赤き眼を継ぎし者の異世界旅行譚   作:和服座 天六

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プロローグが終わり、もらった力の確認回。


それでは悪しからず。


001 数多の初めてと行動開始

 

 001 数多の初めてと行動開始

 

 

 閉じた瞼から強い明かりが”両目”に当たる。

 ゆっくりと瞼を開け、初めての光景を見る。

 

 それは森であった、木であった、青空であった、太陽であった、雲であった、川であった、今までには見た事もない観れるはずもなかった光景。

 僕はこの光景に魅了され、同時に様々な感情が心の中に生まれた。

 

 感動もあっただろう、嫉妬もあっただろうか、羨望もあったはずだ、そしてなにより美しいと思った。

 自然を壊しながら人が住みやすいように変化させた街、小さくなった森や山に今尚息づく生物。

 全てが美しくて、僕は一目見てこの世界が好きになった。

 

 初めて自分の足で歩く感覚、両の目で見る世界、太陽を浴びる体、力の入る手、何もかもが初めてで新鮮だ。

 

 それから初めて見た外に僕は魅了され、そのまま数時間を過ごしていた。

 そしてやっと今いる場所に気づき、女神に感謝すると同時に足りないものを感じていた。

 

「僕がこの【カンピオーネ】の世界に転移を望んだ時、副産物として新潟県の佐渡島の山に大きな一軒家を建て、家全体を不可視にしてもらうように頼んだはず。そこまでは希望どうりそうだけど、望みの中に書いた【ナーベラル・ガンマ】はどこだろう」

 

 今いた豪華な装飾の施された執務室のような場所を物色し、この部屋には廊下に繋がる扉しかない事を確認し、仕方ないので少し大きな声で呼んでみる事にした。

 

「ナーベ、居るなら出てきてくれるかい?」

 

 するとコンコンと、扉を叩く音が聞こえゆっくりと扉が開かれた。

 

「ナーベラル・ガンマ、今此処に」

 

 ゆっくりと礼儀正しくお辞儀をしてこちら見た。

 

「すごい!本物だ。やっぱりあの神様は本物だったのか。これはすごいや、クフフ」

 

 僕がぶつぶつと言ってる間もナーベはじっと立っている。

 それこそ僕が求めたモノであり、これから長い長い年月を共にするにふさわしい。

 

「じゃ、まず自己紹介をしようか。僕の名前は・・・そうか、僕名前は気に入っていたけど前使っていた苗字は好きじゃないんだよな」

 

 前の世界、つまり足りなさすぎた時に使っていた苗字はあまり気に入ってなかった。

 じゃあこれから何と名乗ろうか・・・・・あんまりいいのが思い浮かばない。

 

「・・・・・じゃあ、今の顔を見て決めるかな」

 

 僕は座っていた椅子から立ち、両の手をパンッと叩いた後机に手をつく。

 青い雷が腕から発生し、そのまま机を辿り床にあるモノを形創る。

 

「これが【錬金術】、万能ではないが知識と使いかたさえわかっていれば便利な力」

 

 僕が作り出したのは姿鏡、材料にしたのは床。

 全てが等価交換だが、しかしその力は極めれば無限の命さえ生み出せる。

 

「これが今の僕の体か・・・黒髪に黒目、整った顔立ちに細身だがしっかりとした体。歳は10歳前半といったところか」

 

 幼い体は僕が選んだ、それ以外は多くを望まないのもあってかあの女神の好みだろう。

 しかし黒髪黒目・・・・・ならあの名前を少しひねって。

 

「黒髪黒目に写輪眼を宿した今の僕、さしずめ【裏葉 織】とでも名乗ろうか。よろしくナーベ」

 

 僕が椅子に座りながら挨拶をすると、ナーベは片膝を床につき忠義の姿勢をとる。

 

「ナーベラル・ガンマ、織様に絶対の忠義と最大の敬愛を今此処に」

 

 頭を伏せ言葉を述べる、その姿は美しくあり気高くあった。

 

 

 

