別に戦闘やらが有るわけじゃありませんよ?
覚悟の見せあいが有るだけです。
それでは本編へ。どうぞ。
教室に戻る頃には一・二時間目の実習は終わっている時間だった。なので次の時間のギリギリになるまで廊下でフラフラしていた。着替えが有るからな。
「あ、織斑君。どうだい?気分は良くなったのかな?」
「ん?・・・あぁ、デュノア君・・だっけ?あぁ、もう大丈夫。普段怒らないのに、久々に怒ったりしたから貧血になったか、頭に血が上り過ぎたせいで気分が悪くなったかのどちらかだろうってさ。今の保健室の先生は俺の家の近くの病院で働いていた人で、千冬姉・・織斑先生の恋人だからな。軽く見てもらえば大体は分かるんだよ。それで・・何か用か?」
「いいや、別にないよ。強いて言うなら、織斑君が元気かどうか気になったからかな?」
「そりゃ心配かけて悪かったな。まぁ、そう心配する様な事じゃないさ。」
そう言いながら俺は外に目を向ける。空は青くて澄んでいた。まぶしいその光景に目を細める。
「織斑君?」
「ん?まだ居たのか。やっぱ何か用なのか?」
「いや・・ちょっと、外を見てたから何かあるのかな?って。」
「いや何も。ただ最近雨降って無いなと思っただけだよ。こっちに来たのは昨日一昨日くらいだろ?ここらは最近ずっと晴れで、雨降らないとコメ農家も心配だなと思ってな。」
「ははは・・そんなこと思ってたんだ。まぁ、確かによく晴れてるね。五月半ば過ぎだって言うのに暑くなってきそうだよね。」
「まぁ・・な。」
そして、携帯を見ると予定時間になっていたので教室に戻る事にした。
「そろそろ戻らないと、授業に遅れるぞ?」
「あ、そうだね。」
そう言いながら俺の横に並ぶ。並ぶ必要ってないよな。・・やっぱ、何かあるようだな。
そう思いながら教室に入って授業を受ける。
そして、授業が終わると俺は次の準備をして席に座っていた。そこにデュノアが来ようとしていたのを見つけたが、途中で女子に止められて質問攻めになっている。あれ?やっぱ男子なのか?いや・・どう見ても女子だよなぁ・・アレ。そして、女子からクラス内の女尊男卑派が居る事を注意を受けて、顔をひきつらせていた。まぁ、俺しか被害に遭ってないからな。そこまで、キレる様な事じゃないが・・千冬姉が悲しむからやめてもらえるとうれしいんだよな。宏樹さんに被害が有るなら話は別で、叩き潰す気でも居るが・・その場合は千冬姉の本気が出るだろうし安心だよな。隠れてやるなら俺が一番ターゲットになりやすいし。デュノアは中性な顔立ちだからまだ俺の様な男って感じよりも受けは良いだろう。・・どう見ても女子にしか見えんが男子という扱いだからな。
そして、授業がまた終わり、昼になる。また鈴と箒の二人が近付いてくるが、その前に丁度デュノアが立って、更に女子が壁になった。俺はそのうちに荷物を持って生徒会室に逃げ込む。
「失礼します。」
「あら、早いわね。と言いたいけどまぁ、さしずめ例の疑惑の男の子に近づかれるのを警戒してるのかしら?」
「えぇ、やっぱ知ってますか。どう見ても女子なんですけど・・アレ、どう言う事です?」
「まぁねぇ。どう見ても少し中性っぽい女子がズボンはいてるようにしか見えないもんね。」
そう言いながら扇子を開く。達筆で『男の娘』と書いてある。
違う。ソレは一応、性別は男だ。
「まぁ、様子見ね。目的が一夏君狙いなのは一目瞭然ね。近付きすぎて不審だし。もしかしてそっちの気が有るんじゃないかとか噂が立ち始めてるようよ?」
「勘弁してくれ。・・スパイならすぐに報告します。」
そう言いながら携帯食を流し込む。ふぅ、とため息をつく。
「・・本当に食が細くなったわね。それで大丈夫なの?」
「胃が受け付けません。酷い時は吐血まで行くので・・この胸の手術痕も最近疼くような気がしてうまく寝れないし・・もう、本当に時間がないのかもしれませんね。」
胸の手術痕をなぞりながら、ふとなつかしみながらそう言う。
「・・そんな事、笑いながら言わないでちょうだいな。」
「そうですね、すいません。」
苦笑いしながら俺は謝る。ソレを痛々しい様な顔で見る楯無先輩。
「・・気にしなくていいですよ。寧ろ気にしたらだめです・・。やっぱ、別の場所探しますね。食事の邪魔になりますし・・。」
「いいえ、それはむしろ此処の方がいいと思うわ。私も・・覚悟していたはずなのにね。更識家の長になる時にそんな経験はいやというほどする事になるのは分かっていたはずなのに・・今まで別に気にしたことなんかなかったのに。他人の死に敏感になってはつぶれて心をすり減らしてしまうと分かっていたから今まで気にしなかったのに・・君の事はどうしてか気にしてしまうのよね。」
