アイドルマスターPLUS銀河の妖精   作:ヴェルミナティー

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ファーストライブです。
今回は二回に分けて投稿します。


シェリルとファーストライブ その1

ハァイ、みんな

シェリルよ

 

プロデューサーからファーストライブの告知を受けてからニヶ月

遂にその日が来たわ。

会場はショッピングモールの小ステージで、今は楽屋代わりに用意してもらった会議室でスタンバイ中よ。

緊張?この私がする訳無いじゃ()()()

 

「...」

 

する訳ないじゃない...

 

トントン

 

ビクッ!

 

だ、誰かしら?落ち着きなさいシェリル。

 

「ハ、ハイ。どうぞ」

 

微妙にぎこちなく答えちゃった。

でも入ってきてくれたのは。

 

「よっ。シェリル」

「プロデューサーがここに居るって」

「お〜、ステージ衣装かわいい〜」カシャ

 

ふふふ

 

「ハァイ、奈緒、凛、加蓮。来てくれてありがとう」

 

私の大切な親友たちだった。

 

 

「どうよ、緊張してるか?」

 

奈緒がそう尋ねてくる。少しいたずらっぽく、でも心配してくれてるのがわかるわ。

 

「えぇ。ほんの少しね」

 

みんなの顔を見てたら本当のことを言ってしまった。私らしくないかしらね。

 

 

「おー、シェリルのレアな本音だー」

 

加蓮がそんなことを言い出す。正直否定できないわね。

だけど...

 

「ほんの少しって言ったわよ?それに今は大丈夫。あなた達が来てくれたんだから」

 

これも本音。3人の顔を見た途端に心から安心出来た。

 

「へへっ。なら安心だな」

 

奈緒が笑いながら呟く。凛と加蓮も笑顔を見せてくれた。

つられてみんな笑い出す。

 

 

 

 

「なんだか懐かしいな。こういうステージ」

 

暫くして、3人と一緒に舞台袖まで来た時、不意に凛がそう言った。

 

「懐かしいって?」

 

私がそう問いかけると

 

「うん。私のデビューライブの舞台もこんな感じの小さいところだったから」

 

凛が言うデビューライブとはトライアドプリムスのことではなく【ニュージェネレーション】のことね。

明るく賑やかな【本田 未央】と優しく笑顔の可愛らしい【島村 卯月】ちゃん。

二人は今はそれぞれ別のユニットだけど凛と今でも普通に仲の良い子達よ。

 

それはそうと、私達はライブの会場に目を向ける。そこは凛の言う通りとても大きいとは言えない会場ね

 

「でもー。なんでこの前のライブでデビューじゃなかったのかな?私たちの時みたいにさー」

 

加蓮がそんなことを言う

この前のライブとは一ヶ月前の【オールスターライトライブ】って言う346プロのアイドル総出演のライブだったんだけど...

 

「まぁ、デビュー曲の準備もいろいろあった訳だから仕方ないんじゃないか?」

 

奈緒の言う通り、そもそもまだ持ち歌があるわけでもなくって、それどころかステージに立ったこともないのだからプロデューサーが気を遣ったのかもしれないわね。

 

「まぁ、シェリルって図太いからビビったりしなさそうだけどな」

 

「あら?どーゆーことかしら?」

 

余計なことを言う奈緒にデコピンを放っておく。

「あぅぅ...」と唸る奈緒は放っておいて、私は改めてステージに目をやる。ここが私のスタートライン。

 

「ふふっ」

 

思わず笑みがこぼれる

 

「どんな場所でも関係ないわ。ステージがあって、お客さんがいる。ならば全力で魅せるだけよ!」

 

マムとも約束したんだもの。

私は全力でアイドルをするってね

 

「やっぱりすごいね。シェリル」

 

微笑みながらそう呟く凛に私は

 

「当然よ。私はシェリル。シェリル・ノームよ!」

 

そう言い切った

 

 

 

あとで聞いた話だけど。凛たちニュージェネレーションはファーストライブの時いろいろトラブルがあったらしいわ。

でもそんなの過去のことよね。だって、凛も未央も卯月ちゃんも今でも素敵なアイドルなんだから。

 

 

 

3人と別れプロデューサーやスタッフさん達と最終チェックをする

曲を流すタイミングなんかは私の我が儘を聞いてもらう事になったけど、何人かのスタッフさんが私のサインを求めてそれで引き受けて貰えたわ

 

ところでなんだかプロデューサーの様子がおかしいけど?

