東方独団記   作:十六夜凜

38 / 66
今回最初と最後以外琴羽の精神世界に出てきた新キャラ目線です。あとレミリア。あと新タブは憑依です。まも一個ありますが、多分もう分るでしょう。もう数話でタブ付け……できればいいですねぇ。
ではでは~


第三十六話 虐殺

(何故あんな記憶を見せた?何故俺はあんなことをした?何故……何故……?)

疑問しか浮かばない。

俺には何も分からない。

忘れていた記憶を知れた。

失ったものを知った。

それはあまりにも大きく、あまりにも、残酷な現実だ。

親を殺した。

兄弟を殺した。

親友を殺した。

俺に取り付いた何者かが、皆を殺した。

でも嗤っていたのは、他でもない、俺自身だ。

(俺は、一体何者なんだ……?)

自分が分からない。

壊してきた俺に、何を守る資格がある?

(自分を、知りたい……)

俺の心の声は、静かに消えていった。

 

 

 

 

鮮血が噴き出た。

腹に穴が開いた。

目の前まで爪が迫っている。

(それがどうした?)

迫ってくる獣を、殴りつける。

その殴打は、獣を地面に埋め込んだ。

何が起きたかを理解出来ず、もう一度迫ってくる。

それをもう一度殴りつける。

方向的に紅魔館を貫通する。

「どうした?何故動けるのか気になるのか?」

やはり困惑の表情を浮かべる。

腹は開いたまま。

血は流れたまま。

そんな相手から攻撃を受け続ける。

何故死なないか。

何故動けるか。

困惑の理由はそんなところだろう。

「この程度で倒れるのは人間ぐらいだぜ?」

俺は正確には人間ではない。

琴羽と入れ替わった。

琴羽の能力は使えないが、人を超えた能力を使える。

腹に穴が開いた程度なら痛みにもならない。

『グルルルゥゥゥゥゥ!』

「獣らしい声じゃないか。」

警戒して距離を取る。

「はは!距離を取ったところで…無駄なんだよ!」

離れる獣に、攻撃を仕掛ける。

地面より突き抜けた針は、その腕を貫いた。

『ガアアアアアァァァァ!』

「痛えか?痛えよなぁ!もっと鳴けよ!獣らしくなぁ!」

針は出現を続ける。

地面から、何もない空から、その針は獣に向かって迫り続ける。

俊敏な動きで避け続ける獣は、こっちに攻撃を仕掛ける暇もない。

「避けんのはうめぇみたいだな。なら、これならどうだ?」

針に代わって黒炎が現れた。

獣を囲って焼き続ける。

『アアアアアアァァァァァァァァァァ!』

黒炎を纏った針は、獣を貫く。

貫き、焼き、引き裂き、溶かす。

この炎の特性は、溶解と焼却。

獣を嬲って殺し続ける。

その行いに笑いが止まらない。

数千年ぶりの外。

数千年ぶりの解放。

(この感覚だ…!もっとだ……もっと嬲ってやる………!」

いつの間にか妖力の結界は消えていた。

 

 

 

 

 

フランの張っていた結界が消えた。

妖力が完全に消え切ったわけではないから、フランが死んでいるわけでも、意識を失ったわけでもない。

ただ結界は消えた。

なら、私たちが行かないわけにはいかない。

「咲夜、行くわよ。」

私は従者にそう言った。

「はい。お嬢様。」

「当然私も行きますよ!」

その言葉を、従者たちは快く頷いてくれた。

「私も行くわ。こあも行くわよ。」

「もちろんです!パチュリー様!」

従者に続いて親友も来てくれるようだ。

急いで行かなければ。

 

 

 

 

「はははははは!」

着いた私たちは、その目を疑った。

あの人のことしか考えてないような少年が、既に倒れているフランに向かって手を振り下ろし続けている。

見たことのない能力で。

見たこともない顔で。

その手を止めるつもりはないようだ。

その状態のままこちらを見た。

「あ?ああ。お前ぇらこいつの家族だったか?今更来たのか。まあいいか。とにかく今は………暴れてぇ!」

その手をこちらに向けてきた。

黒い炎が迫る。

咄嗟にパチェが水の盾を張ってくれたおかげで、炎は防ぐことが出来たが、貫通して針が飛んできた。

「パチェ!」

「レミィ!彼を止めなさい!」

あんな能力は見たことがない。

彼の使う能力は創造と付与。

どう応用してもあんな使い方は出来ない。

「レミィ!」

「!咲夜!拘束を!」

咲夜が時間を止めて拘束すれば、動きを止めることは出来る。

しかし……

「すみません、お嬢様……能力が…効きません!」

「な__!」

咲夜の能力が効かない相手は、今まで見たことがない。

「よそ見してる暇があるのかぁ!?」」

針が飛んでくる。

「くっ!」

避け続けるが、数が多い。

上から下から飛んでくる。

これを続けても、いずれ倒される。

(もう、耐えているだけでは時間の問題だ…………)

皆を守るために、戦うしかない。

「パチェ!攻撃しなさい!殺す気でかからなきゃ殺されるわよ!」

後ろで咲夜を守り続けるパチェに、そう伝えた。

「…………いいのね?レミィ。」

「………ええ。」

「…水符『プリンセスウンディネ』。」

水色の弾幕が、大量に放たれる。

「……やればできるじゃないか。もっと抵抗しろよ?黒炎!」

その全てが燃やされる。

「!そんな…仮にも水のスペルなのよ……?」

「スピア・ザ・グングニル!」

その炎をなんとか弾く。

「ここからは私が相手になるわ。これ以上、彼も、フランも、傷つかせない!琴羽を返せ外道!」

私にしては感情的になってしまった。

でも、これ以上彼の声で、姿で、こんな酷いことはさせない。

私の思いは、戦いの中に生きながら、行いへと変わっていった。

 

 

 

 

真っ白な空間、音のない空間、見覚えがある。

『琴羽、目を覚ませ。』

(誰だ?俺を呼ぶのは、一体誰なんだ?)

その声の主を、俺は聞き覚えがありながら、思い出すことが出来なかった。

 

 

 




特に説明もないし、終わります。では。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定
▲ページの一番上に飛ぶ  X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。