IS学園で非日常   作:和希

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十六話 決勝戦

 「ふふふ、やっぱり来たわね、希!シャルル!」

「優勝して権利を手に入れるのは私たちですわ!」

「あー、はいはい。希に権利は渡さないとか思ったんならフル火力で叩き落すからね?」

二人がサッと目を逸らした。いつまで俺のホモ疑惑あるの?一夏のほうがよっぽどホモホモしいじゃん。まあセシリアは仕方ないとして、鈴にまでそう思われるのはショックだぞ?長い付き合いじゃん。

「シャルル、俺ってそんなにホモっぽい?」

自信無くすよ?クラスで良く分からない変人けど出来る奴→ホモにジョブチェンジって落差激しい。

「えっと、いいにくいけど……訓練中、競泳水着みたいな他の女の子に視線を全く向けないし、男同士でつるんでばっかりだし。その上付き合いが長いとなったら、ちょっと……」

シャルロット随分遠慮なく言うね。俺の心のライフはもう0よ。すぐ復活するからいいけど。

「と言うわけで、セシリア、ジロジロ見ていい?」

鈴は見てもねぇ、確かに笑ったりすると和んで可愛いんだけど。あー、前みたいに鈴の頭撫でたいなー。

「それは……とても困りますわ。とても信頼も信用もしているのですが。その……恥ずかしいですわ」

頬を染めて照れるように。それでいて微妙にまんざらでもない感じかな?お嬢様らしい。んー、ま、好意的な反応かな。そりゃ嫌われる理由が無いからね。他の人にも協力してるけど仕方ない面もあるし。料理の件がかなり効いてるかな。

「私が入らないのはそんなに殺して欲しいってわけ?いいわ、殺してあげるわ」

野球をしようとかの比喩表現でなく、直接的に言ってきた。あー、怒ってる鈴もいいね。猫がシャーッ!ってやっても和む感じ。いただけないのは兵器を着ながらだと恐怖が先行すること。隣を見るとシャルロットも視線が険しい。

「シャルル、それ疑惑を助長させてない?」

「知らないっ!」

ぷいっとされた。俺は悪くないはずだ。さて、でも漫才も終わり。カウントダウンが始まる。会場の歓声は張り詰めた物に。試合開始まで五秒。四、三、二、一、--開始。

「死になさいっ!!」

戟もって特攻してくる鈴。もちろん予測済み。ちなみに、俺のバックパックは企業からの要望で幻想機動である。機動特化のもいいんだけど、やっぱ第三世代とかを押し出したいなら特徴的な何かを付与する方が分かりやすいしね。相手のタイミングに合わせて幻想機動を発動。真下に移動して

「そこですわ!!」

セシリアから五発の一斉射撃。至近距離だとかなりばれない幻想機動でも、他の視点からだとバレバレになる。よって、射撃してくるのは予測済みなので機体全てのブーストでさらに逃げる。

「もらったわ!」

鈴が追撃をしてくるが、こっちも二人いる。

「そうはさせない!」

ショットガンが鈴を襲った。……って、マジか!被弾覚悟で俺に!?

「死にさい!」

さっき煽りすぎた!が、それだけ単調な攻撃。補助ブーストを機動、上半身のブースターを逆噴射しながら、下半身はそのまま噴射。横から見ると高速で後ろ回転をしながら足のプラズマブレードで斬りつけるように見えただろう。相手の武器の方が攻撃力は高いが、こっちは身を引きながらダメージを軽減し、装甲も向こうより厚い。それでいて向こうの加速が威力を増加させ、プラズマサーベルでも向こうより少し多めにダメージを与えれた。同時に最も展開が早い五発装填されているハンドカノンを二丁、補助機能を使って展開。口径45mm。

