東方迷旅行記   作:言峰 綺麗

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毎日暑いですね~。
40度越えてるんですよ。
すごくないですか?
言峰は暑さのあまり、氷枕を抱いています。
本当に暑いんです。


第10話

8万の兵隊?そんなのわけねえし。

玉藻さん旅に出るの巻~

 

 

 

 

 

 

晴明「さて、狂矢君。君はいったい何者だい?」

さっそく来たか。

俺と椛は晴明の部屋に案内され、椛は無事解放されたが晴明は俺に色々答えにくいことを聞き出すつもりのようだ。

狂矢「妖怪と仲良しのただの凡人ですよ」

晴明「そんなわけがないだろう?私の式神を使いものにならなくしたんだ。ただの凡人なはずがない」

狂矢「わかった。言い方を変える。式神を叩きのめせる凡人だ」

そう返すと同時に、震えていた椛がおとなしくなって俺の膝の上に乗ってきた。もうすっかり定位置だ。

晴明「よほど答えたくないようだな?仕方ない。そういうことにしておこう」

よっしゃ!妥協点を探してくれる人でよかった。

晴明「ではなぜただの凡人が妖怪を連れて歩いているのかな?」

狂矢「妖怪の山で天狗のおっさんに世話してくれって頼まれた」

正直に答えておく。椛もうんうんと首を縦に振る。

晴明「ほう?あの人食い天狗が人に妖怪の世話を頼むとは。やはり君は凡人などではないもっと特別な存在のようだ」

そりゃ寝て起きたら東方の世界ですから。

晴明「さて次は……」

雑魚A「晴明様!!!」

見るからに霊力の塊が部屋に駆け込んできた。

晴明「どうした?ついにお婆が死んだかい?」

A「法皇様が晴明様が動かないからって先刻、8万の兵を玉藻様に追手として仕向けました!」

晴明&狂矢「なんだと!?」

ダブった。

晴明「真か?」

A「はい。討伐隊など名ばかりの雑魚を集めても九尾には勝てぬとおっしゃり、数でつぶすつもりのようです」

狂矢「数でつぶすったってたった8万の兵で勝てるのかよ?」

A「法皇様にはお抱えの陰陽師達がいますから彼らの術で玉藻様を弱体化させ、封印するつもりなのかと…」

晴明「まずいな。玉藻を殺させるわけにはいかぬ。狂矢、手伝ってくれ」

どういうことだ?藍を殺すための討伐隊では?

晴明「狂矢、君の疑問ももっともだ。私が討伐隊を創ったのは殺すためではなく生かすためだ」

狂矢「つまりあんたは最初から玉藻を殺す気はないと?」

晴明「彼女は傾国の化身などと呼ばれてはいるが、そんなのは嘘だ。ただ彼女に心を寄せすぎた愚かな者の末路だ。彼女は誤解され国を追われこの国に来た。ここで彼女が裏切られたまま死ねば今度は本当に悪霊として世界に害をなそうとするだろう。今度こそ彼女は平和に暮らすべきだ。九尾という悪意の存在ではなく、玉藻前として一人のただ一人の存在として。そのために君の力が必要だ。狂矢。手伝ってくれるかい?」

狂矢「ここまで演説じみたことされて断れるとでも?当然手伝うさ。だてに5万の神を一掃してないしな」

晴明「恩に着る。ただ今から馬では遅すぎる。もっと速い乗り物が必要だ」

まったく俺を見て言うんじゃねえよ。出さざるをえねえだろうが。

狂矢「仕方ねえな。乗れ!」

そう言って俺は宮の中庭にヘリを出現させる。

晴明「これは…一体…?」

狂矢「名前は聞くな。これで空を行くぞ。馬よかよほど早い」

 

 

 

 

玉藻のいるという家屋から数キロ地点

 

 

 

 

狂矢「ここからは走るぞ。これじゃ音がでかすぎてばれる。」

晴明「うう…なんて速くて揺れる乗り物なんだ。狂矢…帰りもこれとか言うんじゃないだろうね?」

狂矢「帰りは歩くか別の乗り物か妖怪の山に転がり込むかだな」

椛「うーん…気持ち悪い~。狂矢ーおんぶして~」

狂矢「ひどいざまだな。椛。水いるか?」

椛「いる~…ぴゃあ!」

頭から冷水をぶっかける。

椛「ちべたい!何するのさ狂矢!」

狂矢「よいさましは冷たい水って決まってんだよ」

当然、服は乾かしてやる。

狂矢「よい、さめたろ?」

椛「さめたけど……」

狂矢「ならよし!いくぞ!」

 

