東方独団記   作:十六夜凜

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こんにちは凜です。主人公これからもっと強くなる気がします。ではでは~


第四話 少年の苦悩

殺した。

俺が殺した。

死なせた。

生物を。

あいつらと同じように。

死なせた。

殺した。殺した。殺した。殺した。

「アアアアァァァァァァ――!」

殺した殺した殺した殺した殺した殺した殺した殺した殺した殺した殺した殺した殺した殺した殺した殺した殺した殺した殺した殺した殺した殺した殺した殺した殺した

俺が、殺した。

生物の死を見たくないと思っていたのに。

もう死ぬところを見たくないと思っていたのに。

殺した。

殺してしまった。

「アアアアアアァァァァァァァァ―――」

 

 

 

 

突然轟音が鳴り響いた。

「何!?今の音!?」

(まさか、琴羽に何か!)

「アリス、少し様子を見てくるわ。ごめんね!」

私は家を飛び出した。

そして急いで音のした方へ走った。

「――ッ!」

少年の叫び声が聞こえ、その方角に足を向けた。

「――――!」

少年の姿が見えた。

しかし私は、その少年の、少年の前を見て、再び絶句した。

そこには――――少年により割られたと思われる地面と、その上に、真っ二つになっている狼の死骸があった。

その少年は、泣きながら叫び続けていた。

見間違えるはずもない。

その少年は琴羽だ。

琴羽が私を視界に入れた。

「霊…夢…」

と声が聞こえたと思ったら、琴羽は倒れた。

「琴羽!」

私は考えるよりも先に走り出していた。

私は彼を抱え込み何度も繰り返し名前を言った。

反応はない。

よく見れば彼の体は傷だらけだ。

いくら妖怪と戦っても、あの短時間で付く傷とは到底思えなかった。

私は彼を永遠亭に連れていくため、彼を抱えて飛んだ。

 

 

 

 

 

 

 

「いくら妖怪と人間が戦ったとはいえこんな傷が付くはずかないわ。」

目の前にいる医者、八意永琳は彼の傷を見るなりそう言った。

「その傷は大丈夫なの!?」

「命に別状はないわ。だけど、能力もない下等妖怪との戦いでこんな、内側から破裂するするみたいな傷を受けるとは思えない。彼の能力は武器を造る能力なのよね?」

「え、ええ。」

急に永琳は何かを考え始めた。

一分位熟考した後に彼女は口を開いた。

「もう一度能力を確認しなさい。もしかしたらこの傷は、彼の能力による対価かも…」

「―!分かったわ!すぐに能力を確認する!」

すぐに能力を確認するため儀式の準備を始めた。

能力を確実に確認するには多少の儀式が必要になる。

自身の血を流し、陣に垂らす。

霊力を琴羽の体に流し、陣の能力を発動する。

「少し離れて。」

琴羽の体が少しだけ光を放った。

「……分かったわ。彼の能力は二つ。武器を造る程度の能力とあらゆる道具の力を自身に付加する程度の能力よ。多分付加した時に琴羽の体が耐えられずに破裂したんだと思うわ。」

(どうしてこんな簡単なものに気付かなかったの……人の能力は一つとは限らないのに……!注意しておけば、こんな怪我をしなくて済んだかもしれないのに……!)

「そうゆうことか。」

「琴羽!」

目の前の少年は、目を覚まして起き上がった。

「つまり俺の能力には制限があるってことだな。」

「そんなことよりもう体は大丈夫なの!?」

「ああ。」

 

 

 

 

 

 

 

 