 * * * * * * * * * *

 

 

 

 あれから僕とナーベはこれから住む家を一緒に歩き回った。

 その途中でいろいろ話したり、何ができるのか聞いたりもした。

 そして今、ナーベが料理ができるというので作ってもらっている最中だ。

 

「ナーベはさ、これからどんな事したいか考えてる?」

 

「私の望みは、この身が朽ちるまで織様お供させていただきたく」

 

「そっか」

 

 なんだかわかってはいたけど、少し嬉しく思う。

 

「ナーベ、今この世界は原作開始前の10年前だ。だからあと5年経ったら神を殺そう」

 

 この言葉にはさすがのナーベも驚いたのか固まった。

 

「恐れながら、御身の力は強大ではありますが、織様から頂いた記憶の中にはもっと戦闘に特化した強者がいる事は事実です。5年は長くはありますが、しかし神を殺すには少し短いかと存じます」

 

「ん〜〜そうか。でもね、僕は最強を目指したいわけじゃないんだ」

 

 ナーベは首をかしげる、その仕草が可愛かったから僕はもう少し話す。

 

「ナーベも知ってると思うけど、僕は今まであらゆるものが足りなくて出来ない事が多すぎた。

 だから僕はこれからの長い人生、精一杯楽しみ尽くしたいんだ。その為の死なない体と、程よい超絶の力なんだよ」

 

 それを聞いてナーベは納得したのか料理に戻った。

 

 

 あれからナーベが作ったものを初めて口で食べ、食べ物の食い方や飲み込み方を味わった。

 

 

 そして今、自分たちの家にある地下にいる。

 この空間は僕が望んだ通りに設計されている。

 

「どれだけ暴れても壊れず、どれほど大きな音を出しても外には守れない地下室」

 

 地下室、というには大きすぎる場所。

 例えるならば大きな体育館くらいある。

 

「じゃあナーベ、今から少し僕の力を使ってみるから離れてて」

 

 その言葉に従い壁際に下がるナーベ。

 

「それじゃあまず忍術から」

 

 地面から出てきた藁人形をめがけて印を結ぶ。

 ゆっくりとだが着実に印を完成させ、忍術を発動する。

 

「【火遁・豪火球の術】」

 

 手を筒状にして口に当て息を吐く、するとバレボールサイズの火の玉が一定の速度で藁人形に向かっていき当たった。

 

「忍術の知識は全てある、あとは印だけど・・・問題なさそうだね」

 

 忍術に必要な【印】と【チャクラ】使い方は完璧だ。

 

「それじゃあ次」

 

 パンッと両手を合わせ、地面に勢い良く手をつく。

 青い雷が発生し地面に走る、すると地面から岩の腕が現れた。

 

「さっきも試したけど錬金術も問題ない」

 

 本当は【ロイ・マスタング大佐】の焔の錬金術を使いたかったけど、今は発火布の手袋がないから仕方ない。

 

「とりあえず能力系の力は万全に使えそう、写輪眼は最後に試すとして・・・次は刀の【六道斬鬼】と【鴉羽】か」

 

 あれはどこにあるんだろう、一応宝具や神器と呼ばれる類のものだろうけど。

 

「まあモノは試し、【地獄を斬り裂け 六道斬鬼】」

 

 かっこつけながら叫ぶと、腰に一振りの刀が現れていた。

 艶やかな漆黒の鞘に、白と金で装飾された柄。

 柄を握り抜くと、怪しげな文様の施された刀身は鋭く美しい。

 僕はそれを真横に振り下ろす、ザザザザザと音を立て地面が避けていき壁に大きな斬痕を残す。

 

「すごいな、刀に振り回される感が半端ない。もっと鍛錬しなきゃこの刀は使えないな」

 

 刀の切れ味に驚愕し少しばかり恐怖する、静かに刀身を鞘に収めナーベを呼び刀を預ける。

 

「最後に【来れ 鴉羽】」

 

 呼ぶと肩に大きく美しい鴉羽を持った鴉が飛んできた。

 

