リリカルでマジカルな世界に憑依転生した正義の味方(StrikerS編制作検討中) 作:四条小鳩
「今日はここまで。二人共気をつけて帰ってね」
「わかりました」
「プレシアさん、アリシアちゃんの事よろしくお願いします」
「ええ」
「またね、マスター〜」
「さて…夜の見回りに行こうか。ユーノ君はどうする?」
「僕は残ってるよ」
「わかったの。何かあったら呼ぶよ」
いつものように月村すずかとアリシア・テスタロッサへの魔術の授業を終え、闇の書事件を警戒して
───私が襲われた時から五分ほど前。
海鳴市内にあるビルの屋上にまるで遠坂のように燃えるような赤いロリィタ風のバリアジャケットを羽織い、メイスを模したであろうインテリジェントデバイスを持っている少女が立ち、隣には三人の魔導師がいた。
「アイツか」
少女の隣りにいるリーダー格の女性が彼女へ話しかけてきた。
「ああ、あの魔導師が今回のターゲットだ。ヴィータ、本当に一人で大丈夫なのか?」
「よゆーよゆー。見てろって」
彼女にとって魔導師を襲うのはルーチンワークに過ぎなかったし、実際にそれだけの実力を秘めていた。
「それなら構わないが…。終わったら集合場所に戻るように。時間は待ってくれない」
「あいよ」
彼女は消えていった三人を見届けると、ターゲットとなっている白い少女を見てニヤリと笑った。
「さて、いっちょいきますか。グラーフアイゼン」
「Gefängnis der Magie.」
彼女を中心に目的の少女を飲み込むように一気に封鎖結界が展開されていく。
「パーティ開始だ。行くぞ」
「Jawohl.」
彼女はメイスに形が似たデバイスを手に標的へ向けて飛び立った。
だが彼女たちの唯一の誤算は、追っている魔導師が英雄という破格の存在相手とも互角に渡り合えるレベルの青年が内包された存在であるということを知らなかったことであろう。
誰かが作った封鎖結界に閉じ込められたと察知した瞬間、数百メートル先のビルから強烈な殺気が感じられたので、私は魔術で瞬時に目を強化して追跡者を目視した。
あえて変身した状態でうろついていた時に現れた赤いバリアジャケットらしきものを着た少女───となれば噂の闇の書の関係者の可能性が高い。
リンディからの依頼以降、海鳴周辺を目立つように巡回していたら見事に釣れた。
「ついにかかったの」
さて、どういうことなのかあの女の子とゆっくりお話をしよう。
とりあえず私はプレシアからの事前情報を元に、どのような魔法が来るかわからないのでトロイア戦争で、アイアスが用いた投擲武器に対し古の城壁と同程度の防御を誇るとされる宝具、
「のんびり待っててくれるなんて手間が省けるぜ」
捕捉相手が警戒するか逃げるかを予想していたのに、間抜けそうに空中に佇んでいるのが見えてこちらに向かってきた少女はつい慢心してしまった。
防衛プログラムと聞いていたが、放出している魔力の雰囲気から察するにサーヴァントに存在は近いようだ。
ますます聖杯戦争を思い出してしまう。
「これで沈みな!シュワルツフリーゲン!」
「Schwalbefliegen.」
デバイスから巨大な魔力で作られた鉄球が飛び出し、私に飛んできた。
勝利を確信したであろう彼女は投擲武器に対する私の切り札に気づいていないためにその場から動かず隙だらけであった。
「───それはどうかな?」
確かに彼女のイメージ通りそのままあの威力の魔力を帯びた物が私を直撃すれば、私はレイジングハートでシールドを張ったとしてもひとたまりもなく数十メートル吹っ飛び大きなダメージを負うであろう。
迫りくる魔力の塊を見据える。
この距離までくると普通のインテリジェントデバイスでの防御では命じている間に到達してしまうだろう。
