インフィニット・ストラトス~深緑の狂犬~   作:疾風海軍陸戦隊

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信念

クラス代表決定戦第一試合では杉田がセシリアを倒し勝利したそして第二試合では織斑一夏対セシリア・オルコットの試合になるはずだったのだが、セシリアは杉田との試合で完全にのびていたため次の試合に出るのは無理なため、第二試合は杉田と織斑一夏の試合となった。そして杉田は上空で待機していた。あれほど激しい戦いをしたのに杉田の顔には疲れの色がなかった。

 

「一夏、頑張れよ!」

 

「おう!箒任せてくれ!」

 

下で待機していた一夏は幼馴染である箒にそう答えて自分のISを展開させて上空を飛び杉田のところに向かった。

 

「待たせたな杉田さん」

 

「いいえ、休憩時間としてはちょうどいい時間でした」

 

と、杉田は落ち着いた表情で一夏にそういう。

 

「そ、そうか・・・・・」

 

と一夏がそう言うと杉田は20ミリ機関砲をしまい、代わりに腰にさしてある軍刀を抜く

 

「あれ?機関銃使わないんだ?」

 

「ええ、あの試合で弾を結構使っちゃってね」

 

「そ、そうなのか・・・・」

 

と、少し苦笑の混じった顔でそういう。

 

「だから私はこの軍刀で相手するわ。」

 

そう言い杉田は軍刀を抜く。すると

 

『試合開始!!』

 

と、試合開始の合図が出された。そして

 

「うおー!!!」

 

と、織斑が突進してきた。なるほど・・・・私が攻撃する前に攻撃ってわけか・・・・

 

「なら、私もチャンバラに付き合おうかな?」

 

そう言い、私も彼に向かって突進し、刀を振り上げると彼もそれにつられ彼のISに装備さえている刀を振り上げる。しかし

 

ドガッ!!

 

私は織斑のわき腹を蹴り上げた。さすがに私が蹴りを入れるとは思わなかったのか織斑はもろにその蹴りを喰らう

 

「なっ!?」

 

「剣を振り上げたからって斬撃が来るとは限らないわよ。織斑」

 

と、清美がそう言うと

 

「お前・・・・卑怯だぞ!!」

 

「卑怯?何を甘いこと言ってるのよあんた?確かにこれは試合だが蹴りをしてはいけないっというルールはないしこれは剣道ではないのよ」

 

「だが・・・」

 

「それにあんた。相手が自分の都合のいい戦い方をすると思ってた?だとしたらとんだアホね」

 

「な、なんだと!?」

 

そう言い一夏は雪片を手に彼女に斬りかかるが、杉田はひょいっと躱す。

 

「感情が高ぶって剣筋がバレバレよ織斑。もっと冷静に打ち込みなさい!!そんなんじゃ下手をすれば命を落とすわよ」

 

と、厳しい目でそういう。しかし一夏は

 

「うるせぇ!」

 

焦っているのか彼女の言葉が耳に入らず、急接近しては雪片を振りかざすが、何度も避けられる。それを観客席で見てた千冬は

 

「一夏のやつ・・・・完全に遊ばれているな・・・・いや、この場合、杉田に戦い方を教育されているな」

 

「教育ですか?」

 

「ああ、杉田の奴まだ本気を出していない。それどころか一夏に戦い方を教えている・・・・しかも剣だけでっというハンデをつけてな。あいつの実力はさっきのオルコット戦でも見ただろう山田先生」 

 

そう言い千冬はそう言い空を見上げるのであった。

 

「くそっ・・・なんで当たらねえんだよ」

 

「あなたの場合相手を見て攻撃をしていないし、ただ無意味に振り回しているだけ。それじゃあ当たるものも当たらないわよ。織斑。」

 

「くっ・・・」

 

「そっちの攻撃は終わった?それじゃあ次は私の番ね」

 

そう言い、彼女は突きの構えをする。

 

「行くよ・・・・覚悟はいいわね」

 

そう殺気を含めた冷たい声でそう言う。彼女は織斑に迫り彼の胴体目掛けて突きを炸裂させる。一夏はその攻撃を何とかかわすが、彼女はすぐに横薙ぎの攻撃をする

 

「うわっ!!」

 

一夏はその攻撃を瞬時に雪片で受け止めそして鍔迫り合いとなる、そして彼女はどんどんと押し。そして杉田の持つ軍刀の刃が一夏の首筋のところまで来る。一夏がやばいっと感じたその瞬間

 

「早く。切り返さないと・・・・死ぬわよ」

 

と、氷のように冷たい声が一夏の耳に入る。その声からして彼女が冗談を言っているようには聞こえなかった。そして一夏は彼女からあるものを感じた。自分とは違う。ましては姉である千冬とも違う何かを感じた。

 

「(な、なんなんだよ・・・・・これは)」

 

今までと違う杉田の気に押され、一夏は恐怖を感じた。このままじゃ本当に殺される。一夏はそう感じた。

 

「(俺は死なない!まだ死ぬわけにはいかないんだぁー!!)」

 

「っ!?」

 