「吹っ飛べ!」

二丁で乱射。同時に反動制御を切り、反動で後ろに飛ぶ。鈴は合計十発を回避して見せた。そこでさらに突撃を加えてきた。拳銃を投げ、弾き飛ばされて__

「「吹き飛べ!!」」

体の前面の爆発装甲四箇所に点火。今までトーナメントで一度も使ってない、それでいてそれなりに火力の高い攻撃を__

「読んでるわよ!」

それなりにかすったものの、回避をされた。でも、これで終わりじゃない。

「こっちもな!」

幻想機動を同時に機動させていた。鈴の横っ腹をプラズマサーベルが直撃した。

「ッチ!」

さっきからの落ち着かない行動に、シャルルと戦闘を行っているセシリアが

「鈴さん!落ち着いてください!さっきのことで怒るのも当然ですが、冷静に!」

「……そうね、落ち着いたわ。冷静に切り裂いて__」

フェイント。会話しながらの衝撃砲。油断をしていて、二発の直撃をくらい、二発かすった。こいつもやるな!

「あんたに三年間付き合ってれば騙し撃ちぐらい覚えるわ!ここからが本番よ!」

「望むところ!!」

 

 

 

 

 結果として、勝負は俺たちの勝ちに終わった。終わりはあっけなかった。正直、彼女らのメンツもあるので使いたくなかったが俺は自分で許せる範囲で勝ちを取りに行く人間だ。将棋してたら無言がマナーだけど、わざと口に出して違う手に引っ掛けるぐらいには。もしくは指で駒を指して視線誘導するぐらいにはずるい。と言うわけで

「優勝したらどっちが一夏と付き合うの?」

固まった。二人が固まった。

「げ、撃墜数は私が多いわよね?」

「サ、サポートあってのものですわ。イギリス貴族で高貴なる私が!この私が!!ふさわしいですわ!」

「ちょっと待ちなさいよ、料理が上手で幼馴染のこの私が!……いえ、待ちなさい。希の罠よ。二人で同時にして、一夏に選んでもらえばいいわ」

「っく、それでいいでしょう。目の前の試合に……え?」

「ちょ……」

武装の貸し出しを事前にシャルルにしてたんだ。小型ミサイルボックス、合計四十八発。肩アーマーの砲台二門。そして俺は大型ミサイル二十四発。砲門六。二人から見たら俺たちは隣で普通に会話を見ているのかもしれなかった。でも、幻想機動でそう見えていただけ。しっかり見ていたなら分かったかもしれない。でも、会話にとても集中していた。恋する乙女は戦争沙汰より恋愛沙汰のがよっぽど重要である。ともあれ、なかなか展開する時間が無かった中、俺たちの最大火力を投射する準備が整った。

ここまでいい試合すれば国もそこまで言って来ないはず、うん。

「「ファイエルッ!!」」

「「希(さん)の馬鹿あああぁぁぁ!!!」」

空に綺麗な花が咲いた。会話の内容を知ってる人にとってはきたねえ(俺が)花火だぜとか言ったかもしれないけど。とくに俺のクラスメイトが聞いてたら言いそうだ。

 

 

 

 決勝戦。IS一年の最強を決めるトーナメント。

箒、のほほんさんペアは一夏・ラウラペアに敗退。よって、決勝に立っているのは俺、シャルル・一夏・ラウラの四人。一年生では女子が98%近くを占めているのに男三人が残っているので、観客席の男たちは大盛り上がりである。実際には一人は女だけどね!ちなみに、日本人の高官方は大体ご満悦な顔である。男が三人出場していて、うち二人が日本人。しかもあの千冬さんの弟もいるので将来有望。準決勝でも日本人4人出場だったし、仮想敵国の中国を倒したしね。日本人の比率は学園で半分と高いけど、外国人勢は日本の生徒よりさらに選りすぐったエリートだから。日本人は半分学園に入れるけど、外国は半分を十カ国以上で分け合うからね。と、話がそれた。

