「いやー、疲れた…」
「そうね」
やあ皆。皆大好きエリック上田だよ。くりいむは関係ないよ。どうでもいい?さいですか。しょんぼり。
さて、今回はハルオミ氏は出張、防衛班は外部居住区への出動ということで、愛しのマイラブリーエンジェルジーナたんと二人きりで猫公ことヴァジュラ狩りに行ってきました。獣神雷毛の14個目まではテンポ良く出たんだけど、残りの2つがなかなか出なくてね…。
とは言え、全俺が大好きジーナさんと二人きりで、二人きりで!ヴァジュラ狩りとは言え、これはまさに戦場におけるデートと言っても過言ではないだろう。
そう、デート行ってる間に二人の間には愛が育まれ…たかどうかはわからないけど、少なくとも僕の気分が有頂天なことは間違いない。ジーナさん大好きです。でも最近自分が戦闘不能にならなくなってきて、ジーナさんとのふれあい(リンクエイド)が減ってきた。つらい。(´・ω・`)
荷電性のボルグから既に針は必要な数を集めてあるし、これで榊博士(別名胡散臭いペイラー博士)のお使いは終了のはずである。多分。…追加で素材集めとか来ないよね?ね?
そんなことを考えながらゲートに帰ってくると、思わぬ先客が居た。ユウ君、コウタ君、サクヤさん、ソーマだ。第一部隊の面々である。ちなみにアリサちゃんが居ないのはまだこちらの支部に編入されてないから。…ところでリンドウさんはいずこ?
気になったのでソーマに聞いてみた。基本的に新人はリンドウさんが場慣れさせるはずだが…。
「やあソーマ。君たちも今帰投したところかい?
ところでリンドウの姿が見えないようだが…」
「ん…?
ああ、エリックか」
「あ!エリックさん!ジーナさんも!
聞いてくださいよ!リンドウさん、なんか自分はデートとか言って俺らだけ任務とか!
ずるいっすよね!」
そう言って突然話に割り込んできたのはコウタ君だ。ソーマが不機嫌そうにしながらも何も言わないところを見ると、いつもこんな感じなんだろう。
しかしそうか。リンドウさん、もうデートか。
ってことは、多分これ帰ったらウロヴォロスの放送かな。もうそんな時期か…。
間に合って良かった。
ソーマやサクヤさんの顔を見ると、なんとも言えない暗い雰囲気を漂わせている。まあそうだよなぁ…。
「んー、そうか。リンドウはデートか…。
そう言えば、ソーマも」
「エリック、そのおしゃべりな口を今すぐ閉じろ…」
ソーマもデート行ってるよね、と言おうとしたら黙殺されました。やれやれだ。肩をこれ見よがしにすくめて話を切り上げる。
「まったく、ソーマもつれないなぁ…。
まあ良いさ。とにかくそっちもお疲れ様」
ゲートからアナグラに出ると、すぐ手前のソファにリンドウさんがふんぞり返っていた。まったくもって偉そうである。実際偉いんだけどね。
リンドウさんは第一部隊の面々と僕達を見つけると、気軽に片手を挙げて声をかけてきた。
「おー、全員無事生きて帰ってきたみたいだな。
…エリックとジーナまで一緒とは思わなかったが」
「やあリンドウ。さっきコウタ君から聞いたよ。
デートに行ってきたんだって?」
「ああ…。なかなかに元気が良くてな。相手をするのが大変だった…」
「リンドウが大変となると、結構な暴れん坊かな。なんにせよ、念のために医務室へ行くことをおすすめするよ」
「あー、そう心配するこたぁない。大丈夫だ。
…ジーナも、エリックのお守りは大変だろ?」
「…別に」
ちらっとジーナの顔色を伺ってみたが、どう思っているのかは読み取れなかった。元から表情あんまり変えないしなぁ…。
「リンドウ、そろそろ今回の任務の報告してもいい?」
サクヤさんがリンドウさんにそう声をかけた。ふむ、少し話しすぎたかな。
