「ほう、此処までの規模で大部分をちゃんと管理下に置いているとはな・・・」
本日は我々が曹操の治める地に訪問している。
「当たり前でしょ、華琳さまが治めている土地なのだから。」
何故か自慢げに言う荀彧。
「表は大体良いな後は裏町となっている区域か・・・貧民層と表では出来ない商売をやっている者が居る所だな、此処は大変だぞ?仕方が無く住んでいる者と国に逆らってでも儲けたい者達の集まりだ、お偉いさんの言う事なんか聞かないぞ?」
ちょっと嫌がらせをしてみる。
「グ・・・そんな事・・・」
直ぐに解決できるとでも言いたかったのか、でもまだ政策が出来上がっていないのだろう、言葉が詰まる。
「まあ、此処で一つ助言でもするか・・・いや、もう思いついているか?
一部を黙認して自由にさせるんだ、本当に大変な事になるもの以外は黙認し、多少泳がせておくのが良い。
強く取り締まった所でそういった輩は減った分現れるんだ、だから更にその裏でそういうやつ等を管理する。
もう一つは・・・街の形を変えて裏と表を無くすくらいか?どうも一般人どころかまともな人の入らない地区が出来ているんだよな~」
徐々に大きく、順に建築して行くせいなのか?
「あんたの所にはこういったところは無いのかしら」
反撃のつもりか?だが甘い。
「ないな、人数も少なく皆が家族のように親密で食うのに困らないから、それに基本自給自足だ。そういったことをする必要性が無いからな」
断言できる、いろんな場所で模擬戦もしているのでそんな場所は出来ようがない。
「桂花、灰根は正直私より非常識なのよ。」
何故だろう、少し呆れる様な目をこっちに向けてくる。
「そんな、華琳さまがこんな奴に負けている訳がありません!!」
「はっはっは・・・・同盟みたいな物を結んでいるとは言え他国の仮にも王に向かってその言葉遣いか・・・面白い奴を持っているな小国だから侮って居るのか?三日で滅ぼすぞ♪」
まあ、冗談なのだが・・・
「・・・私が謝るから勘弁してちょうだい」
「え!?か、華琳さまが謝らなくても・・・」
こっちが驚いているよ、冗談のつもりが本気に取られたか?
「桂花、灰根のところの軍は500しか居ないわ、でもそれはその人数で十分だからであってそれ以上備えられないという訳ではないの、三日どころかおそらく開戦直後に将軍格は皆首が飛ぶわ」
「まさかそんな事・・・」
「私が見に行った時、人が住んでいない地域なのかと思ったらそこで模擬戦をしていたの、灰根が気が付かなかったら私、死んでいたかも知れない、ただその地域に足を踏み込んだだけ、その瞬間急所に向かって左右から五本ずつ矢が飛んで来ていたそうなの。私には見えなかったし、殺気も感じはしなかったわ」
ああ、あの時、騒がしいの(夏候惇)が居ると静か過ぎる違和感に気付けないもんなんだなっていい経験になったよ。
「ああ、朱雀部隊だな。その程度じゃ死なないと思っているから殺気を出さなかったのか完全に暗殺するつもりで殺気を出さなかったのかは知らないけどな。
ああ、それより青竜部隊はもっと厄介だ。ほら、今も荀彧の後ろに・・・曹そ・・・華琳は会った事が有るんだっけ?隊長、草の内弟子の一人、音が居るんだが・・・・気付いたか?」
「え?」
荀彧は後ろを振り向く
「あ、遅い遅い、俺に気付かれたから姿を隠したよ。聞いた話だと人の多い場所は勿論、生き物の一切居ない見晴らしの良い荒野でも対象に気付かれず近付いて死んだ事も気付かせないような暗殺が出来るのが隊長の草なんだが、内弟子も死角がある程度あれば可能らしい」
「なにその超人」
「さっき話に出た朱雀隊隊長、朱麗は・・・曹そっ・・・・分かったよ・・・華琳が欲しがっていたアイツなんだがな、此処の一番高い所を陣取ればこの街ほぼ全域に狙撃が可能だな」
真名を聞かされてそれでも真名で呼ばない俺、でも曹操と呼ぼうとするたびに何でか睨んでくるんだよな・・・
「そんなに凄いかったの?本当に欲しくなってくるわね・・・」
「ちなみに華雄に教育という名の洗脳を行ったのもあいつだ。立派な一軍の将になっただろ?」
「ええ、連合の時にあの鉄壁な関を内から崩す切っ掛けになった人間だとは思えないくらいの変わりようだわ」
俺も驚いたよ、アレにはね・・・綺麗なジャイアンどころか180度反対でとんでもない知将に成っていたんだから・・・
今まで猪だったのが策に策を・・・一度に複数を組み合わせ主だった短所を潰して用いるようなそんな奴になっちゃったもんね。
半万能の策を今練っているみたいな事言っていたらしい。
「あれ?そう聞くとむしろ軍師で使えそうじゃね?」
「そうなのよね、でも本人は前線で戦いたいというのよ。前線で臨機応変に策を練って戦ってくれるからそのままにしているんだけど・・・一番と言っても良い程に手柄をあげているのよね・・・・でも褒美は要らないとか言うし、ただ、平和な世を作りたいだけだ!!とか言うのよね・・・・」
流石だな、朱麗。
「さて、そろそろ城に帰りましょうか」
「ああ・・・・・そうだ、今日は俺らが料理を振る舞ってやろう」
「あんた、料理作れんの?」
「ああ、結構な腕だと思うぞ?まあ、阿呑には抜かれちゃったけどな」
「え?あの筋肉達磨も料理できるの!?」
「・・・前、見たと思うが俺のとこの皆、結構良い体しているだろ?あれな、阿呑や俺の栄養を考えに考えていろいろとやっていた事が大きな影響を与えたと思うんだ」
「!!」
あ、良く考えたら問題発言?
