東方独団記   作:十六夜凜

43 / 66
今回から元の世界の話!章分けしますがこの章は十話もいかないと思います。あくまで元の世界の話なので。
ではでは~


第三章 元界生活
第四十話 子供


「うう……相変わらず紫の隙間は気持ち悪い…」

既に俺は、元の世界に戻っていたようだ……路地裏に。

幻想郷でこそ二週間しか経ってないが、こっちでは半年経っているらしい。

何でも、幻想郷と外の世界の時間の流れは違うらしく、また紫の能力にもう一人の俺の力が作用したことにより、紫の隙間内でさらに時間が狂ったらしい。

無間地獄を持つあいつの能力が作用したらしい。

(まあここに出るのは仕方ないか。確か学校の寮に部屋用意してくれたんだっけか。)

どうやってとは思いつつも、まずは通ってた学校に向かうことにした。

(さて、まずここはどこだろう。)

路地裏なんていくらでもある。

まずはここがどこの道なのか調べる必要がある。

俺は人通りの多い場所まで向かうことにした。

 

 

 

 

「…………」

何故俺が無言なのか、その理由は俺の目の前にあった。

「いや!離して下さい!」

「へへ、いいじゃねえか。こんな道通るってこたぁ少しは期待してたんだろ?」

「どうせこの人数逃げらんねえっつの。」

一人の制服を着た少女が、男六人に囲まれている。

見るところ学生、しかも一人は前に骨を折った奴だ。

助けるつもりはないが、向こう側に道路が見える以上、無理矢理にでも通った方が早い。

(はあ……しょうがない。)

「へへ……あ?」

「んだ手前?こいつの連れか?」

「どうした?」

俺の存在に気がついた男どもが絡んでくる。

「邪魔するってんなら痛い目見ることになるぜ?」

『はははははは!』

(下劣な笑いだな。やるか。つか何であいつは気付かないんだ?……まあいいや。)

「通りたいだけなんだが。」

「へ、どっちにしろこんなとこ見たんだ。ただで帰れると思うなよ?」

「や、やめて!そんな小さな子に乱暴しないで!」

少女が叫ぶ。

誰が子供だ、と思いながらも無視する。

その声を無視して男が近付いてくる。

「精々いい声で鳴けよ?」

一人の男が俺を殴ろうとする。

横の壁から破砕音がなる。

ただし、そこにあるのは蹴り飛ばされた男の姿だ。

『……は?』

「……え?」

「なあ、通せば別に追わねえぞ?」

何が起きたか理解出来ない男女の集団に声をかける。

「な、や、やっちまえ!」

「お、おう!」

「そうだ!」

「何びびってんだ!」

「面倒臭いな。」

 

 

 

 

「があっ!」

最後の男が倒れた。

周りの壁はかなり砕けてた。

(あ~あ、やり過ぎた。こりゃ早く逃げた方がいいな。にしても視点低いな。何でだ?)

「あ、あの……」

 

「こっちです!」

「そこの路地裏だな。」

 

「察か。一旦逃げるか。」

面倒事に巻き込まれたくないため、もと来た道を一度戻ることにした。

「あ……」

何か言いたそうな少女は無視して走った。

 

 

 

 

それからまた路地裏をさ迷うのも面倒になったので、能力を使わずに跳んだ。

能力を使った状態に慣れてはいたが、能力の後遺症に近いものなのか、通常の身体能力が普通ではなくなっていた。

おかげでただ跳んだだけなのに、五階建ての建物の三階まで跳べた。

そこから更に上へ跳ぶ。

(もう人間やめてんな。でも、人間らしくしなきゃな。)

種族は人間から変わっていない。

たとえ人の力を越えてるとしても、幻想郷に行く前となにも変わらない。

「………こんなこと、考えるだけ無駄だな。早く行かなきゃ夜になっちまう。」

自分の考えを一蹴して、学校を目指すことにした。

 

 

 

 

今は朝、当然人が多い。

さっきの少女も登校中に絡まれたのだろう。

人通りの少ない場所を探してとりあえず建物から降りる。

既に学校はすぐ近くにあったので、普通に歩いて向かう。

 

 

 

 

学校の教師用の入り口からインターホンを鳴らして校内に入る。

「ん?君、どうしたんだい?」

二十代程度に見える若い男性だ。

「お兄さんかお姉さんに届け物かな?」

「…………」

何かおかしい。

身長が低いとはいえ、少女も教師も俺を子供に見すぎだ。

高校生でも160cm程度の身長の人はいるだろう。

(何でだ?……後にしよう。)

「校長に用があるんですけど……」

「ああ校長先生に用か。ならここ真っ直ぐ行ったところにあるから、行ってみなさい。」

子供に対する口調だ。

少しむかついたが、話して面倒なことになるのも嫌だったので、早く行くことにした。

「……ありがとうございます。」

「ああ。じゃあね。」

若い教師は言いながら教務室に入っていった。

 

 

 

ドアをノックして校長がいるかを確認する。

「入りなさい。」

俺の知る声がした。

相変わらずのじいさんの声だ。

まあ口調的にそれでも三、四十代だろうが。

「失礼します。」

ドアを開けて中に入る。

「久しぶりだね。琴羽……弟くんかい?」

「は?いや、正真正銘宮代琴羽ですけど……」

「本当に琴羽くんなのかい?……鏡を見てみなさい。」

(は?何で弟に見えるんだ?)

鏡を覗き込んでみた。

そこには……150cmあるか程度の子供が写っていた。

「は……?」

「君はこの学校でも結構有名だったから、私も見たことはあるが、そんなに小さかったかな?」

「どういうことだよぉ!?視点低いのこれが原因か!つか何で縮んでんだ!?」

(紫か!?紫のせいなのか!?ざけんな!あいつ帰ったら叩きのめしてやる!)

「………どうやら原因も分からないようだね。まあ仕方ないだろう。原因も分からないのでは戻しようもない。とりあえずその姿で過ごすしかないだろう。」

「そんな……」

一生このままなら紫焼いてやる、そう考え、諦めることにした。

「もういいです……とにかく部屋の場所と、部屋の鍵だけください……」

「わ、分かった。」

校長から鍵を貰って寮へ向かうことにした。

「後で教室に向かうから、着替えたらまたここに来てくれ。」

「はい…失礼しました……」

挨拶だけして、校長室を後にした。

 

 

 

 

部屋の場所は変わっていたが、さすがに知っている場所で迷うことはなかった。

紫が置いていったのか、寮には制服と食料、キャッシュカードが置かれていた。

(これで生活しろってことか。まあ十分か。)

特に趣味がないぶん、食料さえあれば生きられる。

自分でも思ったが、現代の人間にしては色々と特殊だ。

だが今回はその特殊さが役立った。

とりあえず制服に着替えて校長室に戻ろうと、制服を取り出した。

……縮んだことを紫は確実に知っている。

その証拠に、制服は俺にぴったりの大きさだった。

 

 

 

 

 

 

 

 




こうゆうのって蓮子かマエリベリーのどちらかが出ると思うんですけど、琴羽の歳的に都合悪いので止めました。ベタな展開も創りたいんですよ。まあ現代では琴羽がどれくらい強いかの目安を作る意もありますがね。
では。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定
▲ページの一番上に飛ぶ  X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。