ホモ盛りの君達へ 作:サンカス
トンネルを抜ければ、そこは雪国だった。
閑散とした駅に僕は降り立ち、ボロボロの待機所に設置された座席に腰掛ける。そして1人、地図を広げ僕を預かってくれる叔母の家の住所を確かめた。
辺り一面に舞い散る粉雪は僕の吐く白い息に溶けて消える。
都会生まれの僕には少し厳しい寒さだ。だが、僕はわざわざこの遠い北国の高校を受験し、この街に引っ越してきた。憧れの
ホモで有ることを隠すため、わざわざ県会議員でホモでもある父親に頼み込み自らの性を偽って、僕は男子校へ潜入する事にしたのだった。
「ここだな。おーい、叔母さん!花澤の叔母さーん!甥がはるばる参りましたよ!」
さびれた道を歩くこと30分、インターホンもない古い古い家屋の前に僕は立っていた。僕の来訪を知らせるため、大声で呼びかける。
その瞬間である。
『私は神様だ。お前、転生に興味は無いか?』
謎の声が、僕の頭に響いたのは。
「転性ですか? うーん、別に僕は女になってもいいけど出来れば男同士でハッテンしたいですね」
『ほう、動じないのだな。突然頭に妙な声が聞こえてきたというのに』
「そう言えば不思議ですね」
だが、僕は残念ながら転性と言うヤツには興味を持っていない。性別が変わらず、男のまま愛し合いたいのだ。
『その態度、気に入った。特別に転生特典を増やしてやろう』
「いや、良いです。僕はありのままの、等身大の自分で勝負したいので転性しません」
『なんと謙虚な。よし、特別に更に転生特典を増やしてやろう』
「ところで転性特典って何です? 聞きなれない単語ですけど」
『よく分からずに断ったのか、成る程。更に転生特典を増やしてやろう』
「僕の話聞いてます?」
意味の分からないその声にツッコミを入れたその瞬間、僕の体が光りだした。
『うむ、転生特典はたっぷりと付けてやったぞ。では、行くとがいい』
「イク? うーん、まだ刺激が足りないのでイケませんね」
『ほほう、刺激を欲するか。よろしい、ならば刺激的な世界に飛ばしてやろう。お前らの望む、ハーレム可能で可愛い女の子がいっぱいの世界だ』
「うわぁ、この世の地獄だ」
女の子だらけだって? あんななよなよした柔らかいフニャフニャな連中、それこそ刺激が足りない。ゴツゴツとして筋肉質だからこそ、ブチ込み甲斐があるのに。
『転生特典の説明は手紙に書いて転生先に置いておく。では、行くのだ。』
「えー・・・。分かりましたよ、イケば良いんでしょうイケば。」
そこまで請われてしまっては仕方ない。僕はズボンを下げ、自慢のブツをポロンと出して刺激を始めた。
超・エキサイティン!!
『・・・貴様、本当にその体勢で行くのか?』
「この体勢以外でどうイケと言うのです?」
『いや。そうか、お前はかなりの猛者なのだな。分かった、転生するぞ。お前はその体勢のまま死ぬが、きっと勇者としてお前の友人たちには語り継がれるだろう』
「え、死ぬ? 僕死ぬんです・・・ウッ!! イクイク・・・!」
『・・・はい、転生スタート。』
その日、少年は絶頂と同時に死亡した。親戚の叔母の家の前でテクノブレイクして死んだと思われる少年は無事警察に通報され、珍事件として全国紙に載ったという。
ホモであった彼の父親は、その事件をきっかけに「息子を不幸な事件で失った悲劇の議員」として大躍進し、最終的に総理大臣になるも、男の大臣全員に夜の関係を迫ったのがマスコミにより報道され、僅か893日間の任期で辞任する事となったとか。