旧作・規格外の起源   作:獅狼

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第四十一話

 

 

「よく来たな、曹操殿。本来は後から来て冠位を持たぬ我々から出向く事が好ましいのだが我々はちょっと無理な行軍でへばってしまっていてな・・・・申し訳ないな」

しかし頭を下げる様な真似はしない。此処で頭を下げるのは問題だろう、俺は仮にも代表なのだから(誰も仮とは思っていません)いきなり下手に出れば舐められるッ!!

実際は無意識的に・・・・むしろ野性的に下手に出る必要が無いと判断してしまってたのかも知れない。

「こちらこそ、窮地を救ってくれた事を感謝するわ。如何やら自己紹介は要らないみたいね、間者を送り込んできているのだから」

・・・・?

「草、どう言う事だ?」

ここに居なかった男が急に出現した。

「はい、如何やら弟子の一人が彼女の所を有力な勢力として判断、そして働いているようですね。その者とは戦闘開始前に接触しました。もしかしたらと思って我々の固有信号を送ったら返答がきまして・・・」

ああ、放流した・・・

「なるほど、序列は?」

「弐番の音(ね)と八番の柳(りゅう)がいました」

ふむ・・・・今の時期で十人中二人が付くか・・・

「失礼、曹操殿、貴女の所に居るものは現在我等とは関係なく『将来大勢力、または大きな動きをしそうな組織、勢力に潜入し、有力な情報を持ってくること』と言う課題の真っ最中でな。

此処が最もいいと思った情報を一つだけ持ってくることが課題になっている為、そう気にしなくてもかわまないと思う。我々は攻めて来ない限りは特に動こうと言う気はない」

「・・・ふざけているの?」

「否、別にふざけては居ない。今回は急な事でばれてしまったが、本来来て去ったことを知る事の出来るものは運か勘が異常な者のみだ。まあ、ただ勘がいいだけじゃ無理だがな、それに滞在中は真剣に働いてくれているだろ?

 

課題終了後ならば引き抜いてもらってもかまわない。それは個人の自由なのでな。

 

聞いた所、音に去る前に見つけて見ろと言われたみたいだな。おそらく見つけて話し掛ければその後の引き抜きに応じてくれるだろう。

 

まあ、君には特別に教えておこう。

 

普段は隠れる事はしていないが気配を上手く消したり同化させている為目の前を横切っても気が付かない事もある。注意深く人を観察する事だ」

此処まで一方的に語る、そして返答を待つ・・・

「・・・・そう、つまり私は試されているという事ね」

「その通り、自分が使えるに値するかも確かめている。だが気をつけろ?其々が他者には真似出来ない業を身につけている、そして例え武将相手であろうとも殺すだけなら反撃も許さないだろう・・・

言い方から察するに・・・曹操、君が自力で捕まえなければならない。人海戦術を使うと兵がどんどん減っていくと思ったほうがいい」

「…それはいったい、如何言う事」

「死人に口無し・・・要するに見つけた者が口封じで殺される。有能な者ほど見つける確率が上がり、殺される確率も高くなるな」

「なるほど、そういうこと・・・・私はあなたの後ろのその女性も欲しいのだけど、一目で分かるほどに良いわね」

「残念ながら無理だ。彼女は主戦力であり家族でな、手に入れたくば戦争だ、捕らえるために五倍の将を失う事が最低条件だと思え、捕らえた所で壊滅させるがな」

「貴様ァ「待ちなさい!!春蘭!!」しかし・・・」

ふむ、俺の背後の阿呑が拳を握ったのに気が付いたのか?

「・・・貴方、私の軍を舐めているの?」

しかし、言うことは言うのだな・・・

「まさか、しかし個々の実力の違いが大きすぎて駄目だ、装備の質も違いすぎる、武器と鎧の上から断ち切ることも容易い」

「まさか・・・「それに、こいつ等を唯の一兵卒だと舐めない方がいいこの猪程度なら単独無傷で狩る事が出来る。むしろどれだけ少ない手数で狩れるか競争する始末だ」・・・全軍が武将に成れるだけの力を持っているということかしら?」

