・・・・・どこだ・・・・此処は。
「草、此処はどこだ?」
「え~と・・・確か陳留でしたか?中々の王の資質を秘め・・・否、もう表に出し始めている曹操という少女が刺史をしている所、そこから一山越えたあたりの場所ですかね・・・・」
「は?・・・おいおい、可笑しくないか?明らかに一日二日で来れる距離じゃない。しかもだ。山越えどころか大した坂などもほぼ無くずっと同じような高さを移動してきたぞ?」
「それがこの森の不思議な所なんですよね~
あ、そうだ。他の森と離れているのに繋がっている場所も多数見つかったとの報告も上がっています。
今回もその内の一つを使いました。」
此処は本当に森なのか?
「いやーおかげで遠くに情報収集行くのも随分と楽になりました。
問題はその繋がっている所周辺にその森の主の様なものの住処が必ずといってもいいほど有る事ですね。
危険度で言えばこっちの入り口の上級
「そういうのはもっと早く報告しろよ!!」
「ごめんなさい、忘れてました。」
「まあいい、でそういえば前日に曹操とぶつかると言っていたが如何言う事だ?」
「それはですね、あの賊によるファンゴ狩りは偶然(・・)、
「本当に運が良いんだな・・・」
「まあ、そこで人生の運を使い切ったとしかいえない状況で・・・・今こうやって我々に狙われているんですし、本当にそれは最後の幸運としか言えませんね。」
「そういうことか・・・・はぁ~本当になんなんだよこの森・・・・
そして自分の所属する軍を其処まで持ち上げるか・・・」
「それは・・・私は外の軍も見ていますから、此処まで個々人の能力が高い軍はありませんよ。
そして、この森は周辺の人々からは迷いの森、妖精の住む森、楽園へ繋がる森など、いろいろと呼ばれていますよ?」
「最初はわかるが、後の二つは何だ?」
「私たちは、いや、私の部下の大半は帽子と襟巻(まふらー)などで顔を隠している物が大半なのですが、時より迷い込んだ子供を外に連れて行ったりしているんですよ。一説では長い襟巻が羽に見えたのではないかと・・・」
「最後のは?」
「楽園は・・・・私たちの村の事でしょう。何度か迷い込んだ者を一晩泊めてから翌日どうやったら来れるか分からない様に寝た状態で安全な場所に帰したりしたから噂が広がり、・・・他の街はあの村ほど豊かではないのですよ。綺麗で食事が美味く、量もある、それはもう、楽園でしょうね。」
「・・・・・そうか・・・」
「はい。」
「後どれくらいだ?」
「もうすぐです。少し先を見てくることにしますね。壱から伍番、着いて来い。」
ヒュッと僅かな風きり音を残して姿が消える。
「まったく、皆チートだなぁ・・・・じゃあ俺はP(プロ)A(アクション)R(リプレイ)か?はは・・・パーって嫌だな・・・」
しかし、陳留から山一つの距離で出張って来るとなると・・・許緒か?
それよりも北郷一刀は居るのだろうか・・・
むむむ・・・
まあ、いい俺は自分のやりたい事をやるだけだ。
「ただいま戻りました。」
「早ッ!!早いよお前!!」
「おおよそ残り四半刻と少しあれば着く距離に、山の陰に隠れるように砦があります。
あのような見つかりにくい所に建ててあることに少々感心しましたよ。
近くに町があるのに見つかってないとは・・・」
「なるほど・・・ならば到着後すぐに叩くか・・・・疲れているものは居ないか調べてくれ。」
「御意・・・・ん?如何した参番・・・・そうか、分かった。
王よ、如何やら街の方より賊が数名逃げ帰るよう砦に向かっている、そしてその後を、見失わず気が付かれない様追跡する青い鎧の者が数人見られるとのことです。」
「そうか・・・
情報の速さから近い気がするが・・・こいつらの速さは異常故、そうでもない砦に戻るのに10~15分くらいか?」
「口に出ていますよ?分と言う時間の単位は分かりませんが恐らくそれ程かと。」
「そうか、その・・・・青い鎧、恐らく曹操の軍だがそいつらの状況を教えてくれ、かち合いかねんからな。」
「御意・・・しかし、皆、長時間、常に馬車・・・猪車で揺られていた故、地に足が着かぬ様子です。」
「そうか、なら情報が来次第、曹操軍の来る時間を考え少し休憩を入れる。」
「分かりました、すぐに調べさせます。」
・・・・・・お前も休みたかったんだな・・・
「分かりました!!つい先ほど砦を確認し来た方へ帰って行ったそうです。
