出会って5秒でテニヌ   作:彩也煌紀

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この小説は「出会って5秒でバトル」と「テニスの王子様」の二次創作です。
特に「出会って5秒でバトル」の序盤のシーンをオマージュしているため、原作を知らない、読んでいない方はお楽しみいただけない可能性が高いです。


プロローグ

 

 

 

「ちっ、もうやる気なくしたのかよ…」

テニスがしたい…

「またストレートか。つまんね。」

ひとときでも夢中になれる、この日常を忘れられるテニスを…

「あれショーマくんじゃない?

いつもテスト学年トップの」

「ほんとだ、うわ、あいつって休憩中もラケットいじってんだ」

「学校でもずっとああやってんだよ。

授業中も、休み時間も。」

「授業中もぉ?」

(以下略)

「だから普通の毎日は俺にとってはとても」

「退屈…」

ショーマの目の前に一台のリムジンが止まり、中からマスカレードマスクを着けた体表を赤く充血させた男が出てきた。

背丈は中学生位だが。

道路のど真ん中で停止したその車に対してクラクションが鳴らされている

明らかに様子がおかしい男に対して周囲がおののいている。

「ひゃっひゃっひゃっひゃ!!」

唐突にいびつな回転をかかったテニスボールをトスし、怪物のような男はラケットでクラクションを鳴らす車の方へサービスをした。

車のボンネットに着弾したボールは不規則な回転を続け、バウンドすると、強力な回転の赴くままにショーマを襲った。

怪物男がトスをした瞬間から丁度5.00.00秒後、ショーマは反射的にそのボールを打ち返した。

『Tennis start!!』

「またこっちに打ってきた!」

怪物男はボール打ち返した。

常人の球とは思えない速度と回転の球はショーマを一直線にめがけて襲う。

(…ボールと目があった…

やはり俺を狙っている…!

俺だけを狙ってやがる…!

左右に振って距離を稼いでるが、あいつの移動スピードじゃあすぐに追い付かれちまう…

どうすりゃいいんだ?

どこに打ちゃ助かるんだ…

打てばって、まるでテニスみたいに…

敗北条件はボールをぶち当てられること、勝利条件はあいつをぶっ飛ばすこと…

そうだよ、テニスと何が違う?

テニスなら…)

「大得意だろ!!」

(まず左右に振って距離を保つのは同じだ。

おそらくやつの状況から今のところアウトは無ぇ。

あいつはどんな球でも打ち返しにいく…

なら、)

「こいつでどうだ!?」

うまく海岸線に抜けたショーマは思い切り海にボールを放った。

怪物は海に飛び込みボールを打ち返した。

(ぶっ飛ばせないのは残念だが

これで逆サイドに打てばあいつは返せない…)

「俺の勝ちだ!」

勝利を確信したショーマの球は海とは逆方向へ放たれた

はずだった

ボールはみるみる打ちに海の方へ吸い込まれ、海から上がっていた怪物に打ち返された。

(バカな!回転をかけて自分の方へ誘導した!?

打ち返す体勢なんて出来てねぇ、このままじゃバランス崩してトスボールあげちまう…)

「って、普通は思うじゃん?」

「!?」

ショーマは比較的威力の弱い球を強烈なストレートで打ち返した。

「左右に振られてるときに無意識にお前は自分の方に誘導する回転をかけてたんだよ。

お前は明らかなホームランボールとなる球もそれで打ち返し続けてた。

それなら海に飛び込みながら打つ球にはバカみてぇな回転かけるだろ!」

不意打ちを食らった怪物は体勢を崩し、緩いロブボールを上げた。

「俺で終わりだ!!」

ショーマは怪物の顔面めがけて全力でスマッシュを放った。

(どうやら、これで勝ちみたいだな)

「中々やるじゃねぇか。」

「!?」

ショーマが顔を上げるとマスカレードマスクを着けた跡部様がなんともふつくしく立っておられた。

「だがこいつが返せるか?タンホイザーサーブ!!」

(跳ねない!?)

ステップで何とか返したが明らかな緩い球だ。

その時、ショーマは気づいた。

跡部様が顕現なされた瞬間から「勝つのは氷帝、勝つのは跡部」というコールがどこからともなく聞こえる。

そして「勝つのは」のところで跡部様は指をならされた。この指パッチンの響きはいつも我らの心を浄化してくださる。

その瞬間、コールが止み跡部様の御口が動きあそばれた。

失神しそう。

「俺だ」

放たれたスマッシュはショーマの手元に吸い寄せられ、ラケットを弾いた。

手塚以外は返せるわけがない。

(まずい…このままじゃ…)

「破滅へのロンド!!」

跡部様の放った球はショーマの顔を掠め、バウンドした。

焦らしプレイもお得意なようだ。

「…えっ」

「ふん、デビル化したやつを退けたことは評価してやる。

気に入ったぜ。特別に俺様のゲームに招待してやる。

樺地。」

跡部様に気に入られた奴はもれなくなにかしらの催しに招待される。

誇ると良い。

「ウス。」

「うわぁ!」

突如現れた大男によりショーマは担ぎ上げられ、連れ去られた。

 

「ん、んん…?」

(見慣れない天井…)

(以下略)

「これから俺様のゲームを始める。

質問のある奴は手を上げろ。」

跡部様の言葉にも関わらず手をあげるものはいない。

愚民どもめ。

「無いならこれでゲームスタートになるぞ?

質問できるのは今のうちだけだ。」

すると一人が手を上げた。

「なんで俺らが選ばれたんだ…?」

「ふん、俺様が気に入ったからだ。

文句あるか?」

「はぁ!?無いわけn」無いに決まってる。あるはずがない。

「他にはねぇか?ならゲームスタートだ。」

 

それぞれのプレイヤーは各自個室につれていかれた。

個室にはラケット、ボール、封筒、が置いてある以外は普通の一流ホテルのスイートルームだ。

「…すげぇ…」

部屋に入って素直な感想だった。

「さて、肝心の俺の使える能力だが…

…これは…?」

『早速だが、今から1on1(シングルス)のワンゲームマッチをやってもらう。棄権するか1ゲーム取られるか、もしくはテニスができなくなるかしたら敗北だ。覚えておけ。』

「この能力で…シングルス?」




この小説はパラレルワールドタイプにします。
主人公の能力が◯◯(名前)の能力のパターンを見たいというリクエストを受け付けています!!

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