[DEAR]~貴女と居た季節~   作:金宮 来人

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おはこんばんちわ。
作者です。
先日賞味期限も近いからという事で一番くじで当たった、
レトルトの艦コレカレーを食べました。
ラストワン賞の激辛カレーと書いてあった分をドキドキしながら一口。
・・もぐもぐ・・。
「普通にうま・・あ、辛い・・でも良い辛さ。」
的な感じでとっても美味しく頂きました。

さて、余談はこれくらいにして本編へどうぞ。


08 最凶と最強

千冬姉の後をついて行く。その先は生徒会室。はて?

「更識、居るか?」

「はい、お待ちしてましたよ織斑先生。それと織斑一夏君。」

中に入ると一人の生徒が座って、もう一人は後ろに控えるように立っていた。

「私は生徒会長の更識楯無、この学園の二年生。日本政府とのつながりもあるから君の事は熟知しているわ。色々と補佐をしようと思ってね。君と会談した政府高官は上司に当たってね、いたく君の心配をしていたのよ。だから、何かあればお姉さんを頼ってちょうだい。生徒会長の権限って結構大きいのよ。」

「生徒会会計でお嬢様の秘書兼メイドをしております、布仏虚と言います。私も三年生なので色々と権限や意見を言える立場にあります。整備課なのでもしそちらで頼る際には私に一言どうぞ。」

そう言ってゆっくりとお辞儀をする布仏先輩。

「分かりました、更識先輩、布仏先輩。よろしくお願いします。」

そう言うと更識先輩が近くに来てマジマジと見てきた。

「・・本当に生き生きしてるわね。普通の人よりも輝いて見えるって言うのも分かるわ。」

「すべて受け入れて生きてますから。苦難も気楽も全て生きる過程の事だと思えば、辛いことなんか何もありません。」

そう言って話すと二人の先輩は顔を反らす。まるで見て居られないと言う様に。

振り向けば千冬姉は目を覆っていた。そっか、やっぱつらいか。ごめん。

最近は謝る事が多い気がする。面倒をかけてごめんとか、心配をかけてごめんとか、先逝くのはごめんとか。いろいろとね。

「それじゃぁ、まぁ・・そうね。立ち話じゃなくて座ってくれるかしら。少し込み入った話をするわ。」

「はい・・織斑先生もいた方が?」

「そうね。御家族にも居てもらった方がいいわ。これはIS委員会の正式な決定でもあるし、日本政府からの命令でもあるわ。織斑一夏君にはむごい仕打ちかもしれないけど。」

「それは?」

普通に聞き返すと少し言い淀んで目を反らし、千冬姉に見られてこっちに顔を戻す。

「君のクラスに居る・・聞いたところクラス代表のセシリア・オルコット、彼女はイギリスの代表候補生で専用機持ちなの。その子と戦ってほしい。いや、戦いなさいと言う命令よ。いきなり訓練を受けて居て専用機を与えられるほどの代表候補生に素人が戦いを挑むなんて無謀というのは分かってるわ。それでもデータの為に強者と戦う事、それは必要なデータらしいの。」

「・・はぁ。なるほど・・それはいつになりますか?」

「専用機が届いてすぐだそうよ。」

今準備している専用機が届き次第とか本当にずぶの素人を当て馬にするという事か。まったくどうにかしてる・・。今更か。

「分かりました、命令という事ならどうせ拒否権などはない。ならば従うだけです。」

「聞くが、更識・・それによって一夏の寿命が減るような事態が起こり得ないのだろうな!?それならどんな権限を使ってでも・・」

「織斑先生・・いや千冬姉、コレは覆せない決定だよ。落ち付いて。更識先輩大丈夫です。届き次第行いましょう。」

「一夏!!」

肩をたたき立ちあがっている千冬姉の体を座らせる。

「大丈夫・・これも覚悟していた事だから。大丈夫だから。」

笑って落ち着かせるように言うが、逆に顔をしかめる千冬姉。

「そんなはかない笑顔で大丈夫なんて言うな。・・消えてしまいそうで・・怖い。」

そう言いながら抱きしめられる。少し嬉しいけど、そんなんじゃ俺が居なくなった時に耐えきれなくなるよ。もうちょっと強くなろう。ね?

「・・こんな事を言う事になっている私が言うのはどうかと思うけど・・君は本当にそれでいいの?もっと理不尽だとか言っていいのよ?」

「いえ、この病気を治す事は無理と言われた時に覚悟しました。あの天災でさえも、人じゃなくなるなら治ると。それは治すじゃなくて造り直すだと思いました。作り変えると言うか・・それは俺じゃなくなると思いました。なら、俺は俺として、人として生きて人として死ぬ。普通より少し早いけど人としてあたりまえの事です。そうなる事を選んだのは俺です。他の人にも誰のせいでもない。ただ俺が病気に掛ってしまった。そんな運が悪かっただけです。誰にも恨み事を言う訳じゃありません。」

「そう・・じゃぁ、届き次第放課後に緊急でアリーナ貸し切りの試合をするからよろしくね。」

「分かりました・・。今の俺の価値は戦ってデータを残す。ただそれだけの為に学園に入学したのですから。」

今の俺に出来る事、俺が残せる物が有る事は有る種の幸せなのかもしれない。行動すれば結果は残るのだから。死ぬ前の置き土産という訳じゃないが、それでも俺はここで死ぬ事になるだろう。きっと卒業はできない。ソレは余命宣告からも分かっている。きっとISが体に負荷をかけてもっと寿命は減る。もう、いつ死ぬかも分からないのに・・。