単騎駆け故、軍より早いと考えまして本体が来るまでおおよそ・・・・一刻かと思われます。」
「・・・・よし、ならば、あと少し進んで半刻と少しの休憩の後に攻め込むとしよう。」
「全軍に知らせてきます。」
「そーいや、あいつ伝令で走りっぱなしなんだよな・・・・こいつ等以上の速さで走り続けりゃそれは・・・・疲れるだろうな・・・」
そして各自自由に静かに体力回復、感覚の調整を行い三十分・・・
「追加情報です。曹操軍1200、賊、予想通り2000ほど、しかし・・・・」
「どうした?」
「山の向こうから近づいてくる軍団がいます。装備から見るに・・・・賊の増援、数は・・・・約4000。」
「そんな数、一体何処から・・・・」
「どうやら、この森の事を・・・ファンゴを狩れる様になってもしもの時の食料に困らないとかそういう情報を送ったのか、救援要請を送ったのか・・・・両方が一番可能性が高いですね。
先にあったという近くの街の少女との戦闘時に曹操軍の夏候惇の到着で逃げたものから一人、援軍要請に行ったんでしょう。
『見つかりにくく近くにいざと言うときの食料豊富な森がある』と、でも。
さらに、勝てばあの邪魔な曹操がいなくなるとでも言って唆したのでは?」
「フム・・・流石のその程度を考える奴が一人くらいいるか・・・互いにそれ程考えの深いのはいないだろうから深い損得勘定はしていないのだろうが・・・」
「はい、しかし本当に倒しかねないかと、曹操軍1200、2000を相手にしては錬度の違いが有っても半分近くやられるでしょう。そこに4000が後からとなると・・・」
全滅は免れない・・・・か
「仕方あるまい、少し休息を伸ばし曹操軍の後を狙う賊を横から叩く。相手は八倍だ。食い放題だから遠慮はするな。
先ずは、戦車でぶつかる。
其処からは各自、そのまま撥ねてよし、下りて戦っても良い。
要するに、最初にぶつかってからは互いを助けながら各自自由に殲滅だ。
ノルマは8、他の奴から奪ってそれ以上でも良しだ。
さあ、楽しんでいこうか!!」
《《《応!!》》》
「あと少ししたら発つ、そのまま横っ腹に突き刺さりに行くから今の内に覚悟と武具の手入れをしておけ。」
「ん?銅鑼の音だ、大勢の咆哮も聞こえるな、草、誰か一人を派遣しどういう策を用いているか確認しろ。」
「そう言うであろうと思い、情報は集めました。
左右に隠れさせて少数の本隊が正面より対峙し銅鑼を鳴らす。伏兵ですね。確かに状況には相応しいでしょう。」
「援軍が無ければ、な。
少数の本隊の後から想定の敵の二倍が来るんだ。持つ筈が無いか・・・」
「敵援軍、到達予想は?」
「あと僅か、そろそろ出れば丁度良いかと。」
「よし、全軍に告ぐ、いつも通り自分のやり易い戦い方でやれ!!死ぬ事は許さん!!家族が待っている!!
奴等は竜よりも強いのか!?」
《否!!否!!否!!》
「大猪(ファンゴ)より丈夫か!?」
《否!!否!!否!!》
「ならば奴等は何だ!!」
《草食動物だ!!》
「我らに狩れぬ道理は!?」
《存在せず!!》
「我らは!!」
《狩人ォォ!!》
「奴等はァ!!」
《獲物ォォ!!》
「故に!!」
《狩る!!》
「さあ、狩った数が一番の軍には私が料理を振舞おう!!さあ、祭りの始まりだ!!」
《収穫祭(ハーベスト)ォォォ!!》
少し、時は遡り・・・
「連中、今の銅鑼を出撃の合図と勘違いしているのかしら?」
「はぁ。どうやら、そのようで・・・・・・」
「・・・・・・そう」
「ふむ・・・・・・まあいいわ。多少のズレはあったけど、こちらは予定道りにするまで。
総員、敵の攻撃は適当にいなして交代するわよ!」
場所は移って・・・
「報告!曹操さまの本隊、後退して来ました!」
「やけに早いな・・・・・ま、まさか・・・・・・華琳さまの御身に何か・・・・・!?」
「心配しすぎだ、姉者。隊列は崩れていないし、相手が血気に逸ったか、作戦が予想以上にうまく言ったか・・・・・・そういう所だろう」
「そ、そうか・・・・・・ならば総員、突撃準備!」
「ほら姉者。あそこに華琳さまは健在だ。季衣も北郷も、ちゃんと無事のようだぞ」
「おお・・・・・・・。良かった・・・・・・・」
「ふむ・・・・・・。そろそろ頃合かな」
「まだだ、横殴りでは、混乱の度合いが薄くなる」
「ま、まだか・・・・・・?」
「まだだ」
