ダンジョンに太陽の戦士がいる   作:乙女座

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ミアの包丁

豊穣の女主人のミアの包丁。多くの料理で冒険者たちの胃を満たし、彼らを迎えた。
帰ってきたもの、帰らなかったもの、等しく愛を注ぎこの包丁で料理を作り続けた。


太陽と憩いの場

「もう!目を離すとすぐにこういうことになる!分かってるんですか!」

「ご、ごめんなさい…」

「ウワッハッハッハ…許してやってくれ。ベルにはもう無茶をするなと釘を刺しておいた!同じことは繰り返さないだろう!」

「もう!ソラールさんも甘いですよ!」

「ぬぅ、面目ない…」

 

あの後、アイズと別れたソラールはベルの後を追いギルド受け付けまで戻ってきた。そこで目にしたのはエイナに怒られているベルの姿。ごめんなさいと繰り返すベルの姿を見て笑うソラール。フォローを入れるも矛先が自分に向いたので共に謝罪する。

 太陽の絵が描かれた装備の男と、ミノタウロスの返り血で汚れた装備で叫びながら疾走してきた彼の姿を見たものは遠巻きでヒソヒソ話をする。やれ血を求めているだの、こうなるか…新しい…惹かれるだの、面妖な…など。言われ放題であった。

 件の彼女の事で頭が一杯だったベルは自身の姿を一度確認する。

 

この先、変な奴がいるぞ

 

恥ずかしくなったのかベルは顔が真っ赤になっていた。

 

「それにしても貴公…トイレは間に合ったのか?」

「トイレじゃないです!!」

 

どこかずれているソラールの問いかけに反論するベル。そんな二人を見て本当に反省してるのかとまた怒り出したエイナであった。

 エイナから解放されたソラールとベルは魔石を換金しホームへの帰路についていた。えへへへと笑ながらるんるん気分で歩いているベル。ベルにとって助けてくれたあの少女の事で頭が一杯だった。ソラールはゆっくりと歩きながらベルの後を付いていきながらふと空を見上げた。沈む夕日、太陽は今日の役目を終え沈もうとしていた。

 

「やはり太陽は美しい……」

 

 沈む太陽を見つめながら一息つくソラール。同じように沈む太陽を見つめながら感嘆の声を洩らすベル。

 

「ソラールさん」

「何だ?」

 

ベルの方を見たソラール。

 

「僕、頑張ります。動機は不純かもしれないけどいつか、きっといつか助けてくれた彼女みたいに強くなって肩を並べれる様に成りたいです!」

 

夕日を見つめながら迷い無く話すベル。

 あぁ…やはり夢を追う者の姿は美しい。きっとこれから足掻き、もがき、苦悩し、後悔し、泣き、壊れ、乗り越えられない壁に阻まれ、心が折れそうになろうとも彼は進んでいくだろう。その分、経験や、力を身に付け、強い心を持ち、彼は成長するだろう。

 

「あぁ……成れるさ…貴公なら」

 

 

「おかえり!今日は遅かったね!」

 

ヘスティアに出迎えられホームに戻ってきたベルとソラール。ソラールはベルに今日の報告をするように伝えた。5層でミノタウロスに襲われたこと。そこへロキファミリアのアイズ・ヴァレンシュタインに助けられたこと。話を聞き終えたヘスティアは初めは怒っていた。なんて無茶をしたんだと。ソラールも何故彼を一人にしたのかと。しかし、次第に涙声になり無茶はやめてよと、お金なんかよりベルやソラールと過ごす日々が何よりも大切だと。ベルは目尻に涙を溜める。その話を聞いていたソラールは号泣していた。なんともカオスな状況であった。

 落ち着きを取り戻した三人。ソラールは椅子へと腰かけロングソードの手入れを始めた。ベルも同じように短剣の手入れを始めた。それを見たヘスティアはベルにステイタス更新をするよ!と声を掛け奥の部屋へとつれていった。ソラールは一人今日の戦いで使ったただの盾(太陽の盾)を取り出す。あのモンスターとの戦いで破損している盾。修理しなくてはとごそごそと棚から補修用の工具などを取りだし修復に掛かる。新しいのを買うのが早いかもしれないが、このファミリアの財政はお世辞にも良いとは言えない。それに、この盾はヘスティアから贈られたもの。そう易々と換えてしまうのは人としてやってはいけないと考える。黙々と作業を進めるソラール。すると奥の部屋からベルが出てきた。ステイタスの更新が終わったのだろう。次はソラールの番であることを伝える。ソラールは立ち上がり奥の部屋へと入っていった。

 

「うーん……」

 

難しそうな顔をしてベルのステイタスの紙を眺めるヘスティア。ソラールはヘスティア様と声を掛ける。

 

「あ…ソラールくん。今日ベルくんミノタウロスに襲われたこと以外に何かあった?」

 

心当たりがないソラールは特には何もなかったと返事をする。ヘスティアは納得したとは言いがたい表情でベルのステイタスの紙を眺めていた。また今度でいいやとヘスティアはソラールに服を脱ぐように促した。ソラールは上を脱ぎうつ伏せになる。

 

「さぁソラールくん!ステイタスの更新といこうじゃないか!」

 

ヘスティア・ファミリアのソラール

 

LV.5

 

力 :C652→653

 

耐久:B756→757

 

器用:D553→553

 

敏捷:I122→123

 

魔力:I153→153

 

奇跡:F332→333

 

 

 

《奇跡》

 

【雷の槍】

 

とあるアイテムで使うことのできる奇跡。

 

太陽の誓約戦士が使ったとされる。金属の鎧や、また竜族に対して特に威力が高い。神々、人が住まう以前、この世の絶対だった古の竜を屠った。しかし、その業を忘れてはならない。