───だがイメージに時間はいらない。
「───
脳内と魔術回路に駆け巡る物理情報、魔術理論。
鉄壁の防御を構成するまであと零秒、直撃まであと───。
「───
複数の魔力塊が展開された
「んなあ!?」
少女は間違いなく当たると思った射撃魔法がミッド式やベルカ式では見たことがない魔法で防がれたことに完全に驚いていた。
どうやら赤原猟犬のようにホーミング機能はついていないようなので、大丈夫そうだ。
「私ね、敵がどんな魔導師なのかってわかるまでは油断しちゃいけないと思うの」
「ちくしょう!シグナムから聞いてた話と違うじゃねえか!だが面白ぇ。とことんやったろうじゃんか!」
ふむふむ、彼女の他にもう一人別のシグナムと呼ばれるプログラムがいるのか。
「あとそれと───仲間のことをペラペラおしゃべりしちゃうのもよくないよ?」
「ああ!?しまった!!」
先程まで血気盛んであった少女は顔を青くしていた。
ということはおそらくシグナムというのは彼女の上官のようだ。
───少し間抜けそうな少女なので扱いに苦労してそうだ。
「くっそ、秘密を知ったからにはここでぶっ倒れてもらうぞ」
悪役のテンプレート的なセリフを言いだした。
「それはお断り!」
私は瞬時に移動するとどこから攻撃が来ても対応できるように五感を研ぎすませながら、レイジングハートを背負い飛行を制御しながらいつもの夫婦剣を少し改造したものを投影することにし、再度発砲される魔力弾をかわしながらバインドで捕縛するために動く。
「───
一応威力としては身体強化を使うのでシールドは貫通できるが、刃そのものは潰してあるので当たっても打撲程度で済むだろう。
「───
「───
まずは一対目を投げる。
「剣!?」
剣が自分めがけて飛んできたことに動揺した彼女であるが、場数を踏んでいるからかそれをなんとか避ける。
「───
「───
二対目を投擲。
これも彼女は避ける。
「───
「───
そして三対目を投影し、魔力でブーストして瞬時に彼女へ迫る。
「さっきからチマチマチマチマ!」
少女は咄嗟にシールドを展開して、目の前に迫る私の夫婦剣を防いだ。
私の剣はシールドを貫きはしたがそこで動きが取れなくなってしまった。
───それこそが私の狙いだ。
「へっ、大したこと───」
彼女はなんとか攻撃を凌ぎきったことに安堵していたが…。
「それだけじゃないの」
鶴翼三連…私の切り札の一つであり、これこそがアーチャーから不完全ながらも模倣し、その後も修業を続け、守護者のアイツと戦った際に憑依経験でついに頂点に至ることができた宝具
「!?」
避けたはずの四本の剣が互いに引き寄せられるという夫婦剣の性質でぐるりと軌道を反転させ、ブーメランのように彼女へ迫る。
今このシールドを解除すれば私に攻撃される。だが、シールドで防御しなければ彼女に飛来する干将・莫耶がぶつかるのは覆せぬ定理となる。
一度に三対の剣を制御するという不可能を可能にしてこそ、剣の使い手。
「くそっ!」
彼女はシールドを維持したまま、デバイスでの迎撃を決断したようだ。
だがそれも無駄だ。
どうあがいても四方向から同時に飛来する剣を捌くのは最優のセイバーでもできなかったことだ。あの佐々木小次郎でもできるかどうか怪しいだろう。
「あぐあッ!?」
かろうじて二本は防げたようだが、それでも二本は彼女に直撃した。
狙い通りだ。
あとはこの隙に彼女を取り押さえ───。
「あ、あ…人形が……」
よく見ると、どうやら彼女が被っていた帽子についていた人形が剣が当たった衝撃で壊れてしまったようだ。
「───ゆ」
「ゆ?」
どうしたんだろう?
