赤き眼を継ぎし者の異世界旅行譚   作:和服座 天六

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この話は35000字ほどで構成されている為、サクッと読めます。
まあ僕の各作品のほとんどが一話構成3500字ほどですので。

それでは皆様悪しからず。


第1章 『カンピオーネ』編
000 足りなすぎる少年と与えられた力


000 足りなすぎる少年と与えられた力

 

 

 僕には生まれつき足り無いモノが多すぎた。

 両足に右目、肺一つと腎臓一つ、嗅覚と味覚、食事のでき無い体に日を浴びる事のでき無い体。

 そんな体の所為で生まれてからずっと、僕は日の当ら無い病室で暮らしていた。

 自分の病室から出る事はなく、人という人といえば看護師や医者、両親や親戚それくらいだった。

 

 そんな僕だからこそ【二次元】という世界観に憧れていった。

 最初は両親の持ってきたライトノベルだった、そのライトノベルにはまってからはすごかった、異世界、天性、転移、勇者、魔王、神様、ダンジョン、忍者。

 いろいろな二次元物にハマっていき、僕は小さな僕の病室という名の『世界』を楽しんだ。

 

 だが始まりがあれば終わりが来るように、僕と言う人間の命は限界に差し掛かっていた。

 もともと口から食べ物を摂取でき無い体だ、いつかは来ると思って居たがやっぱり早かった。

 

 14年。

 

 それが僕の生きた時間であり、僕の終わりの時間。

 僕は幸せだっただろうか・・・・否、不幸せではなかったけど幸福ではなかった。

 僕には足り無い物が多すぎたし、やりたい事が出来無さ過ぎた。

 歩いてみたかった走ってみたかった、何かを食べて噛み締めてみたかった、恋人が欲しかった子供が欲しかった、青空がみたかった雨に打たれてみたかった、雷をみたかった太陽をみたかった、人を殺したかった人を救いたかった、色々やりたくてでも僕には何もできなくて、それでもやっぱり悔しくて悲しい。

 何もでき無い自分が悔しくて、こんな人生で終わってしまう自分が悲しい。

 

 ああ、手の先の感覚が無くなってきた。

 

 目も霞んできて、意識も遠くなってきた。

 

 そして自覚し認識する、これが『死』だと。

 

 ああ、と思う。

 

 今まで何も無い人生だったけど、ただただ無駄な人生だったけど、それでも生まれてこれてよかった・・・と。

 

 

 

 * * * * * * * * *

 

 

 

 真っ暗で何も無く、小さな水晶しか無い空間である女神が悲しむ。

 

「何て、何て悲しい人生でしょう。やりたい事ができなくて、でもそんな人生を諦め受け入れてしまっている」

 

 その感情が感覚が、どれだけ悲しい事か。

 彼女にはわから無いし、きっとどんな世界のどんな人間にもわから無い事だろうけど、すごく悲しい事だと思う。

 

「私は今まではただの『傍観者』であり『観測者』であったけど、今回だけはこの子だけは救ってあげよう」

 

 だから彼女は決意する、今までの何億何千何兆無限、そんな年月をただ観測し続けてきた彼女が決意する。

 足りなさすぎる少年に力を与え環境を与えると。

 

「あなたが力と自由を持って何を望み何を成すのかわから無いけど、それがどんな道であり結末であっても私は観測し続ける」

 

 

 

 * * * * * * * * * *

 

 

 

 見渡す限り白い空間が広がっている。

 さっきまで病室のベットの上だったはずだ。

 じゃあここはどこだろう、死後の世界か天国かはたまた地獄か。

 

 すると僕の目の前にこの世とは思え無いほど美人で美しい女性が現れる。

 

「初めまして、織(しき)君」

 

 織、それは僕の名前だ。

 なんで知っているのだろう、僕はこんな女性と会った事は無いはずだ。

 

「はじめまして?あの、ここはどこでしょう」

 

 僕は率直な疑問を問いかける。

 

「ここは私の世界です。あなたが死後、魂だけの存在になったので引っ張ってきました」

 

 死後、つまりここは死後の世界?

 

「いえ、死後の世界ではなく、魂だけの状態でいるだけです」

 

 心を読まれてる。

 

「あなたは神か何かですか?」

 

「神・・・・そうですね。種族としてならば神、概念としては【観測者】という方が正しいでしょう」

 

「神様ですか、それで神様は僕に何用でしょう」

 

「あなたは神と言われても信じ、怯え無いのですね」

 

 信じる、怯え。

 

「それは・・・・僕には足り無い物が多いからでしょう。今更信じる信じ無いもありませんし、怯えという感情は理解でき無いようですね僕は」

 

 あはは、と僕は笑うが女神は悲しそうな顔をしている。

 

「あなたは・・・いえ今はそんな事を言う時ではありませんね。

 それではあなたをなぜここに読んだかを説明しましょう」

 

 女神はいつからか出していた豪奢な椅子に座りながら話す。

 

「私があなたをここに読んだ理由は簡単『可哀想と思ったから』です。それと同時に楽しみだと思ったから」

 