「よっ、ラウラ。トーナメントで戦うって約束、果たしに来たぜ」

「今度こそ、貴様を地に落としてみせる」

ちなみに、一夏とラウラは一夏ニ回、ラウラ二回謝る事になったらしい。さて、今回はどっちが謝るのか、それとも謝る機会はないのか。さて。

「何はともあれ、男三人が決勝に出れて良かった」

「だな」

「そ、そうだね。アハハ」

後ろめたいのか目を下に向けながら笑っている。乾いた笑いね。さて、プライベートチャンネルを開いて

『シャルル、どうする?』

『作戦通りでいいと思う。一対一に持ち込むふりをして交互にタイミングよく攻撃』

『それはいいんだけど、一夏が何かたくらんでそうな気がする』

『……分かった。希を信じる。じゃあ事前通り、僕が一夏で希はボーデヴィッヒさんを』

『分かった。勝とうな』

『もちろん』

「さて、ラウラ。貴様が挑むのはペテン師だ。騙されないようにすることだ」

「貴様の装甲が数箇所爆発装甲になってることか?プラズマサーベルに見えるが実際には何か違うという事か?肩の砲門が前と違うという事か?貴様の背中の機動パッケージが前と姿が違う事か?」

やっぱり、一瞬の隙を突いてなら騙せるけど、さすが正規の軍人。良く見てる。隙をつけなければ騙せれないようだ。ちなみに、前回幻想機動で大きくお披露目したので、今回は自由機動パッケージを第二段階で使ってる。

「やっぱり油断はしてくれないか」

「一応、負けたからな」

ふむ、結構丸くなってるな。一夏が頑張ったのか。さすがである。そろそろ一夏のため某外野手のコピペを作るべきか悩むな。ガッツポーズだけでフラグが立つとか適当にツラツラ並べればいい。何より恐ろしいのが、適当に作ったいくつかが実際の話でありえること。

「希、そろそろ」

いらない事考えてたのに気付いたのか、声をかけてきた。

「ああ」

試合開始まで五、四、三、二、一、--試合開始。

「ふん!」

いきなり距離を詰めてくるラウラ。AICで止めれば一気にダメージを与えれるからね。致命傷にはならないけど。なぜかと言えば、所々に爆発装甲を入れてるから。止めた瞬間に反撃すれば致命的なものをもらう前に逃げる事が出来る。AICにとって恐らく最悪の相性の武器だ。と言うか接近戦機体には最悪の武器しかも、撃ったら補充できるようにそれなりに入れてはいる。でも下手に攻撃されたら逆にこっちもダメージでかいから前面四枚、後方二枚だけど。装填速度も一枚一秒ぐらいかかる。でも、幅広い選択肢はバランスタイプの強みだ。これセシリアとか遠距離には全く意味無いんだよね。

「負けちゃいられない!」

右手にアサルトライフルを展開。そして、今回は出し惜しみせず肩と腰の砲門を開く。俺は相手とつかず離れずの距離を保ち、レールガンやアサルトライフルで攻撃しAICを使わせるか回避させるかし、その瞬間を粒子加速砲で撃ちぬくという戦法。ラウラも俺が爆発装甲があるからか、下手に詰めず中距離でレールカノンを撃ち、ワイヤーブレードを使い攻撃する戦法。つまり数十mの距離で戦いあっている。ときたまシャルルから援護射撃があるが雀の涙だ。一夏は生長している。とても速く。それでいて、近接武器しかない物の一瞬あれば決着をつけれるというプレッシャーがある。

ただ、こっちから援護はしている。援護するフリしてラウラに攻撃もする。余裕あるわけじゃないが、俺は元々多人数戦闘のが得意である。FPSと同等に扱うわけにはいかないけど、FPSで32人対戦の部屋で1位、2位を取る事も結構普通だった。周りの位置を瞬間的に判断して弱いところに突っ込むとか。そうしたのが得意で、何度かISで集団模擬戦もしたけどISでも集団戦が強いのは変わらなかった。

勝負は均衡……こっちが押していた。ラウラに対して俺はどうしても一押しが出来ないが、一夏とシャルルはやはりシャルルが優勢だ。そこに俺の援護射撃も入るから。ここは堅実に耐えるしかない。チャンスが来るまで……。

 

 

 

