博麗神社より出て、快晴の昼頃俺は―――霊夢と共に森を歩いていた。
博麗神社に居たときに人里はここから少し行ったところにあると聞いていたが、実際は飛んだ場合はだった。
今歩いているこの森は魔法の森と言うらしい。
霊夢が言うには「森直進した方が速いし、香霖やアリスも家が近くにあるから挨拶してくれば?」らしい。
香霖やアリスとは誰だ?と思ったが会えば分かることだ。
どうせ幻想郷の住人には人以外にも挨拶はしようと思っていた。
何故人以外もなのかは、紫がそもそも妖怪だからだ。
森を歩いていたら一つ家があった。
霊夢の話だと森の中にアリスの家、人里側に森を抜けると香霖堂という店があるらしい。
となると多分アリスの家だろう。
迷わず家に向かう霊夢にとりあえず付いていくことにした。
どうせ道が分からない。
何故霊夢はこんなに嬉々として歩いているのか?
「アリスー居るー?」
霊夢が叫んだ。と思ったら「シャンハーイ」と言いながら一つの人形が出てきた。
(……これがアリス?)
と思っていたら「上海アリス居る?」と霊夢が言った。
なるほど上海と言うのか。
「シャンハーイ」と言いながら人形は部屋へ戻って行った。
「居るみたいね。」
どうやらアリスとやらは部屋に居るらしい。
というかなんで今分かったんだ?
「じゃあ琴羽は少し待ってて。」
「…は?」
「アリスって凄い人見知りでね。家からあまり出ない程なのよ。だから貴方のことに関しては言っておくから少し待ってて。」
「……分かったよ。」
まあ、別に挨拶位しなくてもいいだろ。
「じゃあ暇潰しにその辺ぶらぶらしてくるわ。」
「それなら人里にもう行っとけば?」
「道分からんし知らない不良が一人で来たら皆怖がるだろ?だから待ってるよ。」
「…ならあまり遠くまで行かないでね。」
「ハイハイ。」
俺は霊夢が部屋に入ったことを確認してから「行くか。」と呟いて歩き始めた。
周りを少し見ただけで、そこが自分の知る世界じゃないことは一目瞭然だった。
見たことない花や草、キノコ、虫。下手したら空想上の生物も居るのではないか?
「!?」
草の方から物音がした。
俺は咄嗟に構えた。
(下等妖怪か?)
そう思ったが出てきたのは商人と思われる男だった。
その男の顔はひどく怯えていて、何かから逃げてるようだった。
「あんた、大丈夫か?」
「助けてくれ追われているんだ!」
(妖怪か?とにかく霊夢を呼びに行こう。)
俺は霊夢のところに行こうとして後ろを向いた。
(………?なんだ?)
しかし少し嫌な感覚がきて、俺は再び男を見た。
そこには――――血しぶきをあげて倒れる男の姿があった。
嫌な感覚というのは、男の出血によるものだった。
「!?」
俺は頭で考えるよりも先に男を喰っている狼を殴り飛ばしていた。
助けられるかもしれないと思ったからだ。
しかし男は即死していた。
「人の食事邪魔するたぁいい度胸じゃねえか」
(―――まずい!)
「そんなに喰われたきゃとっとと死になぁ!」
まずいと思って俺は後ろに飛んだ。
瞬間、さっきまで俺が居たところに鋭い爪が刺さっていた。
「避けんじゃねえよ!」
蹴りが飛んできた。
反応しきれず直撃をくらった。
直撃をうけた俺の体はボールのように飛んでいった。
かなり離れたところにあった木にぶつかって止まったが、体中にとてつもない激痛が走った。
だが俺には痛み以上に別の感情が沸き上がっていた。
その感情は――怒り。
目の前で人間を殺されたことからくる殺意。
何故ここまで自分が怒っているのかも分からない。
しかし体は思考より先に動いていた。
俺は無意識に能力を使っていたのだろう見に覚えのない刀が手に握られていた。俺はただ、本能に動かされるままに、走り出していた。
「どこ行きやがった?折角今日は二人も人間を喰えると思ったのによぉ。」
(見つけた。)
「ああ?」
俺はそいつに姿を晒した。
「おお!自分から喰われに来るたぁ本当に死にたがりだなぁ!」
―殺す
「今度こそ死ねぇぇぇ!」
「てめぇが死にやがれぇ!」
俺は刀をそいつの頭目掛けて振り下ろした。
「―ッ!」
爪によって弾かれた。
続けざまに蹴りを放った。
人間の脚力じゃ妖怪には効かないだろうが、狼の体は後方に大きく吹き飛んだ。
殺意から目を覚まし、心を落ち着けてから狼のところに行こうと考えていた俺は、戦う前に能力のことを考えていた。
その時、本能により出現した刀を見て少しの違和感を感じた。
刀を持っている、いや刀を造り出した俺の右手から、普段からは考えられない程の力を感じた。
だから俺は自分の能力は武器を造る能力だけじゃないと判断した。
自分自身の力を強くする能力。
霊夢でさえ把握出来なかった俺のもう一つの能力は、
[自身に武器の力を付加する能力]
あの刀を持った手には、普段以上の握力や、金属の擦れる音が聞こえた。
おそらく刀の性質の一つ、金属としての硬度が付与されていたのだろう。
俺は吹き飛ばした狼に足に弾丸の力を加え、一瞬にして追い付いた。
「止め…!」
もう遅い。
俺は腕に槌の力を加え、容赦なく刀を振り下ろした。
激しい轟音が辺りに響き渡った。
ありがとうございました。はい終わり中途半端です。仕方ないんです!…モンハンやドラクエがしたいんですよ。