 

「プロデューサー。どうかしたの?」

 

プロデューサーに声を掛けてみる

 

「あっ。いえ、その...」

 

どこかバツの悪そうなプロデューサー。

 

「何かあったのかしら?」

 

私がそう聞くといつもの癖、首の後ろに手を当てながら

そして意を決したように

 

「申し訳ありません」

 

「ハ?」

 

そんな事を言って来た

 

 

プロデューサー曰く、私のデビューは本来、()()()()の大規模ライブで行う予定だったそうだけど。

 

「反対された?」

 

「...はい」

 

他のアイドルの部署が待ったをかけたらしいわ

私によってお客さん(ファン)がどんな反応をするか。もしも自分たちのアイドルより人気が出たら...

なるほど、私だからか。誇るべきなのかしらね。

だけど...

 

「バカね」

 

ついそんな事を言ってしまった。プロデューサーもギョッとしてるわね

私は畳み掛ける

 

「私は奈緒たちからよく言われるけど、自分に自信を持っているわ。でもね、それはみんな(アイドル達)だって同じ。レッスンを頑張ってきて、何度もライブを行って...

その人達は自分たちのアイドルを信頼出来てないだけよ」

 

奈緒、凛、加蓮の3人も、美嘉も茜ちゃんも普段はあわあわしてる【小日向 美穂】ちゃんも私のファーストライブを応援してくれて、でも自分たちに自信を持っていた。

彼女達が積み上げて来たものはそう簡単に揺るがないと感じたわ。

心から尊敬している。

 

「それとね、プロデューサー」

 

「はい」

 

彼の目をしっかり見て言葉を続ける。

 

「あなたには感謝してるわ。こうして私をアイドルデビューさせてくれたんだもの。場所なんて関係ないわ。だって私はシェリル、どんなところでも全力で輝いて魅せるわ。」

 

「ノームさん...」

 

ちらっとステージの外に目を見やる。確かにお客さんの数はあのライブよりはるかに少ないわね。まぁ、くらべることがおかしいのだけど。

 

だけど

 

「少しでも人がいる。いいえ、たとえゼロでも私は歌うわ。私自身の力でファンの心を掴んでみせる!」

 

私の宣言に気圧されるプロデューサー

彼に向かって

 

「だからもう一度言うわ。ありがとう、プロデューサー」

 

私の言葉に驚いたような顔を浮かべるプロデューサーは

 

「はいっ!」

 

笑顔でそう答えた

 

「...あなた、笑えたのね?」

 

「えっ?」

 

 

 

 

 

彼女には驚かされる。

舞台袖でのノームさんとの会話の中で私はふとそんなことを思っていた。

とても今回がファーストライブだとは思えないあの自信。

アイドルに対する意識の高さ。

私の方が圧倒されっぱなしだ。

 

「ノームさん。そろそろ時間です」

 

「えぇ。わかったわ」

 

ライブ開始まであと少し。

私の心は昂ぶっている。

彼女がどんなステージを見せてくれるのか。

 

開始時刻となりノームさんに静かに合図を出す。

いよいよ始まるファーストライブ。

ノームさんはゆっくり舞台に歩いていく。

 

そう言えばノームさんはスタッフに何かお願いをしていたような?

そんなことを考えた矢先...

 

『あたしの歌をきけぇぇぇぇぇえ!』

 

とんでもない叫びが響き渡った。

 

 

 

 

 

 

『あたしの歌をきけぇぇぇぇぇえ!』

 

「なぁぁぁぁぁ!」

 

シェリルの奴がいきなりブチかました。

あたしも隣の凛も加蓮もマジでびっくりしてる。

あたり前だけどお客さん達もだ。

 

シェリルの叫びとともに始まる音楽。

何が起こるのかと期待させてくれるハイテンションなサウンド。

あいつの練習で何度か聴いてるはずのあたしでさえワクワクするんだ。

聴いたことない人達はグイグイ惹きつけられるに決まってる。

 

そして始まるシェリルのデビュー曲

【射手座★午後九時★Don't be late】

 

「!!」

 

上手い...

繰り返すけど、あたし達は何度かあいつの練習でその歌を聴いてたはずなのに、なのに...

 

「すごい...」

 

凛がそう呟く。

 

そう表現するしかない。それぐらいすごいんだ。

響き渡る声が、その踊りが、何よりシェリル自身がすごくって!

 

「あっ!」

 

サビに入る頃にはいつの間にか多くのお客さんが増えていた。

多分あの叫びが気になった人達だろうけど、みんなが引き込まれていた。

 

そして

 

『〜♫』

 

曲が終わると同時に

 

「「ワァァァァァァァ!!!」」

 

割れんばかりの大歓声が鳴り響いた。

 

 

 




次回投稿また時間がかかると思いますが、よろしくお願いします。
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