IS学園で非日常   作:和希

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四話 大和

 「では、一年一組代表は織斑一夏くんに決定です。あ、一繋がりでいい感じですね!」

「先生、質問です」

「はい、織斑くん」

「俺は昨日の試合に負けたんですが、なんでクラス代表になってるんでしょうか?」

「それは__」

「それはわたくしが辞退したからですわ!」

がたんとお嬢様が腰に手を当てるポーズをしてくれた。……犠牲者でました。一夏の。

「まあ、勝負は貴方の負けでしたが、それは考えてみれば当然のこと。なにせわたくしセシリア・オルコットが相手だったのですから。それは仕方の無いことですわ」

「へい、質問」

「邪魔しないで下さる!?」

「えっとさ。一夏がクラス代表でいいんだけど」

「いや、よくないぞ!?」

一夏の悲鳴は無視する。一夏の悲鳴で致命的なのは女性関係だけ。それ以外は大体問題ない。ちなみに前に言った真面目な理由ってのは、試合ってのは人を成長させやすいから一夏に場数を踏ませたかったってことだ。こいつは叩けば叩くほど伸びるので試合をさせたかった。

「俺の機体、昨日届いたんだ。一週間前、あんな言葉吐いちゃったんだ。しかも師匠と約束しちまってるし。だから、決闘自体は受けてくれるつもり?今日の午後ぐらい」

「勿論ですわ。このわたくしは勝負から逃げませんわ」

「ならいいや」

すっと腰を下ろす。で、お嬢様は

「ともかく、わたくしも大人げなく怒ったことを反省しまして。一夏さんにクラス代表を譲ることにしましたわ」

「いやあ、セシリア分かってるね!」

「そうだよねー。せっかく世界で二人だけの男子がいるんだから、同じクラスになったら持ち上げないとね」

中には商売の話をする人も居た。この学園の女子の逞しさは特筆に価する。さすが倍率一万倍の高校。全員化け物レベルのタフネスがあるのか。

「そ、それでですわね」

コホンと彼女は咳払いをして

「わたくしのように優秀かつエレガント、華麗にしてパーフェクトな人間がIS操縦を教えて差し上げれば、それはもうみるみるうちに生長を遂げ__」

バンッ!

「あいにくだが、一夏の教育は足りている。私が、直接頼まれたからな」

おお、これは久しぶりの本格的にな修羅場。もう慣れたけどね。しかも、この人たち本気度がかなり高い。

「えっ!?俺、ISは希に教えてもらうつもりなんだけど。って言うか箒は剣道についてのはずじゃ?」

人は記憶を作り変えれる生き物だ。恋をしている乙女ならなおさらでしょう。ともかく、こうやって巻き込まれるところまではもう慣れた。コイツは男友達と楽しくやってる方が好きなので、修羅場を作っては俺や弾を巻き込んでくれていた。もはやコイツは動く人間災害と同様。まっ、楽しいことも多いけどさ。

「なっ、私の方が清水さんより上手く教えれますわ!」

「それは分からないなー」

俺は棒読み風に答えた。

「なら、私が勝って私の方が上手く教えれると証明しますわ!」

名選手、名監督にあらずって言葉知らないのかなぁ。この人、なんとなく教えるの下手そうだし。箒と同じ感じがする。強いけど、かなり感覚で教えるから、箒は。でも俺のレベル自体がかなり低いので、動きを真似たり、覚えたり、試合したりするだけでかなり改善されたんだけど。あと真摯さも伝わったし。

「じゃ、俺は男vs女に初白星を飾らせてもらおうか。一回目は逃したけど、二回目やるほど男は終わっちゃいないよ」

「そう簡単に勝たせはしなくてよ!」

 

 

その日の昼食はイギリス料理を食べた。

 

 

