東方独団記   作:十六夜凜

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祭りが近いよわーいわい!なんて思えた小二くらいまでが懐かしい。ただの学園祭でここまで気が滅入るとは……体育祭では倒れそう。高校生はそんな風に思う人は多いでしょう知らないけど。さてと……この回の話、ぶっちゃけるとただの準備回です。既にお分かりでしょうね。はい!テンプレです!それと現代に琴羽がいるからって宇佐見とマエリベリーが出ると期待しないで下さい。登場は今ではありません!出す予定もないのでこの二人のファンならすみません。でも出せたら出します。
長々とすみません。ではでは~


第五十五話 百鬼夜行

弱くなった。

そう獄羅に言われてから、さらに三日が経った。

自分の何が駄目なのか。

どうすればいいのか。

何も分からないまま過ごした。

だからこそ今、俺は何も出来ずにいる。

襲われる人を助けられず、下等な妖怪に負け、囲まれている。

こんな事態になって初めて気付いた。

自分が愚かだったという現実に……

 

 

 

 

数時間前

 

いつものように教室に着いた俺は、いつものように自分の席で、無言で過ごしていた。

戦いに備えて英気を養う。

空想の物語ではよくある話だ。

しかし実際に自分がやるとは思ってなかった。

そんな日を過ごしていた。

その日の昼頃、突然騒ぎ始める者がいた。

騒ぐだけなら学生にはよくある話だ。

特に馬鹿なことばかりする問題児とかは。

だがこの時の騒ぎ方は異常だった。

 

 

 

 

 

「うあああ!」

「何!?どうしたの!?」

「押さえろ!早く!」

机が宙を舞い、狂人のような咆哮が教室に鳴り響く。

『があああぁぁあああ!』

「ぐっ!先生呼んでこい!救急車も!」

「わ、分かったわ!」

流石に騒々し過ぎるので、意識をそちらに向けた。

「かは……」

その時、ロッカーに叩きつけられた奴を見た。

そのまま意識を失ったのかロッカーにもたれかかる。

暴れている男子生徒は、五人に押さえられながらも暴れ続けている。

 

『うわあああ!』

 

『きゃあああ!』

 

同タイミングで廊下からも叫び声があがる。

どうやら暴れているのはこいつだけではないようだ。

俺が無感情にそれらを見ていると、校内放送が流れた。

『校内の生徒の約一割ですが、暴れている生徒がいます!正常な生徒は全員、グラウンドに避難してください!』

その放送を聞いて、何人かが走りだした。

「女子から行かせろ!男子は少しでも時間を稼げ!」

クラスの学級委員が皆に指示を出す。

女子が全員行った後、男子も教室から次々と出ていく。

「琴羽、何してる!行くぞ!」

学級委員に手を引かれる。

(何が起きてる?天智。)

『分からない。でも気を付けた方がいい。妖力を感じる。暴れてるのは生徒だけじゃないかもしれない。』

「………離してくれ。」

「!?」

俺は手を振りほどき、立ち止まった。

『琴羽?まさか……』

(戦いにいくに決まってるだろ。俺以外に誰が戦える。)

『………今のお前じゃ、全部の処理なんて無理だぞ。』

(…そうか。)

天智との会話を切り、皆とは逆に走りだす。

「琴羽!どこに行くんだ!琴羽ー!」

 

 

 

 

暴徒と化した生徒を殴り、締め上げ、叩きつけ、俺は目についた全員を気絶させていた。

「…多いな。」

そんななか出た感想はこれである。

妖怪ならいざ知らず、人間なんて今更相手にもならない。

そのために学校の生徒の鎮圧にはそう時間はかからなかった。

学校の、は――

 

 

 

 

ふと外を見ると、襲われてる人が目についた。

すぐに飛び降り、襲われている人のところまで走った。

(この騒ぎ、外まで広がってるのか!?)

『妖怪の気配が近い。来るぞ!』

「雷槍!」

なりふり構っている暇ではない。

能力が見られる心配もせず、俺は雷の槍を手に顕現した。

その槍は、次々来る妖怪を殴り、あるいは貫き、妖怪達を無力化していった。

「…ありがとう…」

その男性は目の前の現実に恐怖しながら、感謝の言葉を言った。

俺は構わず走りだした。

 

 

 

 

 

「ふっ!」

背後から妖怪を裂く。

気付き襲ってきた四体をさらに裂く。

自分の甘さを痛感しながらも、俺が倒した妖怪に死者は出ていない。

一体残った妖怪は、必死に命乞いをしている。

その妖怪を裂かない理由は、妖怪の出所を知るためだった。

「お前らがどっから来たのか。とっとと吐け。」

「わ、分かった!教える!だから助けてくれ!」

みっともない。

そんなことを思った。

「……早くしろ。」

俺はその姿を長く見ているのも馬鹿らしいと思い、早く教えるよう催促した。

「こっから向こうに2kmぐらい、そこに門が開いてる!理由なんて知らない!これ以上は何も知らない!」

どうやらその辺の下等妖怪にそこまでは教えられてないようだ。

(門……これ以上出られないように塞ぐか?それとも壊すか?……どっちでもいい。向かおう。)

そいつが人を襲えないよう足を一本落とした。

直後、能力による光速で走った。

 

 

 

 

門と呼ばれたものの場所に着いた。

まるで空間が裂かれたようなもの。

妖怪の出所はここで間違いなかった。

見たところ妖怪は二十程度しかいない。

(あの程度なら……)

俺は能力を発動した。

せいぜい麻痺する程度の雷咆を、妖怪全てを飲み込む範囲で放った。

『があああぁぁ!』

狙いは成功し、そこにいた妖怪を全員無力化した。

何体かは気絶しているが、死者はいないようだ。

(後はあれを……)

その考えは途中で切り替わった。

 

『オオオオーーーン』

 

遠くの方で遠吠えが聞こえた。

そしてその方角は――学校。

そこで俺は、妖怪の本能とさえ言えるある習性を思い出した。

食人という妖怪の嫌われる要因。

恐怖の対象となる原因。

意思を持つことさえ出来なかった下等妖怪には、それ以外の感情はない。

ならばそういう妖怪はどこへ行く?

その答えは至極単純。

人間の多い場所へ向かう。

一ヶ所に固まってるなら尚更だ。

門を破壊する暇もなく、俺は一つ罠を張るだけでその場から離れた。

 

 




次の回若干グロ描写あるかもしれません。相変わらず時間はないですけど、三連休ですしもう一話ぐらいは出します。これは確実です。では。
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