そして、対する一夏はどうするのか。
それでは本編へ、どうぞ!
放課後になり、屋上の入口の上に寝転がる。風が吹き、下から部活動をしている声が聞こえる。食事は部屋に帰って一人で取る気だから今は少しでも、一人で何かを考えたかった。これからの事、デュノアとどう接して行くかの事、千冬姉と宏樹さんの事、家の掃除した後の事、俺の私物は片付けたけど後はやり忘れた事はないか・・色々と考えていた。
あまり風に当たり過ぎて居たら体に悪いと思い少し日が落ちたから部屋に戻る事に。部活動も終わって皆が食事に向かったころに部屋に戻る。先に済ませた事にしておけばデュノアと会って話に出ても気にならないだろう。
そう思い食堂方面から回り道して部屋に戻る。途中の近くの部屋の前でデュノアが居た。荷物を持って中に運び込んでいた。「あ、織斑君。今帰って来たの?これ終わったら一緒に食事行かない?」
「いや、すまないが俺は終わって戻ってきた所だ。・・少し手伝おうか?」
「いや、いいよ。それにボクの荷物は会社関係もあるからね。下手に見ると機密事項とかがあったらいけないし。」
「そうか、ならしょうがないな。頑張ってくれ。」
「うん、じゃあ後で遊びに行っても良い?織斑君と一緒の部屋かと思ってたけど、違うみたいで一人部屋だから、どうすればいいのか生活の仕方を教えてもらおうかと思ってさ。」
どうやら近くでチャンスをうかがうようだな。・・あえて作ってみるか?確か今日は宏樹先生は少し遅くなる日だな。だったら・・、
「あぁ、藤岡先生と一緒の部屋なんだが、今日は遅いらしいからな。織斑先生も同じように遅い様な日程だったかな?食事も含めると織斑先生と一緒に過ごしてくるかもしれないから更に遅くなるかもな。」
「じゃ、じゃぁ・・大急ぎでコレ片付けて食事して来るから。部屋は奥の部屋で良いんだよね?」
「あぁ。じゃぁ、お茶でも用意して待っておくよ。」
「うん、じゃあね。・・頑張ろう。」
何をがんばるのかは流しておいてやろう。もしも、俺の思う通りの行動をしたらすぐに楯無先輩に通報だけどな。・・いや、あえてこうするか?有る考えを行動に移す事にした。
「や、やぁ、来たよ。」
インターホンが鳴りドアを開けるとそこにはデュノアが居た。
「あぁ、いらっしゃい。まぁ、中に来いよ。お茶を用意しているんだ。日本茶ってそう飲んだ事無いだろ?数種類あるからな、話しながら入れてやるから。」
そう言って机といすを用意している所に誘導する。
「へぇ、日本茶って緑のえっと・・煎茶だっけ?それだけかと思っていたけど・・。」
「中国茶も紅茶も色々とあるだろ?それと一緒だよ。まぁ、先ずは言ってた煎茶を淹れてやる。」
そう言いながらお茶を入れて話をする。そして、急須から二つの茶器に注ぎ飲む。
「へぇ・・苦いのにほんのり甘くて、なんか美味しいような味がするね。」
「そうだろ。まぁ、そう言うのが結構多いんだ。まぁ、各メーカーやお茶畑の人で味が違う事も多いし、前テレビで見てたらお茶の葉を揉んで、蒸して、ってしてる時間が少し違うだけで駄目にも良くもなるんだってさ。」
「難しいんだね。凄いや。」
「あぁ・・そういや、呼んでおいてスマンが先にシャワー浴びて良いか?用意してたら、入りそびれてな、先生が帰ってきたら遅くなっちまうから先にはいっときたいんだ。」
「あ、それはいいよ。ボクが押しかけた様なものだし。」
「スマンな。なるべく早くするから。」
そう言って俺はリストバンドを外してパソコンの前に置いた。
「じゃ、ゆっくり飲んでいてくれ。」
そう言って俺は脱衣室に向かい、シャワーを出す。
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ボク『シャルル・デュノア』はお茶を飲みつつ彼がシャワーを浴びに行ったのを確認してすぐにパソコンに端末をつなぎ、彼が置いて行った『リストバンド』専用機の待機状態の端子をつなぐ。そして、パソコンを操作してそこから端末にデータを流してソレを保存して行く。シャワーを浴びて居る音が後ろからするのを聞きながら早く全部データがコピーできるのを待ち続ける。そして、データがコピーし終わって、端末を服の中に納めてパソコンを終了し、リストバンドを元の位置に戻す・・その手を後ろからつかまれる。
「見ーちゃった・・。」
「え?」
そこには『犯人逮捕』と書いてある扇子を持った生徒会長、更識楯無がボクの手を掴んでいた。
「やっぱりそうだったのね。『シャルロット・デュノア』ちゃん?」
「あ・・あぁ・・。」
「俺に近づいてのはそう言う事だろうと思ってたよ。」
脱衣所からシャワーを浴びたらしき織斑君が出て来た。シャツを着ているが、どこか艶めかしい様な色気が垣間見えた。そんな事を頭の端で考えながらも絶望感にさいなまれる。どこか自分を遠くから見ている様な感覚に陥っていた。
「初めから・・分かっていたの?」
「あぁ。俺に近づく女子なんかそう居るもんじゃないからな。あ、お前が女子な事も初見で見破っていたよ。その上でお前の対応によってはこのまま学園に居ても良い様にするつもりだった。コレは審判の時だったんだよ。そして、お前は罪を犯した。たらされた針に掛ってしまったのだから。」
「・・初めから・・ボクのここまで来るための準備は一体・・」
「無駄・・ね。正規に転入して彼と仲良くなれたら違う未来だったのにね。・・貴女を拘束し、学園のスパイとして捌く事になるわ。恨むなら甘い欲に流された自分を恨む事ね。」
このままでは・・、せめて抵抗しなくちゃ・・。
「ボ、ボクは父親に強制されて・・」
「なら助けを求めればよかったのよ。あぁ、あのデータ送信した様ね。あれ、ウィルスだから。」
「・・え?」
「あのデータは偽物だ。送られた端末からつながった先にあるデータを世界中に放出する。」
え?・・え?つまり?ボクが送った先は社長のパソコンで・・、そこにあるデータが世界中に放出される?
