真っ白な空間。
止まった時間。
そんな場所に、俺は居た。
過去に誰かと話した場所。
俺が始まった場所。
目の前には少年がいて、こちらを見ている。
『琴羽、もう一度言うぞ。目を覚ませ。』
その少年は、俺に話しかけてくる。
(お前は誰だ?あれ?この声を俺は知っている?)
何も思い出せない。
自分が何をしてたのかも、何故ここに居るのかも。
『琴羽、お前はそんな簡単に壊れる奴だったか?』
(お前に何が分かるんだよ。俺だって自分が何も分からないのに。)
記憶がない。
でも、なにもかもどうでもいいことだけは分かる。
ただ眠い。
眠りたい。
『琴羽……』
少年が近づいてくる。
『目を覚ませ。記憶を拒むな。思い出せ。自分を。』
何を言っているか、理解できない。
『何回言わせりゃ気が済むんだ……!さっさと……起きろ!』
近づいてきた少年に殴られる。
勢いで飛ばされる。
「っ!何しやが………」
どう来たのか少年はすぐ目の前まで近づいていた。
『手前はそんな簡単に壊れてていいのかよ!外で何が起きてると思ってんだ!』
(何のことだよ……関係ねえよ……外ってなんだよ………)
『お前から言ったくせに……相棒だと思ってたのは俺だけなのかよ………!』
少年が悲痛そうな声を出す。
(相棒って……なんの……)
「っ____!」
(何だ!?頭が……痛い!?)
急に頭痛に襲われた。
『琴羽……フランを助けるんだろ……?なら、こんなところで壊れてんじゃねえよ!』
その叫びを聞いて、今までの記憶が流れ込むように思い出される。
天智のこと、フランのこと、それ以前の過去の記憶。
思い出した、なにもかも。
「天智……あいつは……どこだ?」
『!壊れてると心も読めねえんだよ……面倒掛けさせんな。』
「悪いな相棒。もう大丈夫だ。あいつはどこいにる?」
『……はは。お前の体奪って外で暴れてるぜ。』
「そうか。」
聞くなり俺は外に向かう。
明確な出口はないが、以前出た時は出ることを考えた。
今回も同じようにした。
『行くんだな、琴羽。』
「ああ。フラン助ける気だったのに傷つけた。なら、今度こそ救ってみせる。力……貸してくれるか?」
『当然だろ?まあそこまで協力出来ることはないが、お前が力を貸してほしいのなら、いくらでも貸してやる。行ってこい。奴のところに。』
「……戻ってきたら教えろよ?お前やあいつのこと。」
『分かってるさ。絶対に戻ってこい。』
「ああ。」
その空間は、黒の世界へと変化していった。
「ハハハハハ!その程度で吸血鬼なのかぁ!?相手にもならねえなぁ!」
俺は、黒炎と針だけで吸血鬼と魔法使いを圧倒していた。
人間は戦う術もなく、悪魔は戦力外。
格闘家は針で貫かれ死亡……に見えるがあいつも妖怪。
その程度では死なないだろう。
しかし戦闘不能状態にあるのは変わらない。
実質吸血鬼と魔法使いしか戦っていない。
「パチェ!魔力はまだ持つ!?」
「平気よ。でも、スペルはあと一枚が限界。」
どうやら魔法使いはもう限界らしい。
(暴れるにはもの足りねえな……)
そんなことを考えていると、急に頭痛に襲われた。
「……!?動かない!?」
体が動かなくなった。
理解できずに困惑していると、そんな隙を吸血鬼たちが見逃すわけもなく………
「動きが止まった……?今なら…………!」
「レミィ!」
「分かってる!『紅色の幻想郷』!」
「水&木符『ウォーターエルフ』!」
それぞれの弾幕が大量に発せられる。
「しまっ………!」
その全てをくらう。
「ガアアアアアアアア!」
(一体あれは………?)
その瞬間辺りが暗転した。
「来たな。」
天智はこの世界には来れないらしく、一人でいた。
世界への侵入。
それは精神を最も蝕む行為。
案の定目的の相手はここへ来た。
「ここは……?」
「よう。さっきぶりだな。」
来たばかりのそいつに声をかける。
「お前………!?」
「何故俺がここに居るのかって顔だな。」
「馬鹿な!なぜお前はそこまで平静としている!?あの記憶を見て、何故壊れない!?」
「………一度は壊れたさ。それを救ったのは他でもない。俺の相棒さ。」
「!……天智……!」
天智に激怒しているようだ。
当たり前だろう。
自分の邪魔をされて怒らないものなどいないのだから。
だからこそ俺は言ってやった。
「怒ってるのがお前だけだと思ってんじゃねえぞ……」
「……何が言いたい。」
「フランやレミリアを傷つけておいて、簡単に許されると思うな。戦え。叩きのめしてやる。」
「……お前ごときが俺に勝てると?」
「逆に聞くぞ。たかが俺の別人格の分際で、俺に勝てると?」
「減らず口を。いいぜ、相手してやる。お前を殺して俺が本物になってやろう。」
「やってみろよ。地獄の断罪者。天智から聞いてるぜ?お前の能力を。」
「くく。能力を知ってれば勝てると?」
「お前の能力、『獄を操る程度の能力』と、天智の能力、『天を操る程度の能力』。どっちが強いと思う?」
「俺が天智に負ける?ありえないな。」
「能力の相性は考えた方がいいぜ?」
「必要ねえな。殺す奴の能力なんざ知ったことかよ。」
「それがお前の敗因だ。後悔するんじゃねえぞ。」
「ならその慢心がお前の敗因だ。そっちこそ、後悔するんじゃねえぞぉ!」
その叫びを皮切りに、実体のない二人の戦いは始まった。
最近パソコンで書くようになったんですけど、誤字脱字ありませんかね?まああったら教えてください。オリキャラ多いんでフランの話が終わったら一度説明挟みます。では。