そう感じ、一夏は杉田の刀を押し返した。それに杉田は驚き下がる。

 

「俺は死ねない!俺は誰かを守るために強くなりたいんだ!だから、ここで死ぬわけにはいかねえんだよ!」

 

「・・・・・・」

 

一夏の言葉に杉田の脳裏にある言葉が浮かんだ

 

『俺はな杉田。誰かを守るために強くならなきゃいけない。だから俺はここで死ぬわけにはいかないんだよ」

 

この言葉は自分の上官である疾風村正大尉が初めて自分と会った時言った言葉だ。初めて聞いた『死にたくない』っという言葉を聞いた時は激しい嫌悪感を抱いたのを覚えている。だが、しかし彼とともに戦っているうちに彼のその信念を貫く人柄にだんだんと惹かれたんだよな・・・・

 

「そう・・・・なら、織斑、本気で来なさい。(ここ)では女も男も関係ないわ」

 

「おう!言われなくても行くぜ!!」

 

そう言い織斑は私に向かってきた。しかも先ほどとは違い少しキレのある動きだ。どうやらさっきの出少し進歩し少しはましになってきたようね。恐らくこいつは・・・・これは私も少しだけ本気出さないといけないわね。そして私は得意の『平突き』で攻撃をするが織斑はとっさに避けるしかも平付きの死角を見つけて

 

「前よりもいい動きになって来たじゃないの織斑」

 

「もう、その技は通用しないぜ杉田!」

 

と、織斑は得意げにそう言うと左手を開いたり閉じたりしていた。そして

 

「行くぜ!!」

 

と、そう言い猛スピードで突進してきた。しかも小細工とかそう言うものは一切見えない。前言撤回。やっぱ全然進歩してない。私はすらっとその突進をよけ彼の後ろに回り込み羽交い絞めにし

 

「これで終わりよ!少しは冷静になって攻撃しな!このバカチンがぁ!!」

 

「え?うわぁぁぁぁぁぁー!!」

 

そう言い私は織斑を羽交い絞めにしたままバックドロップ態勢で急降下し、織斑は驚きの声を上げる。私は大戦時、隊長の得意戦法である「前上方背面垂直攻撃]をよくしていたのでさほど気にしていない。そして地面が近づくと

 

「ジ・エンド」

 

そう言い私は織斑を思いっきり地面にたたきつけた。無論、死なない程度に手加減してその衝撃ですべてのエネルギーが0になると共に、模擬戦終了のブザーが鳴り響いた。

 

『白式戦闘不能!勝者!杉田清美!!』

 

と、アナウンスの声とともに歓声が沸く。そして観客席では

 

「負けてしまいましたね織斑君・・・・」

 

「ああ・・・・まったくあの馬鹿は・・・・何も考えずに突進する奴があるか・・・・まっ。この試合を経験にあいつも少し成長するといいんだがな・・・・・」

 

千冬はそう言うのであった。一方、試合会場では

 

 

「いてて・・・・・負けちまったか・・・」

 

と織斑は頭をさすりながらそう言う。すると

 

「・・・・・織斑もう一回、訊いていいか?」

 

「なんだよ」

 

「お前は今、誰かを守るために強くなるため死にたくないって言ったな?」

 

「ああ、言ったさ」

 

「なぜだ?なぜおまえは力を守るために使うんだ?」

 

杉田が真剣な目でそう訊くと織斑は

 

「えっと。だって世の中って結構いろいろと戦わないといけないだろ?道理のない暴力って結構多いぜ。だからできるだけ俺はその強さや力を仲間や家族を守るために使いたいんだ」

 

と、一夏がそう力強く言う。それを見た杉田は

 

「(やっぱりこいつ・・・・・)」

 

織斑の言葉に杉田は敬愛する人物と重ねていた。そして杉田は一息入れこう言った。

 

「誰かを守るっね・・・・・あなたの意見。一見立派にはみえるけど、今のあなたでは無理ね。あなたの言葉は所詮戦場を知らない奴の戯言よ」

 

「なんだって?」

 

「聞こえなかった?じゃああ、わかりやすく言うわね。織斑。あなたの今の状況じゃ誰も守れないわ。今の戦いぶりを見てもせいぜい自分を守るのに精いっぱいの実力よ・・・・・」

 

「そんな「だからあなたはもっと経験を積み己を鍛えなさい」・・・・・え?」

 

「あんたの言う理想は間違ってはいないわ。だけどさっき言った通り今のあなたは誰かを守る力が完全に不足している。だから、あなたはもっと強くなれるように仲間と協力して強くなりなさい。私もできる限りの協力はするからな」

 

と、そう言い杉田は彼の後ろに振り向き去ろうとする。すると

 

「待ってくれ!」

 

と、一夏が杉田を呼び止める

 

「なに?」

 

「なんで、俺にそんな事教えるんだ?」

 

一夏がそう言うと杉田は

 

「ふっ・・・・・・あなたがあいつ(・・・)に似てたからだよ」

 

そう言い、杉田は格納庫へと戻るのであった。

 

 

 

 

 

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