知らない天井がそこにはあった。

「…付加した琴羽の体が耐えられずに破裂したんだと思うわ。」

霊夢の声が聞こえた。

俺はその声を聞いて自分の傷が何故付いたのか把握した。

「そうゆうことか。」

「琴羽!」

俺は体を起こした。

「つまり俺の能力には制限があるってことだな。」

「そんなことよりもう体は大丈夫なの!?」

「ああ。」

能力に関して知ることができた。

どうやら俺の能力にも制限があるようだ。

体が耐えられるレベルの物。

それ以上は自身の身を滅ぼすだけということ。

「病院に連れてきてくれたんだな。ありがとう。」

俺は霊夢に礼を言った。

「そんなこと、貴方の能力を把握しきれてなかった私が悪いのよ。」

「お前がそんなこと言うなんてな。思いもよらなかったよ。」

「失礼ね!目が覚めないからずっと心配してたのに!」

本気らしい。

「体の頑丈さには自信があるんだ。そんな簡単に死にゃしねえさ。」

「人間なんだから、もっと体を大切にしなきゃ。」

「!」

(そうだ、能力を手に入れたとは言え、俺は人間なんだ。)

「あいつらとの約束じゃないか。」

「?琴羽?」

「何でもないさ。とりあえず家と仕事が必要だし、折角病院にいるけど人里に早く行きたい、行けるか?」

「何言ってるの!そんな体で!」

「残念だけど霊夢の言うとおりよ。貴方の傷は人間なら生きてるだけでもおかしいほどなのよ。」

知らない赤青の服を着た女性(おそらく医者)でさえも俺を止めた。

「ああ。傷のことか。それならもう……」

俺は体に付けられた包帯を外した。

『!?』

「治っているさ。」

「どうゆうことなの!?」

霊夢に叫ばれた。

「本当にどうゆうことなの!?貴方の傷は、人間なら確実に致命傷レベルだったのよ!?」

体の下腹部の左端、そして腕は破裂、更に肩は深々ときりさかれている。

確かに致命傷レベルではある。

人間なんて、腹の一部に穴が空くだけで死ぬ。

しかし俺の能力は、道具なら使用出来る。

「さっき霊夢の言ってたことを思い出せよ。」

「私の………まさか!?」

「そうゆうこった。能力で治した。」

「そんなに簡単に使いこなせるの…!?」

「順応性は高いんだ。薬の力を使うこと位は出来るさ。病院あるものくらいなら一般的なものなら知ってるしな。」

「何でそんなことが出来るの…?貴方はどれだけ人間を止めれば気がすむの!」

霊夢が知ってるとは思えないが、人を傷つけることに躊躇いはなく、目の前で人が殺されたというのに、逃げるよりも殺すことを考え、挙げ句自身に穴が空こうが構わず相手を殺しにかかる。

人間を止めたレベルではないが、十分普通とはかけ離れている。

俺は、あいつらとの約束を守る。

たとえ、人間を止めてでも。

「……………俺は決めたんだ。………約束したんだ。あいつらと。もう誰も、死なせない。死にはしないと。」

(駄目だな。こんなこと思いだしたくなかったのに。)

思い出さないために、人を傷付けて生きてきたのに。

殺さないと誓ったのに、妖怪だからと殺した。

「琴羽……?一体…何を…?」

「……霊夢、人にはあまり言いたくないことが一つは有るものだ。だから…あまりこの事については、聞かないでくれ。」

俺は精一杯の空元気で、全力の笑顔を作った。

「人里に行かせてくれないか?」

俺ってやつは、一体何を考えているのか自分でも分からない。

「………分かったわ。行きましょう。ただし、私から離れないようにね!」

「分かってるよ。」

「永琳、ありがとう。世話になったわね。」

「永琳って言うのか。世話んなったな。次来る時は遊びに来るよ。」

「今度は傷付けて来ないでよね。」

「ああ。」

俺は病院から出た。

「霊夢ー道案内頼むよ。」

(琴羽の根は、きっと優しい。誰よりも。だから、私は……)

「……ふふ。分かってるわよ。さ、行きましょ。」

「ああ!」

俺はこの世界で生きるための最初の一歩を踏み出した。

 

 




ありがとうございました。正直こうゆうの書くの難しいと思います。というかすごく難しいです。次は琴羽の過去を書こうと思います。では。
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