 

《奇跡》

 

【雷の◆◆】

 

太陽の契約戦士が◆◆した者に伝えられる奇跡。

雷◆◆◆を出現させる。

◆神として知られる◆◆の長子の武器。◆ウ◆ン王の◆◆◆◆を継いだ長子は武力ばかりは見劣りしなかったと言う。

 

《スキル》

 

太陽の戦士(ウォーリアーオブサンライト)

 

太陽の戦士は、輝ける協力者であり、それを求める誰かのために、黄金のサインを書き召喚者を成功に導く使命がある。召喚されれば基本的スキルの上昇。そして太陽の戦士は助けを求める者達の希望である。召還時に金色に輝く。

 

「…順調に伸びてるね」

「はい。しかし、ここに来てから大分と年月が経ちましたが太陽は未だ見つからずです」

 

少し寂しそうに呟くソラール。

 

「大丈夫だよ!必ず見つかるはずだから!元気だしてよ」

「……はい!」

 

ステイタスの更新を終え一段落着く。ヘスティアはバイト先の食事に出掛ける準備を整えていた。

 

「じゃあぼくはバイト先の皆と食事に出るからね!」

 

そう言い残しヘスティアはホームを後にした。残された二人。今晩は豊穣の女主人で食事をすると決めていた二人はホームを後にしたのだった。

 

 

「いらっしゃいませ!」

 

 

豊穣の女主人へ到着した二人を出迎えたのは昼間に話をしたシル。ベルの手を引き席へと案内する。その後を着いていくソラール。ソラールの姿を見た一人の男が声を掛けてきた。

 

「あんた!まさかヘスティア・ファミリアのソラールじゃないか?!」

 

その男の一言で多くの人々が彼の回りに集まってきた。

 

「あの時はありがとうございました!お陰で彼女に指輪をあげることができました!本当にありがとう!」

「なぁ!あんたに何かを奢らせてくれ!じゃないと俺の気が済まない!」

「貴方に以前助けられました…覚えていますか?私と妹二人でモンスターに囲まれた時に助けて下さってありがとうございました…」

 

全員が笑顔でソラールに感謝の言葉を掛けていた。その様子を見ていたベル。あぁ、やっぱりソラールさんはすごいなとキラキラした瞳でソラールを見ていた。

 

「ウワッハッハッハッハハ。気にすることはない!私にお礼はいらない!他の困っている冒険者や周りの人を助けてやってくれ!」

 

笑いながらそう答え、ソラールはベルの座っている席へとやってきた。

 

「ソラールさん本当にすごいです!!」

「ぼくソラールさんと一緒のファミリアで誇らしいです!ぼくもいつかソラールさんみたいになりたいです!」

 

シルとベルの二人はキャッキャと話していた。恥ずかしいやら嬉しいやらでソラールは照れながら笑っていた。

 

「あんたがヘスティア・ファミリアのソラールとベルって子かい?」

 

そんなソラールとベルの前に現れた一人の女性。肝っ玉母さんの言葉が似合いそうな女性を前にソラールとベルは自己紹介をした。

 

「俺がヘスティア・ファミリアのソラール。このオラリオに俺自身の太陽を探すためにやって来た!」

「は、はい!同じくヘスティア・ファミリアのベルです!」

 

立ち上がり太陽賛美をするソラールと頭を下げるベル。きょとんとした表情でそれを見ていた女性は笑だした。

 

「あっはっはっは!面白いね!気に入ったよ!あたしは豊穣の女主人のミアさ。ソラール。あんたの噂はよく聞いてるよ。なんでもうちの娘達を助けてくれたりしてるらしいね。お礼として今日は好きなだけ食べな!お金は取らないよ!そこのベルって子も!」

「そんな!お金は払う…」

 

ソラールがありがたいがそれはいけないと

 

「野暮な事を言うんじゃないよ!」

「も、申し訳ない」

 

言えなかった。もうじき料理が出来上がるから待ってなとミアは仕事に戻っていくミアを見送り気迫されてしまった二人。その様子を見ていたシルは自然と微笑む。

 

「ふふ…ミア母さんったらお二人を気に入ったんですね」

 

程なくして料理が運ばれきた。食べながらソラールはベルやシルにこの町に来るまでの話をしていた。

 

「その玉ねぎの様な鎧を着た男は何でも友との約束を果たす為に旅をしているらしくてな…優しく、強い奴だった」

「友との約束の為に旅…おとぎ話みたいですね」

 

ソラールから語られる話はまるでおとぎ話のようなものが多く、ベルやシルは引き込まれていた。玉ねぎの様な鎧を着た騎士の話をはじめ、聖女を守る黒き騎士。不治の病を患った聖女を助けんとする騎士と彼を堕落させようと付きまとう黒魔女。おばあちゃんとの約束を果たすために狂人になったおじいちゃんを探す少女。故郷の閉鎖空間で育ったベルにとってはオラリオの外、他の国や町での話は新鮮だった。

 

「ソラールさん!他にはなにか無いんですか!」

「ウワッハッハッハッハハ!俺が出会った人たちはこれくらいだ。後はその土地で伝えられている伝承くらいか…」

「聞きたいです!」

 

目を輝かせソラールに話をせがむベル。そんな二人のやり取りを見ていたシルはまるで父に甘える子供のやり取りに見えていた。

 




大変遅くなり申し訳ない!
仕事&仕事&仕事で作者の人間性が限界に到達してました…
少しずつペースを上げていきますので、暖かい目で見守ってください…

あと、ゴブリンスレイヤー面白いですね。作者はゴブリンスレイヤーさんがヒロインだと思ってますよ!
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