「さて、食事も済んだことだし、いろいろと教えてもらおうか。
初めに、いったい如何してこんな森の奥地へ?」
あ、やべ、さっきまで敬語だったな俺。
「そのことですが・・・・・今年は凶作で私たちの住む国の県令はそれを知ったとたん、突然税収を割合から土地に応じた量を収めろといってきたんだ!!自分が贅沢をするために!!」
ああ、よく在る悪徳政治家か・・・
「それで逃げてきた、と?」
「ああ、俺たち以外にも大体の農民は夜逃げを決めた。あいつは余り自分で考えたりをしていなかったからな、みんなで結託して同時に夜逃げをしてやった。するとだ、気が付いたヤツは軍をけしかけて来やがった。そういえば軍にだけは給料をしっかりと払っていたな、能無しの癖に反乱だけは恐れていたみたいだ。
すまん、話がずれたな。
それでだ、軍が俺たちを捕らえるあるいは殺しに来たんだ。うん?どっちかなんて分からない必死で逃げていたし、ヤツラは反応が遅くてもうすでに俺たちはちりじりに数里は移動していたからな。
馬も逃げる時に全部逃がした・・・と言うか何処かへ行かせて一時的かもしれないが使えないようにしたりして置いたから大分距離を稼げたのだが・・・こちらは食料も全部持ってきたからか数日後に・・・大体今から五日ほど前に馬に乗った奴らが追いかけてきた・・・本当に何を考えているんだろうな。
逃げて数日経っているにもかかわらず追いかけてくるなんて。
まあ、でも少しの貯蓄とその年の収穫物を全部持って逃げていたからあちらも逃がしたら領内の収穫物が零ってことになるわけだから分からない事でもないが・・・・
そこで仕方なく大半を置いて逃げたんだ。そのせいでまともな食事を取れなくあそこの畑の作物を食べてしまったんだ。すまない。」
いや、領主も阿呆だがお前らも大概だな、貯蓄も含めて全部持って集団夜逃げとか驚きだよ。
「別に其処はいいですよ。もともとあれは猪とかを捕まえるための罠のついでに作っていた作物なので。
ところであなたたちの関係は?」
「三夫婦とその子供に俺、もともとは男どもで親友四人組だったんだが・・・・・・俺だけまだ家庭を持っていないと言う状況だ。
今後余裕が出来たらいい加減俺も家庭を持とうと思う・・・・・・・ってか嫁欲しいィィ!!」
後半、聞いてねえよ。好きにしろよ。何で言うんだよ。
「なるほど、仲の良い者で組んで幾つかに分かれて逃走した、ということですか。
まあ、グダグダ聞いても仕方ないので今日は次の質問で終わらせます。
子供たちももうおねむの様なんで。
さて、今後行く先は在るんですか?」
子供たちが船をこいでいるのでそろそろ終わりにしよう。
この人数なら・・・まあ、長屋のような所を四家族分用意してやるか。
と言う別ごとを考えながら。予想される答えを待つ。
「残念ながら・・・うわさで聞いたいい県令が治めていると言う国へ行ってそこで働き口を探して暮そうかと思っていたんだが・・・子供たちが限界のようだから暫く此処に置いて貰えないか?」
やっぱりそうなるよな、子供の様子を見ればもう歩きたくないって顔してたしさ。
それに早い話が行き当たりばったりでってことか。
「まあ、いいですよ?ただし、ちゃんと農業は手伝ってもらう。働かざる者食うべからずだ。」
「わかった。むしろ他にも手伝わせてくれ。
ところで、何でこんな所に一人で住んでいるんだい?みた所まだ元服を迎えていない用だが・・・」
「ああ、爺さん、養父の事だが。その爺さんがどうやら此処を作ったようなんだ。その爺さんは齢100歳まで若々しくてな、おかしいくらいに。仙人だろ?と聞いてしまうくらいに。そして、その爺さんが亡くなってそのとき俺六歳、正直言ってしまえば、外に出る事が出来なかった。
それで今年に入って漸くあの城壁を昇り降りして出入りできるようになった。
そしてそうこうしている内に住み慣れてしまって、外に出る気もなければ外の事も知らないから必然的にここに住んでいる。で、いま十歳だ。」
聞こえないくらい小さい声で、それに俺の作る物は時代からしておかしいかもしれないから外に出るのもな・・・と付け加える。
「ま、そう言う事だからここに住んでもらってもいいぞ?部屋ならまだ大分残っている。
人も増えたから門を開ける装置もそれ程無理をした物にしなくても良くなって出入りも楽になるだろうからね。
どうせ、あと何年かしたら住人を集めようかと思っていた所だから。計画が少し前倒しになるだけだ。
返事はまた今度でいいよ。皆で話し合って決めると言い。」
そう言って立ち上がり、
「さあ、着いて来て、寝床に案内しよう。」
「・・・・ああ、分かった。話し合わせてもらう、ところでどんな所なんだい?今から案内される場所は?」
はて、どういう意味の質問なんだろう・・・・・そうか、子供独りしかいないってことからどんな建物か気になるのか。
「集合住宅・・・といっても分からないか。長い建物を幾つかに分けて複数の家族が住めるようにした建物だ。まあ、ちゃんとしているから安心して良い。使い方も説明するからな。明日、朝になったら迎えに行くそのあとに食事をして、今後の事はそのあとに相談しよう。」
「分かった、何から何まですまない。」
「まあ気にするな、今度、外の事を教えて欲しい。物心付いたころには既にここに居たからな。」
いつの間にか敬語がなくなっているが・・・問題無さそうだな。
さて、いろいろと用意しておくか・・・
~~代表して話していた独り身の男性~~
ほっとけ!!俺だって少し気にしているんだ!!
っと、何か言わないといけないと思ったんだ。
それはさておき
渡りに船とはこういうことか行く先も食料もなく路銀も心もとないそんな状況で大きな壁とそのそばに作物があって空腹の余り食べてしまったがその事について何も言われないどころかちゃんとした食事と寝床を用意してくれると言う話だ。
しかし、これは何かの罠じゃないのか?とどうしても疑ってしまう。
あの少年も異様な雰囲気を放っていた・・・・
しかし、話をしたら納得できた。少年の言っていた養父はおそらくあの仙人のことだろう。
昔、力を持った凄い人だったが政権争いに利用されるのが嫌に成って森の中で住んでいると爺様たちが話していたその人だろう。
確か、気を使い、異常なまでの力持ちで余り武器を選ばず時によっては木をそのまま引き抜きそれを振り回していたとも聞いた。
その人が養父ならばあのふんいきも納得が出来る(実際は関係ありません)
よく分からないがおそらく仙人もあんな感じで威厳を持っていたんだろう。
賊とかの陰謀ではないだろう、そう思える。
詳しい事は明日考えよう。
久しぶりにゆっくり、身体を休めれそうだ。