[DEAR]~貴女と居た季節~   作:金宮 来人

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最近、家のあたりに霧が立ちこめるようになりました。
この季節は何故かアレルギーが出るので嫌いです。
昔原因を調べる為のアレルギーチェックをしたんですが、
原因の一番大きい値になっている物がなく医者から、
「君、何が原因でアレルギーなの?」
とか聞かれました。こっちが知りたいんじゃ、ヴォケ!!

と言う事で関係ない話は終わりで、
本編へどうぞ。


14 編入生と波乱

五月連休、日本ではゴールデンウィークと言われている。俺は家に帰って軽く掃除して来るからという名目で学園から外出した。

そして、鍵を開けて誰もいない自宅に入り、ゆっくりと見て回る。

最近、発作の頻度が上がってきている。小さな発作でも体に負担をかけるのが多く、前の感じから更識簪さんにもバレている可能性が有った。更識家の力とかそういうのを使ったのかもしれない。政府とのつながりを利用したとか色々と調べるルートはあるだろう。

そう思いながらも少し埃の積もったテーブルを指でなぞる。自身が触った跡が抜けてそこだけが綺麗な状態だった。

「まだ・・俺でも残せる物が有ったんだよな。」

そう思うと少しでも何か残そう。そう思うが、俺の生きていた爪痕が多いと千冬姉が見るたびに悲しい思いをするかもしれない。そう考えるとあまり目につく物じゃないほうがいいと思う。

・・一番の目的を果たそう。

自室に入り机周り、箪笥の中、収納ケース、小物・・色々と必要な物を取り出してテーブルに置いて行く。そして、持って行く最低限の物を出してそれ以外を持って大きなカバンに入れた。衣服のよさそうな物や貴金属類、あまり俺自体は必要なかったけど弾と数馬が一緒にいるなら似合うもん付けろ。って進めてくれたのを持っていた。まぁ、今思うともてたいが為に俺を出しに使っていたわけだろうがな。一番頻度を多くつけた物以外は貴金属店に持って行く。そしてそれ以外はゴミ袋を用意して纏めるようにしておいた。

先ずは、衣類と貴金属を売って、お金にしてきた。前よりも貴金属の値段が上がっていたのか少し思っていたよりも高くなった。帰って、マンガや小説の類を売りに行く。これも中にアニメやドラマ化した物が有って思ったよりも高く売れた。割と保存状態は良かったらしく、値段も高めにつけてくれた。

そして、売れない雑誌や昔の参考書、教科書などを棄てるように縛る。丁度ちり紙交換の車が通ったので、ソレを渡すと、中にプレミア付きの雑誌が有ったらしく、多く紙を交換してくれた。そうか、じゃぁ売ればよかったか?でも、この町の古本買い取りは雑誌は買い取りしてくれないからな。しょうがないか。

ソレを終わると部屋は広くなった。最終的にゴミを出しに行くのは最後だし、問題はない。

階下に降りて掃除を始める。食事は食欲がないし学園に戻ってとるつもりなので良い。廊下やキッチン、トイレや玄関を掃除して綺麗にした。今、電気や水道は止めているから専用の掃除用の使い捨てペーパーでだが。そして、俺の私物を片付けて行く。茶碗や箸なども台所から専用の収めておく食器棚の奥に収める。きっと、次の長い休みにはもう、戻ってこれないと思いながら。そっとソレを閉じて。キッチンからも出て行く。

洗面台の歯ブラシや専用の物を片付けて行く。歯ブラシは捨てて、買い置きは客人用に置き直しておく。

口をゆすぐカップもプラスチックだったのでゴミに。

そうして自宅なのに自分がいた形跡を次々と消して行った。足跡を消して行くようで、初めに帰って来た時と真逆なことしてるんだなと思いつつ。

纏めたごみを出して自宅の鍵を占める。そして、頭を下げて自宅から去った。

 

(人としては短い人生、俺として生きた中では長い間、ありがとうございました。)

 

そして、連休明けに転入生が二人いると言う。クラス中から聞かれたが俺は知らないの一点張りで時間になり席につく。

「クラスの空気が浮ついているが、今日は転入生が居る。入って来い。」

そう言われて入ってきたのは二人。

「初めまして、ボクは《シャルル・デュノア》といいます。このクラスにボクと同じ境遇の人がいると言う事で、このクラスに編入になりました。よろしくお願いします。」

そう言うデュノアの足元はズボン。

「だ、男子生徒!?」

「はい。織斑君と一緒という事で・・。」

「きゃあぁぁぁ!?」「ブロンドヘア。」「可愛い系の顔つき!」「王子様系!?」

クラス中が叫ぶ。しかし俺から見たらどう見ても女子生徒にしか見えない。

(声も中性、いや女性寄りか?そして体格。どう鍛えなくても喉仏や肩幅の骨格の感じ、足の開き方、どれを持っても男子じゃなくて女子のソレだ。たしか、俺の事を狙ってハニ―トラップって言う奴?日本風に言うと『美人局』か?ソレの可能性が有るな。警戒しよう。)