「気にしては駄目です。貴女は優しいんでしょうけど、ソレは妹さんに向けてあげてください。だから・・俺の事は気にしないでください。そこにいるだけの存在と、一個人として認識しないでください。お願いします。」
こんなやさしい人を悲しませたくない。やはり、俺は離れるべきか?しかし、それは結局この人に迷惑をかける行為になりかねない。ジレンマだ。
「・・そろそろ、時間よ。行った方がいいわ。」
「そうですね、ありがとうございました。」
そう言って生徒会室から出て教室に向かって歩いて行く。
次の授業内容を思い出しながら・・胸の痕を触りつつ。
▼
「失礼します。」
「えぇ、ど・・うぞ・・。」
入ってきたのは妹の簪ちゃんだった。
「彼のカルテ、診察記録、治療記録、手術記録、色々と手を尽くして調べたよ。」
「彼って、誰の事かしら?」
分かりきっている事に白を切る。
「織斑一夏。織斑千冬の弟にして世界でたった一人の男性IS操縦者。そして、【世界に発病が0,01%と言われる奇病】の患者。発作が起きる前の早期発見なら切除で何とか延命はできるが、それでも完全な治療法は見つかっていない病気。その上彼は早期発見どころか進行末期状態で見つかり、発作も小さいものなら一週間に多発するほど進行が悪化している。もう・・余命いくばくもない状態で・・なんで彼をISに乗せるの!?お姉ちゃんならその権限で彼から専用機を取りあげる事は出来るよね!?何でそのまま放っているの!?彼、死んじゃうよ!?」誤魔化しきれないその問いに私は最悪の答えをしよう。嫌われたとしても・・
「・・そうよ。彼はこの学園で死ぬの。ISに乗り、その寿命を縮めて命尽きるその日まで・・。」
そう言うとタイを引っ張られ机越しに詰め寄られる。
「そんな非道な事をなんで!?彼をなんで殺すの!?そんな人じゃないと思っていたのに!!」
「・・彼の意志よ。」
その一言で一気に力が抜けた。目が点になり、理解できないと言わんばかりに見開いて。
「彼はね?・・その身で何か残せるのならソレを選ぶと言ったの。もしも、これから先、男性がほかに乗れるようなら彼のデータは大いに役立つわ。比較するにも、参考にするにもね。・・そして、簪ちゃん。貴女の機体のデータに使われていると言う事で日本の第三世代機の参考データの一つにされる。日本の未来の先駆けになっているの。彼の意志はそこよ。誰かの役に立って、何かを残す。自分が生きていた何かを残す為に今、彼は此処に来てISに乗っているわ。後は聞いた所だと、小さいころから両親がいない彼は家族という物に憧れていて、今の織斑先生と藤岡先生と一緒に居られて幸せだそうよ。だから・・彼の邪魔をするというのなら簪ちゃんであろうと、私は非道になるわ。コレは私が彼と会って話した事で決めた、【私の覚悟】よ。」
「・・強いね‥お姉ちゃんは・・。」
「えぇ、貴女のお姉ちゃんだもの。強くなくちゃかっこ悪いじゃない?」
「ほんと、かっこいい。かっこよすぎて目の前がかすんで・・見えなくぅ・・ひぐっ・・」
眼元を押さえる簪ちゃんのその眼鏡型モニターを取りあげて、頭を抱きしめて抱え込む。
「貴女は、気にしない方がいいと思ったの。こういう風に優しい子だからね。つらい事は私が受け止めるわ。だから、・・貴女は彼のデータが無駄にならないように、日本代表候補としての責務を果たして。それが彼への手向けになるから。・・彼は誰にも言わず、この話は広めない事になっているわ。そうして、静かに彼は消えて行くことを望んだ。おそらく最期には事故死という事になるはずよ。それでも・・彼は懸命に今を生きているわ。だから簪ちゃん、貴女も一緒に頑張りましょう?負けないくらいに。強く、輝いてまぶしい彼よりも、胸を張っていられるように。」
「うん・・うん・・ぐすっ・・。」
「彼はあとどれくらい時間が有るのかしら・・。」
友人から「仮面ライダーエグゼイドの円盤買うけど、おまけつきの分要る?」と聞かれてつい、「分かった、ガシャットは私が買い取ろう。」とできるだけ渋い声で言ったら大笑いされました。仮面ライダークロノスの真似をしただけなのに。
そう言う友人はゲームで好感度が関係する分のシステムなのに、「俺の事を好きにならない奴は邪魔なんだよ!」なんて言っていたくせに。何処の草加かと思いましたよ。
ビルドの敵役がなかなかいい感じで変身道具を買おうか悩みます。
十二月発売のドクターマイティほしい!
さて、それでは次回。