 「膠着状態ね」

「ボーデヴィッヒさんも、AICがあるとは言え爆発装甲全てを止めれはしませんし、破片はなおのこと」

「が、砲門の数では希は勝ってるが腕の差か。ほぼ互角……ほんの少し希の分が悪いか」

「でもシャルルさんが一夏さんを押してます。この勝負、全体的には希さんの方が優勢……希さんがトリッキーな事をしてないのを考えると、勝ち目は希さん側のほうがかなり優勢でしょうか」

「でも、トリッキーなのは反面大きな弱点にもなるわよ。あいつ、一度痛い目合わされたんでしょ?引っかかるか分からないわ」

「どっちにしろ、勝負は分からないということだな」

そう結論がまとまった時だ。勝負が動いた。

 

 

 

 「なっ」

俺の入れ知恵、一夏とラウラで勝負をするという内容。お互いの獲物に手を出さない。なのに、俺たち四人が比較的に近づいたその瞬間、狙い済ました瞬間加速が俺にめがけてやってきた。

「ーんてな」

俺は予測していた。一夏なら最後のこの試合、勝利のためにラウラと組むだろうと。そして、ラウラも負けるつもりは無いからある程度案に乗るだろうと。一番考えられるのは、今までどおり一対一をするふりして、一瞬の隙を一夏が突いて落とす戦法。だから警戒を解いていなかったから十分にかわすことが出来た。

「今だ!」

「喰らえ!」

「なっ!?」

一夏に一瞬目を逸らしただけだった。だが、完璧にタイミングを計ってラウラが瞬時加速をした。爆発装甲を即座に起爆。が、構わずラウラは突貫した。決して小さくないダメージを無視して

「止まれ」

AICを起動させた。回避失敗。だが焦らずに多少の被弾を覚悟して爆発装甲を展開。その最中にも嫌がらせ程度に砲撃。

「とどめ!」

が、後ろから一夏が突撃してきた。ISの中で最も攻撃力の高い武器を持って。

「僕を忘れないでね」

俺の本当に隣1mぐらいの距離でシャルルが盾で阻むがラウラのレールカノンは俺でなく、シャルルの後ろを狙う。二基あるワイヤーブレードを直線状に射出し、妨害をしておいた。二発防いだだけで、シャルロットにも何発か被弾。致命的なものになる前に爆発装甲を展開。そしてラウラに攻撃。

「くらえ!」

砲弾を破砕弾に変更。一夏を盾を失いながらもいなしたシャルルの援護射撃も加わって集中が途切れたようでラウラはAICを解除した。同時に手に直径30cmほどのチャクラム八本を指の間に展開。同時に投擲。

「当たるかそんなもの」

ラウラはAICで全て止め

「当たらないでいいんだよ!」

同時に起爆。中身が空洞なので威力は弱いが嫌がらせには十分。もう一度展開し、投擲する。二度目に引っかかるほどアホの子ではないので横にずれて回避をすると同時にワイヤーブレードとレールカノンを射出。

「ラウラ後ろだ!」

一夏の叫び声と共にラウラが後ろを振り向くと、スピードを0にし、少しずつ戻りだそうとするチャクラムの姿が見えた。一瞬驚いたようにしたが俺のほうにまたもや攻撃を仕掛ける。もう一度八本チャクラムを投げる。今までのチャクラムは全て誘導性ではない。ただ前に行って後ろに戻ってくるだけの超絶簡単な機構。でも

「もう一度だ!!」

次は横に逸れるように投げる。ラウラは見極め、動かずに俺のほうに向かうが

「ワイヤーだと!?小癪な!」

右と左二つの間にワイヤーを通してあった。それを四組投げた。一回目が起爆、二回目がリターン、三回目でワイヤーと連続の仕掛けだ。とても細い物だが、引っかかれば先に付いているチャクラムは遠心力で加速するのでラウラに接近する。仕方なくAICを発動した瞬間に

「ハッ!」

「なにっ!?」

スラスターの第二機能。スラスター各羽での瞬時加速。第一段階でも使えるが、これは一本一本が独立して行える瞬時加速。白式に劣る物の、普段の機体より遥かに速い突貫。AICをとっさに使えなかったラウラは俺と機体を接触させた。