「肯定、更に鍛え方のせいか・・・連携が上手くてな、其処の・・・夏侯惇殿ならば・・・四、五人といった所か?それ程の人数で確実に仕留める事が出来るだろう」

「何ィ!!だかだか一般兵に私が敗れるだと!!」

「まあ、待て、その武器を下ろしたほうがいい、武器を構えてそれ以上近づくと私は良くても周りの者がな・・・・流石にここで四方八方からの矢に対処するのは難しいだろ?位置的に自分の主を巻き込みかねないがそれでも良いなら来るといい。その時は・・・・

 

 

歓迎しよう、盛大にな!!」

 

 

 

阿呑が立ち上がり、草が背後に回り、防人が右手を背のランスに回し、朱麗が弦を張る。

 

 

 

しかし、それは夏候惇に対する構えではない。

「おいおい早まるなよ?まあ、この四人が防いでくれるからいいが・・・

 

動くのは向こうが動いてからだ」

 

この台詞を放つまで曹操達は気が付いていなかったが、弓兵が全員弓を引いていた。

 

「ん?おい、誰かそいつを止めろ、徹甲榴弾を使おうとしているそいつだ。俺達を巻き込むつもりか?

・・・そっちの、拡散弾なんぞ問題外だ。其処の集団も散弾を装填するんじゃない!!」

 

しかし、予想外もあった様だ。

 

「と、まあこんな状況だ、構えを解いて欲しい俺も巻き込まれかねない」

「む、むう・・・」

「春蘭、構えを解きなさい、勝手な事は許さないわよ」

「……はい…」

「まあ、こっちも悪かった、わざわざ挑発するような事を言ってな」

「いいえ、さっきので分かったわ、確かに油断ならない者達のようね・・・」

「あなたの兵も外の者(・・・)にしては中々の錬度ですね」

「うむ、中ァ々にいい粒がァ揃っているではないかぁ?」

「将も才能があるものばかりですね・・・・おや、そちらの青年は?」

「…奇怪也」

「防人ちゃん、其処はちゃんと服が違うとか言ってあげないと」

「お ま え ら!!向うが構えを解いたからと・・・」

「まあまあ、そちらの皆さんも楽にしていいですよ、もともと争いを好まない質なんで・・・

ただ舐められないよう、急に切りかかってきて迎撃してしまわないようにする為戦力差を教えるための対話だっただけです。まだまだ伸びしろがあるあなた達が此処でつぶれてしまっては勿体無いと言うのもあります、まあ、一番はあなた達の治めている街の人たちのことですね」

他と違いちゃんと治めているようですから、と続ける。

「ハァ………もういい、そっちも楽にしてくれ、草、椅子を用意しろ。

机と茶、茶菓子で……甘いのもな」

「了解」

そう言い姿を消し……数秒後顔に布を巻いたりして、顔を隠した緑色の集団が机と椅子その他を持って現れ登場から五秒と掛からず全てを配置し、姿を消した。

 

 

「さて、少しゆっくりして行けや」

一つの椅子に座りながら灰根はそう言い放つ。

「罠などは有りませんので安心してください」

その隣に草が座る。

「・・・」

防人が座る・・・かと思ったら俺の右後ろに立つ。

左後ろに阿呑が椅子を持っていき座る。

そして結局、反対隣に座ったのは朱麗であった。

 

「それで?何か聞きたい事が有るのでは?」

「・・・なら聞かせてもらうわ、貴方達・・・何者?」

「随分大雑把な質問だな。秘境の村に住む者だ」

「・・・聞いた事無いわね」

「当たり前だろうな、村に辿り着けるのは運が良い者だけで、その者達も夢だと思うかそのまま帰化するんだ。外に情報が出るほうが稀だよ」

「じゃあ、いったい何処にあるの?」

「猪の森の奥深く、来ても良いが少数で来る事を進める。人が多いと動物が興奮して危ないからね」

「貴女、さっき私を欲しがっていた様だけど・・・そんな事をしたらそっちの娘、いらない子に成っちゃうから」

「それは如何言う事?」

「私は射撃能力が飛びぬけているのよ。正確な距離を測ったことは無いけど馬以上に早く動く標的の目を数里先から射抜ける程度にはね」

「ッ・・・!!」

「気にしちゃ駄目よ、ここに居る四人・・・いいえ、五人は皆何処か超越している所があるから・・・勝ちたければ武将数人であらゆる策を用いて罠に掛けながら戦わないと厳しいわよ」