「お・・終わった・・デュノア社は破滅だ・・。」
「そのトリガーを引いたのは貴女と父親よ。残念だったわね。」
そう言ってうなだれたボクの後ろから両手を縛り、廊下に出される。そこには数人の教師が居て、ボクの専用機を奪って専用の容器に保管した。
「彼・・いえ、彼女はスパイです。隔離した後、上層部及びIS委員会の役員を含めた査問会でその措置を決定します。それまでは、地下の拘置所に。食事等は与えて自殺などはしないように監視もしてください。彼女は父に強制されたと言っていました。その際の証拠となりますので。では・・。」
そう言われてボクは連れて行かれた。部屋の鍵は外からしてあるけど、別に床が石畳とかそういうとこじゃなくて、少し質素なホテルみたいな所だった。
翌朝貰った食事は普通の食堂の食事。パンとスープ、スクランブルエッグとベーコン。食器が先がまるいフォークになったスプーンだったから食べづらかったけど、十分味は美味しかったし量もあった。嫌がらせも受けることなく、静かに・・偶に監視の教師が暇で声をかけてくるから会話をするけど、それ以外は本当に静かに過ごした。今までが色々あって突かれていたボクからすればこれは休息だった。頭を休めて空っぽにして寝た。そして、今までどうすればよかったのかを考えた。本当に彼の言う通りに、助けを求めて居ればよかった。ソレは確実な事実だ。
「・・もう少し、この学校で学んだり、普通の生徒の生活をしたかったな・・。」
そう望んでしまうのは罪を犯したボクだからだろう。もうかなわない事が分かるからこそボクはそう呟いた。
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「スパイ容疑者、『シャルロット・デュノア』は情状酌量の余地が有るとして、監視の元、学園での無償奉仕と専用機の没収で女子生徒として入学を許可する。但し、監視が怪しい行動をとったと認識した場合はすぐに拘束。事の無実が判明するまで拘留される事になる。」
「・・・ボクは・・強制送還されるんじゃないのですか?」
「今、フランスに返すと貴女はおそらく消されるわ。デュノア社、及びフランス政府の汚職が判明した今、貴女は重要な参考人なのよ。」
そう教師の一人が告げる。
「一番安全なのは学園だ。監視も怪しい行動をとらないかという点もあるが、他の生徒に狙われないかという点でもある。各国の生徒がいるからな。同じフランス国籍やユーロ圏を気にするだけじゃ安心できないと言う訳だ。理解しろ。」
今度はIS委員会の役員が言う。
「そう言う事でシャルロット・デュノアとしての再入学が決まったと言う事です。女子の制服で登校するように。部屋も監視の生徒がつきます。IS委員会の選別した生徒ですから安心してください。」
学園長がそう言ってにこやかに笑う。
「ここで貴女は《被害者》、という存在になりました。確かに、罪を犯しましたが、監視の教師からも反省の色が見えると言う事も報告が有りました。聞かれた事はすべて答え、正確な情報を与えてもらえた我々は、貴女を信じます。しかし対外的な事、そして先の事を踏まえての監視です。」
「あり・・がとう・・ございまずぅ・・。」
涙でぐしゃぐしゃな顔の状態のシャルロット・デュノアは数日後に正式に入学した。
そこには反省の顔と、心底学生生活を謳歌する女子生徒の顔が有った。
はい、今回はシャルロット回でした。
まぁ、此処までしてくれれば原作の一夏君にも、学園側・生徒会長側にも面倒はなかったと思うんですよね。まぁ、あそこまで明らかな男装を信じる学校じゃ仕方ないか。
それじゃまた次回にお会いしましょう。