「可哀想と思うのはまあわかるのですが、楽しみですか?」

 

「はい、私は今からあなたが望んだ全てを与えましょう、そしてあなたがその力で何をし何を成すのかは自由です。

 それが私は楽しみでなりません、生まれた時から何もかもが足りなすぎる少年が、身にあまる力と自由を得た時に何を得て何を成し何を思うのか、それが私は楽しみで仕方ありません」

 

 女神はそれだけゆうと懐から一枚の紙を出し、それを僕に向かって浮かばせながら飛ばしてきた。

 

「そこに望む物を書きなさい、全て叶えましょう」

 

 そして女神は眼を閉じ、しかし口は楽しそうに微笑んでいる。

 

「足り無い少年が身にあまる力を与えられる・・・か」

 

 それは何て滑稽でバカバカしくてムカついて・・・すばらしく愉快なことだろう。

 僕は目の前の女神が本物か偽物か、今が夢か現なのかさえどうでもよくなった。

 だってもし今までの話が本当ならば、どんなに愉快で楽しそうなことだろう、どうせ終わっていた人生楽しまなければ。

 

 それから僕は一時間か10時間かはたまた一日か、時間感覚がなくなるほど集中し紙に書きつずった・・・願いを。

 書き終わった紙を、ずっと眼も前に座っていた女神に渡す。

 すると内容を見て驚き、そして綺麗な声で笑った。

 それもそのはず、紙に書いた内容はイマイチパッとし無いものだったから。

 

 

【汝、欲する力を書き記せ】

 

 1 五体五感満足な状態の体。

 

 2 不老不死にあらゆる欠損部位の瞬時再生と回復。

 

 3 無限に記憶を保有できる脳。

 

 4 見たもの聞いたモノの完全記憶能力。

 

 5 苦痛、激痛、などのあらゆる精神的異常や心的異常の完全耐性。

 

 6 あらゆる成長の上限無効。

 

 7 あらゆる成長速度を三倍。

 

 8 あらゆる状況、場所、物、を瞬時に適応、理解する体。

 

 9 『ナルト』の永遠の写輪眼。

   右目の能力を、相手が催眠されたと感じることすらでき無いほどの完全催眠。発動条件は、右目の永遠の万華鏡写輪眼を開眼時、視界にある全てが効果範囲であり右目に収めた時点で能力発動可能。効果は術者が解か無い限り永遠。名を『常黄泉』

   左目の能力を、視界内に灰火を発生させる。発動条件は左目の永遠の万華鏡写輪眼を開眼時、視界にある全てが効果範囲であり左目に収めた時点で能力発動可能。効果は術者が解か無い限り消えず、灰になるまで燃え続ける。『煉獄』

   完成体須佐能乎。発動条件は写輪眼でも永遠の写輪眼でも可能。形態は、むき出しの骨格の上に真ん中を境に左右白黒のコートを羽織り、頭蓋骨には仮面を付けており、口が三日月に裂け右眼の下には十字架の模様。武装は大太刀と日本刀、撃鉄式の拳銃。

 

 10 『ナルト』の全忍術に独自の忍術とチャクラ無限。

 

 11 錬金術の使用と、必要知識。 

 

 12 刀使いの天部の才 

 

 13 欠けず壊れず切れ味が失われず、どんな物も斬り裂きく所有者から離れない刀。銘を『六道斬鬼』(りくどうざんき)

 

 14 羽織った瞬間からいつでもその存在を完全に消失させ飛行可能。カラスの形態に変化できる。名を『鴉羽』

 

 15 僕に絶対忠義を誓い絶対に裏切ら無い下僕として『オーバーロード』のナーベラル・ガンマを、なお種族はドッペルゲンガーとする。種族能力は一度見たモノに完全に成り代わることができ、記憶、口調、歩行、仕草、全てを完全模倣。

   元のスキルを全て無くし、代わりに雷を生み出し全ての雷を自在に操る『建御雷神』(たけみかづち)を。

   身体能力などは人外設定に、寿命は無限。

 

 16 あらゆる世界を行き来する能力。元の世界の創作物の世界等にも転移転生可能。

   さらに生まれや時期、家族構成や転移場所も指定可能。

   転移転生した世界で得た知識や能力は移動後も保持し使用可能。

 

 

 

「一つ聞いてもいいかしら」

 

「なんですか」

 

「なんでもっとチートな能力をのぞまなかったの?特に12の『天部の才』何てずばらしい才能があるだけで、この力を与えられても強くなるわけじゃないのよ?」 

 

「ええ分かってます、でも僕は自分の力で強くなる努力をしたいんです。こんなに力をもらっておいてなんですが、それは今までの人生でチャラにしてもらえると有難いです」

 

 僕がそう言うと女神は薄く笑った。

 

「ふふふ、そう・・・やっぱりあなたを選んで正解だったわ。いいでしょうここに書いてある能力を全てあなたに与え、その後に最初にあなたの望む世界に転移か転生させてあげましょう」

 

 そう言って女神は僕の頭に手を置き、そして最後にこう言った。

 

「あなたの人生に幸あらんことを」

 

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