「すごいこの鴉、喋る事は出来無さそうだけど簡単な意思疎通はできるのか。じゃあ【羽織れ 鴉羽】」

 

 カーと鳴き、その姿を鴉から黒のフード付きのコートに変える。

 デザインや形状は望んだ通りになり、耐久力も高く高機能。

 

「確か飛行能力もあったか」

 

 飛行能力もあったと思い出し、片足を強く蹴り上に飛ぶ。

 するとコートの端がはためき空中に留まる。

 そのまま望んだ通りに飛行可能な事を確認し、鴉羽を鴉の状態に戻す。

 

「お前はこのまま家の周りに居なよ、何かあれば呼ぶからその時はおねがい」

 

 腕を大きく上げ鴉羽を飛ばす、大きな羽を使い飛んで行った。

 

「それじゃあ最後、【永遠の写輪眼】か」

 

 一応姿鏡も出しておき、両の目に力を入れる。すると

 

「おお!これが僕の写輪眼か」

 

 写輪眼は個人個人文様が違うが、僕の場合は左右で文様が異なるようで。

 

「右目が卍に三日月を掛け合わせたような模様、左目は十字架に鎖が巻きついている模様か。じゃあ力の確認をしようか」

 

 まず左目の【煉獄】を発動する為に右目を閉じ、力を入れる。

 左目の視界が少し赤くなったかと思った瞬間、藁人形に灰色の火が現れた。

 その火は収まる気配はなく、逆に大きく広がり最後には灰を残して消えた。

 

「この力は便利に使えそうだ、じゃあ次だけど・・・ナーベ来て」

 

 右目の瞳力は他人に使わなければ発動したかわからないから、ナーベを呼ぶ。

 

「今から右目の写輪眼【常黄泉】の瞳力を使うよ」

 

「はい」

 

 疑問をも立つただ立ってこちらを見るナーベ。

 

「じゃあナーベ今から僕に殴ってくれないかな」

 

 一瞬固まったナーベだが、僕の命令の為渋々といった感じに殴る姿勢を見せ腕を振り切る。

 

「な!」

 

 起こった現象にさすがのナーベも驚いたようで、目を見開かせる。

 そんなナーベに向かって僕は背後から声をかける。

 

「すごいでしょ」

 

 勢いよく振り返ったナーベに僕は手を振る。

 

「これが右目の瞳力【常黄泉】の能力、相手に気づかれる事なく完全催眠をかける能力」

 

 言うのは簡単だが、しかしその力はあまりにも強大だ。

 さすがのナーベも身をもってその力を知り、さらにこの目の本来の力に気づき恐怖する。

 

「やっぱ気づくか。ナーベは優秀だから一回この能力にハマれば、この力本来の使い方を理解すると思った。

 そう、今ナーベに使っている力は『五感を完全催眠し、僕の位置や匂い足音や声を曖昧にしあやふやにしているだけ』。

 本気でこの力を使えば、あらゆることができるようになる。例えるなら『今此処はビーチで、僕と君は恋人同士だ』なんて催眠をかければ、さっきまで殺し合いをしていたとしても関係なくなる。

 そしてこの能力の怖いところは効果の限界がないこと、僕が解除するまで永遠に催眠の中・・・ということさ」

 

 僕は指を弾き音を鳴らす、するとナーベにかかっていた催眠が解け本当の世界に戻る。

 そしてナーベはまた驚く、さっきまで立ったまま対峙していた筈の二人が、今はどこからか現れた椅子に座って抱きあってるんだから。

 

「クフフ、この力面白いでしょ」

 

 クフフと、無邪気に笑う僕に、ナーベは驚きを通り越して呆れた様に笑う。

 

「君は僕のものだ。これから一生僕だけのものだ」

 

 僕はナーベに抱きつきながら言う。

 

「はい、私はあなたの盾となり剣となり生涯お側におります」

 




織の持つ永遠の写輪眼。
右目を常黄泉、左目を煉獄、もっといい名前あれば募集します。

それではまた。
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