 「なあ、希。勝てると思うのか?」

「そう信じてる」

ISスーツを着たままそう答えた。ISアリーナの待機場所で、一夏と千冬さん、箒がやって来てくれている。

「信じるだけで勝てるほど世界は甘くない」

「ですが、信じることから始めてみようかと。信じる事から始めないで何を始めればいいのかってところですし」

いかにもです千冬さん。世界最強の貴方が言うと説得力が違います。

「一週間稽古を付けてやったのだ。負けたら承知せんぞ」

「なんとまあ、負けられない理由が増えちまった」

箒がムスッと腕を組みながら言ってくれる。でも、いつも思うけどその胸を強調してんの?一夏の気を引こうと頑張ってるのなら、すごい健気です。こっちも眼福ですが。

「男と女の二回戦目だ。初白星、頼む」

「もちろん。応援の声頼むぞ」

「もちろん」

グッと親指を立てた。それに同じように返してくれた。それが、何となく心地よい。

右手のブレスレットを掲げてISを展開する。俺の専用機にして、企業にいた様々な人の夢、ロマン、希望が詰まったIS。

胸を張って歩いて移動し、カタパルトに乗る。このカタパルトはISからで指示が可能だ。そして

「清水希、『大和』発進する」

大空に飛び立つ。

 

 

 

 「あら、見かけない機体ですわね」

お嬢様が腰に手を当てたポーズで出迎えてくれた。いつもこの格好だけど飽きないのだろうか。

「勿論、俺の専用機にして第三世代IS、『大和』。まだ完成じゃないが第三世代機だ。スペックは十分同じだろう」

外見はかなりゴツい。カラーリングは青と白の二色。腕も下半身も覆われ、上半身も覆われている。出ているのは顔ぐらいなものだ。だが、間接は問題なく動かせる。背中にティアーズと違い、非固定浮遊部位でなく、アームでロックした、1mぐらいは移動させれる半固定浮遊部位を二つつけている。さらに肩の横にアーマーをつけていて、さらに肩の後ろに武装アームを取り付けてある。中型スラスターは四基。腿の付け根や肩の後ろ下側、大型スラスターを二基、背中に。間接各種に小型スラスターを内蔵し、機動力は高め。ブースターいっぱいあるしね。それなりに重いのでこれで上の中程度ぐらいの機動性。第三世代の中では平均ぐらいだろうけど。燃費は微妙に悪いよ?とは言え、カーボンナノチューブなど改良された最新装甲材を使っているので、内蔵武装や装甲の割にはかなり軽いと言える。カーボンナノチューブなどの中にタングステンやらの原子を詰め込んだ最新装甲のお値段は、とてもお高い。それなりに速度を出せるのに防御力は打鉄以上と科学技術の恩恵は凄まじい。

そんでもって拡張領域はかなり高めの十八。他の第三世代が必死こいて特殊武装を積んでいるのに比べたら多めだが、それには理由がある。簡単だ。特殊武装、今はまだ無い。あと、効果が微妙なのが多い。

ともかく、お嬢様は少し驚いた顔をする。だがすぐに調子を戻して

「乗ってる人間の錬度はどうかしら?……それにしても、目付きが普段よりずっと険しいですね」

「ほっとけ」

ISを展開……というか、バトルになると柔道の試合でも、マジになるゲームでもこの癖があった。普段がニヤニヤと言うか軽く細いだけで、試合中に目を開いているだけと思ってるけどね。