「先に言いたい事が有ります。」

「何かしら?こっちも色々と言ったんだから少しの我が儘くらいなら聞いちゃうわよ?おねーさんとデートがしたいとか?」

しなを作るように茶化す様にあえて空気を読まずに対応してくれるが、俺はソレをぶち壊すように口を開く。

「おそらく俺はこの学園で死ぬでしょう。その際に迷惑をかけますが、出来る事なら事は静かに処理してください。俺は騒がれたくない。ただ静かに・・誰にも迷惑はかけたくないまま消えて行きたかった。でもここに来たらしょうがない。貴女達を信用して学園長とともにこの話を知っておいてほしい。俺は、こんなに多くの人に心配されて幸せだったと。」

千冬姉は顔を覆って膝に手をつきそのまま膝に頭をつけるように崩れ落ちた。その頭をゆっくりと撫でる。

「申し訳ありません、席を少し外します。」

そう言って眼元を覆って走るように布仏先輩が席をはずして出て行った。そして、非常に苦しそうな顔をした更識先輩がこっちを見ているのに気がついて目が合う。笑顔を浮かべてそれでもゆっくりと千冬姉の髪を梳かすようになでる。

「貴方は異常ね。」

「そんなもんです。強い姉を持って、此処まで生きて来たから。」

そう言って俺は席を立つ。

「話は以上なら教室に戻ります。織斑先生は教室に戻らないほうがいいでしょう。よろしくお願いします。」

そう言って俺は廊下に出る。ゆっくりと近づいてくる最後の時間を踏みしめるように、廊下を静かに歩いて行った。

 

「私は強くなんかない・・たった一人の家族さえも守れないほどちっぽけで弱い・・。」

「私も妹がいますが・・家族を守るっていうのは存外大変です。何から守ればいいのか分からなくなる。結果私は妹を傷つけました。危ない事に近づいてほしくなくて言った言葉が逆に彼女を傷つけて、関係は大きく歪んでしまった。中の良い姉妹が一つの言葉でコレですから・・貴女のように重い物を背負った人はもっと辛いと思います。」

手を握って話すと涙で真っ赤になった目を向けて織斑千冬がこっちを見た。コレが世界最強とは思えないほどか弱く脆い。儚い笑顔と一緒だ。今にも壊れそうだ。

彼は今にも消えそうで、こっちは今にも心から壊れそう。原因はどちらも家族を大事に思っているから。何という皮肉だろうか・・。

「まだ貴女の弟さんは生きています。貴女はキッチリと彼を指導して、危険を排除して行きましょう。私も明らかにおかしな命令は拒否します。今回はどうしても初めての事で断りきれませんでしたが、これからも続くようならこっちにも考えが有ります。だから彼を守る事に私も協力させてください。」

「なぜ・・何故唯の生徒会長という立場のお前まで一夏を・・」

「彼が・・人としてまぶしかったから。人として憧れてしまったからですかね。儚いのに精いっぱい生きて行こうとする彼の姿に・・私も当てられたのかもしれません。」

惚れた、はれたじゃなくて・・そう言う事だろう。胸が高鳴るとかじゃない。彼を助けたいという思いだ。コレはきっと、そう言う別の思いだ。

「学園最強の貴女と、権限を多く持つ学園最凶な私。お互い協力しましょう。彼の機体はおそらく今週中には届きます。なら、すぐにでも手を打ちます。女尊男卑派が動く前に色々としておきましょう。彼を守るために。」

「わかった。頼む。」

握手をする織斑先生の手は涙で少し濡れていたし細かく震えていた。しかし、それでも思いは伝わるほどゆっくりとしっかりと握られた。

私は覚悟を決めた。彼ほどの覚悟じゃないけど。それでも、前を向けたと思う。妹ともこれを期に仲直りして協力してもらおう。絶対に彼を守りたいから。

怖いとか言って尻ごみしてる場合じゃない。彼はこれ以上の恐怖を覚悟しているのだ。年下に負けっぱなしじゃ生徒会長の名がすたるし、そもそも私は更識家当主でロシアの代表だ。肩書きで言うなら私はもっと上に居るのに、ただ覚悟を見せられただけで彼が何倍も上に居る気がした。それならその高さから落ちないように支えるのも私の役目だ。

どうしたって、何をしたって、今まで以上に頑張ってやる。

彼と出会えた事は私の幸運だと言える。私は自分の力を過信していた。でも、そうじゃない。今からでももっと上を目指そう。彼を支える為に。

 

 




シンフォギアも異世界食堂も終わり・・今季のアニメには食指が動かない。
なんとも言えない絶望感・・。
そんな所にがっこうぐらしの本が古本で八巻まで一気売り。
欲しかった作者は当然買い、一気読み。
更に何とも言われぬ絶望感に・・。

上手いものでも食べてどうにか気分を盛り上げよう。
そうだ、ナスのてんぷらでも食べよう。
さて、そんな作者のプライベートはさておき、
皆様が評価をしてくださっていてとてもうれしいのですが、
もしも展開的に無理が有るだろうと思ったとこが有れば感想に書いてもらっても問題ありませんので、どしどしよろしくお願いいたします。
では、また次回。
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