「敵の殿だぞ!もういいな!」
「うむ。遠慮なく行ってくれ」
そして本隊では・・・
「後方の崖より夏候惇様の旗と矢の雨を確認!奇襲成功です!」
「総員反転!数を頼りの盗人どもに、本物の戦が何たるか、骨の髄まで叩き込んでやりなさい!」
「総員、突撃っ!」
「けっこう、早く終わりそうね・・・」
「ほ、報告!!背後より敵増援、か、数は約四千!!」
「な、何ですって!!」
「華琳様!!お逃げください、挟まれます!!」
「姉者、急げ」
「総員、死ぬ気で戦いなさい!!まだ着かれるのには時間が有るからそれまでに目の前のを倒す心算で・・・いいえ、倒しなさい!!」
Aaa_____
「・・・・何か聞こえないか?」
「うっさいわね!!こっちは忙しいのよ、黙ってなさい」
Aaaaalalal______
「やっぱり何か来てるって!!」
「報告!!」
兵士が何かを報告しに来る。
「いったい何!!」
「我が故郷の軍が横より敵援軍に攻撃予定。故に後は心配せずとも良いとのことです。」
明らかにおかしな報告・・・
「!?貴方・・・いったい・・・」
それに応えない・・・・・・
薄く口が弧を描いているのは分かるが其処から上が見えない様兜を深く被っている。
「曹操様!!左後方より所属不明の軍が・・・・巨大な猪に引かせた車で出現!!」
今度は間違いなく自軍の兵。
「な・・・・」
報告は先の怪しい報告のものだろう。
「そういうことですよ曹操様。人の数は500、猪は100前後。ただし一人一人が十人・・・いや、100人分の働きはする物どもの集まりなため心配は不要です。」
声は男とも女とも付かない中性のもの
「あなた・・・・間者ね・・・」
「いいえ、忍者の卵ですよ。今最終課題の真っ最中の」
「それは・・・」
如何言う事だ、何だと聞こうとする前に
「次、私を見つけたらお教え致しましょう。二月前からの味方ですのでご安心を辞めるときは一言言ってからにしますので期限は其処までと言う事にしましょう。
それと一つ、私は、探すと見つかりませんよ」
ヒュッと姿を消す。
「確か・・・二月ほどから急に情報が上手く入るように成って来ていたわね・・・・」
さっきの者の言う事が本当ならば後の心配は要らないが・・・・どうしたものか・・・・・・・・・・
「あ、言い忘れていましたがその気に成れば曹操軍、賊軍まとめて倒せる変態集団なので、無理に攻撃して敵と思わせないほうがいいですよ。」
驚いて飛び上がりそうになったのは秘密だ。
AaaaaLaLaLaLaLaLaie!!!!!!!
ズガァァァン!!!
と、まるで雷轟の如き音と共に人が宙を舞う、道が拓かれる、其処に続き道を広げるように猪の戦車が広がるよう奔り、その上から槍、鉾、弓などで攻撃を加える。
走り去った後には物言わぬ骸、もはや外形を留めていないモノのみが・・・赤黒い大地が残る・・・・
「ハッハァ!!狩ぁぁり損ねた者はぁおらんだろうなぁぁ!!我ら黒の軍よ!!」
「ヒャッハー!!勿論でさぁ!!旦那ァ!!」
「皆さん!!殺り残しは在りませんよね?」
「無論皆殺しで御座る!!」
「白、加速する。」
「了解!!」
「朱雀の皆~射程距離を活かして一番、狙うわよ!!」
「勿論です、お姉さま!!」
「俺に続け!!黄竜軍!!喰らい尽すぞ!!」
「応!!!!」
五つに、五色に分かれた群は、力任せに、とんでもない速さで、無駄なく、精密な射撃で・・・・
そしてまさに食い尽さんと小魚の群れを喰らう
そして五つの軍が五度通った頃には立っている者がほぼ居ない状況になった。
「所詮この程度・・・・ファンゴの一頭も傷付けずに壊滅するとは・・・・何と情けない。」
「外の者をあなた達と一緒にしないでくださいよ。特に阿呑、貴方ですよ」
「解せぬ・・・・」
「それはよく分かる。」
「あの・・・それで残った人はどうするんですか?」
「あ~・・・・草、一思いに殺っちゃって。」
「分かりました。」
さて、曹操の方も大方終わった様だし、
「全軍に告ぐ、戦後処理の後、森の近くに集結し、しばし休息せよ。」
全員で土地を死体処理を行う。
黒が穴を掘り他の者がファンゴを使い運んで、また他の者が穴に落とし埋めていく。
「大方の処理は終わったか・・・じゃ、俺は曹操のお嬢さんがこっちへ向かう様子を見せるまで・・・・ってもう向かってきてやがりますか・・・・」
しゃーない、会うか・・・