「それより、俺の機体の情報何も知らないのはフェアじゃないよな。何か三つぐらい教えようか?」

「馬鹿にしないでくださる?これは真剣勝負です。それに、搭乗時間はこちらの方がはるかに上。ちょうどいいぐらいですわ」

なるほど。確かにそうかな?ではお言葉に甘えて。

「それにしても、あなた武装はないのです?何も持っていませんが」

「開始直後に展開するから問題ない」

「舐めているのかしら?」

少し目付きが険しくなった。そりゃ舐められてると思われたらいらつくよね。真剣勝負しましょうとお互いに言ってるのに。

「いや、舐めていないから展開しないんだ」

「……まあ、いいでしょう」

「あ、そうだ。一つ忘れてた。俺の武装一つ置いてきてあるんだ。ちょうどカタパルトの外に」

バリアーでカットされるが、カタパルトの最遠部はギリギリ確認できる。お嬢様を見ると、目視で確認したようだ。

「……それがどうかしましたの?」

「試合中に取れるなら取っていいか?」

「……取れると思いですの?」

ちょうど、カウントダウンが始まった。五、四

『三』

箒を見る。真剣にこちらを見つめていた。

『二』

千冬さんを見る。箒同様、こちらを見つめていた。

『一』

一夏を見る。ガンバレ、口の動きは分かった。

『零』

お嬢様……セシリアを見る。銃口をこちらに構えた。

 

 

 

 

 「さあ、踊りなさい。わたくし、セシリア・オルコットとブルーティアーズの奏でる円舞曲(ワルツ)で!」

 「展開!」

攻撃されるのと同時に希は同時に防具を展開。空中に、対角線4m程度の回転する奇妙な物体が現れた。正十二角形の形で、隅には鋼のような長い棒が枠の役割を果たし、中央にシールドを張っていた。浮かせるためにか、それぞれの角にスラスターのようなものがついていた。

「何ですのそれは!」

セシリアが見慣れぬものについ口を出した。

「白盾、エネルギー防御重視の盾さ!」

同時に彼は巨大な筒を肩に展開した。長さ四メートルほど、直径十何cmという大型の砲。彼が射撃すると同時に白盾のエネルギーが解除され、まっすぐセシリアに向かって発射される。

「馬鹿みたいな砲で__」

展開された直後から馬鹿みたいなと言って、ビットのことも忘れて回避をしようとしたがそれは叶わなかった。それはセシリアと希の中間地点で爆発し、煙幕を撒き散らした。

(っく、どちらが先に相手を見つけるかですわね!)

必死にハイパーセンサーなどを駆使するが、IS専用煙幕の為中々に発見できない。希も同じようで、攻撃は来ない。時間にして五秒ほど、短いようで、とても長い時間。そして

(見つけましたわ!)

ライフルを構え……おかしいことに気付く。輪郭が、先ほどより明らかに大きくなっている。

(まさか、あれを展開するのに時間を稼ぐ為!?)

そのため煙幕を放ったのだと気付いた。

その直後にオープンチャンネルが届いた。

「奏でてやろう、俺と大和の奏でる鎮魂歌(レクイエム)を!」

何真似してますの、そう思うのと同時に一体何の武装を展開したのかと推理しようとしてすぐ気付いた。直後にISが危険を知らせた。

(全方位からミサイル!?)

それもアホみたいな数であった。合計四十八発。セシリア、必死にライフルとビットとミサイルで撃墜した。合計十六発を落としたがそこで限界であった。むしろそこまで落とせるのが彼女の狙撃の才能の凄まじさを見せつけていた。だが接近してくるミサイルはまだ三十二発。まだ三分の二も残っている。必死に後退しながらライフルで狙撃するが、所詮銃口は一つ。ミサイルもあるが装填速度は早くない。BT兵器の為の機体だから、実弾兵器は軽視されているからだ。

「お前の弱点は、移動中はビットを操作できないこと。本体の攻撃はミサイルとライフルだけ」

そこでセシリアをさらに絶望が襲った。煙が晴れて改めて希を見た。そこには、さらに大量のミサイルを装填した姿があった。

「ファイエル!!」

先ほどのミサイルより幅、長さは半分程度、数は八倍という凶悪な数のミサイルが発射された。だがセシリアはすさまじい射撃精度を見せた。密集している部分に射撃をし、誘爆を連鎖させた。大型ミサイルは頑丈のようだが、小型ミサイルは弱めのようで、簡単に誘爆が起こった。爆煙で希の姿が消えた。

(今!!)