「許さない!!!」
───後にヴィータ人形破壊事件とよばれるが「相手の力量を弁えず不必要にオーバーキルを狙っていくことはいけないの」と私は述懐するハメになった。
彼女の逆鱗に触れてしまったためか、彼女が遠慮なくバンバンと鉄球を何発もこちらにはなってくるため、先程までの余裕がなくなってしまった。
「誤解だし謝りたいから話を聞いてなの!」
ともかく、落ち着いて話をしたい。
「絶対に許さない!逃がすかぁ!!」
ううーん…うっかり彼女の大事な人形をダメにしまったのがいけなかったか。
重要な関係者であるし子供なので殺すわけにもいかない。なので、鉄球でロックオンされないために延々と空を飛んだり、最近練習をして使えるようになった弱めのガンドを牽制で撃ちながらビルからビルへと跳躍で移動したりととりあえず封鎖結界内を逃げ回っている。
だがそれもずっと続けばいつかは魔力が切れて、己を待ち受けるのは正体不明の魔法で攻撃されるか、己はサーヴァントではないので地球史初の魔法で飛行中に墜落死かビルへ衝突して死亡という大変不名誉な記録か、良くても植物状態だ。
───そうなると悠長にしている訳にはいかない。
こちらもそれ相応の切り札を切ってしまったし、英霊相手の───言い換えれば殺傷兵器ばかりな
そんな中でこの紅い少女と見慣れないベルカ式魔法にどう対処するかと考えていた時に、なんとか援軍がやってきた。
この状況で彼女達が来てくれたのは嬉しい。
「なのは!」
「なのは、大丈夫!?」
「なのはちゃん!」
「マスター!!」
封鎖結界をこじ開けてフェイト達一行が来てくれた。
これでやっと落ち着いてこの少女の相手ができる。
「ちっ、援軍か!卑怯だぞー!!」
少女が吠える。
「大事なものを壊した責任はなのはにあるとはいえ、ずっと追っかけまわしているのはそっちだから卑怯と言われる筋合いはないの!」
「うるさーい!!」
ああ、話が通じない…。
柳洞寺でキャスターを相手に、女の激情というのはなかなかに御しがたいと言っていたアーチャーの気持ちが今はよく分かった。
「ヴィータ、何を手こずっているんだ!」
「シグナム!」
なんて余計なことを考えていたら向こうも援軍がやって来た。
見た感じ、あの女性が場を仕切っているのでシグナムなのだろう。
さて、数は多く魔法以外にも魔術と投影があるので手数は多い、有利ではあるが逆に向こうはどういう魔法を使う集団なのかが不明である。できれば無用な交戦は避けたい…。
「とりあえず、向こうからの動きがなければ攻撃は控えて」
「わかった」
「はい」
自陣がトリガーハッピーになられても困るので釘を刺す。
「だってコイツがさんざん逃げ回って、あたしの攻撃も躱されまくってちっとも当たらないし」
「お前が相手の実力を見誤ったということだ。ここは引くぞ」
「ちっ、わかったよ」
「あっなのはちゃん、逃げられちゃうよ!」
すずかが声を上げる。
こっちは闇の書について聞きたいことが山ほどあるのだ。この封鎖結界から重要参考人である彼女たちを逃がすわけにはいかない。
───魔力量は残り七割ほど。今の私は以前と遠坂とパスが必要なほど未熟な頃とは比較にならないレベルで魔力を貯蔵できている。
ならいける…!
