喰種の王   作:猫の休日

1 / 4

どうも、初めましての人は初めまして、猫の休日です。

文章力はないし、基本的に自己満足ですが、それでもよければ、どぞ。



プロローグ

食物連鎖の頂点とされる人を…"食糧"として狩る者たちが存在する…。人間の死肉を漁る化け物として、彼らはこう呼ばれる。

 

ーー「喰種」と。

 

 

 

 

 

 

「逃げろ! 白鳩が来た!」

 

真っ暗闇の地下を、何人もの人間が走る。彼らはみんなまだ子供で、年齢もせいぜい10歳前後。しかしその脚力は、"人間の"子どもとはとても言えないものがあった。

 

100メートルを約8秒程で走れる子どもが、果たしているだろうか?

 

答えは否。いや、世界は広い。もしかしたらこの地球上のどこかにはいるかも知れない。しかし、それは限りなく0に近い数字だ。

 

 

ーーそう、人間なら。

 

 

バチチと、電気の槍が1人の少年の片腕を吹き飛ばす。

 

「ギャアアアアア!」

「イクトー!」

「走れ走れ! 立ち止まるな! 兄貴がきっと来てくれる!」

「立てイクト! 逃げるぞ!」

 

イクトと呼ばれた少年は、片腕を吹き飛ばされた衝撃で転び、まだ立ち上がることができない。

 

「っ! イクト!」

 

うつ伏せで倒れているイクトに、影が射す。

闇の中にいるにも関わらずしっかりと見て取れるその影は、正しく死神そのものにも見えた。

イクトが震えながら視線を後ろに向けると、そこには眼鏡をかけた白髪の男がいた。

CCGーー喰種捜査官の死神と恐れられる男が、そこにいた。

 

彼は何の感情も映さない冷たい目で、イクトを眺める。

 

「……あっ。……や、やだ、死にたくない。し、死にたくない! 死にたくないよぉ!」

 

イクトは涙を流しながら、這って移動する。兎に角1ミリでもこの男から離れたかった。

 

ーーが。

 

ザクッ。

 

「えあ?」

 

足に違和感。見ると両足とも、ない。

 

「ひぎゃあああああああ!」

 

両足が切り落とされた。

助けを求めるように仲間へと視線を向けると、そこには2人しかおらず、他のみんなはイクトのことを諦めて先に逃げたしていた。

その二人も、足を失ったのを見て1人は踵を返して駆け出し、もう1人は赫子ーー羽赫をだし、突っ込む。

 

「ガアアアアアアアア!」

 

羽赫であることを利用した、瞬発力に任せた一般人には驚異的なスピードで突っ込みーー

 

ドス。

 

腹部を、貫かれた。

まだ使いこなせていない赫子での突進など、死神にとっては何ともない。

 

「グッ、ガフッ……。は、離:…せ」

 

男はその言葉に従うように、手に持つ武器ーークインケを引き抜く。

 

引き抜かれた少年は、イクトの上に落ちる。

 

「……トウ、マ」

「ゲホゴホ……。立てイクト、逃げるぞ」

 

トウマと呼ばれた子どもが、イクトの手をつかみ引っ張る。ズリズリと引っ張る。

 

「も、もう無理だ……。頼む、お前だけでも逃げてくれ」

「何言ってんだ、お前をおいて逃げれるかよ……。それにいつも兄貴が言ってただろ。どんなときでも、生きることを諦めるなーー」

 

首が、飛んだ。

 

「トウマァアアアアアアア!」

 

首を失ったトウマの体は、まるで糸が切れたようにその場に崩れ落ちる。

地に付したトウマの体を、片腕で抱き締める。

その様子を、まるで露呈の石ころでも眺めるように見下ろしていた死神は、そのクインケを振り下ろし、その首をーー

 

ーー跳ねることが、出来なかった。

 

クインケを振り下ろそうとした、まさにその時。

CCGの死神は足裏に確かな振動を感じ、すぐさまバックステップで距離をとった。

その次の瞬間、それは起こった。

 

先程まで死神が立っていた場所から、まるで狐の尻尾のような形をした巨大な赫子が、地面を突き破り生えてきたのだ。

それは続けざまに起こり、計5回、死神の足元から攻撃を繰り出し、死神はその全てをステップを踏んで回避する。

5回も巨体な赫子で穴を開けられた床は、遂にその場を支えることが出来なくなり、崩壊する。その結果、死神とイクトとの間に、約20メートル程の大穴が空いた。

 

何が起こったか理解が追い付かないイクト。

今まで見たことのない赫子の大きさに、少し眉をしかめる死神。死神が覗き込む大穴の先は今いる場所よりも暗く先が見通せない。

 

不意に、その大穴から1人の少年が出てきた。少年は頬から口元にかけて伸びる赤い線が入った狐の面をしており、先ほど地面から生えた巨体な赫子を、うねうねとうならせている。

 

「兄貴!」

「イクトか……。すまん、遅くなった」

 

大穴から出てきた少年は、イクトと、その腕に抱かれるトウマを見て、そう口にする。

 

「イクト……コレを喰え」

「…これは?」

「俺の赫包だ」

「……そんな! 食べられないよ!」

「良いから喰え、結構大きいが、その大きさで俺の赫包の1割程の大きさしかないし、俺の赫包は時間がかかるが再生する。……良いから早く喰え。そのままだと死ぬぞ。トウマの死を無駄にするな」

 

そこまで言われたら、イクトも覚悟を決めて、赫包を食べる。するとどうしたことか、吹き飛ばされ、切断された于でと足が、驚異的な再生力をもって治り始めた。

その様子に、かの死神も目を見開いた。

 

「治り次第トウマを抱えてここから離れろ。避難先はβだ。分かるな?」

「あ、ああ。でも兄貴は! 兄貴はどうするんだ!」

「どうするって、お前と一緒に逃げるさ。人間にこの大穴を飛び越えてこっちに来る手段はない。けど……」

 

バチチと、電撃が走る。

それはイクトの腕を吹き飛ばした電撃の槍だった。

その槍を、狐の面をした少年は赫子でなんなく受け止める。

 

「こうして飛び道具で攻撃される。だから早く行くぞ」

 

そう言いながら、少年は巨体な赫子を"9つに分けた"。地面から生えた巨大な赫子は、この9本の狐の尻尾のような尾赫を束ねたものだった。

 

「【狐火】の"九尾"……か」

 

死神が呟く。

 

少年は死神が追撃してこないのを見てとると、赫子でまだ足が再生していないイクトとトウマの死体を抱えると、赫子を天井に刺し、収縮させてブランコのように距離を稼いだり、離れた壁に赫子を刺して一気に収縮して距離を稼ぎ、あっという間に暗闇の中へと消えていった。

 

 

 

ーーそれが、後に【喰種の王】と呼ばれる喰種と、CCGの死神、有馬貴将との初めての邂逅であった。




ありがとうございました!

一応ニセコイのSSも書いてます。
よろしければそちらもどぞ。

ではでは。

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。