ミサイルの誘導性能は高い。だがそれを逆手に取る作戦。格闘が得意ではない自分が高速度で一気に突っ込み、相手の機体のわきを通ってそこでビットとの一斉射撃で誘爆。そしたら後は相手にミサイルを撃たせないだけ。

「武器だけでは勝てませんわよ!」

爆煙を蹴散らし、突っ込んだ。だが、そこにあったのは絶望だった。いつの間にかミサイルコンテナは全て外れていた。代わりに、半固定浮遊部位二箇所の砲、肩アーマーには二箇所のレーザーが開いていて、両肩アーム二箇所のショットガンが展開、両腰二箇所に隠れていた粒子加速砲が現れ、両腕二箇所のライフルが狙っていた。合計十の砲門が彼女を歓迎していた。

(防具じゃなくて、武器__)

 

 

 

 

 「かかったな!」

初見では驚くだろう。十八の収納領域のうち、両手ライフルで二。両肩アームのショトガンで二。ライフルと肩アーム武器、半固定砲の弾で三。最初のグレネードと盾で一。残りのがミサイルと射出ポッドだった。残り四は他色々。ちなみに、この収納領域の代償は燃料消費だ。ISコアにはそれぞれ特徴があるがこれは容量が高い。でも燃料消費効率が他より低めである。第三世代のISコアの多くは燃焼効率高めの物を選ぶんだけど。

ともかく、重装甲重火力も出来る。追加装甲やらなんやらで。とは言え、初見だからこそ出来るけど、対策を採られるとそれなりに簡単に突破される。例えば展開に時間がかかるミサイルをバンバン撃ってきたり、ミサイルの発射直後に射撃とか。だが、今回は初見。セシリアは絶望の表情をしていた。

それぞれの砲口からそれぞれの弾薬が発射された。

砲が飛散弾を空にばら撒き、レーザーが装甲をえぐり、粒子加速砲が装甲を破砕させ、マシンガンとショットガンが弾幕を張り、ライフルが空を真っ直ぐ穿つ。

凄まじい濃密弾幕。必死に回避をするが、それでもかわしきれなくかなりのダメージを負った。ただ、回避をする方向を工夫して流れ弾をミサイルにかなり当てたのは賞賛に値する。

「的当てと同じ要領だ!」

「ひどいですわねその機体!!」

が、十秒も経つとミサイルの燃料切れ。全て自爆した。だが、残ってるのは傷ついて中破ぐらいしているブルー・ティアーズとエネルギーをあまり消費していない上に無傷の大和。旗色はかなり優勢。ただ、ミサイル弾幕もなくなったので武装は両手の武装は格納した。

「アレで決まったと思ったんだけどな」

「そう簡単には負けませんわ。それより、武器をしまっていいのですの?」

不利なのに自信満々な姿は正直すごいと思うね。その自信はどこから来るのか。

「いいんだよ。むしろ今は不利だ」

相手がミサイルに手を追われてる状態だからいいものの、これで撃ち合うと正直重すぎる。お嬢様のライフル技術ならすべて撃ち抜かれる心配もある。

「さて、ここからが問題だ」

次に武装を取り出す。六十七口径36mmマシンキャノン大山(たいざん)。全長3m15cmの両手で使うマシンガン。他のマシンガンが口径20mmということを考えればいかに大きいかが分かる。

「行くぞ!」

「来なさい!」

 

 

 

 「希、勝ってるな。……あ!肩アーマー落とされた!」

「勝負は最後まで分からん。あの状況でもオルコットはビットも四基保持し、スラスターも全部使える状態だ」

「となると、まだ分からないということですね」

三人が二人の戦いを見守っていた。セシリアは高速機動を行いながらも正確な射撃を行っていた。ビットの攻撃を囮にしながら、回避した瞬間をライフルで狙撃するという方法や、その逆で。一方で希はシンプルだった。ベルトマガジン式で糾弾されるマシンカノンと肩アーマーのレーザー、半固定式浮遊部位のキャノンでひたすら濃密な弾幕を張る。特に36mmマシンカノンは近接信管も付いているので凶悪だった。射撃の際に反動制御の機能を切り、反動に身を任せる方法でレーザーを避けて互角に戦っていた。

