インフィニット・ストラトス~深緑の狂犬~ 作:疾風海軍陸戦隊
試合が始まり、ワルキューレの騎行の音楽が鳴り響く中、セシリアはビームライフルで杉田を撃つ
「さあ、踊りなさい!私セシリア・オルコットとブルーティアーズの奏でるワルツで!!」
「残念だが、私はワルツは踊れないわ。攻めて盆踊りくらいね」
「くっ!減らず口を!!」
そう言い、セシリアはライフルを撃ち、杉田はライフル弾をよける。
「あら?結構やりますわね?極東の島国にしてはいい腕じゃないですの。褒めて差し上げますわ」
完全に馬鹿にした顔でそう言うセシリア。それを杉田はじっと見る
「・・・・・」
「所詮。素人しかも東洋人がISを使うだなんて百年早いですわよ」
彼女のその言葉に清美は脳裏には同じ空を共に飛んで戦った戦友の言葉が浮かんだ。それは国は違えど共に空を戦った戦友の言葉だ。
『わたくし、人種差別もとい男女差別は大嫌いですの。私たちが飛ぶ空には国境も男も女も人種もそして肌の色も関係ない自由な場所よ。そうですわよね清美さん?』
その言葉は杉田にとって道子と同じ親友っといってもいい間柄の人の言葉だ。
「・・・・・ざけんじゃねえぞ・・・・小娘・・・」
すると清美の目がまるで狂犬のように獰猛で鋭い目つきに変わった。
「(さて・・・・本気出す前にちょっと遊んでやるか・・・・)」
清美はニヤッと笑うのであった。
「始まりましたね織斑先生・・・・」
「ああ・・・始まったな」
観客席で千冬と山田先生は試合を見ていた。
「織斑先生この試合どちらが勝つと思いますか?」
「十中八九。杉田だな。」
「え?なぜですか?確かに彼女は軍人ですが、ISの戦いだとセシリアさんのほうが有利じゃ・・・・」
「確かにそうだがな。昨日、杉田はISになれるため練習をしていたんだ。その時私も立ち会ったのだが・・・・」
千冬はそう言うと冷や汗をかく
「どうしたんですか織斑先生・・・・・・まさか!?」
「ああ、そのまさかだ。初めてISを動かした杉田だったが私から見たら熟練が操縦しているような腕前だった。そこで私は杉田と模擬戦をしたんだ。結果は私の完敗だったよ」
「お、織斑先生負けたんですか!?」
と、山田先生は驚く。彼女が驚くのも無理はない。織斑千冬は引退してあまりISに乗っていなかったが、彼女はかつてIS操縦者の中ではトップクラスで数々の公式戦での無敗記録を出したほどの腕前だ。そんな彼女がIS初心者である杉田に負けたと聞いて驚いた。
「山田先生。別に驚くことはない。確かに私は昔、数々の大会で勝ってきた。だがそれは平和な時代・・・・スポーツでの話だ。私と杉田では一つ大きな差がある。それは・・・・」
「それは?」
山田先生が聞くと
「本当の戦争での戦いの経験だ。彼女はこの時代では誰よりも本当の戦争を知っている。模擬戦をしたときそれを嫌ッというほど叩き込まれたよ。さすがは『狂犬』。世界最強の戦闘機乗り疾風村正大尉の補佐をしていただけあるな・・・・・」
千冬さんは空を見上げそう言うのだった。そしてその上空では
「なんで当たらないのですか!」
セシリアは杉田にビットや自身の持っているライフルで攻撃をするが杉田はひょいひょいと躱す。射発も当たらないためセシリアはだんだんイラついてあてずっぽうに攻撃をする。
「(やれやれ…下手な鉄砲も数撃ちゃ当たるってか?全然ダメだね。これならまだ武装親衛隊かそれか
と、杉田はあきれ顔でそのビームをよける。
「な、なんでIS初心者相手のはずなのに攻撃が当たらないのですの!」
と、セシリアはイラついて言うと杉田は
「あんたの場合、慢心及び武器に頼りすぎているのが多いのよ。それに相手のことをよく見ないで撃ってるそれじゃあ当たるはずないわよ。セシリア」
「だ、黙りなさい!!」
と、セシリアは杉田の言葉に怒りビームを放つがこれもすべて避けられる。
「どうしたの?これがイギリス代表候補生の実力?全然ね。私に掠りもしていないわよ」
