ですね。リアルでいたら殴ってます。ではでは~
俺は今、寮に向かっている。
といっても学校にほど近いところにあるため、そこまで歩く必要はない。
俺の生活の本番は、寮での時間だ。
あいつと会って制御する。
それを行うのに必要だった。
特別な場所が。
寮には紫が張った結界が存在する。
霊力や魔力を使う時、大気に浮いてる力、自身の中にある力、それらによって発動される。
霊力や魔力の多い幻想郷なら、その結界はすぐに壊される。
だが、ここなら大気の力は幻想郷よりもはるかに弱い。
なのでここに来る必要はかなりあった。
(ここでもいつ暴れるか分からない。急ごう。)
ここまでの考察を行い、俺はこの世界に戻った。
結界が壊れないかは心配だが、これ以外に方法はない。
なので寮へと出来る限り早く行く。
蝉の声に耳を傾けながら、寮への道を一人歩く。
寮に着いた。
周りには紫が置いていった物が散乱している。
さすがに邪魔なので、少し片付けることにした。
「これくらいでいいか。」
ある程度片付けて終わりにした。
段ボールはかなり減った。
まあ大半は食料だが。
やることも終わったので、当初の目的を行うことにした。
いや、行おうとした。
しかし、突然のインターホンに止められた。
「はあ……」
誰だと思いながら応答する。
「はい。」
「おーいたいた。琴羽~俺だぜ?衛人だぜ?」
誰かはなんとなく分かった。
数学の時間に笑われてた馬鹿だ。
罵ってやろうかと思ったがその前に。
「何で俺の部屋知ってんだ。」
「先生に聞いたに決まってんじゃん。」
飄々と答えてくる。
(あの教師……余計なことを……!)
「あ、二人もいるぜ。」
「こんにちは~!琴羽君~!」
「こ、こんにちは…」
「……はあ…それで何で来たんだよ。」
「引っ越しの手伝い。出来ることねえか?」
「あと、みゆがお礼がしたいって。」
「なっ!」
「出来ることもなにも、今終わったっつの。」
「そ、そうか。」
「まあいいや。とにかく入れよ。そこいられても迷惑だから。」
鍵を開けに扉へ向かう。
「お、おう。」
『お邪魔します…』
三人が入ってくる。
『いいのか?』
(別にいいが、お前は喋るな。)
『分かった分かった。』
「お茶ぐらいは入れるけど、飲んだら帰れよ。」
「少しくらい会話を楽しもうぜ?」
「まあ話すのはいい。でもやることあるんでな。………精々一時間な。」
「おう。」
「大丈夫少し話したいだけだから。」
クラスについて話していたら、丁度一時間くらいが過ぎていた。
「ん…そろそろか。もう一時間経ったぞ。」
「え、あもうそんな時間か。」
「つい話し込んじゃったよ~」
「じゃ、じゃあもう帰るね。」
「え?ちょ、みゆ早いよ!」
「おい!待てよ!」
慌ただしく三人は出て行った。
それを見送って扉を閉める。
「……さて、始めるか。」
霊力を垂れ流す。
あいつに会う方法は二つ。
一つは天智と同じように、向こうが俺に会うことを望むこと。
これなら意識がある状態でも会うことは出来る。
しかし、現状意識がないのとほぼ同じ状態のあいつがそれを望むことは、まずありえない。
故に二つ目の方法しか取ることは出来ない。
二つ、自分の精神空間へ、能力を使って侵入する。
これを行うには天智の協力も必要になる。
天智を中継してあいつの精神空間を強制的にこじ開ける。
意識と霊力を大幅に失うが、確実な方法だった。
だが力が残った状態では、この世界の人間を傷つけられる。
そこで現実の時点で力を使い切ることによって、俺自身が乗っ取られる可能性を消す。
そうすれば後は、自分の力を使って俺を乗っ取るしかない。
それなら、俺を殺すしか方法はなくなる。
故にあいつは必ず俺の前に姿を現す。
そこからが本番だ。
あいつの精神支配権を、完全に奪う。
そうすれば、俺の体を乗っ取る方法は完全になくなる。
どれだけの力を使うか。
どれだけの苦しみを受けるか。
それは向こうも同じ。
「我慢比べといこうぜ……!」
俺とあいつの戦いが、再び始まる。
会話シーン完全カット。ただの会話たらたら流してても長くなるだけですからね。ま~た次は戦闘回ですよ。この二人の殺し合いはあと何回やるんですかね?能力上は天智の力も使える琴羽の方がはるかに強いです。琴羽学校平気ですかね?では。