東方独団記   作:十六夜凜

47 / 66
試練回書きました。獄羅が死ぬって言ってた理由はちゃんと書いてます。まあこれでも甘い方ですよ。いろいろ用事があって投稿出来なくてすみません。試練回二、 三話、もしくはもっと続きます。ではでは~


間章 試練
天界入り


紫に言われて家に帰ってきた直後、俺と天智は話していた。

「天智、能力を抑えることは出来るか?」

『出来るぜ。お前の身体能力はどうにもならないけどな。」

「そうか。能力だけ抑えてくれ。」

『分かった。……なあ琴羽?」

「なんだよ。」

『本当に良かったのか?』

「いいんだよ。敵は紫が抑えてくれる。」

『そうか。………それがお前の選んだ未来なんだな。』

「………………」

『琴羽。』

「なんだ?」

『強く……なりたいか?』

強くなりたいか。

それは天智からすれば聞く必要もないことのはず。

だがこいつはあえて聞いてきた。

「……当たり前だろ。」

『そうか。』

「……………」

『……………』

沈黙が続く。

その中で、天智が先に口を開いた。

『以前、俺の力は天候をも操れるって言ったな。』

「…ああ。」

『…お前も使えるなら、使いたいか?』

その言葉は、俺も出来るということを表していた。

『もしお前が望むなら、それだけの力をお前に与えよう。どうする?』

「力……何で今?」

『お前が成長したからさ。体内にある霊力量、その総量は大妖怪の妖力量にも劣らない。』

つまり成長する以前、霊力の総量が今より少ないときでは、俺が壊れる可能性があったということだ。

力に耐えられずに壊れる。

過去に家族を殺したように。

『そう考えるな。俺が聞いたのは力が欲しいか欲しくないかだ。力を恐れて失うか、力を欲して手に入れるか。さあ、お前はどうしたい?』

(分かりきったこと聞くなよ……)

心の中でそう言うだけでも伝わるが、その決心を言葉にした。

「勿論…寄越せ。」

『……随分と即決だな。その理由は?』

「力が欲しい。ただそれだけのことだ。」

何も壊されることのない、壊すことのない絶対の力が。

『ま、当然だな。そんな力があれば、守れないものはないからな。いいぜ。くれてやるよ。条件付きでな。』

「分かってたよ。その条件は?」

『俺のいた世界に行くことだ。俺と同じ環境で、死んでいけ。』

「……死ねとは随分と過激な言葉だな。…死んでたまるか。生きて、力は貰う。お前のようにはならない。」

『…やっぱり気付いてやがったか。』

「お前の力は、過去に死んで手に入れたものだ。いや、俺と同じく壊れたときのものだ。なら簡単だ。連れてけよ。天界にさ。」

『天界までの予測までたてられるなんてな。行ってきな。お前の能力は、場に出向くことで真価が発揮される。精々足掻け。俺みたいになりたくなけりゃな。』

足場が消える。

自分の体が見える。

『世界を越えることは、特別な能力でもなけりゃ出来ない。俺にさえな。体を奪われたくなけりゃ、とっとと終わらせて帰ってこい。』

その声は、遠くへと消えていった。

 

 

 

 

気がつけば、俺は見知らぬ場所にいた。

元の世界でも、幻想郷でもない。

しかし普通の人がいて、普通の空がある。

芝生に転がって上を見上げている。

体を起こした。

辺りを見ても、俺のいた世界となんら変わりない。

違うのは、俺も含めて全ての人間が、神力を持っていること。

(ここは化物の巣か?俺もだけど…)

「ん?お前、そんなとこでどうしたんだ?」

他より少し神力の強い青年が話しかけてきた。

「……別に。」

俺は無視して行こうとした。

「そんな神力を持つ奴が、何もないのにこんなとこで寝てると?」

「!?……お前……」

「俺は天宮光司(あまみや こうじ)。お前は?」

「……宮代琴羽。」

警戒を解かずに睨み付ける。

「そう睨むなよ。戦うのは苦手なんだ。それに神力の把握は俺や他、数人程度しか出来る奴はいない。」

「……俺には出来るのにか?」

「神力の量によっては更に数人は出来るかもしれないが、この場にいる人の中では俺にしか出来ない。」

確かに天宮程神力がある奴はいない。

神力の量はここでは重要なものなのだろう。

実際天宮は、最初にそんなようなことを言った。

「なあ、少し話さないか?俺よりも大きい神力を見たのは、まだ二度目なんだ。どうせなら家でさ。」

「……まあやることもないし、聞きたいこともある。」

ここについて俺は何も知らない。

情報を集めることはこの場においては正解だろう。

「よかった!じゃ付いてきてくれ。」

天宮は俺を先導して歩いていく。

それに俺も付いていく。

 

 

 

 

一つの大きい家の前で、天宮は足を止めた。

「ここが俺の家だ。」

神力の量がここでは重要。

それを裏付けるように、周りよりも一際大きい屋敷だった。

「ま遠慮なく入れよ。」

「……邪魔する。」

「そんな硬くなるなよ。友達の家に来た。そんな感じで接してくれ。」

「……………」

(友達……)

俺は元の世界でそう言える人を皆殺した。

それからは、ただの一度も友達なんていなかった。

霊夢や魔理沙も………

「…………」

「?どした?」

「……いや…なんでもない。」

「……?」

 

 

 

 

奥に行くほどその屋敷の広さに改めて驚く。

一つの部屋の前で、俺達は足を止めた。

「ここ俺の子供の部屋でさ。女房に琴羽のこと話してくるから、その間遊び相手にでもなってくれないか?」

「……は?」

「いや…あの子割と引っ込み思案で、友達いねえんだよ。話し相手もいなくて、あまり俺も構ってやれないし……だから頼む!少しの間でいいから!」

頭を下げて頼まれる。

断る理由もないので承諾することにした。

「それでここに連れてきたのか。表札掛かってるし、明らかに子供部屋だったから疑問には思ったが…別にいいよ、そんぐらい。とっとと行ってこい。」

「……!ありがとう!じゃ、すぐ戻るから!」

「はいはい。」

天宮は走り去っていった。

ノックをしようとして一瞬手を止める。

(相手は子供だし別に……いや、一応しとこう。)

軽く戸を叩いた。

「……お父さんのお友達?」

声がかえってきた。

天宮の声が大きかったから、聞こえていたのだろう。

「……まあ一応な。入っていいか?」

「……………どうぞ。」

入れていいか考えていたみたいだが、一応入れてくれるようだ。

俺は引き戸を開けて部屋に入った。

 

 




数日飛ばしで終わらせる。最初からその予定です。どうせほとんど天宮との暮らしの描写で終わりますし、試練っぽいのは最後だけです。勿論戦闘もあります。ほのぼのでは終わらせませんよ。では。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定
▲ページの一番上に飛ぶ  X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。