ルイスのつかいま!   作:ARice アリス

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2話

 

 

それから彼女のローブをかけなおし

 

 

彼女の手を取り、路地裏に掛けてあった旅行鞄をひらくと、灰色のスカーフをローブの上からかけてやり、先を急いだ

 

 

喧騒にソーセージ、パン。ビール。それらが行きかう

 

大衆酒場であった

 

 

「僕は元々、魔法講師の道に行きたかったんだ」

 

学園での評価である、馬鹿にさせないほどの高貴な血を感じさせる。理知的な美少年。

数理が得意な学者肌の学生から

 

どこにでもいる飲み屋の若者、ルイスはそんな体の男になっていた

 

そのルイスは自身の一端を語り始めた

僕の素質からして、魔法の扱うことのできない。

それを幼少期から感覚として覚えていた、それを理解しながら。

実家の手伝いもどき、の仕事では書庫の周りを希望していた

 

 

目を盗んでは魔術書をじっくりと見やって、頃合いになると他の下働きたちに呼んでもらって。今思えば実家の城の中でノビノビとやってたもんだ、母さんも把握はしていたんじゃないかな。

 

そのときにね、とある面白い貴族と出会って、いろいろ。

惚けと、酒を手持無沙汰に天井にそら(・・)を見やる

 

そのあとさ、いろいろ、人助けしたり…お節介かけてお金すら保証もなくなって…

 

野宿、狩猟、野原の安全な過ごし方まで。いろいろと…

 

そこでさる貴族に出会って、いろいろ…

 

それから、その方と別れた後。

滞在していたとある町で母から手紙が届いて。

 

学園に通うことになって…

 

ゲルグやタバサやキシュアと会って…悪友二人と馬鹿やって

 

 

 

「…最近のことなのに。なつかしいなあ、…おもしろいかい?」

 

 

「あんただったら…」ん?

 

 

 

「あんたが!なんで…っ!」

 

 

酒場の喧騒はひどく、まるで周りの人間は聞いちゃいない。彼女にとってそれは彼の処遇に似つかっていて

 

「あはは、最初は悲しかった。」

だから!と急ぐ彼女の口にジョッキ樽を軽く押し当てる。

 

 

「でも、魔法講師の夢、あきらめたわけじゃない、ふふ。」ルイスはにやり、とニヒルに笑った。

 

頼もしい、同時に今までの私との友好関係は世を生きるすべ、処世術の一種だったのだろうか。

一瞬よぎった

 

 

「僕はただ、君に権力にすり寄った輩ではないよ。でもね。君のおかげで」

コレができた

 

 

彼が懐から差し出したのは一冊の本であったタイトルは『先進的魔法公使論』

 

 

「そもそも、今までの感覚的魔法発動のプロセスを、

我々魔法士貴族(まほうつかい)の行使する一種の感応性意思を持つ大地の磁界のような魔法力場として…」

 

・。「まって、あなたのわけのわからない話は今に始まったことではないけれど…」

 

 

「魔法を扱う心得、人権、権利」

 

「魔法を扱う科学的アプローチによる理論的公式」

 

「魔法の効果、主に人体への殺傷能力効果」

 

「以上をまとめたものだよ」

 

 

 

授業の途中、寝る前。

 

「首都までの旅の途中、昨日やっと書き終えた」

 

二冊目を足元の背負い鞄から取り出し、彼女に差し出した

 

「死んでしまった姉さんのためにも…」二冊目を彼女に差し出し。

 

 

一頁をめくると、それには

 

『初めに、この世を去ったかの人へ感謝を』と書かれていた

 

「以降は白紙でね。これから医療の…人の体を癒すための効果などを綴った内容を書くつもりだよ…」

 

 

「あなたが、納得して、将来のプランがあるなら。なら…私は何も言うことはないわ…」

でも、と肝心の言葉の続きを

「最近、首都や地方の平民を狙った人さらいが頻発しているわ。それには…例の」

 

「『金冠』がかかわっている。とか」

 

 

驚きにルイスの目の色が変わった

 

 

 




2019.5/6.0.14 編集

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