「どうして反動を切ってるんだ?」

一夏が疑問を口に出した。それを千冬が

「奴には砲門が五……四つある。命中率は悪くても、数で補って攻撃出来るからだろう。それでいて相手の攻撃はかわしやすくなる。相手の攻撃を避けることを重視しつつ、じわじわ確実に削ろうとしている」

「なるほど。さすが希、考えてるな」

「つまり、このまま行けば希が勝つということでしょうか?」

箒が千冬に質問をした。

「いや、いつまでも射撃ができるかどうかだ。無理に濃密な弾幕を張っているのだ。弾薬の消費はかなりのものだろう。それに今ちょうど、固定浮遊部位が落とされ砲門が三つになったところだ」

ちょうど言い終わった時だった。六分程度続いていた射撃戦は終わりを告げた。

 

 

 

 「あら、どうしましたの?」

「いけね、弾が切れた」

レーザーは無理に動かし続けてオーバーヒート。半固定キャノンは弾切れ。マシンガンも同様。エネルギーはまだ410はある。最初590と白式より多めだったが、試合時間十分ということを考えればそれなりに消費してる。射撃戦のする前は565だったということを考えるとセシリアの射撃力がすさまじいとよく分かる。ただ、セシリアのエネルギーは推測するに150を下回っているところだろう。こっちは武装を二つ落とされたけど、外装なので深刻なダメージにはならなかった。

「では、ここからが私の反撃が始まりですわ」

「ビット残り三基なのに?」

濃密弾幕とフェイントなどで何とか一基落とした。最初から侮らず攻撃してきてくれたおかげで落としにくいったらありゃしない。

「ええ、なぜなら」

相手のスカートから砲口が二つ覗いた。

「ミサイルはまだまだいっぱいあってよ!!」

ミサイルを撃つと同時に、弱めのビットレーザーが放たれる。回避をするがレーザーが撃たれる。ミサイルもやってきていてさあ大変。こっちの弾幕が張れないからセシリアの射撃精度がぐっと増す。一夏は高速機動型機体とはいえ、初めて乗った機体でこれより濃密な砲撃を回避してたかと思うと改めてあいつのすごさが分かる。

「今度はあなたが追い立てられる番ですわ!」

事実、スラスターを吹かしながら俺は追い立てられた。だがただ追われるだけは気に食わない。相手の攻撃を回避しながら先ほどよりずっと小さい、それでも重火機関銃に値する武装を取り出す。申し訳程度に弾幕を張りながら、少しずつセシリアの上空に移動する。何発か直撃しながら上空に移動をした。

「太陽を背にしても無駄ですわ!」

「違うね!」

同時にパージをする。パージするのは半固定キャノンと肩アーマーレーザー、大型多方向スラスターもパージ。更に被弾して使い物にならなくなった装甲各種。外見がスマートな機体になり、体も露出が多くなる。男の露出が増えて喜ぶ奴がいるかは疑問だが。あ、でも一夏の露出は喜ぶ奴多いかな。

「何を__」

爆音が響いた。俺のマシンガンがセシリア付近まで行った武装を全て撃ちぬいて壊したからだ。装甲もいい作用にはたらいて爆風で破片となった。

「今だ、来い!」

カタパルトの方角からロケットブースターで接近してくる武装があった。

「本当に使うなんて!させませんわ!」

セシリアは意識をこれに向けさせて気をそらすだけの何かと思っていたようだ。そうでなくても英国貴族なら紳士的に射出までまっててくれただろうけど。ヒーローの変身を待つ悪役みたいな優しさで。

ロケットブースターに向かって攻撃をするが、それなりに頑丈な装甲を張ってある。無事に上昇しつつ、俺も合流地点に向かって加速。三、二、一

「これが噂の合体ですの!?」

セシリアからはもはやブースターは隠れた。俺が体で隠し、同時に白楯を展開する。

「これで!」

背中のジョイント部分が武装に伸び__

「かかりましたわね!!」

ビットのレーザーが背中を直撃した。


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