転生したらエリックだった件   作:逸般ピーポー

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なんかやたら誤字報告が来ておりました。いやはや、こんなにも誤字ってたんですねぇ…。お恥ずかしい。
誤字報告して下さる方、ありがとうございます。


愛妹見舞

「…よし。戦王油ゲト。こんで確か全部」

 

「ん」

 

やあみんな。

今日もいつも通り、僕の大好きなジーナたんと一緒に、元気に素材集めさ。

今回は前にリッカに言っていた、オラクル自動回復量↑極小の強化パーツの素材のひとつ、戦王油を集めてました。

リッカちゃんも博士に負けず劣らず、なかなか鬼畜な素材の収集をお願いしてきた。

混沌砲3、伝導体2、そして戦王油1である。これにプラスして10000fc(フェンリルクレジット)まで要求されますた。ひええ。

 

まあ、そのついでで戦王鎧とかは集まったけどね。

でもなあ…。今の20型ガット真を28型ガットに進化させるには、戦王鎧じゃなくて戦王大鎧が必要なんですよね…。やれやれ、いつになったらRANK4に出来るのやら。

 

「…エリック、機嫌いいわね」

 

「そうかな?」

 

そんなに分かりやすかっただろうか。

たしかに僕は最近機嫌がいい。というのも、支部長じきじきにお休みをくれるらしいからだ。

思い返すのは五日前のこと。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ツバキ女史に突撃!男子部屋!された後、しばらくしてから支部長に呼び出された。

すわ特務か、暗殺か!と身構えていたが、支部長から伝えられたのは驚愕の有給休暇である。

 

『これから三日間、君には有給休暇を与えよう。たまには家族と会って、英気を養いたまえ』

 

ぽかんとしたね。

や、だって支部長に絶対何か感付かれたと思ってましたし。そしてそのタイミングでの呼び出し。何かあると思わない方がおかしい。

 

そして警戒しながらも妹のエリナに会いに、叔母のライカさん(ライカさんさんじゅうろくさい)の元へ。

 

ライカさんはいろいろあって極東にたどり着き、今はエリナと何人かのメイドさんと共に第一居住区に邸宅を構えている。フェンリル本部の居住区にある実家ほどではないが、ライカさんの家もまずまずの大きさのおうちである。

 

エリナと最後に会ったのはエリック、上田ァ!の直前で、エリナとは新しい洋服を買ってあげる約束をしていた。

とは言っても、それは俺が上田くんになる前の話なので、俺としては実感がなく正直なところ、再会するのはちょっと不安だったのだが。

そんな心配は杞憂に終わった。

 

何故ならエリナが

『お兄ちゃん!』

と叫びながら飛び込んできてぶつかる直前、突然エリックの身体が勝手に動き、エリナ(愛しい妹)をふわりと柔らかく抱きしめながら華麗にくるりと回転し、事なきを得たからだ。

お前それをオウガテイルの時にやれよ…。そしたら死ななかっただろうに…。

そう言いたくなるくらいにその動きはまさしく華麗であり、エリナを見ているともう愛しくてたまらないという感情が沸き上がってくるレベルである。お前、シスコンだったのか…。

 

いや、よく考えれば、そもそもエリックが極東にいるのは、数多くの反対を押し切って、妹のエリナが極東の叔母の元で療養するのに寂しくないように、という理由だった。だからこそリンドウも、へっぽこだった頃からエリックのことを認めてくれていたんだろう。

 

ちなみに叔母(36)は独身である。姉御肌なんだけど、なんと言うか、FGOの女海賊の船長さんみたいな豪胆さがあるから…。

あと、メイドの咲夜さんがちょこちょこ姿が見えなくなっていた。なにやら外で戦闘のような金属音がしていたし…。最近治安が悪くなったんだろうか。なんて思いながら、久しぶりにゆっくりとした休日を過ごしたのだった。やれやれ、妹は最高だぜ!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

私だ。ヨハネス・フォン・シックザールだ。

裏でこそこそと私のことを嗅ぎ回っていたリンドウを無事始末出来た。そう思った矢先の出来事だ。

 

『支部長。ここのところ、エリックさんが一切の出撃を行っていません。どうしますか?』

 

そう連絡してきたのはオペレーターの竹田ヒバリ。彼女は実にオペレーターとして有能だ。

しかし、今回の連絡内容は少々厄介なものだった。

 

エリック・デア=フォーゲルヴァイデ。

フェンリル本部の膝元、フェンリル本部居住区の中でも有数の家、フォーゲルヴァイデ家の息子であり、療養中の妹のためにわざわざ極東へとやって来た変わり者。

来た当初は、この愚か者はわざわざ自らの死期を早めに来たのかと思ったものだが…。

さすがはフォーゲルヴァイデ家の血を引くものというべきか。二年経つ今でも前線で戦うゴッドイーターだ。

彼の立場上、危険性の高い特務に就かせるのは、フェンリル本部のフォーゲルヴァイデ家から不要な干渉を受ける可能性がある。いくら本部とロシア支部を傀儡としているとはいえ、不要な反乱の芽はない方が良い…。

それに、ペイラーから

『彼には私の手伝いをしてもらっていてねぇ…。

そのように(・・・・・)、よろしく頼むよ…?』

と釘を刺されている。…彼本人に直接干渉するのは好ましくない、か。

 

だとすると、オオグルマのことを信頼しているらしい雨宮女史に探らせてみるか。

アリサに刷り込みを行っているオオグルマのことを信頼する程度だ。あまり期待は出来ないが…。

新型神機使いをあまり個人の戦力とするのもまずい。それゆえ、オオグルマがアリサに身体的接触をすることを禁じた。監視も付けている。

だが、オオグルマは彼女を好きにしようとする素振りが見られる。まったく、悩ましい限りだ…。

 

 

エリックの妹、エリナについては弱点足り得ないことは、既に証明されている。

エリナ自身にはなんら脅威はないが、その保護者。

ライカ・デア=フォーゲルヴァイデ。

彼女の持つ戦闘力が危険だ。

 

『破壊する』能力。彼女はこの能力に特に秀でており、フェンリル本部からはその危険性ゆえに封印指定されている。しかし遣わされた執行者達を全て薙ぎ倒し、現在は「障らぬ神に祟りなし」とばかりに放置されている。

特筆すべきはその恐ろしいまでの破壊能力であり、謎の力で監視が全身を複雑骨折させられていたり、棒切れでヴァジュラのようなオウガテイルを倒したという噂まである。

事実、どのようななまくらでも彼女が使えば斬れぬもののない刃となり、徒手空拳では剣を使うよりも更に危険だという話すらある。

よろず屋とも親交があることから、おそらくこのアナグラ内の情報についてもある程度は把握していると見ておいた方が良いだろう。

従えているメイドの一人は、姿が見えなくなったと思った時には監視が全て無力化されていたことも、危険性に拍車をかける。

 

 

「…何も問題はない」

 

 

そう呟くも、声の震えは誤魔化すことが出来なかった。

いっそ休日を与えて、その間に強襲させてみる、か…。




というわけでオリキャラのライカさん登場です。
エリックの叔母さんは本編にも存在するようですが、とりあえず世界の違う人として活躍してもらいましょう。
型月の世界から来てるような人です。魔術も使えます。剣の腕も確かです。概念すら斬ります。やろうと思えば世界の因果すら斬れます。でも素手の方が強いです。頭おかしい(白目)
ライカさんやメイドさんは、全員細かい設定があるのでいずれ全員出したいですね。

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