君の膵臓を喰べたい(完結)   作:初代小人

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投稿遅れて申し訳ございませんでした


嵐の前の静けさ

僕らしからぬ賑やかで騒がしい数日間から少しばかりの日にちが過ぎて、クラスメイト達の噂話も落ち着いて、僕はこれまで通りの日常を取り戻した。尤も、彼女が僕の日常に介入してくる事に変わりはないので厳密に言えば以前の生活とは違う訳だが。

何にせよ、人の噂も七十五日とは言うが他者に関心を持つことも持たれることもない僕についての噂は好都合なことに数日のうちに消え去ったと言える。

これには当人である僕と彼女が明確に声明を出したこと───彼女の返答はいまいちハッキリとしていなかったが──そして意外なことにクラスの人気者である学級委員の彼が「誰かが面白半分で流した法螺話だろう」と言いきったことが大いに関係しているだろう。

ともかくこれは僕にとって良い機会である。このまま彼女と距離を取って「唯の図書委員同士」といった関係まで戻してしまおう。あまり深入りすると僕だけではなく彼女にとっても命取りになるのだから。

 

 

 

喰種対策局(CCG)によって定められた喰種対策法には「喰種を蔵匿・隠避した者には人間の犯罪者を匿うよりずっと重い罰がある」とある。僕は人間の殺し屋などと違って比喩ではなく文字通り生きるために何人もの人間を殺し、喰らってきた。もし僕が人間であったとしても捕まれば直ちに死刑だろう。ましてや喰種である僕を匿えばあとは分かるだろう。喰種対策局(CCG)は「正義」を免罪符に非人道的な事をするのも厭わないし…

そこまで考えて僕は喰種が人道を語る滑稽さに自室で1人、クスリと笑ってしまった。

それに応える様に僕の旧型の折りたたみ携帯電話がメールを知らせて小さく震えた。

僕は彼女の騒がしい笑い声を思い出して顔を顰め、悪い予感を覚えながら携帯を開いた。

ディスプレイに「新着メール1件:山内桜良」と表示されているのを見て僕はいよいよ溜息をついた。

 

 

「ねえ、明日からの連休でどこかでかけたいんだけどどこか行くところある?」

「それ僕も行く前提なの?」

返信はすぐに届いた。

 

「当たり前でしょ〜?キョウコに仲良しだって言ってくれたのは君だよ?」

僕は内心で舌打ちをした。一時の感情で迂闊なことを言った過去の僕の頬を思い切り殴りたくなった。

返信にはまだ続きがあった。

 

 

「それで?『仲良しなクラスメイト』君、行きたいところは?」

「特に無いな。君が行きたいところに行けばいい。」

僕は迂闊な発言が思わぬ結果を招くことがあると先程の失態で肝に銘じておくべきだった。

 

 

─────────

 

 

 

 

僕のそれにはちょうどいい静かな目覚ましの音でパチリと目を覚まして僕はベッドからムクリと起き上がり、今日の予定を思い出して少し苦い顔をする。

食事(捕食)は数日前に済ませたので暫くは問題ない。僕は自室を出て階下のリビングでコーヒーを飲んだ。心地よい苦味をしばらく味わってから財布、次に読む予定の本、その他外出に必要な最低限の荷物を準備して家を出た。

 

 

約束の時間には幾分か余裕を持って到着したはずなのに駅前には既に彼女の姿があった。

「おっはよー『仲良しなクラスメイト』君。あれ?荷物それだけ?ま、足りないものはあっちで買えば良いしいっか!」

「え?あっち?どういうこと?」

困惑する僕を見て笑いながら彼女は僕にあるものを差し出した




リアルが忙しかったので遅れました。次の話くらいまではまだ早めに投稿できるはず(願望)
見捨てないで下さい(懇願)
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