この時、こうなったら私の世界で腹を割って話そうとどこかの世界にある深夜のホテルで疲れきって寝ようとした俳優の部屋に押しかけ朝まで延々と絡んだスタッフのような気分になった。
「あの人達を逃がさないの!みんな、ちょっとなのはに付き合ってもうよ」
「なのは、何を!?」
「ほえ?」
「マスター?」
「無限の剣製であの人達を閉じ込める」
「ええっ!?」
フェイトとアリシアは私が何をするのか聞き驚いた。ユーノとすずかは状況すらよく理解できていないようだ。
己のみに許された大魔術を発動し、封鎖結界すら超越する魔術で逃げようとした彼女達を閉じ込めることにした。
これなら一般的な結界と違い世界を侵食するために外界から完全に隔離され、ビルを余計に傷つけたり、フェイト達を容易く守りながら周囲の被害を気にせず戦え────お話できるだろう。
なので、レイジングハートをいつものように肩にかける。
「Master, what are you trying to do?」
レイジングハートが敵を前に何をするつもりだと問いかける。
それに答えず、私は迷わず詠唱を始める。
「───体は剣でできている」
私のあり方は剣そのものだ。
「えっ…?」
ユーノがぽかんとしていた。
「───血潮は鉄で、心は硝子」
「───幾たびの戦場を越えて不敗」
少女特有の心地よいソプラノボイスと共に体から溢れ出る魔力が共鳴するように不気味に空間内に広がっていく。
この感覚も久々だ。
「貴様、一体何のつもりだ」
この場から脱出を試みようとしたシグナム達を巻き込むように莫大な魔力が迸り、包囲していく。
それに思わず彼女達の足が止まる。
「───ただ一度も敗走もなく、」
「───ただ一度も勝利もなし」
「させるか!」
「てやぁ!」
何かしらの異常さを感じ取ったのか魔法を使って斬り込んでくるが、それを熾天覆う七つの円環であっさりとかわす。
「このシールドは!?」
「こりゃさっきの───!?」
今の私はPT事件の際にエミヤから憑依経験で技能を習得したために、七つの円環の強度は以前を上回る。二枚ほどで攻撃は防げた。
魔法では見たことがないシールドにまた自分達の攻撃が防がれたことに彼女達は驚きを隠せずにいた。
「───担い手はここに独り」
「───剣の丘で鉄を鍛つ」
莫大な魔力を用いて衛宮士郎という青年、そして今は高町なのはという少女の生き方そのものを表した詩を紡いでいく。
「───ならば我が生涯に意味は不要ず」
「───この体は、」
「───無限の剣でできていた!」
詠唱を終えると、そこはアーチャーと少し違った無数の剣が刺さった砂漠の大地が広がる世界が出来上がっていた。
───これこそが、己に許された魔術だ。
「これがなのはの固有結界…」
「なのは…これは一体……!?」
「マスター、すごーい!」
「なのはちゃん───ここってどこなの?」
「これは…なのははあいつと似た世界を作れるのかい」
フェイト達は口々に驚きを口にした。
特にPT事件の最後で現場にいなかったため初めて固有結界を直接目にするすずかやユーノは仰天していた。
「まだすずかちゃんやユーノ君には見せてなかったね。これが私の心、そしてそれに付随してできた固有結界という場所。昔はこれとちょっとした魔術しか使えなかったけど、今は別の魔術も使えるの」
エミヤの展開した固有結界と違い、孤独ではあるがあまり悲しさは感じないのがフェイトには不思議であった。
それは彼女が抱く『正義の味方』という果てなき理想が切嗣から受け継いだ偽善で借り物であったとしても、そうあれることが悲しい自己犠牲の上に成り立っているものではなく、どんなに辛くても美しい『この世に溢れているたくさんの地獄を覆してほしいという』願いが始まりにあるのだと理解したことを反映した世界だからだ。
「な、なんなんだよこりゃ!?さっきまで封鎖結界の中にあたし達はいたよな!?」
「か、完全に閉じ込められちゃったよ!?」
「なんなのだこの世界は。別の時空世界へ飛ばされた、というわけではないようだが。世界そのものがまるで変わっているのはわかるが…」
「ふむ、どうやら我々は完全に外界と隔離されているようだな」
一番驚いているのは急に封鎖結界ではない、別の時空でも管理外世界でもない彼女が支配する本来であれば死徒のみが使える魔術が作り出した固有結界の内部に連れてこられた彼女達だ。
「なんだかよくわからないものまで取り込んじゃったけど、まぁいいや。ここならゆっくりみんなでお話できるよね」
