まぁ、誰かは見てのお楽しみです。
では、早速本編へどうぞ。
アレから、箒に鈴の事を誰か聞かれたが、箒が引っ越した後に来た同級生と説明しといた。
「一夏、一緒に御飯食べない?」
「鈴・・か。いや、俺はちょっと食欲が・・」
「一夏、一緒に昼食を・・む?」
鈴が昼を誘いに来ている所に箒まで来て同じ事を言った。
「なに、アタシが先に誘ったんだけど?文句が有るの?」
「いや、別にないが・・選ぶのは一夏だからな?なぁ一夏?私と一緒に行かないか?」
「っく・・。一夏、アタシと一緒に食べましょう?」
「二人とも、話を聞け!俺は少し食欲がないから、部屋から持ってきた携帯食料で良いんだ。そんなに行きたいなら二人で言って来い。話したい事もあるようだしな。」
そう言って俺は少し怒った風に見せて廊下に出る。そのまま生徒会室に行ってノック。
『はーい、どうぞ―。』
「失礼します。」
そう言って中に入る。
「あら?織斑君、どうしたのかしら?おねーさんが恋しくなっちゃった?」
「ははは、寝言は寝て言って下さい。どうも隠れて食事をとるためにここに来ただけです。此処なら知っている人しかいませんし、もし何かあっても対処してもらえますからね。」
「あら?そうなの・・。何が有ったのかしら?」
「えっと、凰と篠ノ之が俺に好意を持っているようで、お互いにけん制しつつ俺を昼に誘うんです。最近、進行してきて食事制限が出来て来ましたのでこの栄養食くらいしか食えなくて・・。それで、隠れて食うつもりでここにかくまってもらえないかと相談に。」
「・・なるほどね。聞いていいかしら?」
「何をでしょう?内容によりますが答えましょう。」
「誰かと付き合わないのかしら?」
その質問は、数年前の俺の痛みを抉るような質問だった。
「・・付き合ってどうするんですか?もう一・二年・・いや、ISに乗り始めて進行しているから一年もたないくらいかな?そんな命の相手に恋してどうするんです。俺にそんな思いは許されない。たとえどんだけ恋焦がれる相手がいようと、その想いを告げる事は出来ない。その人を残して傷つけてしまうから。分かっているんじゃないですか?」
「・・そうね、君の言う通り分かってた。でも、・・いえ、コレは言うべきじゃないわね。」
「俺が鈴の事を好きに見えると・・そう言いたいんじゃないですか。」
「・・鋭いわね。いえ、自覚してるのかしら?」
目を伏せた先輩が目を細めた状態でこちらを見る。
「・・数年前、帰国時に告白された時・・自覚はしました。いや、それ以前から自覚はあったのかな?でも・・覚悟を決めた時に思った事が一つ・・・悲しむ人は一人でも少ない方がいい。・・という事で、先輩も俺の事は軽く思って下さい。」
そう言って笑って見せた。目を見開く先輩を横に栄養食を口にして食事を済ませる。
「これからも相談や、生徒会の事で色々とあると言う事でここに来させてもらいますね。迷惑かけますが・・すいません。」
「・・そうねぇ、ついでにお茶くらい入れてくれると許可しちゃうわ。虚ちゃんの紅茶も美味しいんだけどね、時には日本茶も飲みたくなるの。」
「それならお安いご用ですよ。好きな茶葉を用意しといてください。次は入れましょう。」
「じゃ、許可するわ。じゃぁねー。」
そう挨拶して部屋を出る。少し早目だが次の授業の為にアリーナに行こう。更衣室にこもっていればばれはしないだろうし・・少し横になろう。
午後の授業は実習で、専用機持ちの鈴と一組のクラス代表のオルコットが簡易的にタッグを組んで山田先生に挑んだが、オルコットが好き勝手にやって結局ボロボロになって負けた。タッグもくそもあった物じゃないのでしょうがないと思う。
その後は専用機持ちが全員の前で言われた通りに行動すると言う物になった。
俺も打鉄白式を展開して、先ずは飛行。スピードは一番でるのですぐに円を描くようにして最後尾から始めたのに、二人を抜いて一周遅れにしてみた。今度は地面に向かって急降下と急停止。オルコット、鈴は大体合格。俺は若干スピードを出し過ぎて地面に足がついてしまった。
「織斑はもう少し早く止まるようにな。まぁ、初心者でこれなら及第点だ。もっと精進しろ。」
「はい。」
及第点をもらった。少し甘い気がするけどまぁ、いいか。それから次は武装展開。
俺から始まり、ライフル、大型ブレード『葵』、片手剣『雪桜』を展開する。後はスラスター自身も武器だがこれは普段からあるので割愛。
そうした後は、鈴が剣を出しただけ。射撃武装は第三兵装でアンロックユニットがそれだから持っていないとの事。最後にオルコットが先ずはライフルを・・俺に銃口を向けて展開した。
「おい、誰を撃つつもりだ?」
「え?あぁ・・、ふん。コレはわたくしが展開する際に一番優雅な・・」
「そんなこと言っているから初心者にぼろ負けするんだ。さっさと口答えする前に直せ。」
「っくっ!?・・!!」
『キッ!!』と言った感じでこっちを睨む。いや、睨まれても・・それに銃口向けてた後鼻で笑ったぞこの女。本当に気が合わないな。
「次は近接武器だ。」
「はい・・うぅ・・」
手の中で光がうねうねと動いているが・・鞭か何かなのか?
