インフィニット・ストラトス~深緑の狂犬~   作:疾風海軍陸戦隊

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命の選択

「・・・・・なるほど。事情は分かった」

 

一夏の部屋の中ベットに座り腕を組みながら鋭い目をする清美に対し、一夏とシャルロットが正座をしていた。特に一夏は頭に大きなたんこぶをしていた

そう、あの現場を目撃した清美が一夏の頭に強烈な拳骨をしたからだ

 

「いてて・・・・・千冬姉以上に痛いゲンコツだな」

 

頭をさすりながら言う一夏に清美が

 

「むしろそれぐらいに済んだことありがたいと思え。もし意図的にセクハラまがいなことやっていたら小指を落とそうと思ったぐらいだぞ」

 

「小指ってヤクザじゃないんだから・・・・・まあ杉田はちょっとヤクザっぽい顔つきだけどさ。顔に傷あるし・・・」

 

「なんか言ったか?」

 

「なんでもありません」

 

目を細め怖い目つきになる清美に一夏は目をそらしてそう言う

 

「それにデュノア。仮にもあんたは女だぞ?男の前で着替えるとかそう言うのはちょっと褒められることじゃないな・・・・・」

 

「ごめんなさい・・・・・」

 

「はぁ・・・・まあいいわ。それで一夏。私がここに来た理由はわかるよな?」

 

「ああ・・・・でも一ついいか?なんで杉田はシャルロットが女だって知っていたんだ?」

 

「ん?始めからわかっていたぞ?」

 

「「え?」」

 

清美の言葉に二人は驚く。それはそうだシャルロットは完璧に男装し、そばにいた一夏ですらに向けなかったのに清美はすぐに彼女が女だってことを知っていたことに一夏は驚いていた

 

「第一、織斑に続いての第二の男性操縦者ならニュースにもなっているし、何よりデュノア社がバンバンと宣伝するだろうが」

 

「た・・たしかに」

 

「そして突然男性生徒としてここに来た。男装する理由はおそらく、男性である一夏と接触し、あわよくば白式の情報を聞き出すか盗み出すように会社から送られたスパイ・・・・・そうだろ?」

 

「・・・・」

 

「沈黙は肯定と捉えるぞ?」

 

「ち、違うんだ杉田。シャルは・・・・」

 

清美の目を細め疑う目線を見た一夏はシャルロットを庇おうとするが

 

「いいんだよ一夏・・・・そうだよ杉田さん。私は・・・・」

 

シャルルは一夏を止め首を振る。もう隠し事はできないと・・・・そして杉田にすべてを打ち明けた。自分がスパイであることを・・・・

そのことに清美はただ黙って聞いていた

シャルロットについては事前に知っていたが、彼女からの言葉で再度事実確認をしたかったからだ

 

「なるほど・・・・それで、あんたは今後どうするんだ?会社に自分の正体が学園にばれたらフランスに強制送還される可能性が大きいぞ?」

 

「私は・・・・」

 

「それなら大丈夫だよ」

 

「ん?どういうことだ?何か対策でもあるのか織斑?」

 

「ああ。IS学園は『学園の土地はあらゆる国家機関に属さず、いかなる国家や組織であろうと学園の関係者に対して一切の干渉が許されない』て規定があるから、だから学園内にいる間に対策をすればいいんじゃないかなって・・・・」

 

一夏の言葉に清美は軽くため息をつき

 

「30点ってところだな・・・・」

 

「え?なにが?」

 

「お前のその対策内容だ。それじゃ詰めが甘いうえ、根本的な解決にならないよ。それによく考えて見ろ。学園には夏休みや冬休みなんかがある。その間にフランスに帰って来いって向こうから連絡が来たらどうする!それだけじゃない。たった三年の間でお前はフランス企業相手にどういう対策をするんだ?」

 

「それは・・・・」

 

「彼女を守ろうとする姿勢は立派だ。ただ。何も対策なしはただの無責任だ」

 

「じゃあ、どうすればいいんだよ!」

 

一夏は清美に訊くと

 

「簡単な話だ。彼女が逃げ込み守れる場所を作ればいいデュノア社が手が出せない所にな」

 

「じゃあ、IS学園に・・・・」

 

「馬鹿か。たとえどこぞの勢力が干渉できない学園でも学校は学校だ一生そこに匿うのは無理がある」

 

「じゃあ・・・・」

 

