転生したらエリックだった件   作:逸般ピーポー

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頼むよジーナ氏

ジーナ氏の姿はロビーには無かったので、ベテラン区画と呼ばれるエリアへ。

ゲームでは基本的に禁止区画とされ、中盤以降自室が元リンドウさんの部屋になっても大体禁止区画のままというあれである。ていうか、ゴッドイーター無印・バースト時代は大体行っても入れない貴重な部屋だったりする。

アリサの部屋に入って汚なっ!って思い、そして次にパンツ!パンツです!ってなったのはきっと俺だけじゃないはず。あれ、パンツあったっけ…。靴下(ニーソ?)はあったはずなんだが…。

 

まあいい。

 

それはともかく、とりあえずジーナ氏の部屋へ。

ゲームと違い、寄宿舎らしく個室がいくつもある。男女で分かれたりしてないのが現在の世紀末っぷりをよく表している。なぜかって?ころころ人が変わるからね。仕方ないね。ポンポン人が死ぬ世界ですし。無印はよく死んだなあ…。

 

 

コンコンコン。

ドアをノック。

 

「…誰」

 

「私だ」

 

「…誰?」

 

本当に分からなかったようで、マジトーンで聞き返されました。ごめんちゃい。

 

「僕だ、エリックだ」

 

「…」

 

しばらく待っていると、今まで寝ていたのか、寝ぼけた感じでジーナ氏が顔を出した。

 

「…何の用?」

 

「ミッションに同行を頼みたい」

 

うはー!生ジーナたんキタコレ!

寝坊助まなこをごしごしこするジーナ氏とかこれ可愛すぎじゃないっすかね常考!拙者、思わずキャラが崩壊するほど天元突破してますぞおおお!

んんwwwこれはジーナ氏たんしかありえないwwwww

 

…はっ!お、俺は何を(ry

 

「…何の」

 

「クアドリガ堕天」

 

「…少し待ってて」

 

そう言ってジーナ氏は部屋に引っ込んでしまった。

いや、少し待っててってことはこれオッケーなパターン?マジで?…やったぜ。

 

完全勝利UC。…あ、ハルオミ氏のこと伝えそびれた。

 

 

ドアの隣で体育座りして待つことしばし。多分10分くらい。ガチャッと空いたドアからは、いつも通りのどこかダウナーなジーナ氏の姿が。うーん、かっこいい。

 

「で?他は」

 

…他?ああ、メンバーかな。ハルオミ氏が何故か来ます。

 

「僕とジーナ氏、あとハルオミ氏」

 

「…なんで居んの?」

 

「前衛」

 

「…ま、いいけど」

 

あ、ちょ、待って下さいジーナ氏ぃ!

 

 

スタスタ歩くジーナ氏の背中をあわてて追いかけ、ロビーに出る。するとそこには、誤射姫と話をしているハルオミ氏の姿が…。

 

「おっ、エリック。その感じだと、オーケーもらえたのか」

 

「…ハルオミ氏。何してた?」

 

「ああ、カノンちゃんがミッション行きたいっていうからさ。…代わりに頼む」

 

は?

とか思っている間にハルオミ氏は俺の背中をぐいぐい押していた。あ、ジーナ氏がため息ついてる。でもちゃんとついて来てくれてるあたりポイント高い。小町ポイント…死んだ目…うっ。やはり俺の殺伐ラブコメは間違ってゐる。

 

 

「あれ?エリックさん?」

 

「やあ」

 

よう誤射姫。

 

「あー、すまん。すまんが、俺は今からエリック、ジーナと一緒にミッションに行くんだ。だから、カノンちゃんには悪いが、一緒にミッションには行けねえっつーか…」

 

「え?そうなんですか?」

 

「…ああ」

 

くそ、バカハルオミ氏。三人ならまだあと一人行けるんだよ。なんてタイムリーにバカなことをしてくれる…っ!

これで私も連れていって下さい、なんて言われたらどうすんだ。…いや、まだ間に合う。無理やり会話を打ち切って、さっさとミッションへ行くんだ!

 

「そういう訳だから、これで失礼する」

 

そう言って足早にカウンターに向かい、さっさとミッションを受注する。

あの…!なんて言う声は見ざる聞かざる話さざるの術。あーあー聞こえなーい。

 

ささっと準備を終え、ジーナ氏とハルオミ氏を伴って出撃ゲートへ。

ゲートに入った瞬間、ふぅ…と胸の息を吐き出した。

 

 

 

「…あれで良かったの?」

 

そうジーナ氏が聞いてくるも、彼女も止めなかったあたり分かっているのだろう。誤射姫のあだ名は伊達ではないことを…!

 

「…ハルオミ氏」

 

「うっ…」

 

そう。諸悪の根元は(今回は)ハルオミ氏だ。ゆえに、ハルオミ氏に全責任を被って貰おう。頑張れ。

え?助け合い?知らない子ですね…。

 

はぁ…。なんて肩を落としているところ悪いが。

 

「ちなみに堕王油が3つ落ちるまで付き合ってもらう」

 

「マジかよ!?」


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