旧作・規格外の起源   作:獅狼

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はい、久方ぶりの更新ですね。
キャラがうまく作れているかが心配です。



第五十二話

なんだか相当な時間が空いた気がするが、俺たちは五人で先を急ぐ。

 

先に先行した夏侯惇たちに追いつく……否、追い抜く。転生者(トリッパー)の被害者が出る前に始末するために。

 

俺はハダシックスを三つ装備……普通に考えると靴を三つ履くって、逆に機動力が落ちる気がするがソンナコトハナカッタ。

 

それでようやく草の足より少々早い程度。

 

俺と草は障害物を避けながら走っているが、阿吞は障害物を飛び越えるか、粉砕して直進している。

小回りは効かないが、直進ならば相当な速さで走ることができるのだ。

防人は賢くその後ろをついて走っている。

 

「全員、そのままでいいから答えろ。持ってきている装備は?」

「ヴェノムウィング(双剣)と投げナイフを各種持てるだけ持ってきました」

「我は崩槌オテルカムルバスと覇剣エムカムトルムを持ってきたぞ!!」

「ド級弩アルデバランと弾ですわ」

「……覇銃槍アペカムトルム、閃光弾と音爆弾、あと罠各種」

お前らは何を狩るつもりだ……

「あー…一応相手は人だからな?数発で竜種を麻痺らせるのとか、眠らせるのとか、毒とか……それだけであっさり逝きかねないな…」

俺の出番、ないかもしれない。

朱麗のボウガンって、減気弾の速射じゃなかったっけ?

竜種のスタミナ奪うような攻撃を人にしたらどうなるんだよ……

 

そう考えながら俺は走る。

道具袋にしまったランク30後半の武器を使う必要があるのかどうか、相手のことを心配しながら……

 

 

 

 

 

 

 

「おや、追い付いてきたか。それにしては速いし少ない、斥候かな?………おっと綺麗な()が居るじゃないか!!」

橋の少し前、其処には南斗刃……自称紳士。

間者曰く、相手からおねだりしてくるまで手を出すのは我慢していたとのこと。

部屋の中で気味悪くブツブツ言っていて、簡単に盗み聞きができたらしい。

さらに、聴く気もなかったのに…これが終わってからは積極的に攻略するぞと叫んでいるのを聞いたらしい。

その変態が朱麗に色目を使った。

通常弾Lv1が飛んだ。

それを奴は何処からか取り出した白と黒の双剣で切り落とす。

その双剣は握り手から発生した黒い血管のようなモノに侵食されている。

「ハハッ、照れ隠しかい?可愛いね」

瞬間、朱麗の目が汚物、更に言うならGよりも生理的に嫌悪するようなモノも見る目になった。

そして、ジャキン、と拡散弾を充填した。

 

それを朱麗が変態に向ける……その前に変態に向かって三本のナイフが3方向から襲いかかった。

 

「おっと、残念だったね、相手が俺じゃ無かったら今ので終わっていただろうに」

双剣を器用に、魅せる使い方をしてナイフを弾き落とす。

 

「今ので解っただろ、俺とお前たちの力の差がさ。そのこをおいていくってンなら他の奴は見逃してあげるよ、大丈夫、そのこもすぐに俺のことが好きになるさ」

 

………なんか、語りだしたぞこいつ……

 

バガンッ!!と、後方で地面を割る音が聞こえ、視界内に阿呑が出現。

大槌(ハンマー)と大剣をそれぞれの手に持ち殴りかかる。

「どうやら交渉は決裂のようだね、だったら死ね!!」

阿呑で残り数歩になったところで再び奴が口を開いた。

「やっぱり見かけ通りの力押ししか脳のない脳筋か!!その程度………ッ!?」

そこまで行った瞬間、予想外だったのであろう。受け流してからのカウンターを狙った動きを急遽守りに変え、盾にした双剣ごと数十メートル殴り飛ばされた。

 

「予想以上に力はあるみたいだけど所詮……」

「おっと、よそ見はいけませんよ?」

吹き飛ばされ、片膝を付きながらも体制をある程度維持した奴の後ろから、まるで友人のように気安く、恋人のように優しく耳元で草が語りかけた。

「ッ!!…シッ!!」

変態(ヤツ)は振り向きながら双剣で斬りかかるが、そこに草はもう居ない。

「はい、一本目です」

ズブリ、と脇腹にナイフを突き立てた。

それを行った草は南斗刃(ヤツ)の振り抜いた腕の下で、まるでアーケードゲームにコインを投入するように軽い手の動きで突き刺し、棚にある本を取るかのように軽く、そのナイフを抜き取った。