「そんな事をせずとも私になら・・・ッ!!」

「無理ね、後ろに居る阿呑・・・この巨人の事なんだけど彼、貴女の軽く十倍以上の力を持っていて・・・え~っと何て言えば良いのか解らないんだけど、直感?そんな感じで不意討ちとか予測するから死角からの攻撃なんて意味が無いのよ?捕まったら握りつぶされて終わりよ?」

「ぬぐっ!!」

「おいおい朱麗、なにを挑発しているんだ。

 

悪いな、皆死と隣り合わせの訓練をやってきたせいか、皆相手の力量を大凡測れてしまうんだ。

龍を相手に一人で闘い続けるようなそんな(どころかそのまんまの)過酷な訓練、しかも回りは皆そんな事やっているもんだから・・・正直外の人に合うのが久しぶりで、そして脆く見えてしまうんだ。

こっちの兵の一人がボソッと言ったことなんだが・・・

 

え?なにあれ蹴ったら足とか、簡単に折れそうなんだけど

 

との事だ、まあ実際蹴ったら折れるんだろうけど。

あれ?おかしいな何でこんな言い方に?

悪い、久しぶりの外で変に高圧的に成ってしまっている」

 

「貴方も人の事言えませんね。

 

此処からは私が代弁させていただきます。

こちらが言いたい事を簡単にまとめれば・・・

・こちらに戦闘の意思は無い。

・でもやられたら勿論やり返す。

・出来れば貿易をしたい。

・自閉的にするのも何だからそちらと友好関係を持って行きたいとも思っている。

 

こんな感じですね」

「ちょっと何が言いたいのかよく分からないのだけど・・・」

「まあ、そうですよね。取り敢えず、今後ともよろしくと言う事ですよ」

「・・・それで、利益は?」

「はい?」

「互いの利益よ国同士の関りと言う事はつまりは利害があるわけじゃない」

「ああ、こっちは全員を養いきれていて何も問題が無いのですよ

でも、その代わり娯楽が少ないのですよだから外から情報を入れたいというのが一番ですね。

街の拡張もしたいのでそのための・・・と言うのもありますね。

そちらにとって悪い話ではないと思いますよ、こちらの密偵の話から如何やら我々の道具は外よりも優れている物が多いようなので。

貴方達に支援をして来るべき乱世を早々に終わらせて欲しいと言うのが本音なんですけどね」

 

「貴方達ならすぐに統一出来る気がするのだけど?」

「いやですねぇ~我々は表から消えた者たちなので、言うなれば仙人の下で修行している世捨て人と思ってください。

まあ、我らの王は傭兵部隊を出そうとも思っているようですけど」

「そう・・・それで?貴方達との貿易はどのようにすれば?」

「あ~・・・少ししたらこちらから部隊を出します。その者たちに護衛と道案内をさせるので、普通の貿易と考えてください。食料は・・・一回目は1週間分くらい有ればいいですかねそれで何日掛かったかを持って次からを考えるということで。

初回、我々は食料と包丁などの生活で用いる小物を持ってきます。

まあ、余裕があれば遊びに来てもらってもいいですよ、正直、ビックリすると思うので」

 

「分かったわでもそういうのは普通商人がやるのではないのかしら?」

「世間知らずと持って価格を偽るのが出るかもしれないと思うと・・・」

「心配?」

「はい、相手の商人がどうなるかと考えるだけで・・・」

「・・・そっちなの・・・そしてそう言っている割に何で笑顔なの?」

「コイツもまともそうでそうじゃないって事だ」

「・・・・・・」

「私から一つ聞きたい。さっきこいつ等も言っていたが・・・

 

 

そちらの青年・・・・何者だ?」

 

「・・・ッ・・・・」

 

言葉を詰まらせる青年

 

「彼は北郷一刀、天の御使いよ」

その言葉を聞き

「もう王朝に対し宣戦を布告する心算か?・・・如何した草・・・なるほど、なら問題ないか・・・」

小声でつぶやき、草より情報を得る。

「如何したの?」

 

「何、現段階で既に王朝に喧嘩を売るのかと思ったのだが・・・如何やらその、北郷を合わせて計五人の天の御使いと呼ばれたり他と違う者が居るらしい。其々現在、作ることの出来ない素材の服を纏っていて、他の四名は特殊な力を持っていたり、結構な力を有しているらしい」