「リンドウを独占してすまなかった。それじゃ皆、僕達はこれで」
そう言って僕とジーナは切り上げた。
リンドウさんは話がしやすいから、ついつい長く話をしてしまうね。
「おう」
「…フン」
「お疲れ様っす!」
「お疲れ様」
上から順に、リンドウさん、ソーマ、コウタ君、サクヤさんだ。ユウ君は普段からあまり声を聞かない。ゲーム基準なら確かにまあこうなるよね。でもソーマは普通に話しかけられたりしてるらしいんだけどなあ…。
階段を下りるとちょうど放送が始まった。
『第七部隊がウロヴォロスのコアの剥離に成功。技術班は直ちに○○会議室に集まって下さい
繰り返します…』
「第七部隊、ね…」
ジーナたんがポツリと呟いた。
実際はリンドウさんが一人で倒したんだよね。これ。
「まあ、実際のところはリンドウだけど…って、どうしたんだい?そんな鳩が豆鉄砲食らったような顔して」
「…あんた、前はこういう時『第七部隊か…。ふん、だけど僕だって華麗にそれくらい倒してみせるさ!』とか言ってたじゃない」
う。
俺がエリックになる前の話をされると困る。記憶にはあるんだけど、どこかこう、映画を見てるような感じで自分のことだと感じられないんだよね。しまったな。
「僕だって、多少は成長するのさ」
「ふぅん…?」
そういうことにしておこう。ジト目でこちらを胡乱げに見てくるが、ここはゴリ押す。下手な言い訳など無用…っ!
「ま、そういうことにしといてあげる」
そう言ってジーナは追及をやめてくれた。助かった…。
博士の元へ行くと、コウタ君とユウ君のためのものだろう、アラガミ講座の準備をしていた。
博士ー、材料持ってきたぜー。
「おお!エリック君じゃないか!
そうか、もう集めてくれたんだね?」
うむ。
ランク3の20型ガット真で難易度6のヴァジュラ狩りしてきてやったぞ。死にまくったけど。褒めるがよい。
「ふぅむ、そうすると、予定より早く取りかかることが出来るかもしれない。
そうだね、また明日ここに来られるかい?」
博士の研究室に?何故?
「君も知っての通り、先ほどウロヴォロスのコアが確保された。これを神機にするために今整備班の面々は集められている訳だけどーーー」
博士はそこで言葉をきり、胡散臭い笑顔がこちらを見た。こっち見んな。あと早く続きを言え。
「ーーーーそうすると、整備班。つまり、リッカ君の力を借りられなくなってしまうんだ」
で?
「つまりこういうことだよ。
私は手伝ってくれる人員が欲しい。しかし今、整備班は忙しい。
そこで君には、私の手伝いをしてもらいたいのさ」
…別にそれは構わないけども。
ただ、俺は神機に詳しくないぞ?何をすればいいんだ。
「何、別に手伝いと言っても既に理論は出来てるからねえ。私が手伝ってほしいのはーーーー」
「ーーーー人型のアラガミ。その捜索さ」
リッカ「ウロヴォロスのコア見せてもらったんだ
大きいね、本当に!…でもあんなのどうやって神機にすんだろ…」
エリック「リッカ、もう一度『大きいね』って言ってみてくれ」
リッカ「え?いいけど。『大きいね』」
エリック「ありがとう。…ところで、コアはどうだった?熱くて固くてビクビクしてたりしたかい?」
リッカ「んー。別に熱くはなかったかな。固いというよりはしなやかな感じ。あれはねじりに対してすごく強そうだったね。
ビクビク…もしてなかったけど。でも、あの状態でもアラガミのオラクル細胞は生きているんだから凄いよね」
エリック「…君は本当に純粋だね。お詫びというか、差し入れにジュースを持ってきた。冷やしカレードリンクだ」
リッカ「本当!?ありがとうエリック!」