「きさッ……」

ドサッ…と南斗刃は膝から崩れ落ちる。

言葉は続かない。

「おや?一本でダウンですか?軟弱ですねぇ~」

そう言って草と防人が何かの設置を始めた。

 

大きな樽だ。

 

それを体の左右にそれぞれが一個ずつ設置した。

南斗は何かを言おうとしているが麻痺のせいで言葉が出ない。

 

 

「まったく、お前や阿吞みたいに規格外な免疫機能があるわけじゃあるまいし……さらにあれは麻痺だからな……麻痺茸を食ってるお前くらいにしか耐えれる人間は(・・・)いねえよ」

「そうですか?まあ、良いじゃないですか」

「……朱麗、着火頼む」

「はいは~い、くたばれこの○○○(ピーー)がぁ!!!」

瞬間、いつもの穏やかな朱麗の表情が一変した。

そして打ち出されるは拡散弾。

地面に倒れ伏せ、身動きの取れない南斗に弾があたり、そこからいくつかの玉がこぼれ落ち、地面に触れて爆発した。

その爆発は樽に当たり、樽は誘爆する。

四つ同時に……

四方からの爆発により、南斗は地面に叩きつけられ、宙へと吹き飛ばされた……

 

「……形を保っている?」

打ち上がった南斗を見て防人がそう呟いた。

「あー……『強化』してるね、あれ。でも全身を外に引っ張られるような痛みがあるだろうし、よくやるもんだよ」

「っけ、死んだほうが楽になるってのに生き汚い野郎だ」←朱麗

「まったく、あの程度で吹き飛ぶとは軟弱だのう」

だから人外思考は出さない。

「麻痺もまだ効いてるでしょうしね、着地はどうするつもりなんでしょう」

そこで朱麗が動き出した。

阿吞に飛び乗り一言。

「あーちゃん、行って!!」

「ぬ、うぬ!!」

ドンッ!!と力強く地面を抉る。

巨体とその上に乗った女性が勢いよく上空へ舞った人型を追い、落下地点へ先にたどり着く。

「そう簡単には死なせないわよ!!」

阿吞から飛び降りた朱麗がそのボウガンを落ちてくる人型へ向ける。

ドン、ドン、ドン

と落ちてくるまでに数発の玉が人型へ当たり、落下速度を殺し、人型は原型をとどめて地面へ落ちた。

 

 

 

「なんか使ってるなあれは。いくらなんでも丈夫すぎる」

「ボウガンの弾が刺さってない」

「あれ?朱麗のやつなんか弾変えたぞ?」

 

 

 

「貴方みたいなのがいるから私は……私たちはァァァ!!」

ズドンッ!!

朱麗は散弾Lv3を南斗の膝から10cmで射った。

弾は見事に膝を粉砕し、ほとんどちぎれた状態にした。

「まだよ、まだ終わらせない。自分の罪を想起しながら絶望なさい」

今度は距離を開ける。全身に散弾を撒き散らす位置だ。

再充填(リロード)散弾Lv1

撃つ、討つ、射つ、伐つ……

持ってきた散弾Lv1を全て使い尽くすまで朱麗は南斗だったものを撃つのをやめなかった。

 

 

最初の頃はただ衝撃を与えるだけだった散弾だが、半分を越えたあたりから徐々にその身にめり込み始め、

最後には貫通するまで至った。

 

「ほら、立ちなさい。麻痺もだいたい解けていて大した致命傷も入っていないのでしょう?」

朱麗はそう言って貫通弾を仕込んだボウガンの先をゴリッと頭に押し付ける。

「今の私の引き金はとっても軽いわよ、ほら…立ちなさい!!」

 

 

 

 

 

 

*南斗刃

 

なんだ、なんだよこれ……俺はオリ主だろ?

無限の剣製に騎士は徒手にて死せず(ナイト・オブ・オーナー)を持ち合わせて、さらににこポ、なでポを持っている俺がなんで女にいいようにやられてんだよ!!

始まりはあれだ、あの優男が予想以上に早かったせいだ!!

あの野郎が毒を持ったせいでこんな状況に立たされているんだ!!