 

「あら、じゃあ一刀はハズレ?」

「何!?他にも来ている人が居るのか?」

 

「いや、どちらかと言えば真ん中だな。中には人を人として見れていないまるで傍観者のようでそれで居て干渉する者、自分が支配者になったように振舞う者が居る。前者は如何やら魅了と言う様な精神を操るような力を持っているらしい、ありえない惚れられ方をしていたとの話を聞く。しかもそのままお持ち帰りだそうだ。

他の二人は結構いい奴みたいだが・・・君からしたら其処の北郷君が一番良かったんじゃないかな?」

 

「あら、どうして?」

「残る二人は守護者のような奴、そして国より店、領主の呼び出しでも出向かない素晴らしい職人だ・・・

 

君は一方的に守られるのは好まないだろう、そして好ましいだろうが束縛される事を望まない職人だ。

 

後者は良いが何時他所へ行くかも分からない。まあ、要するに他は危ないか手に負えない主義に反する者ばかりだろう事からまだ方向の決まらない彼が適任かもしれない・・・後の二人ならいいかもしれないがな」

 

「確かに、前の二人は問題外ね、後の二人は欲しく成るかも知れないわ」

「まあ、其処はご自由にとしか言えないな。もしかしたら普通の人にはどうしようもないかも知れない。

その時は我らも力を貸そう

まあ、もしかしたら傭兵をやっていて他の陣営につくかもしれないがな。

我らは基本そのときの思いつきで動く故、約束は基本守る。安心しろ、我らは金では動かない」

「まあ、そうで無いとね外部からの規格外の駒がいつでも使えるというのは逆に好ましくないわ」

「まあ、貴女は自分の力なら喜んで使うでしょうが、与えられた力は使いたがらないと思ったよ」

「はい、それでは対談はこれにて終了としましょう。詳しくは手紙でも書いて機会を作りましょう、戦闘の後では流石に冷静だとは言いがたいと思うので」

「あなた達に言われたく無いわ」

「はは、これは手厳しい。それでは、こちらは街に戻り次第準備を行うのでおおよそ二週間後にそちらに着くと思います。目印は馬車ではなく猪車といったところでしょうか」

「・・・出来ればそれはやめて欲しいわね要らぬ混乱が起こりそうだわ」

「あ~確かに見慣れなれていないと大変だな。こいつ等も野生だとかなり強暴だから、でもこいつらは数歩で馬の最大速度に辿り着くことが出来て力もあるから戦車や輸送手段にべんりなんだがなぁ・・・・飼い慣らせればの話だが・・・」

「それはどうでもいいわ、混乱を招かないようにして頂戴」

「ぬう、他の手段が必要か・・・」

「馬を持っていないの?」

「ああ、この大猪が馬の代わりだ。少なくとも馬五匹分の働きをしてくれるのでな」

「少し欲しくなってきたわね・・・」

「華琳さま!?」

「ちなみに肉もちゃんとした処理をすれば美味しい」

「・・・」

「華琳さまぁ!?」

「まあ、こっちに来る機会が有ったらその時コイツに関しては相談しよう」

「分かったわ」

「それとだ、お前のとこの兵をいくらか寄越せば能力を引き上げてやろう、他の天のみ使いは人道的であるか分からないがきっと兵の能力を底上げしているであろうからな」

「あら、そんな事していいのかしら?」

「大丈夫だ、問題ない、所詮全体的に少しあげるだけ、心に傷を負うような訓練をしないとコイツ等みたいには成れない。外の訓練がお遊びに思えるくらいのだからな」

「まあ、余裕が出来たらお願いするわ」

「了解、それではな・・・全軍!!帰還準備!!」

『完了しております!!』

「宜しい、ならば帰るぞ!!」

『応ッ!!』

「では、さらばだ!!」

近くに止めてあった車に飛び乗り、すごい勢いで小さくなっていく

 

 

 

 

「はぁ・・・私達も帰るわよ!!」

 

その後、曹操軍も自分達の街に向かい帰っていった。

 

 

 

 

 

無論、食糧の問題で軍師殿が半分怒られたのは言うまでも無い。

 

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