インフィニット・ストラトス~深緑の狂犬~   作:疾風海軍陸戦隊

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清美、姉妹と再会する

2015年。南太平洋のとある島で二人の少女が筏を作っていた。だがその筏は不思議な形でいろんな飛行機の残骸を寄せ集めてできたもので筏というよりは船に近かった

 

「どう、清美?」

 

「ああ、大丈夫だあとはこのプラグを繋げば・・・・」

 

「清美。それ本当に動くのかしら?もし動かなければ私たち一生・・・・」

 

「何弱気になってるのよ姉妹!動くに決まっているでしょ!なんせこれは私とエルザ、二人3ヵ月で作ったグレイフォックス号よ!絶対に大丈夫だって!」

 

そう言い彼女はエンジンをかける。すると、エンジンがかかる

 

「やった!やったぞエルザ!」

 

「ええ、やったわ清美!これでこの島から脱出できるわね!」

 

そう言い二人は笑顔で抱き合い嬉しそうに言うのであった。すると島の森の方から甲高い雄たけびが聞こえる

 

「っ!?」

 

あいつ(・・・)が来る!エルザ!早く乗るわよ!」

 

「ええ!!」

 

そう言い二人は船に乗るのであった・・・・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

「・・・・・やっぱりそうだったのか」

 

図書室のパソコン室で杉田はあることを調べていた。そして

 

「やはり私の思った通りね。しかもあいつ日本にいたなんて・・・・休日が取れたら会いに行こうかな」

 

と、独り言をつぶやく、シャルルとラウラが転校してから早一週間。清美はその日から授業が終わった後、図書室で調べ物をすることが多くなっていた。

 

「それよりも今は旧友に会うことじゃなくて、その孫のことだな・・・・・」

 

と、そう一人呟くと

 

「授業が終わった後、図書室で勉強するのは感心だな杉田」

 

「・・・・千冬さん」

 

背後から声が思振り向くとそこには千冬がいた

 

「ここでは織斑先生と言ったはずだ。年上には敬意を払えガキ」

 

「授業は終わっていますし、今は二人だけですし構わないだろ?それに年齢というのなら私はあんたより年上だと思うが小娘?」

 

「・・・・・・・ふ」

 

清美のその言葉に千冬は参ったというような顔を見せ

 

「まあ、一理あるな・・・・・・で、何を調べていた曹長?ただ単にこの時代のことを調べていたわけじゃないのだろ?」

 

「・・・・・ええ、実はシャルル・デュノアについて調べていた」

 

「なに?彼女を調べていた?」

 

「ああ、少し気になることがあってな」

 

「そうか・・・・で、何かわかったのか?」

 

千冬に言われ、杉田はシャルルのことについて話すと千冬は目を丸くして驚いた

 

「まさか、あのシャルルが・・・・」

 

「ええ、千冬さん。シャルルの件、私に任せてはくれませんか?」

 

「それは、放っておけないという意味の個人的な物か?それとも昔の借りを返すためか?」

 

そう言うと杉田は少し目を細め彼女を睨む。それを見た千冬は

 

「すまない。失言だったな」

 

「いえ、良いんですよ・・・・・それとさっきの質問の答えは・・・・両方です」

 

「そうか・・・・・では頼む。こちらも学園長に相談してできる限りの協力はしよう」

 

そう言いと杉田は無言で頭を下げ、その場を後にするのであった。そして廊下を歩いていると携帯電話が鳴り杉田はそれに出ると

 

「もしもし?」

 

『ああ、繋がった。やあ杉田君、学園性格は楽しんでいるかい?』

 

電話の相手は中嶋聡子会長であった

 

「中嶋整備長・・・・・ええ、楽しんでいますよ。それよりなんの用ですか?もしかして紫電改の修理が終わったのですか?」

 

「ううん。それはまだ、なんせパーツが昔の代物だからね。それにピッタリの物がなかなか見つからなくてね。それで電話を掛けた理由なんだけど前に君のISに新しい装備を付け加えるって言ったよね?』

 

「ええ、もしかして・・・」

 

『うん。今日届くから。使ってみて』

 

「了解しました。それでその新装備はというと?」

 

『一つは君の持っている20ミリ機関砲を改造したものだよ。発射速度も倍に増えて、それだけじゃなくて実弾の他にレーザー砲に切り替える装置がついているんだよ』

 

「ほ~レーザー砲にですか。まるでSFですね。で、ほかには?」

 

『他には。接近戦を考えたナイフなんだけどね、それブーメラン型にしているんだよ。名前は『アイスラッガー』。だから投げて遠距離攻撃もできるようになっていてそれだけじゃなく使用者の脳波でコントロールできるようになっているんだよ』

 

「アイスラッガーって・・・・中嶋さん。もしかしてそれセブンに影響されました?」

 

『うん。そだよ。じゃあとにかく夕方くらいには届くと思うから使ってみてね~』

 

「ええ、感謝します整備長。ああそれとあの件ですが?」

 

「ああ、あれならもう連絡しているよ。今日からでも行くつもりでしょ?」

 

「ああ、信じてもらえるかわからんがな」

 

「まあそこは向こう次第だね。じゃあ健闘を祈るよ」

 

「ああ、ありがとな」

 

そう言い電話を切る杉田。そして・・・・

 

「さて・・・・ちょっとISの操縦の練習でもしようかな」

 

と、そう言い杉田はアリーナの方へ向かうのだった。そしてアリーナの方へ着くと内部が騒がしい事に気づいた杉田はいたは様子を見るためアリーナの内部を見渡した。そこにはラウラが一夏に喧嘩を売っているのが見えたそれを見た杉田はため息をつき

 

「まったく、これだから今時の奴は」

 

頭をがりがりと掻き二人のもとへ行くのであった

 

