東方独団記   作:十六夜凜

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こんにちわ。そういえばこの作品下の方の空白が多いのですが、半分はわざとやってます。ただミスって予想より増えるだけなんです。あとこの章だけで戦闘ニ、三回あります。話の構成的に戦闘多いのは仕方ないです。あと括弧の付いてないところの表現少しいつもと違います。ではでは~


第二十一話 天力の解放

『本当にそれでいいのか?』

 

何もない空間の中、少年は呟いた。

距離が遠くて顔も分からないのに、声だけが頭に響いてくるように聞こえる。

 

それでいいか?

いいもなにも関係ないだろ。

俺には選択肢なんてないんだから。

頭押さえつけられて、魔力は空っぽで、出来ることなんて何もない。

どう頑張ろうが、死は絶対に来るものだ。

それが今だった。

ただそれだけのことだろ?

 

何故か声が出なかったが、少年は俺の言いたいことを分かっているようだった。

 

『…もう一度聞くぞ。それでいいのか?』

…………いいわけがないだろ。

何も出来ずに死んでいくことが…願いも叶えられずに死んでいいと思うわけがないだろ。

でも駄目だった。

俺は結局、力を持たないただの人間と変わらないんだよ。

世界を跨いでも、俺は弱いままだった。

守りたいものがあった。

助けたいものがあった。

なのに俺は何も出来なかった。

いつだってそうだった。

自分で願いを捨て去って、自分で居場所を消してきた。

俺の願いは叶わないものばかりじゃなかった。

きっと叶うものだってあった。

親友や家族と一緒に居たい、その場所を守りたい、俺の願いはいつもそんなことだった。

だけど…叶ったことなんてなかった。

結局は俺のエゴでしかなかった。

何もないからこそ、何かが欲しかった。

俺が手に入れたのは、願いと体よく言った汚い欲望だ。

大天狗だって、白狼天狗達だって、助けたかった。

でも、こんな考えだって、強欲の証明でしかなかった。

俺はそんな欲望しかない俺自身が、どんなものよりも「大嫌いだ!何も出来ないくせに欲望ばかりが増えていく。大天狗を助けることも、出来なかった。…なあ、教えてくれよ?俺が生きる理由をさ。強くなる方法をさ…」

 

いつの間にか声の出るようになっていた俺は、涙を流しながらその少年に救いを求めた。

少年は全く読めない声音で話始めた。

 

『それがお前の望みだろ?お前は救いたいんじゃない。救われたいんだ。お前は弱くなんてない。お前の本質は自分より他人ってことだ。自分の為に他人を救おうと考える奴が弱いはずがないだろ?俺はお前を救える。気付いてるだろ?大天狗が正気じゃないことぐらい。こいつを倒すんだ。俺達であいつを救おう。それがお前の救いになる。』

 

どうすればいいのか、どうするべきなのか、最初から知っていたように頭に浮かんだ。

 

「……お前は誰なんだ?どうして俺に協力してくれるんだ?」

『俺はお前さ。能力とでも考えてくれ。俺はな、お前に感謝してるんだよ。生きてることにな。俺が協力するのは、俺の為さ。…さて、ここは精神世界だ。時間の進みは現実とは違う。現実に戻れば、お前はまだ押さえつけられてる。ここからは、もう分かるな?』

「ああ。存分に使わせてもらうぜ。お前の力…」

能力との会話を終え、俺の意識は消えていった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

現実に戻った俺は、自分の頭を押さえつけている大天狗の腕に向かって、新たなスペルを唱えた。

「天上『天風貫雷』(あまかぜのかんらい)!」

直後出た雷は、大天狗の腕を貫通し、雷から散った風は鎌鼬となって大天狗を切り裂いた。

『ガアアアアアアァァァァ!?』

瀕死の相手が急に動きだしたことに対し、大天狗は意味が分からないというように、また体の痛みから雄叫びを上げた。

新しいスペルは二つ。

この戦いにのみ、この一瞬にだけ使えるようにされた、“風のスペル“。

『ガアアァァァァ!』

予想通りの反撃に、再びスペルで対応した。

「幻符『影槌拳』!」

狙い通り飛んできた攻撃を難なくかわし、全力の拳を大天狗の脚に叩きこんだ。

動けなくなった大天狗に向かって、与えられたもう一つのスペルを唱えた。

「解放『付与術消去』(エンチャント デリート)」

静かな声で唱えたそのスペルは、大天狗の体を風で包み込み、晴れる頃には大天狗は意識を無くしていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




戦闘のある回の文字数いつもより少なくなるかもです。
この作品では致命的ですが仕方ありません。今回戦いは終わったけど、最初いた藍と橙が琴羽戦闘中何してたか次の回で出します。あと、オリスペカには振り仮名振るようにします。では。
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