ
「え、いきなり……どうしたの、作者?いつものテンションは?」

カラカル
「結局番外編では出番が無いわね……それで?またって事はショウの危篤に関係あるの?」

ミライ
「あ、もしかしてまた敵がクリティカルを?」

サーバル
「私とゴリラとイルイルが戦った時は何とも無かったし……それだよね」

作者
「はは……ショウか俺ってダイスの邪神様がついてるよ……99ファンブル二回出たよ……ショウの行動で」

一同
「うわぁ……」

ショウ
「……1番近いパワースポットって何処?」

カラカル
「多分パワースポット行ってもPOW(Power)は上がらないわよ?」

作者
「あー、後はイルイルさんが1クリやってくれましたねー。あー、最近クリファンの起伏が激しいー」

サーバル
「えっと、作者がこんな調子だからもう閉めるよ!見てくれてありがとう!」

カラカル
「それじゃあ、作者?お祓い行ってきなさいよ?」

作者
「はいよー……」

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