「織斑一夏」

 

「なんだよ?」

 

「貴様も専用機持ちだそうだな。なら、私と戦え」

 

「いやだよ。理由がねえ」

 

「貴様になくても・・・・・・」

 

そう言いラウラは一夏にレーザー砲を向け

 

「私にはある!」

 

そう言い発砲しようとした瞬間、どこからか銃弾が飛んできて彼女のレーザー砲に当たる

 

「っ!?誰だ!」

 

ラウラは銃弾が発射された方向を見るとそこには

 

「やれやれ・・・・今のドイツ連邦の軍人はこんなにまで沸点が低かったとはな・・・・」

 

「ぐッ、貴様は・・・・」

 

「杉田!?」

 

ラウラの発砲を邪魔したのは紫電を装着し20ミリ機関砲を構えた杉田の姿があった。それを見たラウラは鼻で笑い

 

「ふ、その装備見れば超旧式の第一世代。それに持っている武器もレーザーではなくMG 151 機関砲・・・・・そんな骨董品で私の邪魔をするとはいい度胸だな?」

 

「ふ、見た目で判断し相手の力量も分析できないとはな。ドイツ連邦の佐官とは思えない発言だなラウラ・ボーデヴィッヒ少佐?」

 

「っ!?私の事を調べたのか?」

 

「ええ、ドイツに友人がいてな・・・・ラウラ・ボーデヴィッヒ、ドイツ連邦所属で階級は少佐。IS配備特殊部隊『シュヴァルツェ・ハーゼ』通称黒兎隊の隊長。どうだ合っているか?」

 

「貴様・・・・それをどこで」

 

「さっきもいったろ、ドイツ軍に詳しい友人に教えてもらったと、貴様も軍人ならば、規則の大切さぐらいは体で覚えていると思ったが?」

 

本当は中嶋整備長に頼み中嶋整備長がドイツ軍の友人に調べてもらって、その情報を知ったというだけであった。

 

「ぐッ…この小娘が」

 

「小娘・・・ね。はっきり言うが私から見れば貴様こそ実戦経験のない小娘だ・・・・」

 

殺気を含めた杉田の目にラウラは気が付く

 

「そうか・・・・その言動と言いその目の殺気と言い・・・・・貴様も軍属・・・・・・いや、傭兵か?」

 

「違うな私はちゃんとした正規兵だ」

 

「減らず口を。たかが旧式機で私の相手をするか?」

 

「お前こそ思い上がるなよ。機体の性能差が勝敗を分かつ絶対条件ではない事をその体に叩き込んでほしいのか?」

 

そう言い二人は激しく睨み合うと・・・・・

 

『そこの生徒!何をしている!』

 

と、先生のアナウンスが鳴るとラウラは舌打ちをしISを解除すると

 

「今日の所は引いてやろう」

 

そう言いうとラウラは杉田と一夏を睨みその場を去った。そして

 

「大丈夫か?一夏?」

 

「ああ、杉田か。助かったよ」

 

「一夏。あの女とお前に何があった?あのラウラの態度を見ても普通じゃないぞ?」

 

「それが俺にもよくわからないんだ」

 

一夏は不思議そうに首をかしげる。どうやら本当に身に覚えがないらしい

 

「そうか・・・・じゃあ、私はこれで、ちょっと用事ができたし・・・・」

 

そう言い杉田はシャルルをちらっと見るとその場を去るのだった。するとシャルルは

 

「ねえ一夏。その子ってこの前、ラウラの平手打ちを止めた子だよね?」

 

「ああ、杉田清美って言って、俺にISの空中戦を教えてくれたり射撃とかを教えてくれるいい奴だよ」

 

「そ、そうなんだ・・・・」

 

そう言いシャルルは杉田の方を見て

 

「(あの人・・・・・どこかで見たような・・・・・)」

 

と不思議そうに杉田を見るのであった。

 

一方、杉田は校門前にいてその場には山田先生がいた

 

「では杉田さん。織斑先生にも言われていると思いますが、夕方までには戻ってきてくださいね」

 

「ええ、わかっています。それでは行ってきます」

 

そう言い清美は山田先生にそう言い学園を出てバスに乗る。そしてしばらくして彼女はバスを降りる

 

「・・・・・・ここね」

 

そう言い彼女が付いた場所は小さな喫茶店だった。その店の名は「ラゴス」と書かれていた。そして清美は店の前に着くとそこには「close」と書かれていたのだが、彼女は気にもせず扉を叩く。

 

「店長さん?いますか~?私です中嶋工業の会長さんから聞いていると思いますが?」

 

と、そう言うが何も返事がない。だが、店の奥を見ると人影がみえるので留守ではないのはわかる。すると清美は一息入れ・・・・・

 

「いるんだろ!元ナチス空軍及び自由フランス軍『ジャンヌダルク隊』隊長、エルザ・デュノア中尉!!!」

 

と、大声で言うと、いきなりドアが開く。そしてドアを開けたのは外国人の老婆であった。そして老婆は

 

「・・・・私は・・・・私は夢でも見ているのか・・・・・それともあの世から迎えが来たのかい?」

 

と驚いた顔で私を見る。私は首を横に振り

 

「いいや、夢でもましてはあの世からの使いでもないぜ・・・・・俺はこの通り生きているよ。ただ時空を越えちまったけど」

 

「あ・・・・あああ。神は本当にいたのね・・・・・またこうして死んだ戦友に会えるなんて・・・・」

 

と、彼女は私に抱き着き、私は彼女を抱きしめ

 

「本当に・・・久しぶりね・・・・清見」

 

「40年ぶりの再会だな・・・・・・姉妹」

 

私は40年ぶりに姉妹契りを交わした仲間と再会するのだった

 

 

 

 


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