今度こそではでは~
「ねえ聞いた?今日転入生来るんだって!」
「転入生?」
私は目の前ではしゃぐ友達、天童 音々(てんどう ねね)に聞き返す。
噂話が大好きな彼女は、こうゆう話題を誰より好む。
私、結花 美友華(ゆいはな みゆか)は、噂話に全く興味がない。
だがこの子の明るい話し方に、私は自然と引かれていた。
「転入生って男だろ?男に興味はねえよ。」
そう言い放ったのは、化野 衛人(あだしの えいと)。
女好きの無節操男だ。
一応幼馴染なのだが、最近(一月前くらい)互いに気付いたばかりだ。
しかし、音々の性格も相まって、この三人でいることが多い。
俗に言う仲良しグループというものだ。
「でも昨日急に転入が決まったんでしょ?なんか面白そうな人が来そうじゃない?」
「私初めて聞いたけど、転入って昨日決まったの?」
「まあみゆはそういうの興味ないからね。でも不思議じゃない?昨日決まって今日転入。普通もっと時間かかるでしょ?」
「そういやそうだな。まあ急な引っ越しくらいよくある話だろ。」
「うーん……後で本人に聞いてみたら?」
「そだね。」
ドアを開けるとともに、担任の先生が入ってくる。
「全員座れー。朝のホームルーム始めんぞー。」
その声を聞いて、私達はそれぞれの席に戻る。
まあ集まっているのは私の席だが。
「えー聞いての通り転入生が来るんだが、残念ながらまだ来ていない。校長に聞いたら既に寮に行ったらしいからすぐ来ると思う。だから立ってもいいから教室出ないでしばらく待機していてくれ。」
先生が教室から出ないよう言ったが、特に教室から出てもトイレくらいしか行くところがないので、大人しく待つことにした。
~二分後~
「よーし全員座れー。ようやく来たぞー。」
どうやら着いたようだ。
私の席に集まっていた二人は、自分の席に戻っていった。
「教室を探して迷ったらしい。じゃ入っていいぞー。」
扉から現れたのは、朝の少年だった。
「入っていいぞー。」
俺の新しい担任教師の声が聞こえた。
一応二年として入れられると聞いた時は、勉強も追い付かないから丁度いいと思った。
担任も話しやすい性格で助かった。
だが教室の場所が違い、少し迷ってしまった。
次からは覚えておこうと決めた。
とりあえず呼ばれたので教室に入る。
「じゃ自己紹介よろしく。」
「宮代琴羽だ。」
さまざまなところで、俺の容姿から感想が飛び出る。
「男の娘……だと……!」
「かわいい~!」
「ちっちぇ~!」
(元の姿に戻りたい。)
そうしみじみと思った。
「静かにしろ。話したければ後で話しかけろ。宮代の席は……一例目の一番後ろな。俺は教務室に戻るからな。」
先生が出ていく。
先生が出ていった瞬間、周りの奴らが集まってきた。
「ねえ君本当に高校生なの?」
「身長いくつ?」
「今度遊ばない?」
鬱陶しく話しかけてくるが、何を言ってもこの見た目じゃ意味がない。
だがら落ち着くように言った。
それから質問攻めは授業が始まるまで続いた。
「え~じゃあここの問題………宮代。」
「ルート2i。」
「………うん正解。じゃあ次、衛人。」
「えーと……i。」
「よし、相変わらず外れだな。」
「先生!?」
「じゃ代わりに琴羽、解いてみろ。」
(怠い。もう寝ようかな。)
「琴羽?おーい?」
「え?あ、すみません。」
聞いてなかった。
どうやら数学の解答を求められていたようだ。
「……3。」
「正解!衛人はここ逆に解いたんだな。」
「え~もっかいチャンスください!」
「いいだろう!」
笑いが教室を覆う。
(怠いやっぱ寝よう。)
俺の意識は完全になくなった。
起きたら既に次の授業が始まっていた。
「琴羽~起きてるか~」
「起きてますよ……」
『あははははは。』
何故こうも教師は新しい生徒を面白がるのか……
(早く終わんねえかなぁ。)
「え~今日は知らせもないし、終わり。号令~」
「きりーつ、れー」
『さよなら~』
各々が終わったことに歓喜し、走って帰る者も多くいた。
俺も早く帰らなければならないので、早々に教室を出た。
いや、出ようとした。
「琴羽君、寮?」
「よ、よかったら一緒に帰らない?」
「そうだぜ琴羽。」
男女三人が話しかけてくる。
「悪い、急ぐから。」
「そ、そうか……」
「じゃ、じゃあね。」
「あ……あの!」
女子の一人が大声を上げる。
「あ…えと………朝は、ありがとう。」
と礼を述べてくる。
「朝なんかあったの?」
「う、うん、ちょっとね。」
なにか朝やったか?と思ったので、聞いてみた。
「なんかやったか?」
「………」
『え………』
「ん?」
『琴羽、朝の不良。』
(天智?お前喋れたのかよ。ってあ~あれか。学校じゃ喋んなよ。)
『はいはい。』
「あー思い出した。別にいいよ。」
別についでだったからどうでもよかった。
その意を込めて言った。
「じゃあな。」
俺は言って歩き出した。
だというのに、また呼び止められた。
「あ?転入生っつのは手前か?」
不良が多い学校だったこともあり、がらの悪い奴に捕まった。
だが、なにをするにも邪魔をされ続けた俺は、喧嘩を売ってくる相手に加減が出来るほど余裕がなかった。
「どいつもこいつもうぜえ……」
「あ?なんか言……」
窓側の壁から破砕音が鳴る。
『あ……………』
「はあ……逃げよ。」
小走りに逃げた。
「どうしよう……」
「あんなすげえのか……」
「見た目より全然強え……」
音々と衛人が言っている。
でも私には別のことしか頭になかった。
(碌にお礼も出来なかった……)
ということだけだった。
明日学校で改めてお礼をしようと決めた。
名前が出た時点で、人の容姿って出した方がいいんですかね?僕には無理です。なのでキャラ紹介の時に書きます。ちなみに転入生来るまで教室待機はリアルでありました。僕の時は五分。では。