チクショウ、麻痺のせいで声も出ねえ、強化も辛くなってきやがった……

声さえ出れば盾を投影してこんな攻撃防いでやるってのに……

 

 

 

 

ようやく終わった……クソッ、数発しのぎきれなかった。

だが、声さえ出れば遥か遠き理想郷(アヴァロン)で回復することができる。

手足も、ほんの少しだが力が入るようになってきた。

あと少し、あと少し耐えしのげばこっちの番だ、この女は絶対に犯す、俺に対しての行いを後悔させて……

 

ゴリッ……

 

「ほら、立ちなさい。麻痺もだいたい解けていて大した致命傷も入っていないのでしょう?」

こ、この女……ッ!!

「今の私の引き金はとっても軽いわよ、ほら…立ちなさい!!」

やばい、流石に今ゼロ距離からの砲撃を防ぐことはできない!!どうする、こんなところで終わるわけには……そうだ。

俺は全力で起き上がり、銃口を脇に通すように前に出て、自分の手を目の前の女の頭に……

 

 

~~~~~~

~~~~~~

 

 

 

ドンッ!!

 

「何、汚い手を人の頭に載せようとしているんでしょうかね?」

腕が飛んだ。

肘から手首の間だった場所に朱麗のボウガンが向けられている。

「かヒュ……」

一瞬の呆けた顔の後、

ア゛あ゛ぁァ゛ぁァァァあ゛あァァアぁぁあ゛ァァァ!!!!!

声帯を通さない絶叫が響いた。

 

腕を貫いて引きちぎった弾を打ち出したボウガンが反動で南斗の股間に(・・・)突き刺さっていた。

 

 

 

 

「あ~、あれは玉が逝ったな、しかも二個とも」

「……おそらく棒にも致命傷、よく見ると朱麗、振り下ろしていた」

遠くから傍観者のように眺めている灰根と防人がそう、少し己の腰を退かせて駄弁っていた。

「お?そろそろ終わりかな?じゃ、俺も行ってくるよ」

「了解、周辺の警戒は請け負う」

その会話の直後、灰根の姿が消えた。

 

 

 

 

 

 

 

「なにを喚いているの?ただ、不要な物を潰しただけじゃない。貴方みたいな汚物が後世に種を残すなんておぞましいことさせるわけがないじゃないの」

胴体を踏みつけ、吹き飛んだ腕を抑えた手をボウガンで殴り弾いて踏みつけ広げた状態で固定する。

「この手も要らないわよね?」

ドンッ!!

肘を打ち砕いた。

南斗は激痛でもはや肺から空気をひねり出すだけの状態に陥っている。

「あら?もう壊れてしまったの?」

少し困り顔で朱麗は尋ねる。

「でもまだよ、最低でも二日は耐えなさい。あの子達も二日は耐えたのだから………あら?もう言葉もわからないのかしら……」

うずくまる様にしていたその顎をボウガンの先で持ち上げるが、痛みに耐える以外の反応が返ってこなかった。

「朱麗、そこまでだ。そいつはおそらくヤル覚悟はあってもやられる覚悟がなかったんだな、そして痛みに対する耐性もない。完全に死なれると処理に困るからそこまでにしてくれ……輪廻の輪に返す」

とことん面倒くさい術式ではあるが、不死の転生者にあった時のために用意しておいたものだ。

あーでもコイツに惚れちゃってた奴らどうなるんだろう。敵討ちとかでこられると面倒だな……

 

 

ま、どうにでもなるか。

コイツに対する外史の抑止力が増す様にしておけばきっと、居なかった事にしてくれるはずさ。

全知全能の杖を取り出してそのブーストも使って術式を構成する。

 

全知全能と言うだけあってすごい機能がいっぱいだが、今は言う必要がないだろう。

存在忘却に抑止力による潰しが向かう様な術式を作ってこの世界から消す。

南斗刃の内包する世界には、この世界に存在しないものが大量に含まれていたため、かなり楽な作業ではあった。

当人の本能が生存本能爆発させて借り物の固有結界が暴走し始めたときは焦ったけどそれが逆に抑止の対象になってくれたから随分と楽に(はなし)が進んだよ。

流石に人だったもの(・・・・・・)の存在は認められないのか手応えはバッチリであった。

 

 

「さて、終わったことだし、曹操と合流するか」

「灰音ちゃん真名で呼んであげなよ」

朱麗にダメだしされた。

「いや、ちょっとな……慣れてないんだよ」

村のやつらは家族みたいな感覚で呼べるけどよぉ……

「ぬ?どうしたのだ、行かぬのか?」

「いや、行こう」

 

来た時と同じように朱麗は阿吞に乗り、草、防人、俺はその足で道を戻る。

 

 

 

 

思ったより弱かったな、アイツ。

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