「酷い目に合った。」
「酷い目に合ったのは私達の方よ。何で鬼と宴会なんて開いてるのよ。」
俺と霊夢、魔理沙の三人は地底入り口に向かって歩いていた。
…全員死にそうな顔で。
原因は鬼との宴会だ。
なんでも鬼十数人を相手に全員倒したのをほとんどの鬼が見ていたようで、「お前強いんだな!どうだ?一緒に飲まねえか?もっとも、答えは聞いてないがな!」と言われ、連れ去られた。
というよりも道中でそう言われた。
地霊殿から連れ去られた俺は鬼の宴会に無理矢理参加させられた。
霊夢と魔理沙は意識のない俺を見つけたはいいが、鬼に捕まり(勇儀に)結局意識が飛ぶまで飲まされたらしい。
「それで地底の入り口って何処なんだ?全く見えないが…」
「もうすぐよ。いつもいつもうるさいわね。歩いてればそのうち着くんだからいちいち聞かないでよ。」
「分かったよ悪かったな。」
…………………
話すことがない。
世間話をするにも互いに知っている情報に違いがありすぎる。
なら幻想郷の実力者のことでも聞くか。
紫から言われてたし。
「着いたぜ。」
…聞く前に着いたようだ。
(また今度にするか。)
「そういえば琴羽、鬼に襲われなかったの?」
俺が鬼との宴会に参加した経緯は説明を省いていた。
簡単に説明をしたせいで、説明してないことが多くあった。
(次からはもっと詳しく説明しよう。)
「ああ平気だ。こいしがいたしな。」
「そうなの?鬼のことだからすぐに襲ってきてると思ったのに。」
…何か割と霊夢って鋭いな。
まあ、襲ったのはむしろ俺だけど。
「そうでもない。さとりのとこにに連れてってくれたのも勇儀だしな。そつちは平気だったのか?」
「宴会に全員行っててほとんど見なかったわよ。」
「そうか。しかしこの穴やっぱ深いな。」
「そんなに深い?」
「私達は慣れてるからな。」
「あんま長い間飛ぶと疲れんだよ。こっちは元々普通の人間だぞ。お前らみたいに慣れる程能力も使ってねえし。」
「まあそうね。でもちゃんと飛んでよ?」
「分かってるよ。早く帰んないと仕事の準備も出来ねえしな。」
「そういえばいつから仕事は初めるの?」
「ん?挨拶周りの為に一応一週間後になってるが…」
「そう。紫から行った方がいい人のことは聞いてる?」
「行った方がいい?幻想郷の実力者に会えって言われたぐらいだ。」
事実いままで会った奴らも、少なくとも妖怪の山の奴らはその中に入るのも居るだろう。
いや、山大きさ的に会えてはいないかもしれないな。
「実力者に会え?誰かっていう説明は受けなかったの?」
「誰か知らないから気になってんだよ。実力者ってあやふやな言い方じゃ何人いるかもわかんねえ。まあ会った方が良い奴らは何人か聞いてるが、この山の奴はその中に入るとはいえ明らかに弱い。実力者とは言えない。」
「まあ実力者なんて決まってないわよ。要はこの世界で権力をある程度持ってる人のこと。会った方がいいのは…多分役立つって意味だと思う。」
「役立つ?……あー永琳とかニトリは薬やら機械やら使えそうだったな。確かに役には立ちそうだ。」
「誰か覚えてる?その二人以外。」
「そうだな…二人を除いたら風見、霖之助、アリス、パチュリー、慧音、…多分これで全員だ。」
「う~ん二人と慧音は分かるけど、他は特に琴羽の役に立つとは思えないわね。」
(?でもパチュリーとアリス?二人が使うのは魔力。関係があるなら…)
急に霊夢が黙り込んだ。
何か考えているようだ。
なにか会ったらまずい奴でもいたのか?
『…………』
(何で急に二人共黙り込むんだぜ!)
全く状況が理解出来ない。
しばらく黙ってたのも駄目だとは思ったけど急な沈黙を破る程図太くもない。
喋ることも出来ないので自分も黙ってしまう。
(どうする?別に喧嘩して黙ってる訳じゃないし喋ってもいいか?……無理だぜ!どうしたら…どうしたら…)
「霊夢さーん。魔理沙さーん。」
(あれは…椛!ナイスだぜ!)
沈黙を破ったのは椛だった。
(誰がまずかった?つか霊夢が会いたくない奴なんてそんなにいないはず…)
「霊夢さーん。魔理沙さーん。」
「?椛か。」
「琴羽さん見つけたんですね!」
「椛ぃ!凄ぇいいタイミングで来てくれたぜ!」
「え、ちょ魔理沙さん!?」
なんか魔理沙が凄く興奮してる。
(何だ?)
同じことを霊夢も思ったのか同じく疑問を感じてる顔をしている。
「それで椛?何か要か?」
「あ、いえ別に。単に能力で三人を見つけたので。」
「あー琴羽?椛も心配してくれてたのよ?」
「そうなのか?」
「ええ心配はしていました。特に鬼に襲われなかったかですが。まあ見つけたのは偶然ですし琴羽さんの迷子の原因の一つは妖怪の山の責任ですし。」
「そうか。心配掛けて悪かったな。鬼なら割と友好的だったぞ。あとニトリは責めないでやってくれ。一人で大丈夫って言ったのは俺だしな。」
「そうですか。まあもとより責めるつもりはありませんよ。説教ならすでに終わってます。」
「そうか。ならいい。」
「ねえ琴羽?帰りに香霖堂に寄っていかない?前は結局行けなかったし紫に会った方が良いって言われてるんでしょ?」
「そうか。確か香霖堂があんのは魔法の森の里側か。じゃそうするか。」
「じゃあ私は様子見に来ただけですし、仕事もあるので帰りますね。」
「ああ。じゃあな。」
「妖怪には気を付けて下さいね。」
――香霖堂
「香林ー。いるかー?」
「……また魔理沙かい?む、今回は霊夢も居るのか。はぁ。」
奥から出てきた店主であろう男は、二人を見るなりため息をついた。
「今度は何を盗りに来たんだい?」
「な!?別に盗ってなんてないぜ!死ぬまで借りるだけだ!」
「そうよ!」
「またそう言って店の物を盗りに来たんだろ?全く……ん?後ろの彼は誰だい?」
「ん?俺か?あーまあ俺は外来人だ。紫にあんたに会っとけって言われたから二人に案内してもらったんだよ。あと魔理沙?死ぬまで借りるは泥棒と変わんねえから止めとけ。」
「二人に堂々と注意してくれるということは君は結構まともな人みたいだね。僕は森近霖之助。この店の主だ。外界のものもいくつか取り扱っているし、必要なら来てくれ。」
「俺は宮代琴羽だ。なら金が出来たらたまに来るよ。」
霊夢と魔理沙が騒ぐのを無視して、俺と霖之助は軽く挨拶を終えた。
「そうだ。琴羽君。ここでバイトする気はないかい?外の世界の道具は僕には分からない物も多くてね。」
「いや、折角だが遠慮しとくよ。その代わりたまに来た時に見せてもらえればその道具の用途位は教えるよ。」
「そうか。それでも充分助かるよ。」
「じゃ挨拶に来ただけだしもう帰るな。魔理沙、霊夢、行くぞ。」
「む~分かったわよ。」
「ああ。また来るといい。」
よし今日はもう帰ろう。
まだ昼だけど疲れたし寝る。
そう決めた俺は足早に店を出た。
ありがとうございました。なんか話ほぼ進みませんでしたね。でもどこ行くかは出してますね。多分順番はランダムです。では。