すいません使徒違いです・使徒とAKUMA 作:GAIAGUL
でもせめて名作とはいわずともよくしたい!
友<だったら他の作品書いて練習すればいいだろ!
俺<それだ!
ある仮想19世紀末の夜、イタリアの路地を一人の女が歩いていた。
その女はアジア系の顔立ちで見た所20代の背丈がやや高めの美女。
他にはこれと言った特徴が無い…と言うにはかなり無理のある変わった外観をしていた。
目を引くのは薄暗闇の中でもはっきりとわかる青い髪、消しゴムの表面のような白い肌。この時代どの国を巡ってみても目につく風貌である。
しかしそれより妙なのは顔や髪だけでは無い。彼女の着ている服は左胸の十字架を中心とした十字教的装飾のついた真っ黒のフードつきのコート。
この時代において一目でただならぬ存在、不審者と断定される格好で彼女は路地を歩く。
その前方から一人の男が歩いてくる。どこにでもいそうな中年の男性。
女は正面から歩いてくる男に気付き、少し右にずれる。男は会釈しつつそのまま歩く。
すれ違うまで10m、9m、8m。
どんどん距離が縮まっていく。
あと4m、3、2、1ーーーー
男と女の距離がちょうど1メートルになった時、異変は起きた。
男がいきなり止まった、いや弾かれたのである。壁にぶつかったかのように体全体が跳ね飛ばされた。
同時に妙な音も鳴る。その音を聞き、女がコートに包まれた腕を男へまっすぐ伸ばす。
「!? 何--」
どうやら顔を強かに打ち付けたらしい男が鼻を押さえ疑問の声を上げた瞬間、
女の伸ばした腕の先。広げた手のひらから、
辺りの闇を照らし、取り除くような光を放つ杭が飛び出した。
光の槍は延長線上にある男の首に直撃し、きれいにもぎ取った。
スバキュン、と小気味良い音と共に首が宙を舞い、ガン!と音を立てに落下する。
残った身体から、一拍遅れて血が噴き出る。噴水もかくやといった勢いである。
噴き出た血は辺り一面に撒き散らされる。当然近距離にいる女自体にもかかるはずなのだが、目の前にガラスでもあるかのように返り血は空中に張り付く。
そしてその血の一滴が、傍にあった雑草にぽたりと落ちる。そして瞬く間にペンタクルが表皮を覆い尽くし雑草は灰になった。
ペンタクルに覆われたのは雑草だけでは無かった。よく見ると血のかかった地面もである。
「…AKUMA、か、一体だけでは無いんだろうなあ」
男のむき出しになった首の中、今は活動を停止した大量の歯車と吹き出す毒ガスを見て澄んだ声と可憐な外見に似合わない言葉遣いで女は呟く。
AKUMA
千年伯爵が造りし魂を縛りつけ動く悪性兵器。現代兵器では倒せない物。悲劇から生み出されるモノ。それは人に化け、人と暮らし、人を殺す。そして進化しより強くなり、より上手く擬態し、より殺す。
そうして悲劇は生まれ、連鎖し、新たなAKUMAを生み出す。
「雑魚だがかなり人間に近く擬態できるようになってるな…進化間近のレベル1ってところか。こういうのの周りにはよく戦闘力の高いレべル2がいるんたが…」
周囲を見回しそう呟くが、他のAKUMAが襲ってくる気配はない。街は静寂を保ったままである。
「…ただのはぐれか。早くお使いすましちゃおっと」
そう決めつけ歩き始める女の頭を、離れた屋根の上から見ていたモノがいた。
「たかがレベル1を瞬殺して調子乗ってんじゃないよぉ、エクソシストちゃぁ~ん★」
レベル2のアクマ。
アクマは人を殺すことで進化する。初期の骸骨形やボール形のアクマ、つまりレベル1が進化して自我が芽生えた状態。戦闘能力はレベル1とは比べ物にならない程強化されており、固有の特殊能力も存在している。
遠巻きから先ほどの流れを一部始終眺めていたレベル2はそう呟き、AKUMAの血が詰まった弾丸を発射する。
