すいません使徒違いです・使徒とAKUMA 作:GAIAGUL
第二話 渚シト
私の話をしよう
私は前世の記憶を持っている
全てでは無い 断片的なものだ
恐らく前世の私にとっての優先順位によって知識は残っているのだろう
私は深い後悔をしている
前世の私に怒りを感じている
どうやら私はかなり根暗なヤツだっだようだ。
勿論心の芯から暗かったわけでは無い
ただ人前では恥ずかしがって本当の自分を出せないだけだった
その結果 ノリが悪いヤツとして扱われ 友達は出来にくく
ネットで知り合った話の合う顔も知らない友人とアニメなどの話で盛り上がったり
某ニコ×2動画サイト様に投稿された動画を閲覧したり
しか出来なかったオタクになっていたようだ
そんな前世の私に対する言葉は
もっと
なぜもっと
弾けなかったのか!
なぜもっと周りの人間と触れ合わなかったのか!
なぜリアルが充実してないまま人生半ばで終えたのか…
そんな前世の記憶を持った私はつまりチャンスを得た者
前世なので今の私とは違う私だが
二度目の人生を送れるという訳だ。
惨めな前世のような人生を送るものか
繰り返してなるものか
何をする?
ーーーー何が始まるんです?
ーーーー第三次大せ、
いやいや違う
当然、出来なかった事をやり尽くすまで
とことん悔いなく人生力を出し切ってやる
カッコよかろうが悪かろうが関係ない
自分が満足できればよかろうなのだ
ただ、ここで二つ問題が有った
一つ、ここが19世紀である事。21世紀のアニメ漬けでMAD大好きな記憶を持った私には殆ど活かせるものが無いのである。
もう一つ、アニメ…つまり創作物大好きな私が生きるこの世界自体が『D.グレイマン』という創作物である事
そして…私が知っているDグレの知識が1巻までしか無い事だ
…あら?3つかなこれは?
…まぁいいやる事は変わらん。難易度が変わっただけ、要するに
私こと渚シトの…
俺の満足はここからだ!
…ネタが通じる人が居ないってなんかさびしいよね。外国行った人とかこんな感じなのかな?私の場合時代とか次元の問題なんだが。
ねぇ今どんな気持ち?ねぇねぇ今どんな気持ち私?NDK?NDK?
…やめようむなしいってレベルじゃない
でも周りの奴らには伝わらなくても使ってやろう
そう、全ては己が満足のため
☆
「…来るの?」
「…ええ、2日前ゴーレムの入電が入りました。今日だそうです」
「…何故すぐに伝えなかったんだい?」
「室長戻ったの今朝じゃないですか」
全方位が断崖絶壁。その奇妙な塔のような地形の上には全体的に暗い塔、いや城が立っていた。
黒の教団本部。千年伯爵と敵対した者たちやアクマを破壊出来るエクソシスト達の本部である。
その本部の科学班の権威[室長]であるコムイ・リーは科学班班長のリーバーと極秘の話合いをしていた。
「なぜ急に?」
「…詳しくはこのゴーレムに録音してある会話記録をどうぞ」
重い空気に包まれた部屋の中、コムイはリーバーから差し出されたゴーレムを受け取る。
ゴーレムとは教団の科学班が制作した通信用の機械…空飛ぶ携帯電話と考えて欲しい
コムイはそれに手を掛け起動させようとして…やめた
「彼女は何と言ってたんだい?要約して伝えてくれ。内容は聞いていたんだろう?」
その場でゴーレムから流れる音を聞けばいいのに、あえてリーバーから聞こうとするコムイはゴーレムを机の端に置く
「…室長、気持ちはわかりますが逃げちゃダメですよ。では僕は仕事があるのでここで」
ゴーレムを机の中心に置き直し逃げるように退出し始めるリーバー
「待ってリーバー君!なぜそんな急に逃げるんだい!?一人にしないで!」
「嫌ですよこんなふざけた危険な通信また聞くの!耐えられる自信ないですもん!」
「ちょっと待って危険ってなに?!君はそんな物僕に聞かせようとしてたの⁉」
どうやら二人は通信が聞きたくないだけのようである
「そんな事言うリーバー君にはコムビタンE飲ましちゃうぞ!ちょうど実験体も居なかった事だし!」
「またなんか作ったんですか!?Dで懲りてくださいよ!わかりましたからその注射器しまってください!」
アホな会話を真面目にしていた二人は腹を決めたようで、ゴーレムに恐る恐る触れる。
そしてスイッチを入れた瞬間!