「う、うるさいですわっ!!」
そう言い彼女はビームライフルと狙撃ビットで杉田を攻撃する。すると杉田はため息をつき
「セシリア、相手を撃つって言うのは・・・・・」
杉田は20ミリ機関砲の安全装置を外し、そして引き金を撃つ。そして杉田を狙っていた狙撃ビットは一発ずつの20ミリ弾で全機墜とされた。
「こういうことよ・・・・・」
「なっ!?」
正確な射撃で自分のビットが墜とされたのを見てセシリアは絶句する。それはそうだろう。早い動きをしているはずの狙撃ビットが全機墜とされたのだから。そのことにセシリア信じられない顔をするのだった。
「な、なんですのあなたは!?あ、ありえませんわ!?こんな射撃の腕誰もできるはずありません!!」
「そうかしら?少なくとも第三次大戦で戦ってきたパイロットたちはこのくらいの射撃の腕を持ってたわ」
「なっ!?そんなはずありません!あの大戦時にこんな人外なことが・・・!?」
「できたんだよ。しかも私の知る中で私の敬愛する人を除いて一人だけいるわよ。セシリア」
「な・・・・・いったい誰が・・・・」
と、セシリアは杉田にそう言うと
「『空は国境も男も女も人種もそして肌の色も関係ない自由な場所』」
「なっ!?その言葉は・・・・・」
セシリアは目を丸くする。
「イギリス空軍。リネット・オルコット中尉の言葉よセシリア・オルコット・・・・」
「っ!?」
セシリアはその名を聞き固まった
「あ・・・・あなた。なぜ、おばあ様の名を・・・・・」
「セシリア。お前の祖母リネット・オルコットの誇りをここで汚すつもりか?お前の祖母はいついかなる時も人種及び男女差別し昔散っていった仲間や先人たちを馬鹿にすることは一度もなかったぞ・・・・」
「う、嘘ですわ・・・・おばあ様があの戦争に参加していたなんて・・・・」
セシリアは動揺し信じられないような顔をする。それはそうか調べた所リネットの奴、戦後は自分があの大戦に参加していたこと隠していたみたいだからな・・・・
「信じるも信じないのもあんたの勝手よ。ただね・・・・リネットたちの誇りを・・・あの戦争で死んだ連中を馬鹿にしたことの責任。ここで取らせてもらうわセシリア・オルコット!!」
そう言い杉田は全速力でセシリアに接近。そして機銃をしまい刀を抜くそして刀の峰でセシリアの腹部を斬った。
「ぐっ!!」
強烈な衝撃と痛みでセシリアは気絶しそのまま落下したのだった。そして杉田は急降下してセシリアをキャッチし、地面にそっと置いた
「これが本当の空の戦いよセシリア・・・」
そう涼し気な顔で清美はそう言うのだった。そして
『ブルーティアーズ及びセシリア・オルコット戦闘不能。よって勝者杉田清美!!』
アナウンスが鳴り、杉田は気絶したセシリアの顔を見る
「これはちょっとやりすぎたかな?まあ、いいわ。とにかく彼女を医務室に運ばないと」
そう言い杉田はISの装備のまま気絶したセシリアを医務室で運ぶのだった。
「さて、次は一夏ね・・・・」
観客席
「か、勝っちゃいましたね・・・杉田さん」
「ああ、さすが日本女子最強のエースパイロットだな・・・・・さてオルコットの様子では一夏と戦うのは無理だから次は杉田と戦うな」
「大丈夫なんでしょうか?織斑君。最新型の専用機ですが?」
「山田先生。勝負の勝敗は武器の性能だけじゃない。それを扱う人間の問題だ。あいつは杉田相手にどんな戦いをするのかな・・・」
「弟さんが心配ですか?織斑先生」
「多少はな・・・・まあ、たぶん杉田はあいつを試す気だろうな」
「え?試す?」
そう言う千冬さんにやまだ山田先生は首を傾げ、そして千冬さんは自分の弟がいる格納庫方面を見るのだった。
格納庫
「す、すげ・・・・俺。杉田さんに勝てるかな・・・・・」
一方、ISを装着し待機していた一夏は先ほどの試合を見て冷や汗をかくのだった。その後、セシリアは完全に伸びていたため、次の対戦相手は杉田vs織斑一夏となったのだった。