「ふん、馬鹿めが。AICで__」

「ところでこいつをどう思う?」

ノリがいい人間ならすごく大きいです、と言ってくれるだろう。俺が出したのは全長1mはある電磁パイルバンカー。火薬で加速するちゃちいものと比べちゃいけない。ラウラの胴体にガシッとつけ

「止めれるなら止めてみな」

「くそおおおおお!!」

勝った、と思った。一夏はシャルルと戦っていてエネルギーが少なく、もうワンオフアビリティーは使えないのだから。でも、一夏は違った。瞬時加速で、刀を俺に直撃させ吹っ飛ばした。結構多いダメージをくらった。

「希!大丈夫!?」

「問題ない!それより……」

一夏とラウラを見ると

「なぜ私を助けた!?貴様はもうエネルギーが無いだろう!?」

「ここで俺より強いお前が負けたら負け確定みたいなもんだ。俺が全力で囮をやる。ラウラ、お前がとどめを刺すんだ」

「……最善だな」

二人の気配が変わった。一夏を前面に押し出しながらラウラがその後ろで構える。さっき俺たちが二人のコンビに勝てたのは、こっちのがコンビが良かったから。でも、向こうはしっかり組んできた。

『コンビを組んできたな』

『でも、僕たちのチームワークだって』

そうだ、俺たちは二人で残ってコンビを磨いた。出会って一ヶ月も経ってない。それでも、いいコンビネーションを磨けた自信がある。俺が前に立ち、シャルルが後ろに。その体勢で俺が瞬時加速をした。そして交錯は一瞬だった。俺と一夏が瞬間加速を行い一瞬で距離を詰める。

「「はあああっ!!」」

俺はパイルバンカーを真っ直ぐ突き出した。そして

ガンッ!!

ただのパイルバンカーでなく、射出するパイルバンカー?である。が、見切られていた。パイルバンカーは斜めに逸れた。後から聞いた話だと、突撃し合うのに剣とかに持ち替えていなかったのが怪しかったかららしい。

一夏の体勢は崩れている。持ちかえる暇も無いので、鉄塊となったパイルバンカーの抜け殻を投げた。一夏は回避し、ただの物理の刀となった物を振り下ろす。が、加速性こそ負けても機動力は俺のほうが分があった。背中に八本の羽があり、関節補助ブースターもある。一夏の左手側を近接距離での小型瞬時加速連発で円移動し、左足のプラズマサーベルを叩きつけようとするが刀で防がれる。

「ふんっ」

同時にラウラのAICが俺を止めた。俺は左の加速砲とレールガンとワイヤーブレードは一夏に、右側はラウラに攻撃……出来ない。今度は俺の砲門まで全部きっちり止めてきた。すごい精度だ。

「とどめ!」

一夏は俺と相打ち覚悟か、防御を省みず刀を振り下ろしてきたが……

「シャルル!?」

この試合……いや、今までで初めての瞬時加速で一夏に突撃し、パイルバンカーをセットした。俺はラウラに向けてあった右手のことに感謝した。男のロマンを体現した一発屋。

「ロケットパンチ!!」

「ッ!?」

ラウラは言葉になっていなかった。右手左手はプラズマサーベルでなく、ロケットパンチに付け替えてあった。ラウラの胴体を直撃し、AICが解ける。その隙にワイヤーブレードできっちり両手を確保した。傍から見ると俺が警察にお世話になる感じ。ラウラの顔が必死な物になるのが助長してるかも。後方では一夏がパイルバンカーの衝撃でギャフンとなっていた。あれ痛いんだよな。俺は__

「この距離なら外さないさ」

正直、ロケパンじゃなかったらやられてた。シャルロットが瞬時加速を使えなかった場合でも。

「おおおおおお!!」

手に召喚した拳銃と合わせて六門の一斉射撃。腕はまだ戻ってきてないからただの素手なので人間サイズの拳銃を。たった1秒の砲撃で残りのシールドの半分以上を削った。だが、異変が起きた。


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