『三分間待ってやる!!』
……………
…リーバー君、これは?
コムイが視線で語り掛ける
…三分間待って下さい室長
視線で返すリーバー
三分が経った
『時間だ、通信してやろう!どうもコンバンワリーバー班長!元気にパシられてるかなぁ〜ん?徹夜しまくってるかなぁ〜ん?室長は元気にサボってるかなあ〜ん?…フワーッハッハッハッハァーー!ハーーーッ!おえっぷ』
聞こえてきたのは清涼な声に似つかわしくないあからさまな挑発と下劣な笑い声
『ちょっと用事有るからから帰ってやるゥーーーッ!!!てことを伝えるよォ?理解してねぇーーッ!!!ついでにいい酒を用意しておくんだな!』
『あと帰り際にアクマ退治ついでに街の一部崩壊させちゃった!顔も見られちゃったァン!後片付けよろしく!じゃあまた二日後にでも〜』
ブツ、と音を立てて通信が途切れる
後に残ったのは怒りを抑えるリーバーと頭を抱えるコムイ。
「ほんと…こいつ…女…女って何?」
「街の一部崩壊…何してくれちゃってんの…何回目なの…教団の経費も無限じゃないんだよ?」
頭の中で弁償金に関する計算式をくみたてるコムイと何故か書類を盾のように構えるリーバー
『PS.このゴーレムは一度目の通信終了後25秒で爆発する!とか言ってる間に23秒が経ってしまったぁwww』
え、と固まるコムイを無視し通信用ゴーレムが---
その日、室長室からは爆発音と怒り狂う男性二名の声が聞こえたとか。
ちなみに先日は科学版から怒声が響いていた
☆
黒の教団本部がそびえる崖の壁面…
青い髪をし、妙な造形のお面を着け、大きな袋を担いだヒトが歩いていた
★
デデンデンデデン…デデンデンデデン…
テレーレー、レーレーレー…
シュワちゃんの代表作とも呼べる某未来系ロボ映画のBGMを垂れ流しつつ崖を登る。2が一番好き。
でもニコ×2的にはコマンドーが1番だな
登ると言うか壁面を歩く。某石仮面系吸血鬼のように足をめり込ませて落ちないように歩く。
勿論ただの人間にこんな芸当出来るはずはない。
重力は私のイノセンスから来る[ATフィールド]でカットしている。
そんな事出来るかって?最初私も思ったよ。だが新劇のサハクィエルは強靭なATフィールドをもってして光を遮っていたのだ!
光が遮れて重力ごときが遮れんはずが無い!という理論でやってみたら出来た。
それにしても長い崖面。一般人なら落ちたら確実に死ぬだろこれ。
…気を抜いて落下したらまた最初からやり直しだ。
振り向いて下を見る。そこには小さく見えるが実際には大きく深い穴が2つ。つまり2回落ちた痕跡がある。
イノセンスが無かったら即死だった…
ZITYOU?何それ?食えんの?