そんなこんなで翌日・・・・
「へえ、公孫賛のとこ袁紹に落とされたんだ・・・」
「ええ、少し前にね、で私達は麗羽の所を先日攻めて麗羽と他二人はどこかに逃げてしまったけど・・・」
「で、何でそれを俺に?」
「いちおう同盟国なんだから、情報の共有よ。」
ふむ
「なるほど、ならばこっちからも情報を出してあげよう・・・・と言うよりもちょっとした注意だな。
まず、前に話したとおり転生者、トリッパー・・・そっちに分かりやすく御使いということでまとめて置こう。
それが一真、一刀を合わせて五人居ると言ったな?」
「ええ、確かに効いたわ、内二名は危険人物だったかしら?」
「ああ、その通り、前回は如何会ったか知らないが今回、劉備の所にいる一人、南斗刃・・・・・・まあ、明らかに北郷一刀を意識したような名前だが・・・・・・コイツは今わかっている限り、精神を操る力と武器を出す力、持ったものを強化する力だな。後者二つの割りに本人はど素人だ。
ただ、武器が厄介なものでな、如何やら伝説に出てくる武器を作れるらしい。
前戦った時は干将莫耶を使ってきたな。」
「へえ・・・確かに武器が其処まで強ければ素人でも危険になるわね・・・」
「更に、如何やらその武器の使い手の動きを僅かな間だが真似する事が出来るらしい」
「・・・つまり、武器を使う妖術使いって訳ね」
「確かにそんな感じだな霊媒師に近いかもしれない」
「注意が必要と言う事」
「いや、戦闘は安心してくれ。ただ、精神干渉だけに注意しろ自分に惚れさせる。そう言った能力だ。」
「・・・・・・最低な能力ね。そこら辺、確り注意しておくわ」
「ああ、だからもしかしたらそれ以外でも何をするかも分からないから、どんな事が起きても驚かないよう覚悟したほうがいい」
「わかったわ、覚えておく」
そして・・・
「劉備の所に攻め入るわよ」
突然会議の場に呼ばれそう言われた。
ふむ、時期が悪かったか?いや、いい機会だな
「曹s・・・・華琳、我ら五人も付いていこうかと思う」
「何故?別に貴方達は観光を続けていいわよ。ただ、そういった理由で出かけるから探さ無い様に教えただけよ?」
「なに、野暮用だよ。ちょっと変態を一人、始末するだけさ」
「・・・・・・そう、なら付いて来ても良いけど余計なことはしないでよ?」
「何もしねえよ、俺等は一つの事しかしない。だから安心しろ」
「なら良いわ・・・・・・でも、貴方達の馬は用意してないわよ、あの猪で行くの?」
「いいや、朱麗は阿呑が運んで俺等は自分で走る」
『え?』
この場の空気が何故か凍った。
「ん?俺なんか変なこと言ったか?」
「今言っただろ!!何だよ馬に走って付いて行くって!!」
「そうだ、お前は馬鹿か!?人が馬に追いつける訳無いだろ!!」
「そうか?一真、お前は分かるよな?だって猪車で走行中に草が連絡くれてたろ?」
「・・・・・確かに、あの馬より速い猪を前後に移動しないとそんなことは出来ない・・・・・・いや・・・・声とか手信号とかだったんじゃないのか?」
「いや、あれは草が実際に見たものを教えてくれたんだぞ?」
「嘘だ!!」
「いや、本当だってその気になれば猪を追い抜いて攻撃とかもするからね?」
「信じられん!!」
「ッチ、ならば!!阿呑!!草!!」
「はい」「ぬ?」
「許緒、遠くで美味い饅頭とか肉まんとか売っている店を言ってくれ」
「?・・・それなら・・・あと季衣って呼んでよ」
「二人とも、買って来い」
「御意」「うぬ!!」
草の姿が消え、阿呑が駆け出していく・・・中庭あたりで轟音が聞こえた・・・
「さて、先に俺の目的を言っておこう、
劉備の所の御使いの処分だ」
「ただいま戻りました」
『え!?』
ズドン!!・・・・・
「うぬ、こぉれでぇ良いかぁ?我が王よ」
『え?』
「季衣?貴女の言った店、実は近いなんて事は・・・」
「それは無いよ、あの店、外のほうにあるから」
「じゃあ、あれは実は近くの店で買ってきたって事じゃ・・・」
「季衣、食べてみてくれないか?」
「むしろ喜んで!!・・・・・うん、間違えない・・・」
「と、言う事だまあ、気にすんな、もし遅れたら置いていけばいい」
「・・・貴方がそう言うのならそれで良いけど・・・・」
「じゃ、決まりだ」
そして、曹操は劉備を降しに動き出した・・・
俺は変態を消し去りに動いた。