「おい、まだか?代表候補生がここまで遅いのか?」
「あぁ、もう!!インターセプター!!」
音声認識で出したぞ。俺でも、普通に展開したっていうのに・・。
「おいこら、オルコット。貴様、それでよく代表候補生が名乗れるな。遅すぎる!」
「しかし、わたくしは遠距離スナイパー型で・・」
「それが初心者に簡単に懐に入られているのは、愚かというか・・もう一度、訓練をやりなおした方がいいと思うがな。下らん言い訳はいらん。」
そう言ってオルコットの頭を叩く。その後又もやこっちを睨む。だから、こっちを見ても知らんっつうの。
それから、アリーナで着替えて教室に帰ると机の上が水浸しになっていた。
こっちを心配そうに見る女子に、誰が犯人なのか周りに聞き回っているキレかけた箒、そして、にやにやしているオルコットとその周りの女尊男卑派の生徒。まぁ、これくらいは別にどうという事もないけど。ハンカチを出して机の上を拭き、教室のロッカーからモップを取り出してそれで床をふく。ソレを片付けに行っていると前から織斑先生が怪訝そうな顔で歩いてきた。
「おい、織斑?一体それは・・」
「・・・。」
俺は言葉にできない思いを抱えてそのまま流しでモップを絞る。ハンカチも流しで洗っていると後ろから教室に急ぐ様に早足になった千冬姉の足音が聞こえた。
そして俺はため息をつく。やっぱり、俺はどこに行っても織斑のでき損ないで千冬姉の足を引っ張るだけなんだな。そう思うと少し、胸が痛み始めた。
「こほっ・・くぅ・・けほっけほっ・・。」
激しい発作じゃないのでその場で咳をして吐血を吐き出す。流しにそのまま流して周りに散って無い事を確認する。その後、後ろから視線を感じた気がして後ろを振り向くが誰も居なかった。気のせいだと思いハンカチで口元を拭いてもう一回洗って教室に戻る事にした。モップを持って帰ったら教室では千冬姉が阿修羅になっていた。箒に話を聞いたらしく、犯人が誰か全員の前でキレながら聞いたらしい。怖くなった生徒が犯人を見ていた事を証言。それがオルコットが嫌がらせをする事を指示、他の生徒が実行していたそうだ。
それをきいた織斑先生が更にキレているが、俺と目を合わせた後、直接手を出さないようにする事にしてくれたらしい。
「オルコットはもとより、その周りの実行犯の生徒全員を放課後に教室掃除を命じる。ただし、このクラスはすることを禁じる。そして、またこのような事が有った場合・・」
教卓に向かって拳を叩きつける。すると天板を突き破り、肩まで教卓にめり込む。
「貴様等、どうなるか分かってるな?」
そう言われてそれ以外の生徒も真っ青になっていた。最近、千冬姉を怒らせる事に巻きこんでしまってやるせないな。そんな事を思いながら乾いた席について水が掛って少し湿っているカバンから、濡れていない教本を出す。ソレを見ていた千冬姉・・いや、織斑先生の顔が凄く辛そうなのが逆に申し訳なくて俺は軽く笑っておいた。
この程度・・平気、へっちゃらだ。
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織斑一夏・・世界唯一の男性操縦者のとんでもない秘密が分かった。
そうか・・彼がこうも優遇されない理由、そして、発表できない理由・・それが、まさか・・
「病気・・なの?」
私の機体を作る為のデータを取られる様なモルモットのように扱われている理由、第三世代じゃなくて急いで機体を作ってデータを取る方を優先した理由は・・
「まさか・・先が長くない?・・お姉ちゃんが言えない理由・・もし、不治の病とかなら・・彼は死ぬ気で?・・・つじつまが合う。彼の事を思ったら言えない。黙って死ぬつもりなんだ・・。」
私は、血を吐いた彼を見た後、その衝撃と理解が出来なくて隠れてしまった。そして、冷静に考えるとそんな事になってしまった自分を想像して廊下の陰で体を抱えて震えた。
それなのになんで彼はあんなに笑っていられるの?怒らず、笑みを浮かべられるの?
分からない。分からない分からない分からない。理解できない。
どれだけ覚悟したらそんな事が出来るのか・・想像もできない。
「彼の事を‥知りたい・・。先ずは謝って、それから聞こう。・・お姉ちゃんに繋ぎを取ってもらう。先ずはそれからだ・・。」
私は授業のことなど忘れて走って生徒会室に向かった。
誰だと思いました?鈴ちゃん?箒?
残念、簪ちゃんでしたー!
うざかったですねごめんなさい。
まぁ、まだしっかりと内容までは分かっていませんが、吐血なんて見たら明らかに疑うのは普通でしょう。
私は昔、吐血してすっごく心配されましたが、実際は鼻血が出てソレを飲み込んでしまっていたのが咳で出ただけでしたが、傍から見たら急に血を吐いたように見えたらしいです。
まぁ、そう言う風に勘違いしてくれたら一夏君も苦労はしないでしょうが、簪ちゃんは暗部の一家ですからね。どうやってでも調べる方法はあります。
さて、どうなるかは先で。
では、また次回。