どうやら、素知らぬ猫の使い魔のようなものまで取り込んでしまったようだが、そんなことは今は些細な事だ。
この世界の主人である私の顔は笑っていたが、内心はまったく笑っていなかった。
先程の騒動といい、これといい、どうも最近は少し直情的になっているから判断が鈍り良くないなと感じながらも、理由も知らされないままいきなり有無を言わさず襲ってくれば、温厚な自分でも怒る。
「ふざけるなー!!」
「ちょっと落ち着いてもらえるかな?───
先程の少女が怒り心頭でデバイスを使って殴りかかってくるが、無意味だ。
私の近くに刺さっていたフランスのシャルルマーニュ十二勇士、英雄ローランが死ぬ間際まで使い、異教徒に渡さまいと岩で壊そうとしたら岩を斬り裂いたという名剣デュランダルを魔力を込めてから大地から引き抜き射出させ、飛行してくる彼女の近くに着弾させてから壊れた幻想で魔力を爆発させることで元いた位置まで引かせる。
今はわざわざ向こうに喧嘩を仕掛けさせる隙を与えるつもりはない。
「なんなんだよ!いきなりなんだかわかんない剣があたしに飛んで…しかも爆発した!?さっきの意味の分かんない剣といいコイツが使うのは剣を作る魔法かなにかなのか!」
「ううん、違うよ。私の魔術は剣を作るんじゃなくて、自分の心のあり方を形にしているだけ。無限に剣を内包した世界を作る、それが高町なのはに許された魔術なの。お望みであれば偽物だけど聖剣、魔剣、宝具、どんな剣でも出すよ?」
そう告げ一歩、彼女達の方へ足を運ぶ。
「もしかしてなのはは剣そのものにも魔力を込められる?」
「そうだよ、フェイトちゃん。前の矢にアレンジした剣もそうだけど、今のは魔力を込めてアレンジしたのを飛ばしたの」
振り返らずに彼女の疑問へ応える。
「魔術…魔法じゃないんですか?聞いたことが無いです」
シャマルがそんなの知らないといった感じで声を上げる。
───知らないのは当たり前だ。冬木の並行世界であるこの世界には私が知る限りでは魔術師はほとんど存在しない。
自分がじりじりと歩み寄っていくが、またどこから剣が飛んで来るかわからないため四人はその場から動けずにいた。
「いったいどうして私を襲ったの?理由を聞かせて欲しいな。私だってわざわざあなた達と喧嘩をしたくないし」
「ちっ!」
リーダー格のシグナムがついにしびれを切らしたのか、魔法を使いながら飛びかかってきたがそれを身体強化を施した体で手にした干将・莫耶で彼女の魔法を斬り裂きながらなんともなく受け止める。彼女の魔法と一撃の重さなど、アーチャーやセイバーの攻撃に比べれば普通に耐えられるレベルだし、今は倒す理由もない。
そんな情けが余計に彼女達に恐怖を植え付けた。
武器となるはずのインテリジェントデバイスを背負っており、バリアジャケットがあるとはいえシールドを展開することもなく攻撃を普通の剣で受け止められるはずなどないと思っていたのが余計にであった。
───今なら貯蔵魔力の残量は六割弱。まだ固有結界を展開する時間の猶予はあり、どうにでもなる。
「インテリジェントデバイスや魔法でもないのに、どこにでもありそうな剣で私の攻撃を受け止めただと!?」
驚く彼女にこう告げた。
「これは偽物でも英雄が愛用していた武器だからね。話し合いもなしにすぐに斬ろうとするならちょっと怒っちゃうよ。私はあなた達とできれば戦いたくないし、戦う理由もない。あなた達が私と戦う理由があるならきちんと聞かせてほしいし、その上で何か役に立てることがあるなら出来る限り協力したいの。でも…そう言っても戦うというなら全力全開であなた達を倒す!」
そう告げると手にしていた夫婦剣を消し、適当にまた近くに刺さっていた一度夢で見たセイバーが折れるまで使った選定の剣、
「いくよ、襲った皆さん───魔力の貯蔵は十分かな?」
殺気がこもった鷹のような鋭い目で睨まれた四人は怯む。
この少女の目は、蒐集のために魔導師のリンカーコアから魔力を奪い取り結果的に魔導師が死んだ程度のヴォルケンリッター達がしてきたような生ぬるい相手ではない、必要とあれば人殺しもまったく躊躇しない魔導師であると感じた。
───実際には、牽制程度で殺すつもりはまったくないのだが、彼女達を威嚇するには十分だった。
ついにヴォルケンリッター達と接触した高町なのはちゃん、彼女は彼女たちがなぜそのようにするのかを知り、『正義の味方』としてある決断をします。