そして、もう一人も自己紹介が始まる。

「・・。」

が、腕を組んで何もしゃべらない。

「ボーデヴィッヒ、自己紹介しろ。」

「ハッ!!」

そう言って敬礼をする。

「私はドイツ軍シュバルツェア・ハーゼ所属で隊長を任命されている。階級は少佐だ。今回、ドイツの国家代表候補生という事でここに来た。」

「・・・。」

続きを待つが、どちらもが沈黙する。よろしくの一言もないのか?すると急に眼が合ったと思ったらこっちにつかつかと歩いてきた。

「織斑一夏はお前か?」

「え?まぁ、そうだけど‥おぉ!?」

『パァン』と音がするくらいにビンタされた。何かしたか?女尊男卑派の生徒という事か?

「私は貴様が教官の弟であることなど、断じて認めない。それに、藤岡という男の存在も認めない。恋人など認められない。」

「・・いや、認められなくても事実だ。ソレは曲げられない。」

心に火がつくような感じがする。胸に火がともった様にして俺の胸の内が熱くなる。

「なんだと!?口答えすると言うの「口答えもくそもない!」・・な!?」

席を立ち、首元を引っ張り目をしっかり見て睨みつけるように言う。

「俺が千冬姉の弟である事に変わりはない。どれだけでき損ないで足を引っ張ってきたとしても、千冬姉の事で俺は譲れない。俺はあの姉を持って誇りだと思っているから。そして、一番許せないのはテメェの言った藤岡先生の・・宏樹さんの事を認めないと言った事だ。二人は思い合い、通じあい、愛し合う事を決めた。そこに貴様の意志も想いも関係ない。認めるだ認めないだ、そんなもんはなぁ、当事者だけが決めるもんだ。テメェがとやかく言う様な事じゃないんだよ。分かるか?俺もお前もクソガキだ。大人同士の関係に一々とやかく言う様な立場じゃねぇんだ。分かったら口を閉じろクソチビ!!」

襟首を持った状態から一度後ろに向き直り、教室の前の広いあたりに背負い投げから放り出す。空中で体勢を立て直せなかったボーデヴィッヒは、背中を床で撃ったのかうめき声をあげた。

「織斑、厄介事を大きくするな。」

「・・・すみませんでした。」

「少し反省して来い。・・今私は手を離せない事が入ったから、そうだな・・保健室の藤岡先生の所に行け。慣れないことして気分が悪いだろう?顔が青い。・・ボーデヴィッヒ、早速問題を起こした事で私と一緒に生徒指導室だ。二人っきりでな。嬉しかろう?貴様の望んだ状況だぞ?分かったら立て、歩け、無理なら私が運んでやろう。ファイヤーマンズキャリーが良いか?ネックブリーカーが良いか?どうせなら、ヘッドロックやアイアンクローで運んでやろう。」

「・・分かりました。すこし、反省して来ます。」

言っている途中でそう言って俺は廊下に出て行く。なんか物騒な言葉が聞こえるがまぁいいか。途中、流しで口にたまった血を吐き出す。

「ペッ・・。」

赤が流し台に広がる。ソレを流して口を拭き、保健室に。

「あぁ、織斑君。織斑先生から連絡が来て話は聞いているよ。気分が悪いそうだね。後、織斑先生からはおそらく慣れないことして手首を痛めているだろうと聞いているよ。」

「お見通しだなぁ・・。」

苦笑いで投げる際に少し痛めた手首に湿布を貼り、外れないようにネットをしてもらう。

「それじゃ少し横になって行きなさい。僕はここで仕事をしてるから何かあれば声をかけて。」

「はい・・、少し横になります。」

面倒な事になった。そう思いながらも目を瞑る。久しぶりに怒りで熱くなってしまったな。

 

もう、感情なんてそう動く事はないと思っていたのに・・。

そう言う意味ではボーデヴィッヒには感謝だ。

俺の中にもまだ感情が動くと言う事を教えてくれたんだから。

 

 

 




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