それにしてもやっとか……長かった……
やっと原作が、始まるのか
まぁ知っている原作が1巻分しか無いから役に立つかと聞かれれば疑問だが。
この世界に生を受けて26年、自我が芽生えて前世があるとわかって20年、Dグレイマンの世界と気付いて17年か…
手にもっている手紙を見る。
先月我が偉大なるイケメン(←ここ重要)師、クロス・マリアン元帥から受け取った手紙だ。
内容は
『コムイへ、近々アレンというガキをそっちに送るのでヨロシクな』といったものだったはずだ。
この手紙を教団まで届けるのが今回のミッション
郵便で届けないのは見られるとまずいとかじゃなくて単に切手を買う金がもったいないかららしい
そのためだけに世界を放浪しつつアクマ退治兼イノセンス&適合者探ししてる私をインドまで呼び出すクロス元帥マジ鬼畜。
でもカッコいいから許す!
ところでさっきATフィールドという単語を放った。これは新世紀エヴァンゲリオンのものであり間違ってもDグレのものでは無い。
では何故放ったか?それは私のイノセンスにある…
でもそれはまたあとで!
立ち止まり、顔に着けていたお面を取る。
その面は真っ白で、所々小さなヒビが入っている。ぱっと見て骸骨にも見えなくは無い。
これは私自作のお面。私しか元ネタがわからないエヴァンゲリオンのお面。
サキエルのお面だ。
石仮面じゃない。
血を付けても針なんか出ません。
顔全体にかぶせるのではなく頭に引っ掛けるように斜めに着ける。
懐から手鏡を取り出し、顔を見る。
そこには私が好んで見ていたらしい(らしいというのは前世なので詳しくはわからないから)新世紀エヴァンゲリオンの零号機パイロット、綾波レイver26の顔が有った。
相変わらず我ながら美人…
某社長風に言うならふつくしい…だ。ブルー小娘!
丁度髪が青く白いし。
あ、でも綾波レイはレッドアイズか。凡骨じゃん!
もう見ることができないであろうニコ×2のmadが懐かしい…この願望は叶う事は無いだろうが想わずにはいられん。
とか考えている間に崖の終わりが見えてきた。この言い方絶対変だよね。
どうでもいいがさっきからゴーレムが周りを飛び交いジロジロ見てくる。
たぶん警戒してるんだろうなぁ、最近特に物騒だし。アクマの動きが活発になってレベル2が増えてきたからかな?
もしくはまた教団にクロス元帥のツケ押し付けに寄ってすぐ逃げるだけとか思われてんのかな?何回かやってるし。だとしたら麻酔や縄に手錠が用意されてんだろう。
まぁ捕まるヘボはしない。私は逃げる!
こいよコムイ、銃なんて捨ててかかって来い!
ゴーレムに袋から大瓶のウイスキーを取り出しラッパ飲みする様を見せつけながら私は崖を歩く。
☆
渚シト帰還の知らせを受け急いで駆けつけたリーバーの第一声は
「…相変わらず人間離れしたことばっかすんなあいつ…」
リーバーの呟きは、その場でゴーレムから送られてきた映像を観ていた全員の言葉を代弁していた。
「壁歩きに度数の高いウイスキー大瓶の一気飲み。見ていて吐き気がしますよ」
「普通の事してマトモに喋れば凄い美人なのにな…」
結構な失言を言われてしまっているがすべて正しいのがまた何とも言えない
彼女は、渚シトは変人だ。
まずしょっちゅう一人称が変わる。
基本的には私、だが他にも俺、僕、我、ミーとキリが無い。
教団内での彼女の印象は実力が高く、変り種の多いイノセンスの中でも飛び切り自由度が高いイノセンス所持者、教団一の変わり者、変態、死ね。など散々だった。
画面の中の渚シトはいつもの通り奇怪な行動をとっていた
壁を登り切ったと思ったらバク転で門まで移動し何か深呼吸している
そして
『教団よ…』
「ん?」
科学班の皆が注目する
『私は…』
「なんだ?」
「なんだお!?」
『わたしは…帰ってきたああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ-』ブッ
「…ゴーレムからの通信が途切れました」
「あまりの声量にゴーレムが壊れたんだな」
「本当なんなんだよあのバカ…」
口々に感想を言い合う科学班。そこに
「ウルセェェエエ!!!!」
付近のゴーレムを破壊する声を間近で聞いた門番の叫びが加わった。