 

 

 

玉藻の潜伏中の家屋

 

 

 

晴明「法皇の軍はまだ来ていないようだ。急いであの方を逃がさねば」

晴明はあの後ゲロゲロやっていたがもう大丈夫のようだ。

狂矢「あんたが行ってくれ。俺は玉藻と面識がない。」

晴明「分かった。周囲の警戒を怠らないでくれよ。頼むから」

狂矢「分かりきったことを。早くいって暗い家から連れ出してこい」

そう言って俺は<ヨルムンガンド>を広げる。あたりに生体反応らしいものはない。いるのはウサギやイノシシなどの動物だけだ。

狂矢「晴明、周囲は問題ないがいつやつらが来るかわからない。急げよ?」

そう言って晴明を向かわせる。

すると中から、晴明のどなったような声が聞こえた。

晴明「玉藻様!!!」

ただ事ではないようだ。急いで家の中に入るとそこは…

狂矢「遅かったか……」

壁には、おびただしい量の血と数人の切り裂かれたような兵士の死体とその一部が転がっている。椛は俺の袖を引き何か言いたげな顔で俺を見る。

狂矢「もしかして…追えるのか?」

椛は急げという風に腕を引く。

狂矢「晴明!嘆くのは後だ。今ならまだ間に合うかもしれない!」

晴明は泣きながら、玉藻の名をつぶやいていたがハッと顔を上げ、

晴明「本当か?」

と聞いてくる。

狂矢「椛の様子だとな」

晴明「追いつけるか?」

椛に問いかける。

椛「その壁の血も死臭もまだ新しいから、多分まだここを離れてから数分経ってないと思う」

晴明「追うぞ狂矢。玉藻をこんな目にあわせたやつを後悔させてやる」

うわぁ…目に殺意しかこもってないよ……この人。

 

 

 

玉藻の家から数百メートル地点

 

 

 

将軍「ついにあの女狐を黙らせたか?」

カスA「はい。少し喚いたので気絶させました」

将軍「しかしあの女狐程度に五万の兵を出すとは法皇は大丈夫かの?」

B「何でもあの女狐は妖術を得意とするらしいので人海戦術で攻めよとおっしゃられましたが…?」

将軍「雑魚が五人倒されただけではないか。所詮あの程度よ、女なぞわめいたら殴ればよいのだ殴れば」

晴明「そうかならばこちらも同じことをさせてもらうぞ?」

将軍「何…!!!」

あーあ、隠れて救出しようって言ったばっかなのに…それほど大切なのかね?

A「せ…晴明殿何ゆえ!?」

狂矢「仕事ですから♪」

ドサッ・・・格好強めに打ったけど大丈夫かな?頭…

B「き…貴様ら…!!!」

C「おいうるさいぞ…!!敵襲じゃー!!敵は2人だけだー!!叩き潰せー!!!」

狂矢「おいおい…大丈夫か?これ。生きて帰れるんだろうな?」

晴明「当然だ。神を5万倒したんだろう?その実力を見せてくれ」

俺頼みかよ。

狂矢「はぁ…とりあえず耳ふさいで目も閉じろ」

そう言って俺は、閃光手榴弾をぶちまける。

狂矢「俺は玉藻を!あんたはやつらの相手だ!!」

晴明「気をつけろ!玉藻の周りは結界がはられてるはずだが私と同等の陰陽師が固めてるはずだ!!」

勘弁してくれ…

狂矢「ああ!お前も気をつけろよ!これを持ってけ!」

そう言って、閃光手榴弾を3個渡す。

狂矢「雑魚が多い時に使え。目と耳はふさいでな」

晴明「すまないな」

狂矢「ご武運を!!」

 

 

 

玉藻の檻の少し手前

 

 