「私に考えがある。その前にデュノア。お前に訊きたいことがある」

 

「ぼ、僕に?」

 

「そうだ。今回のことは君の人生だ。お前はどうしたい?」

 

「それは・・・・」

 

「このままデュノア社の操り人形として生きるのもよし。普通の女の子として自由を求めるのもよし。お前の人生だ自分で決めろ。他の奴の言葉で動くんじゃない。自分の人生はお前自身で決めなくちゃいけないんだ」

 

「自分で・・・・・」

 

「そうだ・・・・」

 

清美の言葉にシャルロットは黙る。一夏が何か言おうとしたが清美は『余計なことは言うな』と言わんばかりに手で制す

 

「僕は・・・・生きたい。もうデュノア社の操り人形じゃなくて自由に生きたい」

 

と彼女は力強くそう言うと清美は

 

「そうか…それならいい」

 

と、そう言うとスマホを出し電話をかける

 

「杉田さん。どこにかけているんだ?」

 

「ん?彼女の駆け込み寺さ。織斑、デュノア。お前『中島工業』って聞いたことあるか?」

 

「中島工業って・・・・たまにテレビに出ている会社か?」

 

「僕も知っている。一夏、中島工業って世界有数のトップ企業の一角だよ。デュノア社もあの工業から鋼材とか機材とか発注している。すごい企業だよ。僕のラファールに使われている金属も中島社が提供してくれたものなんだよ」

 

「そんなにすごいのかその会社。それと清美に一体・・・?」

 

「あそこの会社の会長とは昔馴染みでね・・・・・あ、もしもしナカジマさんか?ああ私だ。例の件OKだそうだ・・・・ああ今代わるよ」

 

そう言い、清美はスマホをシャルに渡すと彼女は恐る恐るスマホを耳に当てる

 

「も・・・・もしもし?」

 

『おっ!きみがシャルロットさん?初めまして私はナカジマ工業会長を務める中嶋悟子だよ』

 

「ああ!あなたが中島社の!ぼ、僕の会社がいつもお世話になっています!」

 

『そんなに畏まらなくていいよ。話は杉田さんから聞いたよ。それでね君の身柄は私たち中島社が保護するよ』

 

「え?」

 

『面目はうちの会社のISのテストパイロット手形だけど。基本は普通の子のように生活して問題ないから。住む場所もある人が提供してくれるって言ってくれているし』

 

「それは・・・嬉しいんですが、父がなんと言うか・・・」

 

『ああ、君のお父さんのこと?その件なら大丈夫だよすでに許可取っているから』

 

「え!?」

 

中嶋の言葉に驚くシャル。それはそうだろう自分の父が他社に身柄を譲るとは思っていなかったからだ

 

『うん。君のお父さんも君を心配しててね。前に電話でこのことを話したらすぐに承諾してくれたよ。本当に君のことを心配していたんだよ?『ふがいない父親で済まなかったとか』『君を守ることが出来なくてごめん』て』

 

「お父さんが・・・・・」

 

『うん。なんなら変わろうか?お父さんに?せっかくだしここで話し合うのもいいんじゃないかな?』

 

「は…はいありがとうございます」

 

そして、シャルは父親と話した。自分が父にどう思っていたのか。そして父親もシャルと母親のことをどれだけ思っていたのか、今までずっと何十年間話せなかったことをいっぱい話したのだった。

そして話終え、中島さんとの会話も終わり電話を切る

 

「終わったか?」

 

「うん。清美さんありがとう・・・・でも一つ訊きたいことがあるんだ」

 

「ああ。それは俺も思った。杉田さん。あんたはいったい何者なんだよ?有名な会社の会長と知り合いだったし・・・・」

 

一夏の質問に清美は指を口に当て

 

「それは今は内緒だ。女には秘密の一つや二刀流ある方が魅力的なんだぜ」

 

と軽くウィンクし、

 

「それじゃあ、私は戻るわ。お前らも早く寝ろよ。それと一夏は彼女を襲わないようにな。やったら今度は拳骨じゃ済ませねえからな?」

 

と、そう言い、部屋を出ていく。その姿に二人はあっけにとられ呆けるのだった

 

「さてと…まずはこの件は何とかなりそうだな・・・・残るはあのドイツ野郎か・・・・・久しぶりに血がたぎりそうだな」

 

そう呟きながら彼女は自分の部屋へと帰るのであった

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