AKUMAの血、オイルには極めて毒性の高いウイルスが入っており、生物の体内に侵入すると同時に侵食し、灰に変えてしまう。
そのかすっただけで人を殺す弾丸が、今、少女めがけて撃ち出された。
AKUMAと女は今、射線は通っていない。
しかしこのAKUMAはロックした目標を自動追尾する弾丸を撃てるという特殊能力を持っていた。
致死性の高すぎる弾丸にこの能力。
女を仕留めたと確信したAKUMAは内心小躍りする。エクソシストを仕留めたAKUMAは製造者である千年伯爵に褒められる。それは彼らにとっては、人間にとって神からの祝福をもらえることに等しい。
そして弾丸が女に
突き刺さらない。
辺りに妙な音が鳴り響く。
弾丸が少女の1m手前で急停止する。
弾丸を中心に八角形のオレンジ色のラインが波紋状に広がる。
「ニャッ!?」
思わず立ち上がり大声を出してしまう。勢いをなくした弾丸が落ちた。
エクソシスト、つまり女が凄まじい勢いで体ごと振り返る。
右手で顔を隠し、左手でAKUMAを指差し、言い放つ。
「AKUMA!きさま!見ているなッ!」
同時にフードに隠れていた女の赤眼が光り、何かが歪むような妙な音が響く。
(何か来るッ!?)
とっさにそこを移動する。保険に用意しておいた自分の陰にいたレベル1が露わになる
。
球型の体に大量の砲身をつけたせいでウニにも見えなくないそれは次の瞬間、十字型の爆風と共に消滅した。
「クソッ!遠距離攻撃かよ!楽に殺せねえ!こうなりゃ手柄独り占めは無理か、出てこいレベル1ども!」
レベル2の号令と共に民家の向こう側から、路地裏から、AKUMAがいたるところから湧き出てくる。
「…うわーお、こんなに見えない近いところにいたのか。ほんとこわいなAKUMA」
「一斉攻撃だ!撃ちまくれ!」
AKUMA達の砲身が一斉に火を噴く、同時女はフードを取り己のスイッチを切り替える。
砲音の響く中、仕留めた!そう確信したレベル2の目に映った光景は。
「こんな眠っちまいそうな攻撃でこのアタシが倒せるかァーーーッ!!」
すべての攻撃を先の謎の壁ではじく女の姿だった。
「wryyyyyyyyyyyy!!!」
そして一際大きく叫び、眼が光り、正面のレベル1が十字の爆風に呑まれる。
人間には到底倒せない兵器たちは呆気なく爆発し、爆発の連鎖が起きる。
女は眼を連続的に光らせながら周囲を一瞥、同時に取り囲んでいたレベル1が呆気なく爆発していく。
「こんのクソエクソシストがァ!」
レベル2が女めがけて駆け出した。
遠距離攻撃特化なら近接に弱い、強化された腕の一撃なら壁を破壊できると判断してのことだった。
湧き続けるレベル1撃破のため周囲を舐め回すように見ていた女の死角を突く。
AKUMAは腕をハンマー状に変形させ、振りかぶる。既に回避不可能な距離に来た。
「クタバレエエエエエ!」
奇声と共に振り下ろされたそれは実に、実に呆気なく簡単に壁に弾かれた。
バキュィン、と辺りに響くのはその音だけ。周辺のAKUMAは既に全て撃破されていた。
「…ち、クショウ、ナンダアコレ!」
「…お前で28体目、恐れるな、壊れる時間が来ただけだ」
ゆっくりと振り向く女の眼は蓄えていた光を撃ち放った。
路地いっぱいを光が塗りつぶしレベル2を消し飛ばす。
一定距離進んだ光は左右の路地まで広がる。
上から見たその光景は、まるで大きな十字架のよう。
「…ふぅ」
AKUMA一体いなくなった道で女、エクソシストは息をつき
「気分いいぜぃ、満足満足」
何事もなかったかのように歩き始める。
「…無駄にテンション上げた感あるけど、この程度なら弟弟子でもそろそろできるかな?」
黒歴史を黒歴史で塗りつぶしていくスタイル