陰陽師A「先ほどの閃光は!」

B「何、気にするほどでもありますまいよ」

C「何者かが来れば退治するのみ」

D「左様。何者も我らには勝てまい」

狂矢「それはどうかな~?」

ABCD「何者ぞ!」

狂矢「神切狂矢!友の頼みで玉藻前殿を頂戴しにまいった!」

B「傾国の化身を欲するとはなんと愚かなものよな!」

C「この者が九尾と知っての働きか!狂矢よ!」

狂矢「知っているとも!だがそんなことに興味はない!必要なのは…」

ABCD&狂矢「戦いのみ!!いざ!参る!!」

陰陽師たちはそれぞれ各々の式神を出現させた。

Aは棍棒を持った鬼のようなもの。

Bは阿修羅のような剣を複数持つもの。

Cは身軽そうな鉈を持ったこどものようなもの。

Dは狼がめちゃでかくなったようなもの。

それぞれの霊力が半端じゃない。けど…勝てない相手ではない。

ここらで<アレ>を試すか……

狂矢「一撃で終わりそうだな!!いくぞ!!!」

狂矢「永久凍土と化せ!<氷牙絶凍!蒼炎光竜!!!!>」

あたりに氷のでかい竜の彫像ができる。

狂矢「これで終いだ!砕けよ!」

空気中の水分でできた竜が轟音とともにそして一瞬で氷の彫像と化した兵士たちとともに砕け散る。

晴明は俺が閃光手榴弾を渡した時に腰に札を張り付けてある。

札には<ヨルムンガンド>と同じ効果を持たせてあるから、氷は無効化されているはずだ。

晴明「狂矢!これは一体…?」

晴明があたり一面に散らばった氷のかけらをよけながらやってくる。

狂矢「新技<氷牙絶凍>さ。試そうと思ってたんだが、どうにも効果範囲が広くてな」

晴明「そうか。玉藻様は無事だろうな?」

狂矢「当然。俺の札はって保護してあるさ」

そう言って、檻の開閉部分を見る。

狂矢「鍵がどこかも聞いてねえから壊すか…よっ!!」

開閉部分をぶち壊す。

狂矢「さあ。感動のご対面だぞ!」

晴明「玉藻様!!」

玉藻「晴明!」

晴明が走って行って抱きついた。

藍だった。服はかなり無残になってはいるが、記憶の通りの藍だった。

玉藻「あ…お見苦しいところをお見せしました。私、玉藻前と申します」

と言って自己紹介してきた。

狂矢「神切狂矢と申します。美女とは聞いていましたががここまでとは…お会いできて光栄です」

晴明「堅苦しい挨拶は後だ。早くどこに逃げねばほかの兵士に追いつかれるぞ」

狂矢「まったく挨拶くらいちゃんとさせてくれよ。だがまあ間違っちゃあいねえ。行くぞ。晴明には嬉しいお知らせだ。陸を行く」

晴明「もうあの乗り物はこりごりだ」

そう会話して俺はオフロードカーを出す。

狂矢「後悔するなよ?」

 

 

 

 

妖怪の山

 

 

 

長老「それであの男と九尾を連れてきたのか」

モシャモシャ。

狂矢「ああ」

大天狗A「しかしここにかくまっておるのがばれたらわしらもただでは済まんぞ」

晴明「だいじょう…ウオエエエエ!……大丈夫だ。私はここで玉藻と婚礼を済ませたら旅に出る」

狂矢「分かったから吐きながら話すな。くせえんだよ」

晴明「すまん…ウェロロロ!!」

きたねえ。くせえ。こっちまで吐きそうだ。

玉藻「なぜあなたはあの揺れで平気なのですか?…うう」

狂矢「決まってらぁ、あれよりひどいのにずっと乗ってきたからだよ」

 

 

 

数日後、天狗たちに祝福されながら彼らは婚礼の儀を済ませ旅立った。

都に偵察に行ってくれた、文の報告では晴明と俺は大逆犯として指名手配されているようだ。

長老「君はどうするのだね?君も旅に出るのかい?」

狂矢「ああ。ほとぼりが冷めるまでは流れゆく旅だわな。まあ諏訪からここまでと違って今度は椛もいるし、大丈夫だろ?さみしくはないさ」

長老「そうか…なんなら各地の妖怪たちを訪問してはどうだい?この近くなら私の口利きで歓迎とまではいかなくてもそこそこの待遇は望めるはずだ」

狂矢「これ以上あんたに迷惑はかけれねえからいいよ。宿くらいは自分で探すし椛に路上で寝させるなんてこともさせないさ」

長老「ならなおさらだ。年寄りにできることは限られとるからな。せめてこん位はさせておくれ」

そこまで言われたら断るのも悪い。

狂矢「分かったよ、じゃあ一人だけでいい。一人だけ紹介してくれ」

長老「うむ。ここから比較的人も寄り付かず遠くない場所と言えば…風見幽香じゃ!」

あー……攻撃される気しかしねえ…




やっとここまで来た。
ついに幽香さんまで来ましたよ!
長かったっす。いやほんと(100%そんな長くねえ)。
今回もながかったですねえ。ほかの話と比較するとですが。
では、今後もよろしくお願いします。
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